CRM Analytics アプリケーションを作成する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 事前作成済み CRM Analytics アプリケーションの反復的なライフサイクルを理解する。
- CRM Analytics の事前作成済みアプリケーションを作成する。
- アプリケーションを作成するための設定ウィザードの使い方を理解する。
- アプリケーションのデータ更新を通常の営業時間以外の時間に再スケジュールする。
アプリケーションのライフサイクル
CRM Analytics が有効になっている特別な Developer Edition 組織で、事前作成済みの CRM Analytics アプリケーションを設定、作成できる状態になりました。今回は Sales Analytics を使用しますが、ここで学ぶ原則と手法は他の事前作成済み CRM Analytics アプリケーションにも適用できます。
世界規模でセールスを担当する営業マネージャー Laura Garza は、ぜひアプリケーションを使いたいと思っています。上司である DTC Electronics 社 CEO との大事な会議の準備をしなければならないからです。CEO は Laura とチーム一同を、前四半期の目標達成を祝う昼食会に招いてくれる予定です。ただ、Laura は食事の前に今四半期の状況を知りたいと言っています。力になりたいですね。さあ、楽しい作業の時間です。CRM Analytics アプリケーションを実際に作成してみましょう。
アプリケーション作成の過程は簡単です。通常、事前設定済みアプリケーションには便利な設定ウィザードが含まれます。Sales Analytics などのアプリケーションには 1 クリックオプションがあります。このオプションでは、ウィザードの質問に対してデフォルトの回答 (特に標準的な Salesforce を実装している場合に必要な回答が得られる可能性が最も高い設定) を使用してアプリケーションを作成します。
ウィザードを使用する場合は、データに関する質問に回答します。CRM Analytics はそれに対する回答から判断し、あなたのアプリケーション用に作成するダッシュボードに、どのようにデータを表示するかを決めます。また、開発者やデータサイエンティストに頼ることなく、思い通りに動作するアプリケーションができるまで、さまざまな設定でアプリケーションを作成することもできます。
アプリケーションの持つ利点を十分に活用するため、大半の方は次のような経過をたどります:
- 概観をつかむために、ウィザードのデフォルトの回答や、基本オプションがあればそれらを使用して、アプリケーションを作成する。アプリケーションによっては、デフォルトの回答が用意されていない質問に答えなければならないことがあります。
- アプリケーションを確認して、改善が可能な点を調べる。
- ウィザードの質問に、前回より慎重に回答しながら再度作成する。Sales Analytics や基本オプションを使用した他のアプリケーションで、カスタム作成オプションを選択してウィザードを使用します。
- 関係者にアプリケーションを見てもらい、改善のためのアイデアを集めた後で、ウィザードを使って別バージョンのアプリケーションを作成する。
- ステップ 3 と 4 を繰り返してアプリケーションを完成させる。
- アプリケーションを子細に確認する。異なる検索条件オプションを選択すればダッシュボードを変更できることにすぐに気がつくでしょう。CRM Analytics プラットフォームの機能を使用して、定期的に発生するデータセキュリティのカスタマイズを少し加えることで、ダッシュボードをパーソナライズできます。アクションを追加したり、表示ラベルの名前や色を変更したりして、ダッシュボードを改良することもできます。
CRM Analytics アプリケーションをいくつか作成すると、求める結果にすぐに焦点を絞ることができるようになります。そのことを意識しながら、さっそく最初のアプリケーション作成に取りかかりましょう。
最初のアプリケーションの作成
Sales Analytics にはベーシック作成オプションが用意されています。初めての方はこれを使用することをお勧めします。ここでも、アプリケーションをすばやく簡単に作成できるため、このオプションを使用します。タイマーをセットして、どのくらいスピーディに作業を進められるか測ってみてもよいでしょう。
- Developer Edition 組織で CRM Analytics を開きます。アプリケーションランチャー () で、[Analytics Studio] を見つけて選択します。このステップを覚えておいてください。CRM Analytics モジュールでは、CRM Analytics および CRM Analytics アプリケーションに移動する必要があり、これがデスクトップでの移動方法です。
Analytics Studio を初めて開くと、ようこそ画面が表示され、使用を開始するのに参考となるリソースが紹介されます。この画面は閉じてもかまいません。いつでもヘルプメニューから再び開くことができます。メニューを開くには、右上にある疑問符をクリックします。
次に、[Welcome to CRM Analytics (CRM Analytics へようこそ)] を選択します。
