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イネーブルメントサイトコンテンツ計画を立てる

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • イネーブルメントサイトにふさわしいコンテンツとふさわしくないコンテンツを特定する。
  • コンテンツ戦略が重要な理由を説明する。
  • 学習モードとはどういう意味かを説明する。
  • オーディエンスを定義する。

イネーブルメントサイトにふさわしいコンテンツタイプ

「Enablement Site Basics (イネーブルメントサイトの基本)」では、イネーブルメントサイトを使用して、会社のスキル開発とイネーブルメントイニシアチブのエクスペリエンスを楽しく魅力的なものにする方法を学習しました。また、アロエベラを原料とするモイスチャーローションとクリームを生産する Pure Aloe 社が会社の成長に伴って従業員の能力を開発するためのコンテンツを提供する計画を作成する方法を確認しました。

「Enablement Site Configuration (イネーブルメントサイトの設定)」では、Pure Aloe の Salesforce システム管理者である Joseph が会社のイネーブルメントサイトを設定する手順を追うことによって、Joseph がさまざまなロールのための権限を実装し、コンテンツが公開される会社のサブドメインを作成し、さまざまな学習者グループ向けのコンテンツコレクションを設定する方法を学習しました。

これで、Pure Aloe のコンテンツ作成者はの作業を開始できます。でも、どこから始めればよいのでしょうか? 他のチャネルやプラットフォームではなく、イネーブルメントサイトを使用することが理にかなっているコンテンツには、次のようなものがあります。 

  • 商品の知識
  • ベストプラクティス
  • 実務上のユースケース
  • ビジネス戦略
  • マーケティングツール
  • オンボーディングやトレーニング

逆に、イネーブルメントサイトは次のものとは区別されます。

  • 知識ベース
  • 参照ドキュメント
  • FAQ
  • 実装ガイドライン、または 1 回限り実行する手順
  • Wiki
  • ブログ
  • 電子書籍

つまり、イネーブルメントサイトは気軽に使用しやすく、関連性の高い対話型でゲーム化された学習体験に適しています。イネーブルメントサイトに適したコンテンツの例として次のようなものがあります。

  • 何かのやり方を学ぶ (報酬制度の説明など)
  • 何かのしくみを学ぶ (製品やサービスの使い方など)
  • 何らかの情報を伝える方法を学ぶ (会社の最新商品の位置付けなど)
  • 組織での Salesforce の使い方を学ぶ

優れたイネーブルメントコンテンツの特徴

イネーブルメントサイトエクスペリエンスは常に、重要性が高く、需要のあるトピックやスキルに関するものでなければなりません。わかりやすいように具体例を挙げてみます。Pure Aloe のマーケティングチームが、新しいモイスチャーローションを披露する一連のイベントを開催しようとしています。チームは営業担当にこの情報を伝え、イベントで開拓した新規の顧客やベンダーに売り込めるように準備しておいてもらいたいと考えています。この機会にチームは、営業担当を対象に、新しいモイスチャーローションについて理解し、顧客やベンダーと有益な会話を進められるようにするセールスイネーブルメントトレイルを作成することが考えられます。

また、受講者が特定の順序でトピックを進んでいくトレイル式のイネーブルメントサイトは、ゲーム感覚の学習体験です。たとえば、Pure Aloe が経費報告書を新しい社内アプリケーションに登録する方法を説明する新しいトレイルを作成しているとします。まず経費報告書がどのようなものかを説明してから、経費報告書を提出する手順を説明する必要があります。トレイルではこうした学習トピックを適切な順序で説明できます。 

最後に、イネーブルメントサイトのコンテンツには継続的なメンテナンスが必要です。つまり、コンテンツ作成者とリリースマネージャーは公開しているすべての内容を最新、正確で完全なものに保つ必要があります。定期的なメンテナンスは、受講者の信頼を維持していくうえで極めて重要です。Salesforce では、ソフトウェアの新バージョンをリリースするたびにコンテンツを更新しています。 

戦略を立てる

皆さんは今、会社のためにイネーブルメントサイトを利用する素晴らしいアイデアで頭がいっぱいになっているのではないでしょうか。さっそく取り掛かりたいところですが、コンテンツ作成者にゴーサインを出す前に、重要な作業を行うことをお勧めします。それはコンテンツ戦略の作成です。  

戦略というと立派なビジネス用語のように聞こえるかもしれませんが、これによってコンテンツを作成しやすくなります。 

コンテンツ戦略は、コンテンツをどのように計画して作成し、メンテナンスするかを定めるもので、コンテンツによって会社の活動目的を推進すると同時に、コンテンツの重要性、信頼性、品質を維持することを目的としています。Salesforce ではコンテンツ計画を、イネーブルメントサイトの学習体験を最大限に高めるために特に重要な最初のステップと考えています。受講者がコンテンツから各自の求めるものを得られなければ、退屈したり、困惑したり、ストレスを感じたりします。 

