複雑な問題に対する関連性の高いインサイトの発見
学習の目的
利益率低下の謎
あなたの会社の利益率が低下していますが、その理由がわかりません。けれども、あなたには Einstein Discovery があります。さっそく、答えが得られるストーリーを作成してみましょう。
ストーリーの作成
- データセットのメニューから、[ストーリーを作成] を選択します。Analytics Studio により [Story Setup (ストーリー設定)] ウィザードが起動されます。
- データセットのデータに基づいて、「Maximize the field Margin (利益率項目の最大化)」ストーリーを作成することが推奨されました。このストーリーは「利益率を最大化するにはどうすればよいか?」という質問に答えるように設計されています。そして、その質問は、最も差し迫った質問である「利益率はなぜ低下したのか?」と一致します。[目的] と [項目] の下のリストを開くと、他に使用できる選択肢を参照できます。ただしこの例では、Einstein Discovery で表示された推奨事項が適切であるため、何も変更しません。デフォルトのストーリー名はデータセット名と同じですが、「APDist」ではよくわかりません。「Maximize Margins」 (利益率の最大化) に変更します。デフォルトのアプリケーションは [My Private App (私の非公開アプリケーション)] のままにします。
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[ストーリー種別] をクリックまたは入力します。今回の調査では、Einstein でより包括的なデータ分析を行います。
- そのため、[インサイトと予測] をクリックし、[設定オプション] をクリックします。ここでは、Einstein Discovery によって自動的に関連項目が選択されるようにしましょう。
- デフォルト ([自動]) を受け入れ、[ストーリーを作成] をクリックします。
あとは、Einstein Discovery が可能な限りあらゆる角度からデータを評価するのを、リラックスして見ているだけです。通常、この分析には 1 ~ 2 分かかるため、ストレッチでもしに行きましょう。
ストーリーの準備が完了すると、検出されたインサイトが表示されます。
「What Happened (何が起きたか)」インサイトから始めます。これは、過去に何が起きたかに関する Einstein の説明的分析の結果です。ここに表示される最初の視覚化 (強調表示された棒グラフと説明のテキスト) は、Einstein で検出された多数のインサイトの 1 つ目を表しています。これはリスト内で統計的に最も有意なインサイトです。リストをスクロールすれば、他のインサイトを確認できます。商品によって利益率が大きく異なります。Einstein Discovery インサイトでは、単にデータが提示されるだけではなく、何が重要かが強調表示されます。青いバーは、利益率が平均 (オレンジの横線) をかなり上回るまたは下回る商品を示しています。
深く掘り下げる
けれども、それぐらいの検出なら自分でも簡単にできたでしょう。問題は、なぜかということです。何が原因なのでしょうか? このストーリーには他にもインサイトがあります。利益率が最低の商品、オルタネータに注目してみましょう。
- 「When Distributor is Nisizu, Product: Hybrid Motors and Lift Supports do better」 (ディストリビューターが Nisizu の場合に、商品: ハイブリッドモーターとリフトサポートの数値が良い) というタイトルのインサイトまでスクロールダウンします。
いいですね。インサイトで示されているように、一部の商品、特にハイブリッドモーターとリフトサポートは利益率が高いようです。けれどもこれだけでは、オルタネータの利益率があれほど低い理由がわからないため、調査を続けましょう。
- [Search story insights (ストーリーインサイトの検索)] セクションで[Product - Alternators (商品 - オルタネータ)] を選択します。
- インサイトが表示されていない場合は、「When Product is Alternators, Distributor: Nisizu and BDINC do worse」 (商品がオルタネータの場合に、ディストリビューター Nisizu と BDINC の数値が悪い) というタイトルのインサイトまでスクロールダウンします。
新しいインサイトは、オルタネータについてはすべてのディストリビューターの業績が悪く、その中でも Nisizu は特に業績が悪いことを示しています。あなたは、このディストリビューターの業績が悪いことが全体的な利益率に大きな影響を与えているのではないかと考えました。さらに一歩進んで、その理由を示す別のインサイトを見つけましょう。
- インサイトナビゲーションバーで、[Why It Happened (なぜそれが起きたか)] をクリックします。
「Why It Happened (なぜそれが起きたか)」インサイトは、Einstein Discovery によって生成される別の種類のインサイトです。「Why It Happened (なぜそれが起きたか)」インサイトは、特定の結果を引き起こした正確な要因についてさらに詳しく調べるのに役立ちます。
あなたが抱いていた疑惑を裏付ける新しいインサイトがありました。「Product is Alternators by itself explains 4.1233 of the change in Margin.」 (商品がオルタネータであること自体が、利益率の 4.1233 の変化の理由となる。) です。
滝グラフから、データに対する新たな見解が明らかになりました。説明文に、「Distributor is Nisizu occurs 35.8% of the time globally but it changes to 52.8% when it is known that Product is Alternators. (世界の全取引のうち、35.8% は Nisizu というディストリビューターを経由していますが、商品がオルタネータのときはそれが 52.8% になります。)」と書かれています。つまり、Nisizu は、オルタネータの流通取引の 50% 以上を請け負っているのです。これで、利益率低下の大部分が説明できます。
利益率を改善するには
ここまでで、利益率が低下している原因に関していくつかのアイデアが得られました。それは良いことですが、解決策が必要です。ですから、当然次に尋ねる質問は「それについて何ができるか?」です。
- データの予測分析に基づく将来の結果の予測
- 指示的分析に基づく予測の改善方法に関する推奨事項
- インサイトナビゲーションバーで、[What Could Happen (何が起きる可能性があるか)] をクリックします。[Alternators (オルタネータ)] が自動的に選択されています。予測利益率は 20.68 です。
- [流通業者] で [Nisizu] を選択します。予測利益率は 15.02 に低下します。これによって、すでにわかっていたことを再確認できます。つまり Nisizu を介してオルタネータを流通すると利益率が下がるというということです。
- さまざまなディストリビューターを選択して、オルタネータの利益率が最高になるディストリビューターを見つけます。そのディストリビューターを介するようにオルタネータの販売を変更することを検討します。
- 別の商品での Nisuzu のパフォーマンスを確認してみましょう。[流通業者] でもう一度 [Nisizu] を選択します。
- [商品] で [Belt Drives (ベルトドライブ)] を選択します。利益率は 56.90 に上昇します。
これは大幅な上昇です。ただし、Nisizu を介してベルトドライブを流通することが最良の選択であると結論付ける前に、別のことを試してみましょう。すべてのディストリビューターのベルトドライブの利益率がどの程度であるかを確認するために、[流通業者] の条件を削除します。
- [流通業者] で [オプションを選択] を選択します。利益率は 49.48 に低下します。Nisizu によってベルトドライブを流通することで利益率が上がります。
- さまざまなディストリビューターを選択して、ベルトドライブの利益率が最高になるディストリビューターを見つけます。そのディストリビューターを介するようにベルトドライブの販売を変更することを検討すると良いかもしれません。