- CRM Analytics ホームページで、[Create (作成)] ボタンをクリックし、[App (アプリケーション)] を選択します。
- 選択できるテンプレートはたくさんあります。後で必ずすべてに目を通して、作成できるアプリケーションを確認しましょう。自分の仕事に役立つものがたくさんあるはずです。今は検索ボックスに Sales Analytics と入力してテンプレートを選択します。
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[Continue (続行)] をクリックします。これにより、アプリケーションのプレビューページが開き、作成するアプリケーションで何ができるかを把握できます。最後までスクロールして、完成したアプリケーションに何が含まれるかを確認します。これには、すべてのダッシュボードのプレビュー画像も含まれます。
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[Continue (続行)] をクリックします。互換チェックが実行され、アプリケーションの作成に必要なすべてのデータが組織に含まれていることが確認されます。特別な Developer Edition 組織は適切なデータをすべて含んでいます。(独自の組織で Sales Analytics を作成してある場合は、問題の解決方法を示すメッセージが表示される場合があります。)[Looks good, next (次へ)] をクリックして次に進みます。
- 2 つのオプションが表示されます。デフォルト設定を使用してアプリケーションを作成する [Basic (ベーシック)] と、デフォルト以外の独自の設定を選択できる [Custom (カスタム)] です。ここでは、最初のアプリケーションを作成してその方法を確認することが目的のため、[Basic (ベーシック)] を選択します。この単元の後半では、[Custom (カスタム)] オプションと設定ウィザードを使ってアプリケーションを作成する方法を学習します。
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[次へ] をクリックして、アプリケーションに名前を付けます。「My First Analytics App」 (私の最初の Analytics アプリケーション) と名付けましょう。ログレベルの選択オプションについては、今は気にしないで大丈夫です。[Create (作成)] をクリックするだけで作成が開始されます。これにより、バックグラウンドで別のチェックが開始されます。Developer Edition 組織はチェックにやすやすと合格し、アプリケーションの作成を開始します。これには数分かかることがあります。(独自に作成した組織では、問題の解決方法を示すメッセージが表示される場合があります。)
簡単ですよね? わずか数クリックの操作で、Sales Analytics が稼動するようになります。CRM Analytics では設定の修正も簡単です。次にアプリケーションを作成するときには、既存のアプリケーションの設定を使用してウィザードの回答を入力するためのオプションを利用できます。
アプリケーションの作成が完了すると、メールで通知が送られてきます。
省略可能: Trailhead Data Manager を使用して CRM Analytics データを更新する
CRM Analytics がアプリケーションを作成している間に、Trailhead のために特別に設計されたツール、Trailhead Data Manager (CRM Analytics のデータマネージャー機能と混同しないでください) を紹介します。ですが、なぜこのタイミングで紹介するのでしょうか。それは、現実世界の組織はせわしなく常に変化し続けているのに対して、Developer Edition のユーザーは 2 ~ 3 人くらいで、現実の活動はなく、日を追うごとにデータが古くなっていく極めて静的な環境であるためです。Trailhead Data Manager ツールは、データを更新することで、現実のビジネス環境のような雰囲気を出してくれます。
ダッシュボードのいずれかでデータが欠落している場合は、データを更新する必要があります。あなたの組織に、商談、取引先、活動などの豊富なデータが取り込まれることになります。この手順を実行すると、古いデータは削除され、直近の日付で更新された最新データ一式が作成されます。Sales Analytics は「当四半期」や「先月」など相対的な日付範囲を判断するため、この手順を実行しないとダッシュボードは空になってしまうことがあります。Trailhead をしばらく使用していなかった場合はこの手順を実行してください。
方法は次のとおりです。
- アプリケーションランチャーで、[Analytics Studio] を開きます。
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[あなたにおすすめ] パネルに、Analytics のアセット (アプリケーション、ダッシュボード、データセット、レンズ) が表示されます。
- 作成を開始したアプリケーション、[My First Analytics App (私の最初の Analytics アプリケーション)] をクリックします。アプリケーションの作成中は、Trailhead Data Manager を使用できません。ウィンドウにダッシュボードとデータセットが表示されるまで、数分おきにブラウザーを更新してください。Trailhead Data Manager を実行する準備が整いました。
