取引記録を処理する
フローを有効にする
実際のシナリオでは、メンバーが取引を行うとすぐに Loyalty Program Process Connect API で取引が処理されます。Connect API は、販売時点情報管理 (POS) システムなど、販売またはサービスの取引を生成するアプリケーションと統合することができます。
このプロジェクトでは、Mary は [Run Program Process for Transaction Journal (取引記録のプログラムプロセスの実行)] というロイヤルティフローアクションを使用して取引を処理します。このフローアクションは、すでに作成されている [Run Loyalty Program Process (ロイヤルティプログラムを実行)] プロセスフローで使用されます。Mary はフローに移動してフローを有効にします。
- アプリケーションランチャー (
) をクリックします。
- [Search apps or items (アプリケーションまたは項目を検索)] ボックスに
auto
(自動) と入力して、[Automation (自動化)] を選択します。
-
[Flows (フロー)] タブをクリックします。
-
[Recently Viewed (最近参照したデータ)] をクリックしてすべてのフローリストビューを表示し、[All Flows (すべてのフロー)] を選択します。
- Flow Builder で [Run Loyalty Program Process (ロイヤルティプログラムプロセスを実行)] フローを見つけて選択します。
- Flow Builder で [Activate (有効化)] をクリックします。
取引記録をシミュレーションする
Mary は、ロイヤルティプログラムプロセスで実行される保留中または処理済みの取引記録の動作を確認するために、シミュレーションを使用することにしました。ロイヤルティプログラムプロセスでは、種別とサブ種別がプロセスと一致する取引記録が実行されます。
-
をクリックして、[Loyalty Management (ロイヤルティ管理)] を選択します。
- [Program Name (プログラム名)] 列で、[Cloud Kicks Inner Circle] をクリックします。
- [Cloud Kicks Inner Circle] プログラムレコードで、[Members And Partners (メンバーとパートナー)] タブをクリックします。
- [Loyalty Program Members (ロイヤルティプログラムメンバー)] 関連リストで、[CL001] を選択します。
- [Transaction Journals (取引記録)] 関連リストで、[00000001] をクリックします。
- [Loyalty Program Process (ロイヤルティプログラムプロセス)] コンポーネントで、[Simulate (シミュレーション)] をクリックします。
シミュレーションが完了したら、各ルールをクリックして取引記録がどのように処理されたかを確認します。
彼女が選択した取引は、獲得プロセスの最初の 2 つのルールを満たしていましたが、3 つ目のルールを満たしていませんでした。そこで Mary は取引を作成して、取引がプロモーションに関連付けられていて属性目標を達成した場合に、ポイントのクレジット処理と更新がどのように行われるかを確認します。
取引記録を作成する
Cloud Kicks Inner Circle メンバーである Adria Darby は、Cloud Kicks の $600 の靴を購入しました。取引記録が処理されると、彼女には 600 ランクポイントと 600 通常ポイントがクレジット処理されます。プロモーションの対象資格を満たしているため、Adria はさらに取引金額の 2 倍の通常ポイント (1200 通常ポイント) を獲得します。最後に、目標の $500 に達したたため、$10 バウチャーを受け取ります。
Mary は、Adria の購入を記録する取引記録を作成します。
-
をクリックして、[Loyalty Management (ロイヤルティ管理)] を選択します。
- [Program Name (プログラム名)] 列で、[Cloud Kicks Inner Circle] をクリックします。
- [Cloud Kicks Inner Circle] プログラムレコードで、[Members and Partners (メンバーとパートナー)] タブをクリックします。
- [Loyalty Program Members (ロイヤルティプログラムメンバー)] 関連リストで、[CL001] を選択します。
- [Transaction Journals (取引記録)] 関連リストで、[New (新規)] をクリックします。
- 次の詳細を追加します。
- Journal Type (取引記録種別): Accrual (獲得)
- Journal Subtype (取引記録サブ種別): Purchase (購入)
- Partner (パートナー): Cloud Kicks
- Activity Date (活動日): 現在の日付
- Journal Date (取引記録日): 現在の日付
- Status (状況): Pending (保留中)
- Loyalty Program (ロイヤルティプログラム): Cloud Kicks Inner Circle
- Product (商品): Super Kicks
- Transaction Amount (取引金額):
600
-
[Save (保存)] をクリックします。
取引記録が作成されるとすぐに、状況が「Processed (処理済み)」に変わり、[Loyalty Ledgers (ロイヤルティ元帳)] カードがポイント情報で更新されます。Mary が [Vouchers (バウチャー)] カードを見ると、バウチャーが発行されていることがわかります。Regular Points (通常ポイント) と Tier Points (ランクポイント) の残高も更新されています。
