CRM Analytics ダッシュボードを使ってみる
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- CRM Analytics ダッシュボードを使用してインサイトを見つける。
- アプリケーション内の異なるダッシュボードに移動する。
- ダッシュボード検索条件を使用して、グラフに表示されるデータを絞り込む。
- データを並び替えてドリルダウンする。
CRM Analytics ダッシュボードの概要
CRM Analytics のまるでマジックのような機能についてお読みになったことがあるかも知れません。Analytics を使用することで、データについてよく知らなくても、いかに簡単にビジネスインテリジェンスを活用できるかということ。データからインサイトを得て、さらに行動へとつなげるのがいかに早いかということ。データに基づいて状況がいかに視覚化されるか、そして気付いてもいなかった質問にいかに答えることができるかということ。そして、いかにビジネスの成功が促進されるかということ。
そのマジックは CRM Analytics ダッシュボードから始まります。Wave ダッシュボードは、従来使用されていたツールでは実現できない、データの視覚化や比較で構成されています。ダッシュボードは、対話型のウィジェットのコレクションで、Salesforce 内外のデータからのクエリ結果が表示されます。ダッシュボードにより、ビジネスについてさまざまな角度から多面的なストーリーが得られます。
CRM Analytics ダッシュボードは、単に統計を表示するのではなく、基盤となるデータまで深く掘り下げるようにユーザーを導きます。ダッシュボードを探索するには、表示されている要素をクリックします。主要なメトリクスが、最後に実行されたデータフローからの最新のデータを使用して計算されます。すべてのグラフは、絞り込まれたデータベースクエリを示す対話的な画像です。
ダッシュボードに表示されるデータの絞り込みは、ドロップダウンリストからの選択、トグルの切り替え、グラフ内のクリックなどによって簡単に行えます。詳細を表に表示し、ドリルインして、アクションを実行できます。また、ダッシュボードを使用して、同僚とコラボレーションしたり、自分の目標を設定したりできます。これらについては、すべてこの後の単元で説明します。
CRM Analytics ダッシュボードを使用して、同僚や顧客によって生成されたすべてのデータを把握することができます。営業、サービス、マーケティング担当者の活動を追跡しましょう。インサイトを収集して分析し、チームに配布しましょう。CRM Analytics によってすべてのデータソースを 1 つのビューにまとめることで、ビジネスを成長させるためにデータに基づく新しい戦略を作成することが、より容易になります。
まさにマジックのようですね。
一緒にトレイルを進みましょう
エキスパートの説明を見ながらこのステップを実行したい場合は、次の動画をご覧ください。これは「Trail Together」(一緒にトレイル) シリーズの一部です。
トレーニング不要
あなたは、DTC Electronics 社の新しい営業マネージャーです。DTC Electronics では CRM Analytics を使用しています。あなたは CRM Analytics はデータの理解に役立つ、強力なツールであると聞いています。CRM Analytics から得たビジネスのインサイトを使用すれば、仕事やコラボレーションを大幅に向上させることができます。さらに、自分の部門の状況を上層部に説明することや、営業担当の業績向上を支援することができます。1 つだけ問題があります。次の上司とのミーティングまでに使い方を習得しなくてはならないのです!
「CRM Analytics の基本」モジュールでは、CRM Analytics が有効になっている特別な Developer Edition 組織にサインアップし、初めてのアプリケーションを作成しました。このモジュールでは、組織にすでに設定済みのアプリケーションを使用します。DTC Electronics の Salesforce システム管理者は、「My DTC Sales (私の DTC 売上)」というアプリケーションを作成し、営業マネージャー向けに設計したダッシュボードを設定してあります。ここでは、それらのダッシュボードを活用する方法を学習します。
自分がアナリストなどでないことは、自分が一番良く知っています。あなたは、システム管理者が、ダッシュボードに何が必要かを理解するために、営業業務担当と数時間かけて協力していたことは知っています。視覚化が複雑で、解釈が難しいのではないかと心配です。データの荒野で迷子になりたくはありません。ところが、CRM Analytics のトレーニングについて尋ねると、システム管理者は笑顔でこう答えたのでした。「ああ、トレーニングは必要ありませんよ。」
このモジュールでは、Salesforce に統合された [分析] タブで実際に作業をしてみます。これで、典型的なビジネスユーザーとして CRM Analytics を体験できます。準備のために、次のいくつかのステップを実行します。
- 必要に応じて、CRM Analytics が有効になっている Developer Edition 組織を再度起動します。このトレイルの最初のモジュールを終了し、まだ Developer Edition 組織を開いている場合は、Analytics Studio から Lightning Experience のタブに移動します。
- アプリケーションランチャー () から、[セールス] を選択します。リストに表示されていない場合は、[すべて表示] をクリックします。
- アプリケーションランチャーをもう一度開き、[すべて表示] をクリックし、[すべての項目] から [分析] を選択します。
Lightning Experience の [分析] タブに、CRM Analytics ホームページが表示されます。
ミーティングの準備
あなたの仕事に役立つように特別にカスタマイズされたアプリケーションを想像してください。このアプリケーションには、組織の最新のデータが表示され、上司が尋ねる質問への答えを簡単に見つけることができます。そんなものが本当にあるのでしょうか? それを確かめるために、さっそく見てみましょう!
