フローを Einstein Copilot に接続する
学習の目的
このプロジェクトでは、次のことを行います。
- エージェントビルダーでサンプルデータを使用して Copilot アクションをテストする。
- オートメーションにフローを使用するためのカスタム Copilot アクションを作成する。
会話に Einstein Copilot を取り込む
生成 AI によって、友人や同僚とやり取りするのと同じように会話の言葉によってコンピューターとやり取りすることが可能になりました。Salesforce も、Agentforce プラットフォームによって生成 AI の強力な機能を取り入れられるため、顧客や従業員は会話形式で操作できます。
Einstein Copilot は、Salesforce ユーザーによる日常業務の遂行を支援するエージェントの一種であり、Salesforce のインターフェースにシームレスに組み込まれています。ユーザーは日常の言葉を使用して、Einstein Copilot に最新の有望なリードの取得や、ケースの要約、見込み客へのメールのドラフト作成などを要求できます。
「Einstein Copilot の基本」で学習したとおり、Copilot アクションとカスタムアクションはこの自然なやり取りのビルディングブロックです。たとえば、[Query Records (レコードを照会)] というアクションは、ユーザーの要求と特定の条件に基づいて Salesforce レコードを検索して取得します。Einstein Copilot には標準でいくつかのアクションが含まれていて、それらを組み合わせることで非常に高度なインタラクションが可能になります。カスタムアクションを使用すると、組織に固有のアクションを作成できます。フローや Apex を使用して画期的なインタラクションを作成することもできます。
このプロジェクトでは、標準 Copilot アクションを使用し、エージェントビルダーでテストする方法を学習します。次に、最近の注文の返品を開始するように設定済みの既存のフローを使用してカスタムアクションを作成します。
Einstein 生成 AI が含まれるトライアル組織にサインアップする
このプロジェクトを完了するには、Einstein AI とサンプルデータを含む、特別な 14 日間有効のカスタム Playground が必要です。
- この単元の最初にある [パスワードのリセットメールを受信できます] チェックボックスをまだクリックしていない場合は、クリックしてください。
-
[Playground を作成] をクリックします。
- 指示に従います。
Copilot アクションについて知る
すでに学習したように、Einstein Copilot には事前作成されたアクションが含まれているため、標準状態ですでに高い機能が備わっています。エージェントビルダーでこのアクションを確認し、カスタマイズしていない Einstein Copilot で何ができるかを見てみましょう。
- Einstein AI が有効になっているトライアル組織をまだ開いていない場合は、「Challenge」セクションまでスクロールダウンし、[Launch (起動)] をクリックして開きます。
- アプリケーションランチャーで
orders
(注文) を検索して [Orders (注文)] を選択します。
-
[All Orders (すべての注文)] リストビューを選択します。
2 件の注文が表示されます。どちらも Edge Communications のものです。この取引先は後で重要な役割を果たすため、存在することを確認しておきます。これで Copilot を設定できます。
- 右上隅の をクリックし、[Setup (設定)] をクリックします。[Setup (設定)] ページが新しいタブで開きます。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
einstein setup
(Einstein 設定) と入力し、[Einstein Setup (Einstein 設定)] をクリックします。
- 切り替えをクリックして、Einstein を有効化します。「クイックスタート: プロンプトビルダー」プロジェクトを修了済みの場合はすでにオンになっている可能性もあります。
- ブラウザーウィンドウを更新します。Einstein が有効になったため、新しい管理者設定が表示されます。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
agent
(エージェント) と入力し、[Agents (エージェント)] を選択します。
現時点では、従業員向けに 1 つのエージェントをカスタマイズして起動することができ、その Copilot を Salesforce の作業の流れの中で使用できます。
- 切り替えをクリックして、[Einstein Copilot for Salesforce (Salesforce 用 Einstein Copilot)] を有効化します。
- ページ下部の [Einstein Copilot] をクリックします
-
[Open in Builder (ビルダーで開く)] をクリックします。
- 右側のペインにようこそメッセージが表示されたら、[Got It (了解)] をクリックします。
エージェントビルダーへようこそ。ここではエージェントをテストし、エージェントが実際のデータを使用して応答を計画する過程を観察できます。
[Conversation Preview (会話プレビュー)] にエラーメッセージが表示されても大丈夫です。次の手順は機能します。まず、Copilot にレコードを検索して取得するように指示しましょう。
- [Conversation Preview (会話プレビュー)] ウィンドウに、
Tell me about the account Edge Communications.
(Edge Communications という取引先について教えてください。) と入力します。Return キーを押します。
Einstein Copilot が要求の処理を開始します。質問の意図とどのように応答すべきかを解明しています。しばらくすると、使用可能なアクションに基づく回答が表示されます。Einstein Copilot は大規模言語モデル (LLM) を使用しているため、質問に対して、このプロジェクトの画面キャプチャとは少し異なる結果が返されることがあります。
Copilot で問題が発生しているというメッセージが表示された場合は、[Conversation Preview (会話プレビュー)] ウィンドウの更新アイコン をクリックして、もう一度やり直してください。
- Einstein Copilot からレコードを選択するように言われたら、
Edge Communications
と入力して [Submit (送信)] をクリックします。
この質問をすると、多くのことが行われます。エージェントビルダーでは、Copilot が応答するために実行するプロセスが表示されます。
この要求に対して、エージェントは 2 つのアクションが必要であると認識しました。まず、適切な取引先を特定する必要があります。次に、詳細を要約する必要があります。Copilot は適切なアクションをつなげることができるため、自分の会話の流れを維持することに特に優れています。会話を保持するためのもう 1 つの重要な要素は、以前に言及された詳細を記憶しておくことです。Copilot はそれもできます。たとえば、ユーザーは前に言及したことに関して詳細を提供するように要求できます。
[Conversation Preview (会話プレビュー)] ウィンドウに、Do they have any active orders?
