Transactional メッセージングについて
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Transactional メッセージとは何かを説明する。
- プロモーションメッセージングと Transactional メッセージングを区別する。
- Transactional メッセージをトリガーする 2 通りの方法を挙げる。
つながっている顧客はつながりのあるジャーニーを要求する
ほとんどの人がスマートフォンを手にしている今、あなたはこれまでにない形で顧客とつながっています。そして、つながっている顧客は、ブランドとのどのやり取りでも有意義なエクスペリエンスを期待することから、Web サイト、ソーシャルメディア、モバイル、店舗販売など、すべてのチャネルでシームレスなカスタマーエクスペリエンスを実現することが求められます。
さらにブランドは、営業、サービス、マーケティングなどビジネスの各分野を通してシームレスなエクスペリエンスを提供する必要があります。「State of the Connected Customer (つながっている顧客の現状)」レポートによると、70% の消費者は、購入するためにはつながりのあるプロセス (シームレスな引き継ぎ、以前のやり取りなどのコンテキストに応じたエンゲージメントなど) が重要だと回答しています。
今日の消費者は、やり取りするブランドからのリアルタイムのコミュニケーションを期待しているため、顧客が商品の購入、寄付、会社への情報請求などを行うたびに、パーソナライズされたメッセージをリアルタイムに送信することが求められます。こうしたミッションクリティカルなコミュニケーションを管理する効果的な方法が Transactional メッセージを使用することです。
Transactional メッセージングとは?
皆さんも受け取ったことがあるでしょう。オンラインショッピングをした直後に届く確認メールや、Web サイトにアクセスするときに携帯電話に表示される本人確認のテキストメッセージなどです。Transactional メッセージングは、極めて重要なメッセージを送信すると同時に顧客のエンゲージメントを高める優れたツールです。そして、大きなインパクトをもたらすことができます。
Transactional メッセージは、ユーザーまたはシステムが起動したトランザクションを基にメールクライアントまたはモバイルデバイスにリアルタイムにリリースされます。この種のメッセージには、トランザクションまたはイベントに関する情報が記載されます。この主な目的は、プロモーションではなく、極めて重要な情報を即座に配信することです。
たとえば、注文の確認、アカウントのアラート、本人確認、一定の時刻にトリガーされるリマインダー、パスワードのリセットなどが挙げられます。結局のところ、情報やサービスに対し、刻々と変化する顧客のニーズに迅速に対応できるようにする必要があり、対応し損なえばビジネスを失うおそれがあります。
顧客への連絡やコミュニケーションを効果的に行うためには、Transactional メッセージが適切なタイミングで配信される必要があります。同時に、こうしたメッセージがコンプライアンスやデータのプライバシーを遵守していることも必要です。
ところで、Transactional メッセージとプロモーションメッセージはどこが違うのでしょうか?
プロモーションメッセージ (Commercial Message ともいう) は、ブランドからプロモーション/マーケティング関連のコンテンツを受け取ることにオプトインした購読者のリストに送信されます。たとえば、ニュースレター、セールの案内、新商品の発表、イベントへの招待、心惹かれる最新情報などが該当します。
Transactional メッセージは、ユーザーが会社の Web サイト、ビジネス、サービスと行ったやり取りに応じて送信されます。たとえば、発送通知、アカウントのアラート、本人確認などが挙げられます。こうしたメッセージの多くは本質的に重要なものですが、Transactional メッセージでブランドのプロモーションをしてはならないわけではありません(この点は次の単元で詳述します)。
プロモーションメッセージと Transactional メッセージの最大の違いは、Transactional メッセージについてはユーザーがオプトインしなくてもブランドからメッセージを受信することです。このメッセージはユーザーまたはシステムによるアクションによってトリガーされます。プロモーションメッセージが購読者 (ブランドからのメールの受信を明示的に許可した人) に送信されるのに対し、Transactional メッセージはアクションに基づいて送信されます。
Transactional メッセージのトリガー
Transactional メッセージは、ユーザーとシステムの 2 通りの方法でトリガーされます。
ユーザーがトリガーするメッセージは、プロセスの完了を確認する非プロモーションメッセージで、通常は即座に配信されます。例として次のものが挙げられます。
- 注文の確認
- パスワードのリセット
- 多要素認証
- アカウントの検証
- オプトインの申請
システムがトリガーするメッセージは、相手にイベントを通知する非プロモーションメッセージで、通常はできるだけ早急に配信されます。例として次のものが挙げられます。
- 発送通知
- 予約のリマインダー
- 天気のアラート
- ファイナンスのアラート
では、Transactional メッセージがそれぞれの方法でトリガーされる例を見てみましょう。
ユーザー起動
Cumulus Financial の顧客である Veda は、携帯電話で預金口座にアクセスする必要がありますが、パスワードを忘れてしまいました。自身の信用組合口座に保存されているメールアドレスを使用して、パスワードのリセットを依頼します。折り返し、パスワードの変更を依頼したことを確認するメールが届きます。
このメールは、プロセスの完了の確認を目的とするユーザー起動の 1 通のメッセージの例で、通常は即座に配信されます。信用組合は Veda にパスワードの承認を伝える返信をリアルタイムでプッシュできます。
システム起動
Robert は McKenna Health の患者で、次回の予約を知らせる SMS テキストメッセージの受信にオプトインしています。診察室を出る前に、6 か月後の検診を予約しました。Robert はその予約の 1 週間前にテキストメッセージを受信し、予約を確定する場合は「Y」、キャンセルする場合は「N」を返信するよう指示されます。
このテキストは、システム起動の 1 通の通知メッセージの例で、指定した期間内にアプリケーションによってトリガーされます。McKenna Health は、次回の予約を簡単に確定またはキャンセルする手段として、オプトインしている患者に、指定した日の 1 週間前にテキスト通知を自動的に生成することができます。