従業員向け Agentforce 入門
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 従業員エージェントと顧客向けエージェントを区別する。
- Salesforce と Slack で従業員エージェントを使用する方法を説明する。
このモジュールを始める前に、次の推奨コンテンツを完了することを検討してください。
従業員向け Agentforce とは
あなたの組織には、ビジネスを支える重要な仕事を担う貴重な従業員がいます。ですが、どの職種であっても、従業員の集中力を本来やるべき仕事からそらしてしまうタスクや、複雑なワークフローが付きものです。
そこで、すべての従業員に、賢く、有能で、常に利用できるデジタルの相棒を与えられるとしたらどうでしょう? それを実現できるのが、まさに Agentforce です。このモジュールでは、従業員の日常業務を支援するために特別に設計されたエージェントについて学びます。
エージェントとは
先に進む前に、エージェントとは何か、そしてどのようなことができるのかについて、共通の理解を確認しておきましょう。エージェントとは、生成 AI を使用して作業を実行したり、作業を支援したりするソフトウェアです。質問や要求などの入力をエージェントに与えると、エージェントは何を行う必要があるかを判断します。次に、適切なトピック (実行すべき作業) とアクション (タスク) を選択して、処理を開始します。その後、エージェントは指示に従い、与えられたデータにアクセスして作業を完了します。
これらの指示は、さまざまな種別の要求を処理するための手助けとなるだけでなく、エージェントが目的から逸脱したり、ハルシネーション (誤った情報や誤解を招く情報を事実として提示すること) を起こしたりしないためのガードレールとしても機能します。推論エンジンは、次に何を行うべきか、そしてどのように行うかを判断する Agentforce の中核となる生成 AI です。Agentforce のエージェントは、この Agentforce 推論エンジンを使用します。
従業員エージェントとは
日常的なタスクの一部を引き受けたり、複雑な作業を支援したりして、あなたが本当に重要なことに集中できるようにしてくれる、頼もしいヘルパーチームがいることを想像してみてください。従業員エージェントは、まさにその役割を果たします。顧客とのミーティング前に取引先の要約を作成したり、営業用メールをまとめて作成したり、新入社員のためにラップトップを支給したりと、さまざまなタスクを支援できます。あるいは、近々予定している歯科受診に必要な福利厚生の情報をすばやく確認したり、ラップトップの不具合対応をサポートしたりします。これらのエージェントは、Salesforce、Slack のチャンネルやダイレクトメッセージ、モバイルデバイスなど、あなたが日常的に利用している場所に組み込まれています。
従業員エージェントのしくみ
従業員エージェントには、多くのユースケースに対応するトピックとアクションがあらかじめ設定されています。従業員エージェントは、一般的な FAQ トピックや [Answer Questions with Knowledge (ナレッジを使用して質問に回答)] アクションを使用して、ビジネスのナレッジベースやその他のデータから情報を取得し、正確な回答を返します。Agentforce Builder で従業員エージェントをカスタマイズし、さまざまなユースケースに対応する追加のトピックやアクションを含めることができます。
従業員エージェントには、ユーザー特有のコンテキストもあります。これは、エージェントが支援対象のユーザーとしてログインして、そのユーザーのロールに基づいて、同じ権限と組織のセキュリティ設定に従ってアクションを実行することを意味します。たとえば、マネージャーと従業員は同じエージェントを使用できますが、それぞれのロールで許可されたデータや組織情報の範囲のみが表示されます。これにより、従業員エージェントがセキュリティや信頼の境界を侵害することはありません。
Salesforce システム管理者は、複数の従業員エージェントを設定し、Salesforce、Slack、モバイル全体に展開して、構造化データと非構造化データの両方を使用し、ロールに基づくさまざまなタスクを支援できます。Salesforce と Slack で従業員エージェントを利用する例を示します。
Salesforce
従業員は、使用している Salesforce アプリケーションでエージェントにアクセスできます。たとえば Sales Cloud では、従業員は Agentforce アイコンをクリックしてエージェントのメニューを開き (1)、日常業務のさまざまなタスクについて即座に支援を受けるために、エージェントを切り替えて使用します (2)。

Slack
Slack は、会話、アプリケーション、データを 1 つのコンテキスト豊富なワークスペースに統合し、エージェントがどのチームとも自然に連携できるため、従業員エージェントを展開するのに最適な環境です。すべての従業員は Slack で Agentforce を使用でき、どのチャンネルからでも @メンションするだけで、会話形式でエージェントを呼び出せます。また、Salesforce ID ライセンスを使用すれば、CRM を利用していないユーザーでも、追加の Salesforce ライセンスなしで Slack 上の Agentforce を利用できます。

