CRM Analytics テンプレートの使ってみる
学習の目的
テンプレートを使用して CRM Analytics アプリケーションを配布する
あなたは DTC Electronics 社の優れたシステム管理者です。優れている理由は、DTC の Salesforce を初日に設定し、それ以降拡大を続ける Salesforce の実装を管理しているためです。この業務には、CRM Analytics の管理、つまり、探索、レンズ、データセット、ダッシュボード、さらにはアプリケーションの構築が含まれます。
これまでにもそれなりの苦労をしてきました。DTC の経営陣の要望に応えて、コードを記述し、数種のソリューションを実装しました。データセットを拡張するためのレシピを作成して XMD を記述し、ダッシュボードを最適化するために JSON コーディングを行い、カスタムの SAQL クエリも記述しました。さらに Apex や CRM Analytics API も処理してみました。まだ開発者とはいえませんが、それに近づきつつあります!
たった今、DTC の野心的な CEO がやって来て新たな挑戦を言い渡されました。この CEO は、あなたが DTC の Analysts グループと一緒に作成した Execs Only という新しい CRM Analytics アプリケーションをとても気に入っています。これは、経営陣が Salesforce の最高レベルのセールスデータから瞬時にインサイトを取得できるアプリケーションです。
CEO は話しながら、実際に見せるためにラップトップで Analytics Studio を開きます。「すごいんですよね! アプリケーションを開けば、必要なことが全部わかるんですから...。それに、私に必要なことだけが 1 か所にまとめられていて」と CEO が言う間、あなたは肩越しに画面を眺めます。

そして、CEO がダッシュボードを開きながら、「Pipeline Performance を毎日使っているんだけど、パイプ全体を見ることも、進行中のパイプや生成したパイプの内訳を見ることも、どれを成立させられそうか把握することもできて、本当にすごいの! 営業とサービスのパフォーマンスがすべて 1 つのビューで見られるんですよ!」と続けます。

CEO は DTC のディストリビューションパートナーのコアグループを対象とした研修でも Execs Only を使用したと言います。この研修を開催したのも、新たな競合相手が DTC の一部のパートナーに接近していると耳にしたからでした。研修の目的は、DTC に対するパートナーの好感度を高め、DTC の商品販売に役立つものがパートナーに揃っていることを確認することでした。
「研修中ずっとみんなに Sales Performance ダッシュボードと Pipeline Performance ダッシュボードを見せて欲しいと頼まれ、各自のバージョンを手に入れるにはどうすればよいかと聞かれました。これと同じように図表に各人の Salesforce データを表示できれば、気に入ると思うわ」と言うことです。「パートナーもその営業チームのパフォーマンスに基づいてこのような最新結果を見ることができれば、営業活動の効率性がはるかに高まるのではないかと感じているみたいです。」
これが新たな挑戦です。CEO はあなたに、DTC のディストリビューターが同じアプリケーションを使用して販売を管理できるようにするにはどうすればよいか考えてもらいたいと思っています。ディストリビューターは、このアプリケーションを各自の組織で使用して、Salesforce データの分析インサイトを得ることを望んでいます。「これが実現すれば、この先ずっとディストリビューターの心を掴むことができると思うのよね。ディストリビューターを大いに満足させ続けるために、早急にどのようなことができますか?」
例によってあなたは情報を先取りしており、Salesforce ヘルプで CRM Analytics テンプレートという開発者テクノロジーについて読んだところでした。このテンプレートを使用すれば、アプリケーションをパッケージ化して、社内の他のユーザーやパートナーに配布でき、さらには顧客への販売も可能になるということです。パッケージを受け取った人は、このテンプレートを使用して、アプリケーションに各自の Salesforce データを搭載した独自のバージョンを作成できます。
あなたはそもそも、アプリケーションを構築できる CRM Analytics プラットフォームのツールに感心していたため、テンプレートも同様に強力なものに違いないと考えます。そこで CEO に、「わかりました。急いで準備しましょう。アプリケーションに営業とパイプラインのデータのみを搭載した簡易バージョンを作ってみるということでどうでしょうか?」と提案します。CEO は椅子から飛び上がり、「さすがね! やって頂戴」と言います。
超有能なシステム管理者
DTC のシステム管理者と言っても、CRM Analytics プラットフォームを使い始めたばかりかもしれないし、すでに本番でアプリケーションを運用しているかもしれません。いずれにせよ、テンプレートがあれば CRM Analytics に基づくソリューションを最大限に活用できます。
このモジュールでは、テンプレートのあらゆる側面について説明します。テンプレートとは何かを確認し、テンプレートを使いこなすために理解する必要のある概念を詳しく見ていきます。ビジネスニーズに応じたテンプレートのカスタマイズに用いるいくつかの技法も習得します。そして、強力なユーザー機能を備えたテンプレートにわずかな変更を行った場合にどのように機能するかを詳しく見ていきます。
こうした威力を活用するには、システム管理者の高度なスキルを要します。難度の高い場面では、システム管理者が JSON を使い慣れているか、開発者に協力を依頼する必要があります。大変ですが、取り組む価値は十分にあるでしょう。あなたは、DTC の優れたシステム管理者の開発スキルを持ち合わせていないかもしれません。ただし、JSON を使いこなすレベルではなくとも、このモジュールの例は理解できます。各例は、各自のテンプレートの開発を始める第一歩です。
テンプレートを実際に自分で作成することや、テンプレートのファイルを編集することはありません。このモジュールではあなたにファイルを示し、独自のテンプレートをカスタマイズするために実施するプロセスを順を追って説明します。実際のファイルを見ながら学習を進める場合は、この単元の末尾の「リソース」セクションのリンクからファイルをダウンロードできます。
では始めましょう。
Developer Edition 組織で事前作成済み CRM Analytics アプリケーションを試す
ここでサインアップしてログインし、テンプレートの操作を開始してみましょう。
- https://trailhead.salesforce.com/promo/orgs/analytics-de に移動します。
- フォームに記入します。
- フォームに入力したら [Sign me up (サインアップ)] をクリックします。確認メッセージが表示されます。
- メールに移動して、有効化メールを探します。そのメールを開いて、リンクをクリックします。
- 登録を完了し、パスワードと確認用の質問を設定します。ヒント: ログイン情報を書き留めるか覚えておきます。
- [保存] をクリックします。これで新しい CRM Analytics Developer Edition 組織にログインできるはずです。
これで準備完了です。Salesforce 組織に DTC Electronics 社の販売データが取り込まれ、テンプレートの実際の動作を確認する準備が整いました。
けれども、まずは次の質問に解答して「CRM Analytics アプリケーションテンプレートの開発」バッジの獲得を目指しましょう。
リソース
- 「CRM Analytics Basics Trail (CRM Analytics の基本)」トレイル
- アプリケーションで CRM Analytics を加速する
- Deploy CRM Analytics Prebuilt Apps (事前作成済み CRM Analytics アプリケーションのリリース)
- このモジュールのコードのダウンロード。ダウンロードは 2 つのファイルで構成されています。EATP1 は基本的な Template 1 (テンプレート 1) で、次の単元でアプリケーションの作成に使用します。EATP2 は Template 2 (テンプレート 2) で、このモジュールの後半で説明する変更が含まれています。