(そこには有効な注文はありますか?) と入力し、Enter キーを押します。
今回は、Einstein Copilot は会話のコンテキストを使用して、あなたが Edge Communications に固有の注文について尋ねていることを理解します。しばらくすると、2 つの既存の注文の詳細が表示されます。
カスタムアクションを作成する
標準 Copilot アクションでできることは多数ありますが、このシナリオでは注文の返品のための特別なプロセスがあるとします。実際、そのプロセスを自動化するプロセスがすでに存在します。(チーム Trailhead によって Einstein AI が有効になった組織でこのフローが用意されています。)
そのフローを使用してエージェントの機能を拡張できます。そのためには、フローを参照するカスタムアクションを作成します。
- 左矢印 をクリックしてエージェントビルダーを終了します。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
agent
(エージェント) と入力し、[Agent Actions (エージェントアクション)] をクリックします。
-
[New Agent Action (新規エージェントアクション)] をクリックします。
- [Reference Action Type (参照アクション種別)] で [Flow (フロー)] を選択します。
- [Reference Action (参照アクション)] で、[Initiate Return (返品を開始)] を選択します。
これは、注文の返品を開始するために使用する既存のフローです。
-
[Next (次へ)] をクリックします。
- [Copilot Action Instructions (Copilot アクション手順)] に次の文を貼り付けます。
Use Initiate Return for requests to return or refund orders or products in an order.
(注文または注文内の商品の返品または返金の要求に対して [Initiate Return (返品を開始)] を使用します。) - [Instructions (手順)] ([Inputs (入力)] の下) に次の文を貼り付けます。
Populate this input variable with an Order recordId.
(この入力変数に注文の recordId を入力します。) -
[Require Input (入力が必要)] をオンにします。
-
[Collect data from user (ユーザーからデータを収集)] をオンにします。
- [Instructions (手順)] ([Outputs (出力)] の下) に次の文を貼り付けます。
This output indicates the status of the return request, whether it has been initiated, processed, or completed.
(この出力は返品要求の状況が開始済み、処理済み、完了のいずれであるかを示します。) -
[Show in conversation (会話に表示)] をオンにします。
-
[Finish (完了)] をクリックします。
これでカスタムアクションに必要なものがすべて揃いました。この例では、説明を指定しました。これは、アクションの機能に説明が重要であるためです。これは Einstein AI が LLM に送信するプロンプトの一部として使用されます。効果的なプロンプトを作成する方法についての詳細は、「プロンプトの基本事項」バッジを参照してください。その後で、学習したプロンプトエンジニアリングスキルを使用して、カスタムアクションを明確で完全なものにする説明を作成してください。
次に、エージェントビルダーに戻り、エージェントに新しいアクションを追加する必要があります。
-
[Agents (エージェント)] をクリックします。
-
[Einstein Copilot] をクリックします。
-
[Open in Builder (ビルダーで開く)] をクリックします。
Copilot が有効でないことを確認します。[Activate (有効化)] ボタンが表示されているはずです。[Deactivate (無効化)] ボタンが表示されている場合には、そのボタンをクリックします。
- [Topics (トピック)] から MigrationDefaultTopic をクリックします。
-
[This Topic’s Actions (このトピックのアクション)] をクリックします。
-
[New (新規)] をクリックして、[Add from Asset Library (アセットライブラリから追加)] を選択します。
-
[Initiate Return (返品を開始)] のチェックボックスをオンにして、[Finish (完了)] をクリックします。
-
[Activate (有効化)] をクリックします。
これでエージェントが会話内で [Initiate Return (返品を開始)] アクションを使用できるようになりました。実際のユーザーのように試してみましょう。
- [Setup (設定)] タブを閉じて、セールスアプリケーションに戻ります。
-
[Home (ホーム)] タブをクリックします。
始業時と同じように [Home (ホーム)] から始めましょう。
- ブラウザーウィンドウを更新します。[Einstein] ボタンが表示されます。
-
[Einstein] ボタンをクリックして会話ウィンドウを開きます。
- テストを開始するために、Copilot が特定の注文を見つけられるようにコンテキストを提供します。会話ウィンドウに
What is the order with the most recent order start date?
(開始日が最も新しい注文はどれですか?) と入力します。Enter キーを押します。
しばらくすると、注文 101 とクリック可能なリンクが表示されます。
- 注文番号 [00000101] をクリックします。
- 会話ウィンドウに
Tell me about order 101
(注文 101 についてもっと教えてください) と入力します。Enter キーを押します。
サマリーで 3 つの商品が説明されますが、同じ注文商品が関連リストにあります。Edge Communications は誤ってこれらの品目を注文したため、返品を開始しましょう。
- 会話ウィンドウに
Start a return for order 101
(注文 101 の返品を開始してください) と入力します。Enter キーを押します。
カスタムアクションの説明が明確で包括的であるため、エージェントはこれがあなたが実行したいアクションであると特定できます。関連するフローが起動され、状況の最新情報が表示されます。
-
[Details (詳細)] タブをクリックします。
ページの下部までスクロールすると、[Initiate Return (返品を開始)] フローによって [Return Status (返品ステータス)] 項目が [Initiated (開始済み)] に更新されています。
わずか数回のクリック操作で、既存のオートメーションをエージェントのアクションカタログに組み込むことができます。これによって、各自の組織に固有のオートメーションやプロセスを Einstein AI とやり取りする会話の一部にすることができます。
リソース
- Trailhead: Einstein Copilot の基本
- Trailhead: プロンプトの基本事項
- Salesforce ヘルプ: Einstein Copilot アクション手順のベストプラクティス