カスタムボタンでのフローの配布
フローを有効化する
フローが無事作成されましたが、[Setup (設定)] からしかアクセスできません。営業担当が実行できるように有効化しましょう。
- Flow Builder のボタンバーで [Activate (有効化)] をクリックします。
これで、次の条件を満たしているユーザーがこのフローを実行できるようになりました。
- 「Run Flows (フローを実行)」ユーザー権限がある
- ユーザー詳細ページの [Flow User (フローユーザー)] 項目が有効になっている
- 個々のフローに [Override default behavior and restrict access to enabled profiles or permission sets (デフォルト動作を上書きし、有効化されたプロファイルまたは権限セットにアクセスを制限します。)] が選択されていて、そのフローへのアクセス権はプロファイルまたは権限セットによってユーザーに付与される
詳細は、「フローセキュリティの仕組み」を参照してください。
けれども、フローがどこにあるのか知らなければ、ユーザーが実行することはできません。営業担当がフローを簡単に見つけて使用できるように、フローを配布しましょう。
フローランタイム環境を選択する
Salesforce には 2 つのランタイム環境が用意されており、ユーザーがフローを実行するときのデザインがそれに応じて決まります。フローに Lightning Experience との統一感を持たせるには、組織で Lightning ランタイムが有効になっていることを確認してください。
- [Setup (設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに「Automation」(自動化) と入力し、[Process Automation Settings (プロセスの自動化設定)] を選択します。
-
[Enable Lightning runtime for flows (フローの Lightning ランタイムを有効化)] が選択されていることを確認します。
- 変更内容を保存します。
カスタムボタンを作成する
カスタムボタンを作成し、Salesforce の商談に表示します。営業担当がこのボタンをクリックすると、フローによって割引が計算され、商談が更新されます。
- [Setup (設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに「Flows」(フロー) と入力し、[Flows (フロー)] を選択します。
- [Calculate Discounts (割引計算)] 行の横にある下矢印をクリックして、[View Details and Versions (詳細とバージョンの表示)] をクリックします。
- [Flow Detail (フローの詳細)] ページからフローの URL をコピーします。
- カスタムボタンを作成します。
- 設定ページの上部から [Object Manager (オブジェクトマネージャー)] を選択します。次に、[Opportunity (商談)] を選択します。
-
[Buttons, Links, and Actions (ボタン、リンク、およびアクション)]、[New Button or Link (新規ボタンまたはリンク)] の順にクリックします。
- カスタムボタンの表示プロパティを設定します。
Field (項目) |
Value (値) |
---|---|
Label (表示ラベル) |
Calculate Discount (割引計算) |
Name (名前) |
Calculate_Discount |
Description (説明) |
Calculates a discount based on annual revenue (年間売上に基づいて割引を計算) |
Display Type (表示の種類) |
Detail Page Button (詳細ページボタン) |
Behavior (動作) |
Display in new window (新規ウィンドウに表示) |
Content Source (内容のソース) |
URL |
- URL パラメーターを使用してフローにボタンをリンクします。
- テキストボックスにフロー URL を貼り付けます。
- URL の末尾に次のものを追加します。
?AccountId={!Opportunity.AccountId}&OpportunityId={!Opportunity.Id}
フローが呼び出されると、2 つの値、AccountId と OpportunityId が商談からフローに渡されます。商談に関連付けられている取引先の ID、AccountId は、フロー変数 {!AccountId} に割り当てられます。商談自体の ID である Opportunity.Id は、フロー変数 {!OpportunityId} に割り当てられます。URL は次のようになります。
-
[Check Syntax (構文を確認)] をクリックし、URL が有効であることを確認します。
-
[Save (保存)] をクリックします。カスタムボタンを商談ページレイアウトに追加するように求めるメッセージが表示されます。ご安心ください。これは次で行います。
- ボタンを商談ページレイアウトに追加し、すべての商談レコードに表示されるようにします。
- オブジェクトマネージャーで [Opportunity (商談)] ペインがまだ表示されている状態で [Page Layouts (ページレイアウト)] に移動し、[Opportunity Layouts (商談レイアウト)] をクリックします。
