契約と注文内でのインセンティブの管理
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 契約の対象リベート種別を表示する。
- 契約にリベートを適用し、対象資格基準を追加する。
- 契約内の報奨金の詳細を変更する。
- 適用済みリベート種別に応じて、十分な情報に基づき注文についての決定を下す。
インセンティブを契約に組み込む
会計年度の始まりは Rayler Parts にとって忙しい時期です。Vance のような取引先マネージャーは新しい年間契約への取り組みを始めています。
そのような契約の 1 つが、APAC 地域の主要流通業者である Meridian Partners との契約です。Vance はすでに特定の割引戦略について Meridian に説明していますが、やはりより魅力的なのは長期的なインセンティブです。
Rishi は、対象リベート種別が Meridian Partners の契約レコードに表示されるようになったと Vance に伝えました。Vance はさっそく試してみることにします。そこで、次の作業を行います。
- アプリケーションランチャーで、[契約] を検索して選択します。
-
Meridian Partners の契約レコードをクリックします。
- [取引先テリトリー] で [APAC] を選択します。
プログラムリベート種別パネルカードの [対象] タブに次のインセンティブが表示されます。
- Volume-Based Incentive (数量ベースインセンティブ)
- Revenue-Based Incentive (収益ベースインセンティブ)
- Growth-Based Incentive (成長ベースインセンティブ)
- カードの 3 つのインセンティブの横にあるチェックボックスを選択し、[Add Rebates (リベートを追加)] をクリックします。
- プレビューペインで選択を確認し、次の詳細を入力してリベートプログラムを作成します。
- 名前:
Payouts for Meridian Partners
(Meridian Partners への支払) - 支払頻度: 毎月
-
[次へ] をクリックし、[適用] をクリックします。
Vance は、追加したリベート種別の報奨金の詳細がプログラムリベート種別の関連タブに表示されていることを確認できます。
テストの締めくくりとしてプログラムリベート種別パネルカードの [適用済み] タブをクリックすると、3 つのインセンティブが表示されていますが、[対象] タブには何も表示されません。
リベートを商品で絞り込む
Vance はインセンティブ構造をさらに調整したいと考えています。Meridian Partners が Radius 商品と Spectra 商品の両方で数量ベースインセンティブを受け取り、特定の商品では収益ベースと成長ベースのインセンティブが制限されるようにします。契約の関連タブで、すべての適用済みリベート種別の対象資格基準を変更します。そこで、次の作業を行います。
- Meridian Partners の契約レコードで、プログラムリベート種別の関連タブに移動します。
- ドロップダウンから [Volume-Based Incentive (数量ベースインセンティブ)] を選択します。
-
[対象資格を定義] をクリックし、既存の情報を確認します。
- レコードを選択するタイミング: すべての条件に一致 (AND)
- 項目: 取引先テリトリー
- 演算子: =
- 値: APAC
-
[条件を追加] をクリックして次の詳細を指定し、変更内容を保存します。
- 1 つ目の条件
- 項目: 商品 ID
- 演算子: =
- 値:
Radius CPro
- 2 つ目の条件
- 項目: 商品 ID
- 演算子: =
- 値:
Spectra N20
- ドロップダウンから [Revenue-Based Incentive (収益ベースインセンティブ)] を選択します。
-
[対象資格を定義] をクリックし、既存の情報を確認します。
- レコードを選択するタイミング: すべての条件に一致 (AND)
- 項目: 取引先テリトリー
- 演算子: =
- 値: APAC
-
[条件を追加] をクリックし、次の詳細を指定します。
- 条件
- 項目: 商品 ID
- 演算子: =
- 値:
Radius CPro
-
[Save (保存)] をクリックします。
- ステップ 2 〜 5 を繰り返して、[Growth-Based Incentive (成長ベースインセンティブ)] リベート種別の対象資格基準に次の条件を追加します。
- 条件
- 項目: 商品 ID
- 演算子: =
- 値:
Spectra N20
リベート種別を識別しやすくするために、Vance は名前を次のように変更します。
- Volume-Based Incentive for Radius and Spectra (Radius と Spectra の成長ベースインセンティブ)
- Revenue-Based Incentive for Radius (Radius の収益ベースインセンティブ)
- Growth-Based Incentive for Spectra (Spectra の成長ベースインセンティブ)
Vance はこの粒度を追加することで Meridian Partners のリベート構造を真に調整し、パーソナライズすることができました。他にどのようなことができるか関連タブをさらに確認します。
報奨金を変更する
Vance がリベートを契約に追加した後にパートナーの報奨金を変更できる柔軟性を求めていることは前述しました。Vance と話をした Meridian Partners の担当者は、自分たちが受け取る報奨金額を上げるべきだと確固たる主張をします。スーパーバイザーの承認を得た後、Vance は喜んでこれに応じます。
Vance はまず、Meridian Partner の契約レコードのプログラムリベート種別の関連タブでインセンティブの報奨金構造を確認します。
数量ベースインセンティブのリベート種別は、Radius 商品と Spectra 商品の両方に適用されるため、報奨金は現状のままにします。パートナーにインセンティブを与えるために、収益ベースと成長ベースのインセンティブの報奨金額を上げることに決めました。
リベート種別 |
報奨金階層 |
最小値 |
最大値 |
前の報奨金額 |
現在の報奨金額 |
---|---|---|---|---|---|
Revenue-Based Incentive (収益ベースインセンティブ) |
階層 1 |
0 |
$10,000 |
2% のリベート |
2.5% のリベート |