従業員エージェントのユースケース
従業員エージェントは、ロールに基づくほぼあらゆるタスクを支援できるように設定できます。以下は、Salesforce や Slack で従業員エージェントを展開し、部門を越えて作業を簡素化および自動化する方法の例です。
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人事エージェントは、新しい従業員のオンボーディングをサポートしたり、福利厚生に関する質問に答えたり、キャリア開発を導いたりすることができます。
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IT エージェントは、ヘルプデスクチケットの解決やインシデントコミュニケーションの管理といったタスクを処理できます。
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サービスエージェントは、エキスパートを見つけたり、過去のナレッジを使用したりすることで、従業員が顧客の問題を解決するための手助けをします。
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営業エージェントは、役員向けブリーフィングの準備や、提案書や見積書の作成を支援します。
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マーケティングエージェントは、キャンペーンを改善したり、コンテンツを作成したり、マーケティング計画を作成したりできます。
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法務エージェントは、規制や法律遵守のプロセスを簡素化したり、承認を自動化したりできます。
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商品およびエンジニアリングエージェントは、計画、設計、開発、品質保証業務をサポートできます。
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サプライチェーン管理エージェントは、サプライヤー関係を監督したり、倉庫のタスクを自動化したり、需要予測を改善したりできます。
従業員向け Agentforce の必要性
すでに Agentforce for Sales や Agentforce for Service を導入しているとしたら、 「従業員向け Agentforce は別物なのか?」という疑問を持つことでしょう。その答えは「はい」です。
セールス向け Agentforce やサービス向け Agentforce の機能 (SDR エージェント、Sales Coach、顧客向けエージェントなど) は、それぞれ特定のユースケース向けにすぐ使える形で設計されています。一方、従業員向け Agentforce では、ビジネス特有の社内ニーズに合わせてエージェントをカスタマイズできます。従業員向け Agentforce のエージェントは、各従業員が日常的に使用しているデータや組織設定にアクセスできる、ロールベースの同僚やコラボレーターとして機能するように設定します。これにより、よりパーソナライズされ、コンテキストに即した精度の高いエンゲージメントが実現します。
従業員エージェントの信頼性
従業員エージェントは確実に信頼できます。信頼は Salesforce の中核となる価値観であり、Salesforce が提供するすべての AI ツール、製品、アシスタントに組み込まれています。従業員向け Agentforce のエージェントは、ユーザー特有のコンテキストに加えて Einstein Trust Layer を活用し、追加のガードレールと安全な大規模言語モデル (LLM) ゲートウェイを通して、データや従業員情報が共有されないよう保護します。Einstein Trust Layer のゼロデータ保持ポリシーにより、要求とレスポンスは即座に破棄されるため、機密情報が漏えいする心配はありません。また、AI モニタリングと有害性スコアリングによって不適切な表現が分析、検出され、エージェントが返す回答が安全かつ正確であることを保証します。
自社で従業員エージェントを導入する方法
従業員エージェントは Flex クレジットを消費します。Flex クレジットは使用量に基づく柔軟な課金単位で、会社がすでにライセンスを保有している製品全体で、従業員がエージェントを利用できるようにします。従業員向け Agentforce の利用開始に必要な詳細については、Salesforce のアカウントエグゼクティブが案内します。
まとめ
従業員エージェントは、組織全体の生産性と効率性を高めるための、魅力的で便利な手段です。権限を考慮したこれらの従業員エージェントは、Salesforce、Slack、モバイルデバイスなど、ユーザーが日常的に利用するチャネルに展開でき、エンゲージメントをその場で高めます。Slack で顧客向けエージェントや従業員エージェントを展開する方法の詳細については、「Agentforce 組織を Slack に接続する」モジュールと「Slack にリリースする Agentforce の設定」プロジェクトを参照してください。