プロセスが実行されるたびに、Adria のエンゲージメント属性の進行状況が更新されます。次に、Mary はエンゲージメント属性の有効期限中の進行状況を追跡します。
メンバーのエンゲージメント属性の進行状況を追跡する
ロイヤルティプログラムメンバー属性値レコードは、エンゲージメント属性の目標の達成に対するメンバーの進行状況が期間中に初めて更新されたときに作成されます。メンバーの進行状況が期間全体で追跡される場合、1 つのロイヤルティプログラムメンバー属性値レコードは属性のライフサイクル全体でメンバーの進行状況を追跡します。メンバーの進行状況が各期間で一意に追跡される場合、ロイヤルティプログラムメンバー属性値レコードは各期間に対して作成されます。
Mary は、ロイヤルティプログラムメンバーレコードの [Loyalty Program Member Attribute Values (ロイヤルティプログラムメンバー属性値)] カードで属性値を参照します。Adria Darby の属性値が次のように表示されます。
- [Current Value (現在の値)] は、Adria が最後のリセット以降に達成した値を示します。期間中に目標を達成すると、値は 0 にリセットされます。
- [Cumulative Value (累積値)] は、彼女が期間 (この場合は月) を通じて達成した値を示します。
- [Target Value (目標値)] は、Adria が [Spend $500, Get a Voucher (購入額 $500 でバウチャーをゲット)] プロモーションの対象資格を満たすために達成しなければならない値を示します。
Mary は、エンゲージメント活動の 2 つ目の獲得プロセスを作成したいと考えています。
エンゲージメント活動のプロセスを確認する
Mary は、ステップ 2 の「プロセスを作成する」の手順に従って、「Credit Points for Activities (活動に対するポイントのクレジット処理)」というプロセスを作成します。[Journal Type (取引記録種別)] では [Accrual (獲得)]、[Journal Subtype (取引記録サブ種別)] では [Social Media Activity (ソーシャルメディア活動)] を選択します。このプロセス内に、メンバーに通常ポイントとランクポイントをクレジット処理する 2 つの [Credit Points (ポイントをクレジット処理)] アクションで構成されるルールを作成します。
一括処理ジョブを作成する
ステップ 1 で定義したルールで前述したとおり、エンゲージメント活動に関連する取引記録は毎晩ロイヤルティ管理に読み込まれます。したがって、このプロセスはバッチモードで実行する必要があります。Mary は、取引が読み込まれるとすぐに適用可能なロイヤルティプログラムプロセスを使用して取引記録を処理するバッチ管理ジョブを作成します。
-
をクリックして、[Setup (設定)] を選択します。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Batch
(バッチ) と入力し、[Batch Management (バッチ管理)] を選択します。
-
[New (新規)] をクリックして、次の詳細を入力します。
- Name (名前):
Accrual Batch
(獲得一括処理) - Process Type (プロセス種別): Loyalty Program Process (ロイヤルティプログラムプロセス)
- Execution Process (実行プロセス): Transaction Journals (取引記録)
- Group (グループ):
Loyalty
(ロイヤルティ) - Batch Size (バッチサイズ):
200
- Retry Count (再試行回数):
1
- Retry Interval (再試行間隔):
1000
-
[Next (次へ)] をクリックして、次の詳細を追加します。
- Object (オブジェクト): Transaction Journal (取引記録)
- Select Records When (レコードを選択するタイミング): All Conditions Are Met (AND) (すべての条件に一致 (AND))
- Resource (リソース): Status (状況)
- Operator (演算子): Equals (次の文字列と一致する)
- Type (種類): Value (値)
- Value (値): Pending (保留中)
-
[Add Condition (条件を追加)] をクリックして、次の詳細を追加します。
Resource (リソース)
Operator (演算子)
Type (種類)
Value (値)
Journal Type ID (取引記録種別 ID)
Equals (次の文字列と一致する)
Value (値)
Accrual
Journal SubType ID (取引記録サブ種別 ID)
Equals (次の文字列と一致する)
Value (値)
Social Media Activity
-
[Save (保存)] をクリックします。
-
[Activate (有効化)] をクリックします。
Mary は、フローを使用してこの一括処理ジョブが実行されるようにスケジュールします。
一括処理ジョブをスケジュールするフローを作成する
- アプリケーションランチャー (
) をクリックします。
- [Search apps or items (アプリケーションまたは項目を検索)] ボックスに
auto
(自動) と入力して、[Automation (自動化)] を選択します。
- [Flows (フロー)] パネルで [New (新規)] をクリックします。
- [Frequently Used (頻繁に使用)] で [Schedule-Triggered Flow (スケジュールトリガーフロー)] を選択します。
- [Start (開始)] 要素で、[Set Schedule (スケジュールを設定)] をクリックし、次の詳細を追加します。