あとは Trailhead で Trailhead Data Manager を使用するだけです。独自の組織で Sales Analytics を設定する場合は、Trailhead Data Manager を使用する必要はありません。
- Analytics Studio を開いていることを確認します。右上のアプリケーションランチャーから、[Trailhead Data Manager] を選択します。すぐに見つからない場合は、下にスクロールしてください
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[Trailhead Data Manager] タブを選択して、[Refresh DTC Data (DTC データを更新)] をクリックします。
更新のためにアプリケーションをスケジュールする
順調です! アプリケーションが完成したところで、次は、データを同期し、アプリケーションのデータセットを更新するためにアプリケーションをスケジュールする方法を見てみましょう。アプリケーションを作成したら、そのアプリケーションで使用されるデータアセットを更新して、アプリケーションのユーザー全員に最新のインサイトを提供する必要があります。
方法は次のとおりです。
- [設定] の [クイック検索] ボックスに「アプリケーションインストール履歴」と入力し、[アプリケーションインストール履歴] を選択します。
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[My First Analytics App (私の最初の Analytics アプリケーション)] を検索します。
- アプリケーションの右側にある をクリックします。このメニューを使用して、アプリケーションをすぐに更新したり、日次更新をスケジュールしたりできます。
- アプリケーションの更新をスケジュールするには、[スケジュール] をクリックします。[Schedule App (アプリケーションをスケジュール)] ウィンドウが開きます。実際の組織では、誰も働いていない営業時間外にアプリケーションの実行をスケジュールします。
- アプリケーションを実行する曜日と時刻を選択して [Save (保存)] をクリックします。
アプリケーションの準備完了
最初の CRM Analytics アプリケーションが完成しました。それではこのアプリケーションの優れた点を見てみましょう。
- アプリケーションランチャー () から Analytics Studio を開いて戻ります。
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[For You (自分のアプリケーション)] セクションで [My First Analytics App] を探します。アプリケーションをクリックすると、アプリケーションのすべてのアセット (ダッシュボード、レンズ、データセットなど) が表示されたページに移動します。このページを覚えておいてください。アプリケーション環境をカスタマイズする場合、通常はこのページから開始します。
- 右上にある [Run App (アプリケーションを実行)] をクリックすると、アプリケーションのホームダッシュボードが表示されます。ここで上位の KPI を確認できます。下にスクロールして他のすべてのダッシュボードのリストと説明を確認します。
Sales Analytics ダッシュボードについては Sales Analytics モジュールでさらに詳しく学びます。ダッシュボードを 1 つ見てみましょう。
- スクロールして [Team Benchmark (チームのベンチマーク)] ダッシュボードを見つけ、クリックして開きます。
- 名前が示すとおり、このダッシュボードでは、一定期間における営業チームのパフォーマンスを見ることができます。ダッシュボードの動作を確認するために、右上部の [Time Period (期間)] 検索条件を [Current Fiscal Quarter (今期 (会計四半期))] から [Current Fiscal Year (今期 (会計年度))] に変えます。
選択した期間中における各チームメンバーの業績が一目でわかります。このダッシュボードは、チャートと絞り込まれたデータテーブルを利用して、充実したデータが即座に得られることを示す絶好の例です。ここから即時に、より詳細な内容を見ることも可能です。または、右上にあるホームボタン をクリックしてホームページに戻ります。Laura もきっと気に入ってくれるでしょう。
誕生したばかりのアプリケーションですが、すでにたくさんの機能があることがわかりました。アプリケーション作成過程を再び経験し、アプリケーションのライフサイクルについて深く知る中で、どんなことが起こるか想像してみてください。次に、ウィザードの回答によってアプリケーションをカスタマイズする方法について少し考えてみましょう。
ウィザード利用のヒント
基本オプションと標準のアプリケーション設定を使用して、最初のアプリケーションを作成しました。Sales Analytics や他のアプリケーションを作成する場合は、カスタムオプションを使用してアプリケーションの設定を選択することができます。
