サービス向け Agentforce でナレッジを使用する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- サービス向け Agentforce で Agentforce データライブラリをどのように使用するか理解する。
- Agentforce ナレッジと Einstein ボットナレッジの主な違いを説明する。
Trailcast
このモジュールの音声録音をお聞きになりたい場合は、下記のプレーヤーを使用してください。この録音を聞き終わったら、必ず各単元に戻り、リソースを確認して関連付けられている評価を完了してください。
データでグラウンディングされる Agentforce
エージェントが知識ベースから情報を取得し、質問にリアルタイムで回答できればよいと思いませんか? Agentforce ではそれが難なく実現します。
Agentforce データライブラリと記事の回答 (Einstein ボット) の比較
Agentforce データライブラリを追加すれば、提示する応答の正確性が向上し、お客様の信頼が構築されます。データライブラリでは、ナレッジ記事 (レコードと項目)、アップロードされたファイル、ウェブ検索、カスタムリトリーバーがすべてサポートされています。これが大幅な機能改善になるのはなぜでしょうか?
これまで Einstein ボットは、記事の回答を使用した高度に構造化されたデータに依存していたため、ボットがインテントを理解し、ナレッジ記事から情報を取得できるようにトレーニングするために自然言語処理 (NLP) が必要でした。さらに、質問の多様なバリエーションを作成し、各記事内の特定の項目にリンクさせるために、手動で対応付けなければなりませんでした。インデックスを作成して検索できるのは項目にデータが入力されている公開記事のみであったため、回答が対応付けられた項目に限定されていました。その結果、ボットは事前定義された特定の質問にしか応答できず、その範疇を超えることができませんでした。知識ベースの規模によっては、構築に最大 30 分以上かかることもありました。つまり、特別なトレーニングを受けた質問に対して極めて特殊な言い回しでしか答えられない人と会話しているようなものでした。
非構造化データの強味
Agentforce は、Agentforce データライブラリでサポートされている大規模言語モデル (LLM) の高度な機能を活用して、非構造化データを処理します。非構造化データには通常、チャットのトランスクリプト、PDF、音声ファイルや動画ファイル、法的文書、書籍のような大容量テキストファイルなどが含まれます。Salesforce では、Agentforce データライブラリを統合するときに、ナレッジ記事や PDF 添付ファイルからこうしたデータを取得できます。
非構造化データには一貫した形式がありませんが、Agentforce で使用されているような LLM は、この種の情報を難なく処理して検索することができます。つまり、記事や PDF を Agentforce データライブラリにアップロードできるということです。データを取得するために特定の項目を対応付けたり、ナレッジ記事を更新したり、構築されるまで待機したりする必要がありません。最も重要な点は、Agentforce は人間のやり取りを自然に理解するように構築されているため、特定の質問にどのように答えるかトレーニングする必要がないことです。
データライブラリは、グラウンディングと検索拡張生成 (RAG) を使用してナレッジ記事と添付ファイルのインデックスを作成し、最も関連性が高い最新の情報を取得します。Agentforce にデータライブラリを追加すると、Salesforce が RAG を利用したソリューションを自動的に構築し、ナレッジ記事や PDF から非構造化データ (と構造化データ) を取得します。Einstein はこのインデックス化されたデータを使用して、特定のポリシーや情報に照らして応答の事実確認をすぐさま実行できます。つまり、正解を「憶測」することがありません。お客様が質問すると、Agentforce がデータライブラリの関連する情報にアクセスし、自然な会話形式の応答を提示します。
Agentforce Builder では、ユーザーが既存の Agentforce データライブラリを使用するか、新しいライブラリを作成するかを選択できます。注意事項として、データライブラリを設定する前に、Data Cloud を有効にする必要があります。設定し終えたら、ユーザーが添付ファイルをアップロードしたり、既存のナレッジ記事へのリンクを設定したりすることができ、これだけで Agentforce が魔法のごとく機能し始めます。簡単ですよね?
まとめ
サービス向け Agentforce は、AI を使用して非構造化データを効率的に管理して操作するという方法で、サービスエージェントの生産性と有効性を向上させることを目的とします。トピック、アクション、指示を追加すれば、お客様といつどのようにエンゲージすべきか、いつエンゲージすべきでないかをエージェントに指示するガイドラインでタスクが明確に定義されます。サービス向け Agentforce がどのように機能するか理解できたところで、「クイックスタート: Agentforce を使用してサービスエージェントを構築する」で実際に試してみましょう!