申込を設定する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• 公共セクターソリューションの申込の種別とそれぞれの仕組みについて説明する。
  
• 申込を設定する手順を説明する。
  
• 承認プロセスを実装する方法を説明する。
  

公共セクターソリューションの用途を見つける

自治体機関は毎日、ライセンス、許可、プログラム、給付、その他さまざまな公共サービスに関する膨大な数の申込を住民から受け付けて処理しています。従来の方法では、紙の申込書、窓口での手続き、電話対応が必要なワークフローを採用しているため、住民にとっては非常に不便です。また、自治体の職員も大量の書類と煩雑な審査業務に追われることになります。その結果、申込者の待ち時間が長くなり、大きなフラストレーションが生じます。

効率的な申込管理こそが、公共セクターソリューションの核となる重要な要素です。オンラインポータルを通して、住民は機関が提供するサービスを確認し、デジタル申込フォームを記入、送信してサービスを要求できます。

以下は、公開ポータル上の申込フォームの例です。住民はこれを使用して、Cosville 社会福祉局に給付を申し込むことができます。

住民が申込書を送信すると、機関はそれをレビューおよび承認プロセスに回します。レビュー担当者は自動化機能を活用して、申込手数料を迅速に計算し、プログラムの対象資格をチェックして、給付額を決定できます。住民は、レビュー結果が出るまでの間、ポータル上で申込の状況を確認できます。

以下の表は、公共セクターにおけるさまざまなシナリオでの申込の役割を示しています。

公共セクターソリューションには、これらの一般的な申込プロセスをサポートする Omniscript フォームがあります。各要求の処理に必要な情報を収集できるように、これらのフォームをカスタマイズできます。

機関がどのように申込を処理する場合でも、まずいくつかの共通の設定作業を完了する必要があります。

申込のレコードタイプを作成してデータの使用状況を追跡する

公共セクターソリューションには、個人申込とビジネスライセンス申込という 2 つの申込オブジェクトがあります。オブジェクトごとに異なる申込レコードタイプを設定して、特定のサービス、給付、ライセンス、許可の認可に必要な情報を収集できるようにします。次に、各レコードタイプに固有の申込状況、カテゴリ、および承認プロセスを設定します。申込を明確に区別することで、各種の申込がいくつ処理されているかを追跡できます。

この表は、公共セクターソリューションの各機能に関連付けられた申込オブジェクトと、それぞれのオブジェクトに対して作成できるレコードタイプの例を示しています。

これらの公共セクターソリューション機能とは異なり、人材採用管理では申込フォームオブジェクトとガイド付きフローを使用して申込情報を収集します。このガイド付きフローで使用する Omnistudio コンポーネントは、機関の要件に応じてカスタマイズできます。詳細については、Salesforce ヘルプ記事の「求人応募ガイド付きフローの概要」を参照してください。

ビジネスライセンス申込オブジェクトでは、Tishon は先に設定してある認可種別ごとにレコードタイプを作成します。その中には Salon Establishment License (サロン施設ライセンス) も含まれます。

彼女はさらに、Sign Permit (看板設置許可) など、各規制認可タイプに対応する申込のレコードタイプを設定し続けます。

ライセンスや許可など、特定の公共セクターソリューション機能の利用コストは処理する申込の数によって異なります。データ使用量を追跡するために、機関で処理するさまざまな申込レコードタイプの使用量ベースの価格設定ビューを作成してください。詳細については、Salesforce ヘルプ記事の「公共セクターソリューション利用状況追跡の申請レコードタイプの設定」を参照してください。

統合階層ビューを作成する

統合階層ビューを使用すると、ライセンスや許可申込、公的な苦情、または取引先に関連するレコードをすばやく確認できます。また、申込で階層ビューを使用することにより、すべての親申込と連動申込や関連レコードを 1 か所で表示できます。

Tishon はビジネスライセンス申込オブジェクトにカスタムタブを作成して、階層ビューを追加します。

このタブには、申込に関連するレコードの階層が表示され、訪問記録、規制コード違反、違反是正措置、規制取引手数料などの情報を確認できます。

階層ビュータブとサポートされるオブジェクトの詳細については、Salesforce ヘルプ記事の「レビュー担当者によるビジネスまたは申込者のレコードの統合ビューの提供」を参照してください。