Sales Analytics アプリケーションでこのしくみを見るための手順は、次のとおりです。
- Analytics Studio に移動して [Create (作成)] をクリックし、[アプリケーション] を選択します。
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[Sales Analytics] を選択して [次へ] をクリックし、もう一度 [次へ] をクリックします。
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[新規アプリケーションを作成] を選択して、[続行] をクリックします。互換チェックが実行された後、[次へ] をクリックします。
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[Custom (カスタム)] を選択し、[Looks good, next (次へ)] をクリックして、ウィザードの最初のページを開きます。
- ここからの数画面で [次へ] (または必要に応じて [戻る]) ボタンを押して、ウィザードを簡単に確認してください。アプリケーションに名前を付けることができる画面に到達したら、右上の [X] をクリックして画面を閉じます。別のアプリケーションをまだ作成しないでください。
初回は複雑に見えるかもしれませんが、以下の簡単なルールに従えば、ウィザードを簡単に使うことができます。
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質問にすべて目を通してから回答を始めましょう。落ち着いて考えれば、どんな情報が求められているかを理解できます。メニューにも目を通して、当てはまる回答や説明を探します。ウィザードでは質問の順番に関係なく進んだり戻ったりすることができます。
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判断がつかない場合はデフォルトのままにする。短時間で価値を提供できるように、質問に対する回答があらかじめ選択されている便利なアプリケーションです。アプリケーションによっては、質問に選択済みの回答が用意されていないものがあることがあります。その場合、選択を促すメッセージが CRM Analytics に表示されます。
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ウィザードで可能なのは分析環境の微調整のみです。ウィザードの設定で、絞り込みや、KPI を計算するための項目など、ダッシュボードの一部を変更することができます。ただし、レイアウトやほとんどのアプリケーションコンテンツは制御できません。標準のまま便利にお使いいただけるように、ほとんどのアプリケーション要素は事前定義されています。
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1 回だけ項目を選択できる。ウィザードの質問に答えて Salesforce の標準オブジェクトから項目を選択します。それぞれのオブジェクトで 1 回だけ項目を選択できます。Salesforce の標準項目や、オブジェクトで設定したカスタム項目が表示されます。
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質問のコンテキストに適合するのは、一部の回答のみです。ウィザードの質問では多くの項目から選ぶよう促されますが、お使いのアプリケーションで有効なものはそのうちの一部に限られます。たとえば、写真の URL 順に取引先を並び替えることはできません。
慣れるまでは慎重に進んでください。初めは、回答の変更は 1 つか 2 つにしておきましょう。そうすることで、変更の結果がどうなるかがよくわかります。
お疲れさまでした
多くのことを身につけてきました。
事前作成済み CRM Analytics アプリケーションを簡単に作成できることを体験しました。その過程では、いくつかの構築済みダッシュボードに触れ、最小限の設定で視覚的な概要を作成してビジネスの状態を表示する方法を見ました。また、データを最新にた持つためのアプリケーションのスケジュール方法も見ました。また、設定ウィザードについて学びました。
学ぶべきことは他にもありますが、事前作成済み CRM Analytics アプリケーションを自力で作成するため知識は十分に身に付きましたし、今後は自分でいろいろ試してみることもできるはずです。進み方が早いと思われるかも知れませんが、もし失敗してもすぐに修正が可能です。
次の単元では、管理タスクの処理とアプリケーションの共有について学びます。
リソース
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Event Monitoring Analytics アプリケーションの作成と共有
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Sales Analytics アプリケーションの作成と共有
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Service Analytics アプリケーションの作成と共有