コンテンツ戦略の作成に関わるのは、従業員のイネーブルメントに熱意を持ち、同僚やパートナーの成功を願う人であれば誰でもかまいませんが、正式なコンテンツ開発用のリソースがあればそれを利用しましょう。Pure Aloe のチームには、この作業に協力してくれる有能なメンバーがいます。Romina はイネーブルメント戦略を専門とするコンテンツ作成者で、以前、Joseph と協力して別の学習者グループ向けのコンテンツコレクションを設定したことがあります。彼女は適切な人に適切なコンテンツを届けるためのコンテンツ戦略について、すでにいくつかのアイデアを持っています。もう 1 人の Cindy は文章作成を専門とするコンテンツ作成者で、コンテンツについての知識が豊富です。

次は受講者について説明します。

オーディエンスを知る

コンテンツ戦略を立てるには、まず受講者を知らなければなりません。Romina と Cindy はコンテンツ戦略に取り組む中で、適切な人が適切なコンテンツに適切なタイミングでアクセスできるようにすることを目指しています。議論を重ねた結果、次の重要な点を特定することが、受講者を知りコンテンツ戦略を改良するのに役立つことに気付きました。

  • 対象となるユーザーを特定する。すべての社内従業員、特定のビジネスユニット、またはパートナーや顧客などの外部ユーザーが考えられます。
  • 学習者の問題点を理解する。
  • 学習者の目標を見極める。
  • 学習者の専門知識と責務を特定する。

常にトピックに応じて、受講者に語りかける語調が決まります。新入社員に会社のソーシャルネットワークについて説明するときは、楽しく、相手を誘い込む語調が求められます。従業員を対象とするアンチハラスメントのトレーニングでは、ビジネスに徹し、ユーモアは排除します。

イネーブルメントサイトで複数の異なる受講者グループをサポートすることもできます。その場合は、異なるコンテンツコレクションにコンテンツを公開し、それぞれのコレクションにアクセスするための異なるユーザー権限を付与することで、各受講者グループは専用のコンテンツにアクセスできます。詳細は「Enablement Site Configuration (イネーブルメントサイトの設定)」を参照してください。

コンテンツの盛り合わせ

コンテンツ戦略について説明するためのたとえとして、アイスクリームコーンの絵を見てください。

3 段重ねのアイスクリームコーンが、コンテンツ戦略に使用する 3 つのモード (学習、実施、更新) を示しています。

コンテンツ戦略はユーザーが受講する際の 3 つの一般的なモード (学習、実施、更新) を示しています。学習モードはコーンと同じ役割を果たします。つまり、満足できる体験のための基盤です。このモジュールでは学習モードを中心に説明します。人々が Trailhead にアクセスする目的として一番多いのが学習であり、イネーブルメントサイトにアクセスする学習者もほとんどは学習が目的であるためです。ちょうどあなたも今学習モードです。コンテンツ戦略の基本について学習することで、戦略を実装することになったときに備えています。

概して、人々が知識やスキルを高めるために時間を割いていれば、学習モードになっています。学習モードのコンテンツは、職務のその場しのぎの対応策として用いるものではありません。仕事のパフォーマンスを向上させたい、あるいは今まで使ったことのない機能をきちんと理解したいユーザーのためのものです。

コンテンツ戦略を作成するときには、受講者が各モードになっている場合について考えます。常に学習しているとは限りません。学習者はビジネスモデルに関する基本的な知識を身に付けたいと考えていることがあります (学習)。休暇申請の提出方法を知りたいという場合もあります (実施)。また、福利厚生の変更点を確認したいということもあります (更新)。どのタイプのコンテンツを作成するかを計画するときは、こうしたモードを考慮します。

Romina と Cindy は学習モードをユーザーの踏み台として使おうとしています。学習モードのユーザーが求めているのは、出発点となり、正しい方向に導いてくれる魅力あるコンテンツです。このような学習者は基本事項を手早く習得し、高度なコンテンツに進みたいと考えています。 

コンテンツ戦略チェックリスト

これで独自のコンテンツ戦略を作成する準備ができました。次のガイドラインを使用して、コンテンツ目標を定めしょう。 

  • 対象とする受講者を明確にする。初心者とエキスパートのどちらを念頭に置いて作成するのか? マーケティング担当者かシステム管理者か? 受講者が求めているのはソフトスキルかコアスキルか?
  • 現存するリソースを検証する。トピックにすでにリソースが存在しないか? 現在、人々はこの情報をどのように学んでいるのか?
  • コンテンツの構造を決める。モジュールが 1 つ必要か、4 つ必要か? 1 つのトレイルか? 複数のトレイルか? あるいは異なる受講者向けに複数のコンテンツコレクションを用意し、それぞれに固有のトレイルとモジュールを含めるか?
  • 関係者を特定する。コンテンツの作成や承認に関与する主な人々は誰か?
  • コンテンツのローカライズを計画する。イネーブルメントサイトでサポートされるいずれかの言語にコンテンツを翻訳するか?
  • コンテンツをメンテナンスする。コンテンツの正確性や適切性をどのように維持するか?

リソース

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