クライアント側ドキュメント生成について学ぶ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ドキュメントテンプレートにデータを渡す 3 つの方法を説明する。
- サンプルのクライアント側 OmniScript の要素を説明する。
ドキュメント生成プロセスの構築
これまでに、Salesforce システム管理者の Felix が Sophia とチームに最適なドキュメントテンプレートを作成する過程を見てきました。
彼は Web テンプレートと Microsoft Word や PowerPoint のテンプレートを作成し、トークンを適切な場所に挿入しました。また、テンプレートを Salesforce の Document Template Designer にインポートし、設定を定義し、テンプレートをテストして問題なく機能することを確認しました。今みなさんが考えているのは、「Sophia のチームが使用できるように、Felix はドキュメントテンプレートをビジネスプロセスにどうやって組み込むのだろうか」ということではないでしょうか。
Industries Document Generation のドキュメントはすべて、JSON インプットデータをテンプレートに渡して作成されます。このテンプレートは先ほど作成しました。JSON インプットデータは OmniScript またはカスタムクラスによって提供されるか、指定した Data Mapper を使用してデータをテンプレートに抽出できます。
- 営業担当がドキュメントを生成するためにフォームに入力する必要があるなど、ユーザー操作が必要な場合は、クライアント側ドキュメント生成プロセスを使用します。
- トリガーに応答してドキュメントを生成するなどのプロセスを自動化する場合や、ドキュメントが大きい場合は、サーバー側ドキュメント生成を使用します。
クライアント側ドキュメント生成について詳しく見ていきましょう。
データをドキュメントテンプレートに渡す
クライアント側ドキュメント生成では、データをドキュメントテンプレートに渡す方法が 3 つあります。
- 提供されたサンプル OmniScript をカスタマイズする。
- 新しい OmniScript を作成する。
- JSON インプットを使用する。
カスタマイズされたサンプルのクライアント側 OmniScript
Industries Document Generation には、ドキュメント生成の手順をガイドするサンプル OmniScript が含まれています。
OmniScript は、オブジェクト ID やドキュメントの書式設定オプションといった必要な情報を収集するステップを表します。最後のステップで、ダウンロード用に生成されたドキュメントのプレビューが表示されます。
サンプル OmniScript は汎用的に作られているため、ユースケースに合わせてカスタマイズすることができます。サンプルをドキュメントテンプレートに使用するには、必ずテンプレートに Data Mapper Extract と Data Mapper Transform を含めてください。サンプル OmniScript はドキュメントに使用する Salesforce データを抽出するようにはなっていません。この Data Mapper は前の単元で Document Template Designer を使用して設定しました。
OmniScript を使用したユーザーデータの収集
ドキュメントを生成するには、ユーザーデータを収集する別の OmniScript を使用してドキュメントに渡すこともできます。たとえば、自動車保険契約の OmniScript でお客様の名前、生年月日、住所、車の詳細を尋ね、そのデータをテンプレートに渡します。この OmniScript にはすでに Data Mapper または Integration Procedure が含まれているため、テンプレートに必要なのは Data Mapper Transform のみで、前の例のように Data Mapper Extract は必要ありません。
カスタムクラスの JSON インプット
品目数が 200 を越えるなど、ドキュメントのデータ量が多い場合、カスタム Apex クラスを使用してデータを抽出し、JSON インプットを生成できます。そうすれば、OmniScript または Data Mapper Extract は必要ありません。この方法を使用するには、Document Template Designer でカスタム Apex クラスをドキュメントテンプレートに接続します。
サンプルのドキュメント生成 OmniScript
Industries Document Generation をすばやく活用する簡単な方法の 1 つは、サンプル OmniScript を使用することです。Felix はこれを使用して Infiwave 営業チームのためにドキュメント生成プロセスを作成しました。サンプルはテンプレートをテストするために使用したり、独自の OmniScript を作成するための開始点として使用できます。エンドユーザーはレコードページから OmniScript を起動してドキュメントを生成できます。
[OmniScript] タブにある「docGenerationSample/SingleDocxLwc」という名前のサンプル OmniScript を見つけてください。
Felix はサンプル OmniScript の新しいバージョンを作成します。このバージョンを新しいドキュメント生成 OmniScript の開始点として使用します。そうすると、元のサンプル OmniScript はそのまま変更されないため、また後で必要に応じて元のサンプル OmniScript を使用して他の OmniScript を作成することができます。
サンプル OmniScript の要素と、Felix がユースケースに合わせてカスタマイズする手順を一緒に見ていきましょう。サンプルのクライアント側ドキュメント生成 OmniScript には、OmniScript が呼び出されると順次実行されるいくつかのステップが含まれています。
画像内のプラスアイコン (+) が示すホットスポットをクリックすると詳細が表示されます。
クライアント側ドキュメント生成は、ユーザー操作を必要とするビジネスプロセスや、小さなドキュメントを生成する場合に適したオプションです。次の単元では、サーバー側ドキュメント生成とその利点について学習します。
リソース
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ドキュメント: Client-Side Document Generation Overview (クライアント側ドキュメント生成の概要)
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プラクティスガイド: Communications, Media, and Energy: Client-Side Document Generation (通信、メディア、エネルギー: クライアント側ドキュメント生成)
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プラクティスガイド: Health and Insurance: Client-Side Document Generation (医療および保険: クライアント側ドキュメント生成)