Revenue-Based Incentive (収益ベースインセンティブ) |
階層 2 |
$10,001 |
空白のまま |
5% のリベート |
7% のリベート |
Growth-Based Incentive (成長ベースインセンティブ) |
階層 A |
0 |
7% |
$1,000 のリベート |
$2,000 のリベート |
Growth-Based Incentive (成長ベースインセンティブ) |
階層 B |
8% |
空白のまま |
$2,500 のリベート |
$4,000 のリベート |
Vance は、[リベート種別] タブで報奨金階層の更新や削除、対象資格基準の変更を行うこともできます。また、報奨金の対応付けを追加して、商品カテゴリや地域、またはパートナー層で報奨金を区別することもできます。これによって Vance は契約レコードから直接、リベート構造の変更や再設計を行えるようになります。
1 週間後に契約が締結され有効になると、関連付けられたリベートプログラムが契約と同じ日に有効になります。Meridian Partners もメンバーとして登録されています。毎月末に Meridian はインセンティブ基準に従って対象取引の支払の対象となります。そのため支払の手動処理は不要になります。
注文を微調整する
次は、インセンティブ情報が注文にどのように表示されるかをテストしましょう。
契約が有効になったことで Meridian Partners からどんどん注文が入ってきます。Jesse は注文要求を監視し、Meridian Partners の注文品目要求を発行します。顧客との予備的な話し合いの結果、彼女は Radius CPro 商品に 5% の割引を提供するつもりです。
Jesse は次のように注文品目要求を作成し、インセンティブ情報を使用します。
- 製造アプリケーションで、タブセットから [注文] をクリックします。
-
[新規] をクリックし、次の詳細を指定します。
- 注文開始日: 現在の日付
- 取引先: Meridian Partners
- 契約番号: Meridian Partners 契約レコードの契約番号
-
[Save (保存)] をクリックします。
- [関連] タブの [注文商品] 関連リストで [商品の追加] をクリックし、次の詳細を指定します。
- 商品: Radius CPro
- 数量:
100 個
- 単価:
$100
- 割引:
5%
-
[Save (保存)] をクリックします。
Jesse はプログラムリベート種別パネルカードの [対象] タブが空白になっていることを確認できます。[適用済み] タブには次のインセンティブが表示されます。
- Volume-Based Incentive for Radius and Spectra (Radius と Spectra の成長ベースインセンティブ)
- Revenue-Based Incentive for Radius (Radius の収益ベースインセンティブ)
この情報はどうやって絞り込まれたのでしょうか? 数量ベースインセンティブは Radius 商品と Spectra 商品の両方で利用できることを前述しました。収益ベースインセンティブは Radius 商品でのみ利用できます。
機能をしっかりとテストするために、Jesse は Spectra 商品を追加し、[適用済み] タブの情報が変更されるかどうかを確認することにしました。
- [関連] タブの [注文商品] 関連リストで [商品の追加] をクリックします。次の商品を追加します。
- 商品: Spectra N20
- 数量:
150 個
- 単価:
$100
-
[Save (保存)] をクリックします。
プログラムリベート種別パネルカードの [適用済み] タブに、「Growth-Based Incentive for Spectra」(Spectra の成長ベースインセンティブ) が追加で表示されます。このインセンティブの対象資格基準を定義するとき、Vance は Spectra 商品のみで利用できるように設定しました。Jesse が Radius CPro のみを注文に追加したときに、このリベート種別が表示されなかったのはそのためです。
Jesse は Radius CPro 商品と Spectra N20 商品の両方を注文に追加します。つまり、3 つすべてのインセンティブがこの注文取引に適用されることになります。当月の支払期間の最終日に、集計された取引金額に報奨金額を適用して Meridian Partners の各リベート種別に対する支払が計算されます。
Jesse はこの 3 つのリベート種別に対して Meridian Partners がどのような報奨金を受け取るのかを調べます。プログラムリベート種別パネルに 3 つの適用済みリベート種別のリストが表示されています。
各リベート種別について、リベート金額 (推定) とパートナーが次の階層までどのくらい近づいているのかを確認できます。進行状況バーに、各リベート種別の現在の報奨金階層に対する進行状況が表示されます。進行状況バーの上にマウスポインターを置くと、報奨金階層の情報が表示されます。Jesse は をクリックして、リベート種別の詳細を確認します。
彼女は、Radius CPro 商品をさらに 7 個注文すれば、今月の Meridian Partners の合計取引金額が $10,000 を超えることに気付きます。そうすると、収益ベースインセンティブの階層 2 の報奨金を受け取れることになります。Meridian Partners が合計収益に対して受け取るリベートは、階層 1 で受け取っていた 2.5% ではなく、7% になります。
パートナーと話し合った Jesse は、Meridian Partners がより高額なリベートを獲得できるように、Radius CPro の数量を 100 から 107 に変更します。また、月末にかなりの額のリベートが支払われることがすでに確実であるため、注文に追加割引は提供しないことにします。注文を編集して Radius CPro の 5% 割引を削除し、注文を確定します。
Jesse はこの情報が注文レコード内で参照できることにとても感激しています。報奨金のしきい値を参照できる待望の機能を使用して、Meridian Partners がより好条件の支払を受け取れるよう手助けすることができます。
バックグラウンドでの作業
ここまで、Rishi、Vance、Jesse が行った作業を見てきましたが、次は Cindy がこの統合を設定するためにバックグラウンドで何を行ったのか見てみましょう。次の単元では、システム管理者として彼女が行った主要な手順を確認します。