外部データを CRM Analytics に抽出する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 外部データを CRM Analytics に取り込む前に準備を行う。
- 外部データの CSV ファイルをアップロードする。
- 外部データのアップロードを監視および検証する。
外部データの抽出の概要
営業リーダーチームがパフォーマンスダッシュボードを使用できるように、データを CRM Analytics に取り込みましょう。Salesforce を管理し、営業チームのために設定することはあなたの仕事です。あなたは、営業チームが参照するデータの多くはすでに Salesforce の商談オブジェクト、取引先オブジェクト、ユーザーオブジェクトにあることを知っています。ただし、一部のデータは外部ソースから取得されているはずです。CRM Analytics ならまったく問題ありません。詳しく見てみましょう。
あなたの会社の営業業務チームは、各取引先に Standard Industry Classification (SIC) 産業コード項目を使用して業種を識別しています。営業リーダーは、これらのコードを解読するのに苦労しており、従来の説明文の方を好んでいます。そこで、営業業務チームは、すべての産業コードとその説明が含まれた CSV ファイルを用意しました。その一部を次に示します。
この単元の目的は、このデータを CRM Analytics で抽出し、抽出する Salesforce データに追加できるようにすることです。
CSV データの準備
データを CSV ファイルから抽出すると、CRM Analytics では各項目の値に基づき、それがどの種別のデータであるか推測されます。そして各項目に基準、日付、ディメンションのいずれかの種別が割り当てられます。このような種別により CRM Analytics のレンズやダッシュボードで項目をどのように操作するかが決まるため、種別は重要です。
CRM Analytics では、かなり正確に項目種別が割り当てられますが、適切な種別を指定する必要があることもあります。産業区分の説明の CSV ファイルの項目を 1 つずつ見て、何をする必要があるかを確認しましょう。
SIC Code (産業コード)
CRM Analytics では、このような数値項目は基準と識別されます。基準は、それに対して合計や平均などの計算を実行できる項目です。ただし、このように数値が含まれているものの、基準ではない項目に注意してください。産業コード、郵便番号、ID 項目などで計算を行う人はいませんが、CRM Analytics では計算の対象であるとみなされて、このような項目が基準と識別されます。今は何もすることはありませんが、データをアップロードするときには、これらのデータ型をディメンションに変更することができます。ここでは、ただそのことを覚えておいてください。
SIC Description (産業区分の説明)
このように数値でない文字が含まれる項目はすべてディメンションと識別されます。ディメンション項目は、グループ化したり絞り込んだりすることができます。通常、CRM Analytics でこういった項目が間違っていることはないため、何もすることはありません。
Industry Size (産業規模)
このような項目では、おそらく計算を行うことがあるため、この項目は基準に最適です。CRM Analytics では、数値データの通貨記号、カンマ、小数点が認識されますが、注意が必要です。それ以外の非数値文字が検出されると、項目がディメンションと設定され、その項目で計算することはできなくなります。そのため項目を基準にする場合は、このような数値項目を確認し、他の非数値文字をすべて削除します。
Last Updated (最終更新日)
CRM Analytics ではすべての一般的な日付形式やセットが認識され、このような項目は日付に設定されます。形式も設定され、米国とヨーロッパの日付形式も区別されます。ただし、日付項目を確認して、値が、サポートされている形式のいずれかになっているようにします。CRM Analytics で形式が認識されない場合は、項目はディメンションに設定されます。その場合は、便利な日付のグループ化や絞り込みの機能が使用できなくなります。また、日付がすべて同じ形式であることを確認してください。たとえば、米国とヨーロッパの形式が混在している場合は、ヨーロッパの形式が使用されます。
列ヘッダー
列ヘッダーが正しいことを確認してください。列ヘッダーは、データセットで項目の表示ラベルになります。続行する前に、CSV 内でこれらを修正できます。または、ファイルをアップロードするときにも変更することができます。
幸いにも、CRM Analytics でデータがどのように表示されるかをプレビューできるため、必要に応じて調整できます。
CSV データのアップロード
CSV ファイルの準備ができたところで、CSV アップローダーツールを使用して CRM Analytics にアップロードしましょう。その過程で、新しいデータセット用のアプリケーションも作成します。
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こちらから、産業区分の説明の CSV ファイルをデスクトップにダウンロードします。
- 前の単元でサインアップした Developer Edition 組織にまだログインしていない場合は、ログインします。
- アプリケーションランチャー () で、[Analytics Studio] を見つけて選択します。Analytics Studio が新しいブラウザータブで開きます。
- Analytics Studio で、[Create (作成)] をクリックし、[App (アプリケーション)] を選択します。
- ここでは空のアプリケーションを作成するため、[reate Blank App (空白のアプリケーション)] の [Create (作成)] をクリックします。
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[Continue (続行)] をクリックします。
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[ame your app (アプリケーションに名前を付ける)] 項目に、「Sales Performance Datasets (営業パフォーマンスデータセット)」と入力します。
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[Create (作成)] をクリックします。
- アプリケーションページの上部で [Create (作成)] をクリックし、[Dataset (データセット)] を選択します。アプリケーション内でデータセットを作成すると、アプリケーション名は自動的に選択されます。ほんの少しではありますが、手間が省けます。
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[CSV ファイル] をクリックします。