- Start Date (開始日): 現在の日付を選択
- Start Time (開始時刻): 12:00 AM
- Frequency (頻度): Daily (毎日)
-
をクリックします。[Action (アクション)] 要素を選択します。
- 次の詳細を追加します。
- Search actions (アクションを検索): Accrual_Batch
- Label (表示ラベル):
Accrual Batch
(獲得一括処理) - API Name (API 参照名):
Accrual_Batch
-
[Save (保存)] をクリックします。
- Flow Label (フローの表示ラベル):
Run Batch Job for Accruals
(獲得の一括処理ジョブを実行) -
[Save (保存)] をクリックします。
-
[Activate (有効化)] をクリックします。
このフローは、スケジュールされた時刻に一括処理ジョブを毎日実行します。ソーシャルメディア活動の取引が処理されたときにポイントのクレジット処理と更新がどのように行われるかを見てみましょう。
ソーシャルメディア投稿の取引記録を作成する
Adria Darby は、最近購入した Cloud Kicks のスニーカーを大変気に入っています。彼女はソーシャルメディアアカウントに商品のレビューを投稿します。Mary が設定したルールに基づき、Adria には 50 通常ポイントと 10 ランクポイントがクレジット処理されます。Mary は取引記録を作成して、この処理を実際に確認します。
- [Loyalty Programs (ロイヤルティプログラム)] タブで、[Cloud Kicks Inner Circle] ロイヤルティプログラムを選択します。
- [Cloud Kicks Inner Circle] プログラムレコードで、[Members and Partners (メンバーとパートナー)] タブをクリックします。
- [Loyalty Program Members (ロイヤルティプログラムメンバー)] 関連リストで、[CL001] を選択します。
- [Transaction Journals (取引記録)] 関連リストで、[New (新規)] をクリックします。
- 次の詳細を追加します。
- Journal Type (取引記録種別): Accrual (獲得)
- Journal Subtype (取引記録サブ種別): Social Media Activity
- Activity Date (活動日): 現在の日付
- Journal Date (取引記録日): 現在の日付
- Status (状況): Pending (保留中)
- Loyalty Program (ロイヤルティプログラム): Cloud Kicks Inner Circle
-
[Save (保存)] をクリックします。
取引記録はまだ処理されていないため、保留中状態で保存されます。この取引は、一括処理ジョブがスケジュールに従って実行されるときに処理されます。ただし、Mary は正常に機能しているかどうかを確認するためにプロセスをテストしたい考えています。
フローを実行する
Mary は取引を処理するために [Run Batch Job for Accruals (獲得の一括処理ジョブを実行)] フローを実行します。
- アプリケーションランチャー (
) をクリックします。
- [Search apps or items (アプリケーションまたは項目を検索)] ボックスに
auto
(自動) と入力して、[Automation (自動化)] を選択します。
-
[Flows (フロー)] タブをクリックします。
-
[Recently Viewed (最近参照したデータ)] をクリックしてすべてのフローリストビューを表示し、[All Flows (すべてのフロー)] を選択します。
-
[Run Batch Job for Accruals (獲得の一括処理ジョブを実行)] を選択します。
-
[Debug (デバッグ)] をクリックします。
-
[Debug pause element behavior (デバッグの一時停止要素の動作)] をオフにします。
-
[Run (実行)] をクリックします。
フローによって [Accrual Batch (獲得一括処理)] ジョブがトリガーされます。Mary は、[Monitor Workflow Services (ワークフローサービスを監視)] ページで実行状況を監視します。
実行状況が「Completed (完了)」に変わると、取引が処理され、[Loyalty Ledgers (ロイヤルティ元帳)] カードがポイントで更新されます。更新された元帳が表示されない場合は、ページを更新してもう一度確認してください。
メンバーのポイントは、取引が処理されるとすぐに更新されます。Mary は、設定した 2 つの獲得プロセスに満足しています。
まとめ
このプロモーションにより、Super Kicks の売上が大幅に増加し、商品はほぼ完売となりました。メンバーは獲得した報奨に満足しており、ソーシャルメディアに体験談を投稿しています。
Mary は、獲得プロセスを簡単に設定できたことを大変喜んでいます。既存のプロセスに引き続きルールを追加したり、さまざまな取引記録の種別やサブ種別の新しいプロセスを作成したりできます。また、プロモーション設定を使用して、ビジネス要件に合わせてプロセスをカスタマイズできます。さらに、メンバーの長期的な行動を追跡するエンゲージメント属性を作成し、メンバーが属性の目標を達成すれば報奨を付与することもできます。
リソース
- 動画: Use Loyalty Management Promotion Setup to Reward Members for Purchases (ロイヤルティ管理のプロモーション設定を使用したメンバーの購入に対する報奨の付与)
- Salesforce ヘルプ: ロイヤルティプログラムプロセスによる取引記録の処理のシミュレーション