- [分析] タブの左側のパネルで、[参照] をクリックし、[アプリケーション] 条件をクリックします。
- 各アプリケーションのドロップダウンメニューをクリックすると、[参照] オプションがあります。これは、Salesforce 環境では、アプリケーションをクリックすると、アプリケーションの最初のアセットが開き、実行が開始されるからです。逆に、Analytics Studio でアプリケーションをクリックすると、アプリケーションの参照モードが開き、アセットを表示できます。どちらの環境でも、必要に応じて実行と参照を簡単に切り替えることができ、それぞれがその環境に最適なワークフローで設定されています。
- ここでは Salesforce 環境を使用していてアプリケーションを実行する必要があるので、[My DTC Sales (私の DTC 売上)] をクリックします。
メモ: 最初にアプリケーションが読み込まれなかった場合は、タブを閉じ、次のリンクを使用してもう一度ログインします: login.salesforce.com。
アプリケーションが開き、ナビゲーションリストの最初のダッシュボードまたはレンズが表示されます。この場合は「DTC Sales」です。
- 実行中のアプリケーションでは、ナビゲーションリストからアプリケーションのすべてのダッシュボードとレンズにアクセスできます。リストを開くには、名前の横にある下矢印をクリックします。ここにアプリケーション内のすべてのダッシュボードとレンズが、探索が推奨される順序で表示されます。
最初のダッシュボードの DTC Sales は、主要なビジネス指標の概要で、いわば「全体像」です。その他のダッシュボードは、異なる角度からデータの詳細を示すものです。たとえば、Opportunity Details では、商談を並び替え、何も見逃さないように詳しく調べることができます。Regional Sales では、地域ごとの商談金額が表示されます。
- まず、全体像を変更します。DTC Sales ダッシュボードの右上隅にある切り替えで、[2020] をクリックして、どうなるか見てみましょう。すべての数値が変更され、折れ線グラフが大きく動いたのが分かりましたか? これは、ダッシュボードに使用されるデータが年によって絞り込まれたためです。ダッシュボード内のすべてのウィジェットはつながっていて、1 か所に変更を加えると、その変更は全体に反映されます。この機能はファセットと呼ばれます。
- 次に、更新ボタン () をクリックして、ダッシュボードを元の状態に戻します。または、[2020] の検索条件をもう一度クリックして削除します。
数値が 2020 年と 2021 年の両方の合計を反映して増えています。
ちょっとドキドキしましたが、かなり分かりやすかったのではないでしょうか? 考えられて設計されたダッシュボードは、使いやすいものなのです。CRM Analytics を使用するのが難しいのではないかというあなたの心配は解消されつつあります。状況が把握できてきたので、次のダッシュボードを探索しようという気持ちが高まってきました。
詳細の表示
あなたは、後期フェーズにあるビジネスについての詳細を調べて、担当者が商談に集中して成立させることを支援したいと考えています。けれどもあなたは、詳細を調べるには、より複雑な分析が必要だということを知っています。概要ダッシュボードでは成功しましたが、次に何ができるかはわかりません。とにかく、掘り下げて、試してみるしかありません。
- ナビゲーションリストを開き、[Opportunity Details (商談の詳細)] を選択します。
すぐに、進行中のパイプラインの KPI に気づきます。これは、あなたが注目したい項目です。じょうごグラフには、ビジネスのどれだけの割合がどのフェーズにあるかがわかりやすく示されています。折れ線グラフは、ビジネスの状況を時系列で示しています。積み上げ棒グラフは、各担当の商談と目標に対する達成状況の概要を示します。グラフの下の表には、詳細が記載されています。
実際、これには大いに納得できます。あなたは、結果的にデータの荒野を切り抜けられそうな気がしてきました。
- [Stage (フェーズ)] 切り替えの [Won (成立)] をクリックし、[開く] をクリックします。ファセットによりダッシュボードが更新され、すべてのウィジェットが変更されます。これで、じょうごグラフの [Perception Analysis (認識分析)] フェーズにある有望な 3,900 万ドルがはっきり表示されるようになりました。一方、折れ線グラフは、商談金額が 9 月から大幅に下降しているトレンドを示しています。この両方について上司と議論する必要がありそうです。
- Oppty Type (商談種別) ウィジェットを見つけます。このウィジェットでは、商談を種別ごとに分類できます。下矢印をクリックし、[New Business (新規ビジネス)] を選択します。
これで、ダッシュボードに 2 つの条件が設定されました。新規ビジネスで進行中の商談のみが表示されます。[Sales Rep (営業担当)] 棒グラフを見ると、Nicolas Weaver が最も多くの進行中の新規ビジネスを持っていることがわかりますが、あなたが本当に知りたいのは、誰が認識分析フェーズの商談を最も多く持っているかです。