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[ファイルを選択するか、ここにファイルをドラッグしてください] をクリックします。
- 先ほどダウンロードした CSV ファイルに移動して選択し、[開く] をクリックします。ファイルがドラッグできる距離にある場合は、上記の手順の代わりに [ファイルを選択するか、ここにファイルをドラッグしてください] ボックスにファイルをドラッグすれば、数秒の手間が省けます。
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[Next (次へ)] をクリックします。CRM Analytics では新しいデータセット名としてファイル名を使用し、アプリケーションを選択します。
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[データセット名] 項目で、名前を「SIC Descriptions (産業区分の説明)」に変更します。CRM Analytics によって、ファイルの特定のプロパティ (区切り文字やエンコードなど) が検出されます。これらのプロパティは、[検出されたファイルプロパティ] ボックスで確認できます。変更するには、 をクリックし、[Edit (編集)] をクリックします。
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[Next (次へ)] をクリックします。[項目属性を編集] 画面に、CRM Analytics に抽出しようとしているデータのプレビューが表示されます。
前述したように、CRM Analytics に取り込む前にここでデータを修正できます。CSV ファイルを用意したときに注目していたことを思い返してください。項目が基準、日付、ディメンションの適切な種別に設定されていることを確認するのでしたね。さらに、項目名が正しいことも確認しました。CRM Analytics で項目種別が適切に取得されたかどうかを確認するには、プレビューの項目ヘッダーを見ます。各ヘッダーのアイコンは項目種別を示します。
CRM Analytics に誤りがある場合は、表示する列をクリックし、右側の [項目属性] パネルでその属性を編集できます。
今回のデータでは、[産業コード] 項目が基準と識別されたようです。それは無理もないことですが、これは求めている種別ではありません。項目種別を基準のままにしておくと、産業コードの合計を求めること (有用ではありません) はできますが、産業コード別に取引先や商談をグループ化すること (非常に有用です) はできません。ですから、種別を変更しましょう。
- [SIC Code (産業コード)] 列をクリックします。右側のパネルに項目属性が表示されます。
- [データ型] 選択リストから [ディメンション] を選択します。
また、CSV ファイルの日付項目を確認して、CRM Analytics で種別と形式が正しく設定されていることを確かめました。それも確認しましょう。
- [Last Updated (最終更新日)] 列をクリックします。右側のパネルに項目属性が表示されます。
データ種別は正しいのですが、形式が d/M/yyyy になっているようです。CSV ファイルのすべての日付は 1/10/2017 になっています。これは、米国で一般的な M/d/yyyy 形式では 1 月 10 日ですが、ヨーロッパで一般的な d/M/yyyy 形式では 10 月 1 日です。CRM Analytics では、そのどちらかが判定できないため、ヨーロッパ形式が選択されました。米国形式を使用する場合は、ここで簡単に変更できます。
- [日付形式] 選択リストから、[M/d/yyyy] を選択します。
予想したとおり、[産業区分の説明] 項目は問題なくディメンションと識別されました。これで完了したようです。[ファイルをアップロード] をクリックして終了します。
データがアップロードされ、データセット作成の進行状況が表示されます。
データ監視に移動してデータセットの状況を確認するためのリンクがあります。ここで小休止します。進行状況ダイアログが開いたままの場合は、[閉じる] をクリックします。[Sales Performance Datasets (営業パフォーマンスデータセット)] タブを閉じます。
休憩して、温かい飲み物でも飲みましょう。休憩から戻ってきたら、データセットが作成されていることを確認できます。
データジョブの監視と新しいデータセットの検証
バックグラウンドで、CRM Analytics によって新しいデータのジョブが作成され、実行されます。このジョブの実行にかかる時間は、CSV ファイルの大きさと、CRM Analytics で実行中の他のジョブの数によって異なります。ジョブの進行状況は、データマネージャーで簡単に確認できます。
- 右上のアプリケーションランチャー () で、[Data Manager (データマネージャー)] を見つけて選択します。新しいブラウザータブでデータマネージャーが開きます。最初に [監視] タブが表示されます。
- リスト内でジョブを探します。ジョブ名は CSV ファイル名の SIC_Descriptions で始まり、その後に「Upload flow - overwrite」が続きます。
- CRM Analytics でデータを抽出するために何が行われたかに関心がある場合は、ジョブ ID をクリックします。
すべて正常であれば、ジョブの状況は [成功] になります。そうでない場合は、手順をさかのぼってデータをもう一度読み込んでください。
次は、データセット自体を確認しましょう。実際のデータセットで、もう一度、項目データ種別や日付形式を確認します。データセットを見つけて、試してみましょう。
- データマネージャーの左側で、[Data Assets (データアセット)] タブをクリックします。
- SIC Descriptions データセットの右側にある [Data Asset (データアセット)] タブをクリックし、 をクリックして、[Explore (探索)] を選択します。
- 新しいレンズの左側にある [Bar Length (棒の長さ)] で、[+] (基準を追加) ボタンをクリックします。
ここには基準がありません。項目属性で基準を設定しなかったためです。
- [横棒] で、[+] (グループを追加) ボタンをクリックします。[Last Updated (最終更新日)]、[SIC Code (産業コード)]、[SIC Description (産業区分の説明)] の 3 つの項目があることを確認します。これで、この 3 つの項目が日付またはディメンションとして設定されたことを確認できます。[New Lens (新規レンズ)] ブラウザータブを閉じます。
お疲れさまでした。CSV アップローダーツールを使用して、CSV ファイルをデータセットに変換しました。
次は、Salesforce データを CRM Analytics に取り込みます。
リソース