申込フォームのカスタマイズ

公共セクターソリューションには、申込の受付を開始するための Omniscript テンプレートがいくつか用意されています。これらの動的フォームは、ライセンスや許可申込、給付、ケース手続き、その他のシナリオに対応する要求を処理するために使用します。

たとえば、以下のスクリーンショットは、サロンライセンス申込の Omniscript テンプレートを示しています。

これらのテンプレートの質問や項目をカスタマイズして、レビュー担当者が要求を処理するために必要な情報を取得できるようにします。また、申込者の回答に基づいて、関連するフォローアップの質問のみが表示されるように動的機能を設定できます。これにより、住民の申込プロセスを大幅にスピードアップできます。

デフォルトの申込フォームを変更する方法については、Salesforce ヘルプ記事の「OmniScript 申込フォームの作成とカスタマイズ」を参照してください。また、「公共セクターソリューションを使用した動的調査」Trailhead モジュールでは、申込やその他の情報収集に利用できるインテリジェントなフォームを設定する方法を学べます。

承認プロセスとフローを作成する

申込を処理できるようにするための基本的な設定が完了したら、次は職員が申込をレビューして承認する手順を定義します。一貫して正確なレビューが保証されるように、申込の承認パス、キュー、レビューの割り当て、チェックリスト項目を作成します。

たとえば、Tishon は、受付担当者、コンプライアンス担当者、その他のレビュー担当者がライセンスや許可の申込を処理するための承認プロセスを設定します。

給付申込のレビューに対しては、ケースワーカーが給付、状況の変更、再認定の申込を体系的に処理できるように、ガイド付きフローを設定します。ケースワーカーは申込の概要を確認して、世帯情報、収入の変化、その他の提出情報をチェックできます。また、対象資格を判定して、給付の承認、拒否、更新、調整を行うこともできます。詳細については、Salesforce ヘルプ記事の「給付申込審査フローの設定」を参照してください。

承認プロセスについてさらに学習するには、「公共セクターソリューションの承認プロセス」Trailhead モジュールを完了してください。また、人材採用管理など、特定の公共セクターソリューション機能向けの承認プロセスの設定方法については、リソースセクションのリンクを確認してください。

自動化を設定する

自動化を設定することで、申込のレビューをスピードアップし、一貫した意思決定を保証できます。

• ビジネスルールエンジンを使用すると、申込や関連サービスに伴う処理手数料を自動的に計算できます。プログラムや給付の要求に対しては、ビジネスルールエンジンにより申込者のプログラム対象資格が自動的にチェックされ、提出された情報に基づいて給付額が決定されます。
  
• Decision Explainer を設定すると、ビジネスルールエンジンの計算結果に関する分析を提供できます。これらの分析を住民と簡単に共有して、決定内容を明確に説明できます。
  

これらのツールの詳細については、Salesforce ヘルプ記事の「申込手数料の自動計算」と「公共セクターソリューションでの政策決定に関するインサイトの提供」を参照してください。

Tishon は、申込のレコードタイプを作成し、フォームをカスタマイズし、承認プロセスを設定して、特定のレビュー種別向けに自動化を設定しました。次は、住民が申込フォームにアクセスし、機関のリソースを利用するための Web サイトを作成する必要があります。

この単元では、公共セクターソリューションにおける申込設定の基本について学習しました。次の単元では、機関の公開ポータルの構築に取り組みます。

リソース

• Salesforce ヘルプ: 公共セクターソリューション利用状況追跡の申請レコードタイプの設定
• Salesforce ヘルプ: OmniScript 申込フォームの作成とカスタマイズ
• Trailhead: 公共セクターソリューションを使用した動的調査
• Salesforce ヘルプ: 申込手数料の自動計算
• Salesforce ヘルプ: 公共セクターソリューションでの政策決定に関するインサイトの提供
• Salesforce ヘルプ: ライセンスおよび許可の承認プロセス
• Salesforce ヘルプ: 給付申込審査フローの設定
• Salesforce ヘルプ: 求人応募ガイド付きフローの概要
• Salesforce ヘルプ: 採用要請の承認プロセスの設定