- じょうごグラフの [Perception Analysis (認識分析)] セクションをクリックすると、棒グラフの名前の位置が入れ替わります。実際に認識分析フェーズの最前線にいて、最も大きな金額を持っていたのは Johnny Green でした。
試しに、別の角度からデータを見ても同じ結果が得られるか見てみましょう。
- ダッシュボードを更新して元の状態に戻すには、 をクリックします。
- 積み上げ棒グラフで Johnny Green を見つけて、その棒の [New Business (新規ビジネス)] セグメントをクリックします。ダッシュボードのすべてのグラフで Johnny Green の結果のみが表示されます。ダッシュボードの別の探索からアプローチしても、420 万ドルという彼の [Perception Analysis (認識分析)] の数値は同じでした。
- 最後に、スクロールダウンして棒グラフの下の表に注目します。
現在の選択に合わせて絞り込まれ、[Perception Analysis (認識分析)] フェーズの Johnny Green の新規ビジネスの詳細のみが表示されています。
あなたは CRM Analytics のパワーを実感し始め、データから必要なインサイトを得るために CRM Analytics がどのように役立つかがわかってきました。まるで、CRM Analytics があなたの目の前の道を切り開いて、行く先を示してくれているようです。さらにトレイルの先へと進む準備ができました!
並び替えとドリルイン
あなたは、米国で上位の DTC 営業担当が誰かを知りたいと考えています。今やあなたは、それを CRM Analytics ダッシュボードですばやく見つけ出せることを確信しています。データはすべてそこにあり、質問はダッシュボード設計者によってすでに設定されています。あとはただ、各ダッシュボードを探索する中で使用方法に慣れるだけです。それでは、アプリケーションの 3 つ目のダッシュボードを見てみましょう。
- ナビゲーションリストを開き、[Regional Sales (地域営業)] を選択します。
- ダッシュボードを絞り込むために、[Total Sales (総売上)] 棒グラフの [USA (米国)] の棒をクリックします。
スクロールダウンすると、表のすべてのエントリの [Billing Country (請求先の国)] が [USA (米国)] になっているのがわかります。
- 表を金額で並び替えるには、列ヘッダーの [Amount (金額)] をクリックします。ヘッダーに下矢印が表示されます。列内の値は降順に並び替えられ、「上位の金額はいくらか?」という質問に答えることができます。
- 昇順に切り替えるには、[Amount (金額)] をもう一度クリックします。その後で、3 回目となるクリックをすると、前の順序に戻ります。何人もの営業担当が、米国の高い売り上げに貢献しているようです。
- 棒グラフの隅にマウスポインターを置いてメニューを見つけ、クリックして開き、[調査] を選択します。これによってビューがレンズに変更されます。レンズでは、あの長い棒の元データにドリルインして、これらの商談の詳細を調べることができます。
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[USA (米国)] の棒をクリックで選択し、 をクリックして [ドリル] メニューを開きます。メニューで [Account Owner (取引先所有者)] を選択します。このビューでは、チームのリーダーをすばやく確認できます。表には多くの名前がありましたが、このビューに到達するまでは各メンバーの合計を比較できませんでした。もう一度ドリルインして、Laura Garza のチームがトップの営業成績を勝ち取るために、どの商品を販売しようとしているかを調べることができます。
- メニューを開くには、Laura Garza の棒をクリックで選択してから、 をクリックします。メニューで [Product Family (商品ファミリー)] を選択します。Laura の取引先については、ラップトップが営業成績に最も貢献しているようです。ミーティングの前に知ることができて良かったですね!
これで、データによって裏付けされた有用な情報を用意して上司とのミーティングに臨む準備ができました。CRM Analytics について多少なりとも理解できたため、上司からさらに質問された場合には、上司にこのアプリケーションを見せて一緒に操作してみることができます。
CRM Analytics ダッシュボードでのさらなる探索
特別にカスタマイズされたダッシュボードを使用して、良いスタートを切ることができました。アプリケーション内を移動する方法を学習しましたし、ダッシュボードが概要レベルと詳細レベルのビューを表示できることも知りました。検索条件を適用し、ウィジェットのファセットも確認しました。さらに、ダッシュボードのグラフの元データも探索しました。このアプリケーションが、仕事に大いに役立つことは間違いありません。
次の単元では、アプリケーションをさらに役立つものにするためにカスタマイズする方法を学習します。待ちきれませんね! でもその前にまず、Challenge を実行してポイントを獲得しましょう。
リソース