- [Buttons (ボタン)] カテゴリから、[Calculate Discount (割引計算)] をクリックして [Custom Buttons (カスタムボタン)] にドラッグします。
- [Salesforce Mobile and Lightning Experience Actions (Salesforce モバイルおよび Lightning Experience アクション)] セクションの定義済みアクションが上書きされた場合、[Mobile & Lightning Actions (モバイルおよび Lightning のアクション)] をクリックし、[Calculate Discount (割引計算)] を [Salesforce Mobile and Lightning Experience Actions (Salesforce モバイルおよび Lightning Experience アクション)] の最後のアクションの後にドラッグします。
-
[Quick Save (適用)] をクリックします。営業担当が Salesforce で商談ページを表示すると、[Calculate Discount (割引計算)] ボタンがページ上部に表示されるようになりました。
サンプル商談を作成する
フローをテストできるようにするため、あと 1 つ行わなければならないことがあります。フローで更新が行われるようなサンプル商談を作成します。
サンプル商談は、Edge Communications との 1 年間のサービス契約に関するものです。Edge Communications はテキサスに本社を置くエレクトロニクス企業であり、年間売上は $139,000,000 です。
- Edge Communications という取引先があり、年間売上が $139,000,000 であることを確認します。アプリケーションランチャーから、[Accounts (取引先)] に移動して [Edge Communications] をクリックします。[Details (詳細)] タブに移動し、[Annual Revenue (年間売上)] 項目の値を確認します。[Edge Communications] が [Accounts (取引先)] に表示されていない場合は、Salesforce で検索します。まだ存在していない場合は、取引先 Edge Communications を作成し、年間売上を追加します。
- 商談を作成します。レコードタイプの選択を求められたら、[B2B Sales] (企業間取引) を選択して [Next (次へ)] をクリックします。
- 商談の値を設定します。
Field (項目) |
Value (値) |
---|---|
Opportunity Name (商談名) |
Edge Communications - 1 year contract (Edge Communications - 1 年契約) |
Account Name (取引先名) |
Edge Communications |
Close Date (完了予定日) |
A year from today (本日から 1 年) |
Stage (フェーズ) |
Proposal/Price Quote (提案書/見積書の作成) |
Amount (金額) |
5000000 |
-
[Save (保存)] をクリックします。
フローをテストする
テストは、フローの作成の重要な部分です。テストすることで、フローの動作の微調整、バグの特定と修正、その他の対応をとることができ、ユーザーが快適に使用できるようになります。営業担当からの焦ったメールに対応する時間も減るため、皆さんにとってもメリットがあります。
直前の手順で作成した商談の割引を計算します。
-
をクリックしてセールスアプリケーションを開きます。
-
[Opportunities (商談)] タブをクリックし、作成した商談 [Edge Communications - 1 year contract (Edge Communications - 1 年契約)] をクリックします。取引先の年間売上は $139,000,000 です。値は $100,000,000 を超えますが、$200,000,000 未満であるため、このフローでは 5% の割引を適用する必要があります。商談金額 ($5,000,000) の 5% 割引は $250,000 です。この商談の割引後の金額は $4,750,000 です。フローで割引が正しく計算されることを確認しましょう。
- 右上のプルダウンメニューで [Calculate Discount (割引計算)] をクリックし、フローの実行終了通知を待ちます。
- フローが完了したら、作成した Edge Communications - 1 year contract (Edge Communications - 1 年契約) 商談の詳細ページに移動します。
- [Discount Percentage (割引率)] の値が 5%、[Discounted Amount (割引後の金額)] が $4,750,000 になっていることを確認します。応用:
初めてフローを使う組織、特に成長と変化を続けている組織なら、既存のフローを応用すれば多くの新しいフローを作成できることに気づかれると思います。その例として、ここで作成した割引計算機能が挙げられます。
- 適用する最大割引の数を制限するには、レコードの更新前にマネージャーからの承認を要求するようにフローを設定します。
- 割引プログラムをさらに積極的に進めるには、前回の商談を価格のために失っていたかどうかを調べます。そうであれば、さらに大きい割引をお客様に提供します。
- Trailhead には、他にも多くの使用事例で実践できるフロープロジェクトが多数紹介されています。