エージェントをカスタマイズする
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- エージェントアクションをカスタマイズするさまざまな方法を確認する。
- エージェントアクションをカスタマイズすることの利点を比較する。
Agentforce は、標準の状態でも、データ管理やカスタマーリレーション管理において企業が直面する多くの一般的な課題に対応できます。たとえば、カスタマーからの問い合わせに適切に対応できずにチームが苦労している場合や、定型的な作業にサービス担当の時間が多く奪われている場合などです。あるいは、次のプレゼンテーションに必要なコンテンツを用意したいのに、それを作成する人的リソースが不足している場合にも役に立ちます。顧客との接点の自動化から、主要なステークホルダー向けの会議やドキュメントの要約まで、標準の Agentforce 設定でできることはたくさんあります。ですが、あなたのビジネスに特有の高度なアプリケーションや、エージェントが業務に組み込まれていく中で新たに生まれてくる可能性のあるアプリケーションについてはどうでしょうか。ここで威力を発揮するのがカスタマイズです。
カスタムエージェントアクション
カスタムエージェントアクションを使用すると、エージェントの動作を制御できます。エージェントは、Salesforce 内でアクセス権を与えられているデータを読み取ることはできますが、あらかじめ定義されたエージェントアクションがない限り、レコードを変更することはできません。これらのアクションを設定して組み合わせることで、必要な機能を実現できます。たとえば、ホテルの宿泊客をチェックイン時に出迎えてオプションを提示したり、毎週の会議後に要約したメモを参加者全員に自動送信したりすることが考えられます。プロンプト、フロー、Apex は、エージェントアクションを企業固有のビジネスニーズに合わせて設定するための効果的な手段です。
プロンプト
エージェントには、メールへの返信やサービスケースの管理など、さまざまな一般的な業務に対応するテンプレート形式のプロンプト種別が用意されています。プロンプトビルダーの直感的な UI には、テキスト項目のワンクリックコピーや、必要に応じて完全な応答ではなく解決策のみを生成する機能など、さまざまな機能が備わっています。プロンプトのパフォーマンスを最大限に引き出すには、テンプレートを調整したり、ビジネスで直面する特定のユースケースに合わせて新しいテンプレートを作成したりする必要があります。プロンプトビルダーを使用すれば、デフォルトのプロンプトを簡単に変更して、適切な情報を収集したり、パーソナライズされた応答を提供したり、エージェントがスムーズに機能したりできます。
たとえば、エージェントが顧客に寄り添っていない汎用的な応答を生成している場合は、プロンプトテンプレートを使用して、既存の顧客データを活用してより適切な応答を行うように指示を追加できます。プロンプトを使用すると、状況に応じて変化するコマンドを作成できます。プロンプトには、主に次の 3 つの種別があります。
- 項目生成テンプレートは、取引先などの単一オブジェクトとの連携に適していますが、文脈の追加には限界があります。
- サービスメールテンプレートはケース関連の応答に最適ですが、その用途に限定されます。
- Flex テンプレートは最も柔軟性が高く、複数のオブジェクト、自由テキスト入力、データモデルを使用して、より豊かな応答を可能にします。こうしたテンプレートは簡単な業務にすばやく使用するのには向いていませんが、創造的な思考を含む特定のソリューションが必要な場合には効果的です。
フロー
Agentforce の真の強みは、エージェントがフローを実行できる点にあります。フローは、顧客レコードの変更などの複雑なビジネス業務をユーザーがローコードで実行できるようにするツールです。エージェントが扱いやすいようにフローを作成することもできます。また、Salesforce 上のすべてのデータを使用するのではなく、関連性の高い特定のデータにアクセスするようにエージェントに指示することで、精度を高めることもできます。
Apex
フローやプロンプトによって、エージェントの操作性は大きく向上しますが、それらは自然言語による指示や従来のフローで自動化できる業務に限られます。一方で、大規模言語モデル (LLM) はコードの読み取りと処理も可能であるため、エージェントは Apex の強力な機能も活用できます。Apex をカスタマイズすれば、1 人で高度なアプリケーションをシンプルなエージェントアクションとしてコード化し、他のユーザーが簡単に利用して参照できるようになります。たとえば、最寄りの空港のフライト時刻を確認したり、チームですでに使用している Apex アプリケーションからデータを取得して分析したりといったことも可能です。Apex コードをエージェントアクションに追加すれば、コードに詳しくないチームでもそのアクションを利用できるようになります。
さらに深く学ぶ
プロンプト、フロー、Apex カスタマイズに関する他のバッジを参照し、AI エージェントについての理解をさらに深めましょう。実践を通して、エージェントの活用方法を広げていくことができます。自社のニーズに合わせて最適化されたエージェントの利点をすぐに実感できるでしょう。