承認ワークフローについて学ぶ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ビジネスルールエンジンの 2 つの主要な要素を挙げる。
- エンタイトルメントプロセスを作成する。
- 申込承認時間の目標を追跡するマイルストーンを設定する。
ビジネスルールエンジンを使用して決定を自動化する
ビジネスルールエンジンは、計算を実行して複雑なポリシーベースのルールを自動化する一連のサービス、コンポーネント、オブジェクトで構成されます。Tishon はビジネスライセンスを使用して、コード不要のドラッグアンドドロップインターフェースでルールを作成、テスト、実行します。ビジネスルールエンジンを使用すれば、申込者が失業保険、小規模企業向け融資、ビジネスライセンス、その他のプログラムやサービスの対象資格を持つかどうかをすばやく簡単に判断できます。ビジネスルールエンジンは、決定マトリックスと式セットという 2 つの主要な要素で構成されます。
決定マトリックスは、指定した入力列と出力列で構成されるルックアップテーブルの種別です。マトリックスを使用して、複雑なルールを体系的に読みやすい方法で実装します。決定マトリックスの条件は簡単に変更できるため、絶えず変更されるルールやポリシーに対応することができます。
この例では、Tishon は申込者がサロンに置く椅子の数を入力値、椅子 1 台の使用料を出力値として使用します。
式セットでビジネスルールエンジンの計算が行われます。式セットには、論理フロー内でつながった一連のステップがあります。各ステップは、変数、定数、決定マトリックスで構成されています。式セットは、決定マトリックスをコールして入力値と一致するテーブル行を見つけ出し、その行の出力値を返します。
Tishon は式セットで、申込者がサロン施設ライセンスで支払う椅子使用料を計算する数式を CMNoOfChairs 決定マトリックスに追加します。
ビジネスルールを OmniScript、フロー、またはカスタムワークフローに追加して承認プロセスで使用できます。詳細は、Trailhead モジュールの「ビジネスルールエンジン」を参照してください。
エンタイトルメントプロセスを作成する
ここまで公開ポータルで使用するために申込フォームを作成する方法を見てきました。また、ビジネスルールエンジンについても学びました。次は、Tishon がビジネスライセンス申込書の承認プロセスを設定する手順を見ていきましょう。
Tishon が最初に行うのは、申込を承認するために必要なマイルストーンを含め、すべてのステップのタイムラインを作成することです。そのために、申込承認時間の目標を設定してエンタイトルメントプロセスを定義します。
では、Tishon がエンタイトルメントプロセスを定義する手順を見ていきましょう。
- [Setup (設定)] の [Quick Find (クイック検索)] ボックスで [Entitlement Processes (エンタイトルメントプロセス)] を検索して選択します。
-
[New Entitlement Process (新規エンタイトルメントプロセス)] をクリックします。
住民が申込をオンラインで送信すると、公共セクターソリューションによって申込の Salesforce ケースレコードが作成されます。したがって、エンタイトルメントプロセスはケースオブジェクトに基づく必要があります。
- [Entitlement Process Type (エンタイトルメントプロセス種別)] メニューから [Case (ケース)] を選択し、[Next (次へ)] をクリックします。
- [Entitlement Process Name (エンタイトルメントプロセス名)] に
Business License Application
(ビジネスライセンス申込書)、[Description (説明)] にEntitlement process for business license applications.
(ビジネスライセンス申込書のエンタイトルメントプロセス。) と入力します。 -
[有効] を選択します。
- [Advanced Options (検索条件)] を指定します。
- [Case enter the process (ケースはプロセスを開始します)] で [Based on case created date (ケースの作成日に基づく)] を選択します。
- [Case exits the process (ケースはプロセスを終了します)] で [Based on custom criteria (カスタム条件に基づく)] と [criteria are met (条件が一致する)] を選択します。
- [Field (項目)] で [Case: Closed (ケース: クローズフラグ)]、[Operator (演算子)] で [equals (次の文字列と一致する)] を選択し、[Value (値)] に
True
と入力します。
- 作業内容を保存します。
次に Tishon はエンタイトルメントプロセスのマイルストーンを作成します。
マイルストーンを設定した承認タイムラインを作成する
マイルストーンは、承認プロセスで必須の時間ベースのステップ (最初の対応やケース解決時間など) を表します。提出された申込を確認者が正しく時間以内に処理できるように、マイルストーンをエンタイトルメントプロセスに追加します。エンタイトルメントプロセスには、最大 10 個のマイルストーンを設定できます。マイルストーンは、エンタイトルメントプロセス内で 1 回発生、またはエンタイトルメントプロセスが完了するまで繰り返し発生するように設定できます。
Tishon は次の手順で申込承認プロセスのマイルストーンを作成します。
- [Setup (設定)] の [Quick Find (クイック検索)] ボックスで [Milestones (マイルストーン)] を検索して選択します。
-
[新規マイルストーン] をクリックします。
- [Name (名前)] に
Intake Application Review
(受入申込の確認)、[Description (説明)] にTime taken by the first reviewer to verify submitted information.
(提出された情報を最初の確認者が検証するのにかかった時間。) と入力します。 - [繰り返し種別] で、[繰り返しなし] を選択します。
- 作業を保存します。または必要に応じて保存して新しいマイルストーンを作成します。
これで、申込承認時間の目標を追跡するマイルストーンが作成されました。
次に、マイルストーンをエンタイトルメントプロセスに追加します
- [Setup (設定)] の [Quick Find (クイック検索)] ボックスで [Entitlement Processes (エンタイトルメントプロセス)] を検索して選択します。
-
[Business License Application (ビジネスライセンス申込書)] を選択します。
- [Milestone (マイルストーン)] 関連リストで [New (新規)] をクリックします。
- [Milestone Name (マイルストーン名)] で [Intake Application Review (受入申込の確認)] を選択します。
- [Time Trigger (Minutes) (タイムトリガー (分))] に
1440
と入力し、マイルストーンを 1 日で完了することを必須とします。
- [Start Time (開始時刻)] で [Entitlement Process (エンタイトルメントプロセス)] を選択します。
- [Order (順番)] で、マイルストーンが複数ある場合に処理される順序を指定します。(例:
1,2,3.
) プロセスにマイルストーンが 1 つしかない場合は、1
と入力します。
- [Criteria (条件)] で、マイルストーンをいつレコードに適用するかを定義します。この場合は、[Criteria are met (条件が一致する)] を選択し、次の条件を追加します。
- [Field (項目)] で [Case: Type (ケース: 種別)] を選択します。
- [演算子] では、[次の文字列と一致する] を選択します。
- [Value (値)] に
Business
(ビジネス) と入力します。
- 変更を保存します。
また、[マイルストーン] Lightning Web コンポーネントをケースページレイアウトに追加すれば、確認者に申込承認までの残り時間をリアルタイムでカウントダウン表示することもできます。
興味深いですよね。それだけではありません。次は、Tishon が申込承認を合理化するためにパスを設定してキューを作成する手順を説明します。
リソース