トレーニング目標を伝える
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 期待事項と目標を明確に定義するトレーニング戦略を作成する。
- ユーザーが常に最新情報を把握できるコミュニケーション計画を作成する。
準備
システム管理者である皆さんは、組織の Salesforce を設定するために沢山の作業をやり遂げました。いよいよ最も重要な部分です。ユーザーにトレーニングを実施して業務の効率化を実現します。
なぜトレーニングに時間を費やすのでしょうか? トレーニングや学習機会が不足すると、エンドユーザーの生産性を低下させ、信頼を失い、最終的に長期的な採用の妨げになるという話を、何度も何度も先駆者たちから聞いてきました。一方、十分にトレーニングを実施すると、全体の満足度と生産性が向上します。お客様にはご満足いただけて、「どうしたらよいでしょう...」というメールも少なくなります。これは有効な時間の使い方と言えると思います。
トレーニング計画の作成に取り掛かる前に、なぜトレーニング計画を立てることが重要なのかを詳しく見ていきましょう。計画のビジョンによって、ユーザーは全体的な実装目標を念頭に置いて、正しい方向へと進み続けることができます。高尚なビジョンや複雑なビジョンは必要ありません。シンプルイズベストです。計画とそれをユーザーに説明する方法は、会社の成長や進化に伴い、徐々に変化していく可能性があります。時々、再確認して全員が足並みを揃えて進んでいることを確認します。
計画には次の内容を含める必要があります。
- ユーザーがいつ、どのように Salesforce を使用する必要があるかについて期待事項を設定する。
- 成功の測定方法を説明する。
- 新しい作業方法によるユーザーにとっての利点について回答する。
Salesforce に何を期待できるか、何が期待されるかをユーザーに伝えます。新しいシステムやプロセスを採用することは、ユーザーにとって気が遠くなるような課題です。既存のワークフローに慣れていれば尚更です。今後どのような変更があるか、ロールアウトスケジュールはどうなっているか、今後の変更によって日々の作業にどのような影響があるかをユーザーに必ず周知します。
成功の測定方法についての計画を明らかにします。経営陣が成功指標についてどう報告するかを知らなかったために、ユーザーに想定外の影響が及ぶことを避けます。「Salesforce になければ存在しない」を明確に示します。これにより、ユーザーはデータ品質と完全性が優先事項であることを理解しやすくなります。指標がなければ、役員は成功を適切に測定できず、ユーザーはその懸命な働きぶりを認められないかもしれません。
「ユーザーにとっての利点は何か?」に答えます。これはユーザーの採用の鍵となるため、おそらく計画上で最も重要な部分です。Salesforce でユーザーの業務がどれだけ効率化されるかを示します。それがお客様へのフォローアップを促す自動アラームでも、Sales Cloud に顧客情報を入力するための使いやすいワークフローでも、外出時に Salesforce を使用できるモバイルアプリケーションでも、Salesforce に移行することの価値を示してユーザーのモチベーションを高める方法を見つけます。
コミュニケーション計画の作成
トレーニングのビジョンを設定したら、次のステップはコミュニケーション計画を作成することです。これにより、ユーザーが必要とする情報とトレーニングを、ユーザーが本当に必要とするタイミングで提供できるようにします。
「リソース」セクションにリンクが記載されているワークブックで、提供されているコミュニケーション計画テンプレートを確認してください。メッセージは、Slack やメールなど、他の主要なチーム更新と同じように配信します。ユーザーがどの段階でも情報が得られるように、こうしたコミュニケーションをタイミングに合わせて提供することが重要です。
タイミング | 主要なトピック |
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開始前 |
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開始 |
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開始後 |
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コミュニケーション計画の一部は、トレーニングの必要性に関係なく、すべてのユーザーに適用できますが、場合によっては、更新の通知を開始する前に計画を再検討し、ユーザーグループに対するトレーニング方法の詳細を含める必要があります。
最後に、組織内の複数の層で構成された応援団を編成することを忘れないでください。アーリーアダプターやスーパーユーザーを早い段階から招待し、エバンジェリストとしてユーザーの採用をサポートしてもらいます。経営陣がモチベーション向上を先導し、担当役員がリリースの最初だけでなく、全体を通して関与する必要があります。常に役員を巻き込み、Salesforce を使用することの価値を伝えます。これは大きな成功要因です。
これで、トレーニング計画を伝えるための綿密な計画を作成できたので、次はトレーニング計画に進みましょう。