データエクスプローラーになるには
学習の目的
探索の目標: トップセールスパーソンは?
ビジネスに関して疑問を抱いていることと思いますが、その答えはデータの中にあります。したがって、これからは探索者、つまり CRM Analytics を使用したデータの探索者になることが求められます。このモジュールのバッジ獲得に向けて、今後のあらゆる探索の指標となる具体的な目標を定めることから始めましよう。ここで学習する基本概念は、このモジュールを終了するために役立つだけでなく、実際の会社でも適用できます。ですから、早速最初のユースケースから見ていきましょう。
この単元では、新しい四半期が始まり、1 つの商品ファミリーの販売を伸ばすために社内のトップセールスパーソンにボーナスを支給するコンテストを実施することを目標にします。どの商品ファミリーにするかはまだわかりませんが、その答えはビジネスデータの中にあります。コンテストの対象商品を選ぶためには、商品別の販売状況を把握する必要があります。CRM Analytics のデータ探索では、1 つの答えから自然と次の答えが導かれ、新たに生じた質問の答えが見つかることもあります。
注意! 「CRM Analytics の基本」モジュールを終了していない場合は、まずこのモジュールに取り組んでください。このモジュールを受講する場合は、事前に特別な Developer Edition 組織にサインアップする必要があります。
クエリの使用開始
[データセット] セクションに、[DTC Opportunity (DTC 商談)] というデータセットが表示されます。クリックして開きます。
[新規レンズ] というタブが開きます。データ探索の初期状態とデータベースの行数が表示されます。横棒にマウスポインターを置くと、ボックスの中に正確な数字が示されます。行数表示ラベルの名前を変更する場合は、[DTC Opportunity (DTC 商談)] の横にあるドロップダウンメニューから [項目パネルを表示] をクリックします。続いて、 をクリックします。ダイアログボックスで、新しい表示ラベル名を入力し、[完了] をクリックして変更を保存します。
探索では、データに関する質問をします。この質問をすることを「クエリを実行する」と言います。クエリを少しずつ変更して探索の目標に近づけていくことで、このシンプルな横棒が高度なグラフに変化していきます。
- 集計 — いくつかの基準でデータを集計します。たとえば、基準には探索の初期状態のデータの行数などがあります。別の一般的な基準として、金額の合計があります。
- グルーピング — 特定のディメンションによってデータをグループ化します (ディメンションの詳細は後述)。たとえば、商品名や取引先によってグループ化します。
- 絞り込み — データに条件を設定して結果を絞り込みます。たとえば、会計年度内の商談のみを表示します。
現在のクエリは、グルーピングしていますか? 条件で絞り込んでいますか? 集計していますか?
このクエリは、グルーピングや絞り込みではありませんが、行数を集計しています。これはデフォルトです。グループと条件は省略可能ですが、集計は必須です。使用するクエリにかかわらず、視覚化するには少なくとも 1 つの基準が必要です。
データのグループ化
まずは、商品ファミリーによるグルーピングを追加しましょう。[棒] の下にあるプラス記号 (+) をクリックすると、ドロップダウンメニューが開き、グループ化単位のディメンションを選択できます。
ディメンションとは何でしょうか? ディメンションは、地域、商品名、モデル番号など、定性的な値です。つまり、グループ化の単位に使用できるものです。
ここでは、[商品ファミリー] 別にグループ化します。ディメンションの名前を入力して、リストから選択すると、ディメンションにすばやくアクセスできます。
[行数] の集計がグループごとに計算されています。ただし、知りたいのは各商品ファミリーによる収益ですから、集計を変更する必要があります。集計は通常、基準に対して実行されます。
- [棒の長さ] で [行数] をクリックして集計を変更します。ドロップダウンメニューが開き、[合計] や [平均] などの基準を使用して実行できる計算が表示されます。
- 各商品ファミリーによる収益を知りたいため、[合計] をクリックします。右側のリストに使用できる基準が示されます。
- [金額] を選択します。
グラフが更新され、各横棒上の値が変更されました。
データにドリルインする
[Laptops (ラップトップ)] の青い横棒をクリックするだけで、ラップトップの販売データにドリルインできます。棒を 1 回クリックして選択し、右クリックしてドロップダウンメニューを開きます。または、[ドリルダウン] ボタン () をクリックします。[商談所有者] を選択すると、表示が変化します。
1 回のクリックだけで、グローバル販売の 1 つの横棒がラップトップの営業担当ランキング表に変化しました。クエリでどこが変更されたかを見てみましょう。
- [棒] で、グループ化が商品ファミリーから商談所有者に変更されています。
- 商品ファミリーをラップトップのみに絞り込んでいます。
これで、ランキング表の質問に対する回答が得られました。ここで注意が必要です。これが本当の答えでしょうか?
