コンタクトセンターにとってチャットボットが重要な理由
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- チャットボットの価値を理解する。
- Einstein Bots によって、どのようにカスタマーサービスの拡張性がもたらされ、生産性が向上するかを確認する。
ボットの定義
皆さんは、気づいていないかもしれませんが、おそらくすでにボットには馴染みがあることでしょう。Siri や Alexa を使用したことがあれば、ボットを使用したことになります。ボットは、標準的な作業を自動化するアプリケーションです。Siri に道順を尋ねると、ボットは、ユーザーの音声コマンドを使用して、以前はユーザーがナビゲーション Web サイトに目的地を入力して自分で行っていた作業を実行します。
ボットに関して新しいことは、カスタマーサービスなどの多くの場所で使用されるようになったことです。この単元では、コンタクトセンターでチャットボットを使用して、エージェントが関与することなく、よくある要求を自動的に解決したり、エージェントにシームレスに引継ぐために顧客情報を収集して評価したりする方法を学習します。
ボットが重要である理由
チャットボットは、エージェントが貴重な時間を費やしている、よくある簡単に解決できる問題を処理するためにあります。それによって、エージェントは、価値が高く複雑で人間による作業を必要とする問題に集中できるようになります。同時に、顧客は一般的な問題に対する答えを簡単にすばやく見つけることができます。
技術的には、ボットはユーザーが音声またはテキストによって発言したときに、会話を行うことができる単なるコンピュータープログラムです。けれども、チャットボットはそれだけのものではありません。
- チャットボットは、サポート問題を早く解決する競争における味方です。多くのやりとりを必要としない顧客要求を解決し、複雑な問い合わせはシームレスに引き継ぐことができます。
- チャットボットは、一般的な顧客の問題に対応します。顧客がすぐに自分で行動し、「待ち行列に並ぶ」ことなく一般的な問題を解決するのを支援します。
- チャットボットはチャット時間を削減します (そして、費用を節約できます)。問題がより複雑な場合は、CRM に接続されたチャットボットが顧客情報を収集して評価し、エージェントにシームレスに引き継ぐことによって、処理時間が削減され、顧客満足度が向上します。
- 最も重要なのは、チャットボットは、自然言語理解 (NLU) によって人間の言語を理解してインテリジェントに応答するようにトレーニングできることです。
チャットボットの性格
カスタマーサービスチャットボットは、さまざまな形にプログラムでき、口調までさまざまです。具体的にはボットは、自然に見え、会話の流れについてのユーザーの基本的な期待に応えるようにプログラムできます。そのためには、チャットボットは、会話における人間の行動や好みを反映する必要があります。うまく設計されたチャットボットには次の特性が表されています。
-
率直である。チャットボットは、最初に自分自身がチャットボットであることを示す必要があります。何ができるかを述べ、よくある顧客要求のポップアップメニューによってガイダンスを提供する必要があります。
-
好感が持てる。チャットボットの声と口調は、ブランドを表現するものである必要があります。これは、どのような言葉遣いや絵文字 (使用する場合) を使用するかに影響します。
-
徹底している。チャットボットは、ユーザーに完全な情報を提供し、それを読む時間を与える必要があります。また、画像を提供することで情報をよりわかりやすくすることもできます。
-
反復的である。発生したあらゆる問題に対応できるように、チャットボットは継続的に修正する必要があります。チャットボットは、時間が経つにつれてパフォーマンスが向上するものであり、1 回だけ設定して完了するものではありません。
チャットボットは、顧客データおよびサービスのチャネルやビジネスプロセスと簡単に統合できる必要があります。チャットボットが顧客の懸念を解決できない場合は、エージェントにシームレスに引き継ぐことが重要です。エージェントへのエスカレーションは、チャットボットが提供するナビゲーションツールを使用して顧客が簡単に行える必要があります。
チャットボットが顧客との会話をエージェントに引き継ぐ場合は、顧客がチャットボットとすでに行った会話についてエージェントが感謝の意を示すことをお勧めします。特に、顧客が苛立っているようなときはそれが重要です。たとえば、「チャットボットとお話しいただきありがとうございました。Ted と申します。ここからは、私が引き継ぎます。」などと言います。
Einstein Bots によるサービスの変革
Salesforce のお客様が人工知能の進歩を利用できるように、Einstein Bots が導入されました。Einstein Bots は、AI 搭載の CRM に接続されたチャットボットで、Salesforce プラットフォーム上でネイティブに構築されています。Einstein Bots は、自然言語理解 (NLU) を利用して顧客とやりとりを行い、会話形式で情報を収集および評価し、よくある顧客要求を自動的に解決します。そして、必要な場合には、Einstein Bots はシームレスにエージェントに引き継ぎます。Einstein Bots は Salesforce プラットフォーム上にネイティブに構築されるため、CRM データおよびサービスチャネルと事前統合済みで、直感的なユーザーインターフェースを標準搭載しています。
Einstein Bots は、Einstein ボットビルダーを使用して簡単に設定してリリースすることができます。Einstein ボットビルダーは、独自のチャットボットを設計できるポイント & クリック設定ツールです。また、ボットビルダーを使用して Einstein Bots を既存のビジネスプロセスに接続 (下記の例を参照) することも簡単にでき、Einstein Bots がエージェントに代わってアクションを自動的に開始または完了できます。
Einstein Bots の強力な NLU 機能は、顧客の要求を識別および理解し、会話形式で応答するために役立ちます。顧客は、1 回のクリックで会話を開始でき、メニューオプションによるガイド付き環境を使用できます。これらのメニュー駆動のオプションは、チャットボットの機能をわかりやすく提示し、直ちによくある要求を表示するかエージェントに転送するための効果的な方法です。
ボットはもはや想像される遠い未来の話ではありません。サービス業務とカスタマーエクスペリエンスを改善するために、着実に働いています。ビジネスの世界でどこを見ても、ボットは会社が顧客とやりとりする方法を変え始めています。問題は、顧客やエージェントにどのようなエクスペリエンスを提供することを目指すかということです。
Einstein Bots によって、すべてのカスタマーサービス組織は AI を使用してサポートを拡張し、よくある顧客要求を自動的に解決し、処理時間を削減できるため、エージェントは最も得意なこと、つまり人間による作業を必要とする顧客問題の解決に集中できます。その結果、顧客は満足し、エージェントは強化され、コンタクトセンターの効率が向上します。
リソース