V2MOM の活用
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- V2MOM についてチームの意思統一を図る方法を説明する。
- V2MOM を監視し、更新する。
チームの意思統一
マネージャーとして、チームの V2MOM を作成するためにメンバーが担う役割を考えてみてください。メンバーは V2MOM が発表されるまでじっと待っているべきでしょうか? 暗幕の陰からあなたがメンバーを盛り立て、アイデアを出させるべきでしょうか? いいえ、そんなことはありません。
あなた自身も従業員として、チームがそのビジョンをどのような道筋で追求していくのかについて、一家言あることでしょう。
チームの V2MOM の作成は、チームが協力して進めるフィードバック主導の作業です。こうした取り組みの中で、達成しようとするものや、チームの優先順位および責任、成功の測定方法についての各人の意思が統一されていきます。
- Quip ドキュメントに下書きして、チームメンバーがコメントや提案を記入できるようにする。
- 下書きがまとまったら、チームミーティングで 2 ~ 4 時間かけて V2MOM を確認、検討する。
- チームの創造性や革新性を喚起する目的で、やる気を引き出したり高めたりするビジョンや価値を考え出すように促す。
チームメンバーが各自の V2MOM の下書きに着手する前に、各人がチームの優先順位を明確に理解し、受け入れていることを確認する意味でも、この協力型のアプローチは極めて重要です。
V2MOM の監視および更新
V2MOM は呼吸する生のドキュメントです。定期的に栄養分を与えて世話をしないと機嫌が悪くなります。V2MOM を作成して公開した後は、強力かつ有意義な管理ツールとして、年間を通してさまざまな方法で利用できます。
- 1 対 1 の面談で業務に関する状況確認や、優先順位付け、話し合いを行うときに、V2MOM を使用するよう従業員に奨励する。
- V2MOM を指針として、時間やリソース、予算の優先順位付けを判断する。
- 四半期ごとに各人の V2MOM を更新し、四半期スタッフミーティングで進捗状況を共有して話し合うことを従業員に奨励する。
- 半年を経過した時点で V2MOM を全面的に更新し、ビジネス上の現在の優先順位がすべてチーム、部署、会社の V2MOM に反映されていることを確認する。
チームの V2MOM を定期チェックするときの確認事項をいくつか示します。
- どの点が進歩したか?
- 現行のプロジェクトがすべて V2MOM の方法に適合しているか?
- すべての基準が現時点でも正確で最新の状態か?
- 次の四半期のアクションプランはどのようなものか?
- ビジネスの現状を反映して、V2MOM のどの点を変更する必要があるか?
- どのような援助が必要か?
もちろん、年間を通して新たな案件は出現します。画期的なある新プロジェクトを打診された場合、それを引き受けるべきでしょうか? 一概にどちらとは言えませんが、V2MOM がその指針になることがあります。V2MOM をチームの対話のきっかけとして、あるいは意思決定の伝達手段として使用します。
あらゆる面で監視、更新、優先順位の再考が重視されるのはなぜでしょうか? 業務のペースや急速な変化を考えれば、V2MOM に業務の現状に反映させておく必要があるためです。
V2MOM は、社内の全従業員が共通理解を形成し、協力してビジネスの成功を実現するための優れた方法です。
自身のキャリアにおいて、なぜその仕事を行っているのかよくわからなかったときのことを思い出してください。どこへ向かうともなく車輪の中を走り続けるハムスターのように感じませんでしたか? それでは疲れ果ててしまいます。V2MOM があれば、自身の業務がより大きな組織をどのように支えているのか、そしてその業務がなぜ重要なのかがわかるようになります。自身が影響を及ぼし、何かを変えていると実感することは素晴らしいことです。
- 従業員の 100% に、各自の V2MOM を期日までに作成して公開することが義務付けられています。
- Salesforce の従業員の 95% が、自らの業務が会社の成功にどのように貢献しているか理解していると述べています。
- V2MOM は、タウンホールミーティングや四半期ビジネスレビューでも話し合いのフレームワークとして使用されています。
組織の完全な意思統一ほど大切なことはありません。従業員が 100% 同じ方向に進み、互いに支え合い、どれほど組織に貢献しているかを実感することでやる気が増す、その威力を想像してみてください。
あなたが V2MOM を初めて作成する従業員であるなら、物怖じすることなく、V2MOM を誘導灯のように考えてください。V2MOM を作成した経験がある場合は、これまで読んだ内容を振り返り、V2MOM の効果を高めることを検討します。マネージャーである場合は、どうすれば V2MOM をより効率的に使用して、チームを管理し、積極的に取り組ませることができるか検討します。
そして、会社が現在 V2MOM を使用していない場合は、V2MOM の原則を自身の目標設定プロセスにどのように適用できるかを考えます。もしかしたらあなたの影響で、会社が組織内の意思統一を図るために V2MOM を使い始めるかもしれません。