データの絞り込み
- [検索条件] タブで、[検索条件] の下にあるプラス記号 (+) をクリックします。
- [成立] を検索し、クリックします。
- [true] の値を選択します。
- [適用] をクリックします。
条件を追加したときのアニメーションに気づきましたか? 結果がどのように変化するかを視覚的に理解できます。成立した商談のみに注目したときは、トップの営業担当が異なります。順位が上がる営業担当と下がる営業担当がいます。成立した商談に注目する場合は、どのように順位が変化するかを知ることが重要です。
探索の続行: 次の質問
- 棒グラフの左側にある [棒] の下に、[商談所有者] と [商品名] という 2 つのディメンションが表示されています。
- この時点ではグラフの 2 つ目のグループ (商品名) が色付きで強調表示されています。グラフの右側には、色と商品の関係を示す凡例があります。
この視覚化によって、どの商品が最も大きな収益をもたらしているかがわかります。期待どおり、軽量ラップトップは堅調です。この情報と営業担当ランキング表の情報を組み合わせるために、視覚化を変更しましょう。
最適な視覚化の選択
ラップトップの売上が最多の営業担当を調べる場合は、所有者名ごとに 1 本の棒を表示しつつ、商品名によるグループ化も維持します。では、営業担当ごとに値を「積み上げ」られるとしたらどうしますか。
グラフのオプションを表示するために、グラフギャラリーアイコン () をクリックします。[積み上げ横棒グラフ] を見つけてクリックし、どうなるか見てみましょう。 を再度クリックしてグラフパネルを閉じます。
視覚化ごとに、複数のグループ化または基準を処理する方法が異なります。グラフアイコン () をもう一度クリックして [ドーナツ] を選択します。この場合、1 つ目のグループ化 (商談所有者) ごとにドーナツが作成され、その上に 2 つ目のグループ化 (商品名) が表示されます。
最初に行ったように、区分の上にカーソルを置くと、値に関する詳細情報が表示されます。複数のグループ化を伴うグラフは、たとえば 2 つ目のディメンション値ごとの割合が表示され、より有益な情報を得ることができます。
ドーナツグラフでは、データの構成をすばやく把握できます。次の図は、求めているインサイトに基づいてどのグラフを使用すれば最適かを示す要約です。
- [Trellis] で、[商談所有者] を削除します。
- [セグメント] を [商談所有者] に変更します。
- [Trellis] で、+ をクリックして [商品名] を追加します。
視覚化に、商品別のドーナツが表示されます。ドーナツごとに、商談所有者別の 2 つ目のグループ化も行われています。
レンズに作業内容を保存する
探索を敢行中
- ディメンションは説明的な値で、基準は計算可能な値です。
- 視覚化は特定のユースケースごとに有効性が異なります。主としてどのようなインサイトを得たいかに基づいて視覚化を選択します。
- 探索を恐れることはありません。過去の探索過程の各ステップを確認し、ステップ間に簡単に移動できます。
- 探索した内容はレンズに保存できます。
- データを探索するときは、集計、グルーピング、絞り込み、意味ある視覚化の作成の 4 つの基本的なアクションを組み合わせていきます。
次の単元では少し時間をかけて、グループや条件、視覚化を使用した、データに基づく探索について説明します。準備ができたら、さらなる学習に進みます。