時間を賢く使う

学習の目的 

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• 目標を達成するための戦術的計画を立てる。
• インパクトの大きい活動を特定する。
• 競合する優先順位を管理する。
• 時間監査を完了する。

時間は贈り物

「Time is a gift (時間は贈り物)」という表現を耳にしたことがありますか? 時間は、私たちが持つ最も貴重な財産でありながら、簡単に浪費してしまうものでもあります。このモジュールでは、営業担当であっても別の職務であっても、毎日達成感を味わう方法について、業界のエキスパートからトップレベルのソリューションを習得できます。

まずは、リストの作成から

まず、その日のタスクをリストアップします。なぜ、リストを作成することが主要な推奨事項の 1 つなのでしょうか? 一言で言えば、「ドーパミン」です。これは、タスクを完了すると放出される強力な化学物質です。ドーパミンは物事を成し遂げるために人の意識を集中させます。そのため、毎日、リストから項目を消すことに全力を尽くすことができるのです。

人がタスクを完了する上で役立つドーパミンの働きについては、Simon Sinek の説明を視聴してください。プレゼンテーション全体を視聴する価値がありますが、ドーパミンに関する説明部分は 8 分から 10 分 36 秒までです。

では、ToDo リストを管理し、ToDo を消化していきましょう。ですが、どの ToDo を選択すべきかをどのように判断すればよいのでしょうか? また、競合する要求をどのように管理すればよいのでしょうか?  

目標の設定

行き先がわからないまま車に乗り込んだことはありますか? 皆さんは目的地がすでに決まっていると思います。スケジュールを立てていれば、道案内が必要です。 

私たちは、1 週間後、1 か月後、四半期後、1 年後にプロフェッショナルとしてどうありたいかを考えずに仕事に臨んでいることが多いのではないでしょうか? コマーシャルセールスイネーブルメントの Salesforce リーダーは、次のようなアドバイスをしています。

毎週のアクティビティとパイプラインの評価指標を設定し、達成したらチェックマークを付けることで、次の週に向けてモチベーションを高めていくことができます。これを月ごと、四半期ごと、年ごとに繰り返してください。

これで、目標のリストはできました。ですが、ToDo をどのように整理すればよいのでしょうか?

ABC123 のように簡単

ABC123 は、どの ToDo を最初に行い、どの ToDo を後で行うかを選択する方法です。ABC123 を使用すると、各 ToDo について、年間契約金額 (ACV) や別の優先度が高い目標に対する影響と完了に要する時間を考慮できます。次のようになります。 

ACV への影響:

• A — 大きい
• B — 中くらい
• C — 小さい

完了までの時間:

• 1 — 短い
• 2 — 中くらい
• 3 — 長い

そのため、リストの一番上から順に始めてはいけません。各項目に優先順位をつけてください。A1 項目は、ACV に対する影響が大きく、短時間で完了するので最初に実行します。この項目には、商談の成立、顧客向けの見積り、プロスペクティング、顧客向けイベントなどが該当します。C3 項目は、収益目標への影響が小さく、長時間かかるので最後に実行します。この項目としては、ビジネスの要望、カスタマーサポート、受信箱の入念な確認などが挙げられます。

おそらく、各自のリストには若干の違いがあります。毎朝一番に受信箱を片付けてしまうことを好む人もいるでしょう。また、テリトリーやタイムゾーンによって、1 日のうちのどの時間にプロスペクティング活動に集中するかは異なるでしょう。

競合する要求を管理するのは容易ではありません。また、さまざまな要素があまりに複雑に絡み合っているため、特定の状況で何をすべきかを決めつけることもできません。ですが、だからこそ、優先順位の高いものを選択する上で ABC123 方式がとても有効なのです。  

ABC123 を適用し、ToDo を進め、ACV をもたらす例をいくつか検討してみましょう。

ToDo に行き詰まった場合はどうすればよいでしょうか? 次のヒントのいくつかを実行してください。

行き詰まりの解消

1. プロジェクトが遅れていることを早い段階で他の人に知らせる。
2. 期日を延期できるかを調べる。
3. 頭を休め、後でもう一度取り組む。

営業担当にとっての課題の 1 つは、いつも自分だけでスケジュールを決められるとは限らないことです。カレンダーに毎日、突発的な ToDo に対応するための時間を確保しておき、ABC123 を使って優先順位を付けましょう。

ToDo リストには多数の ToDo が記載されていて、日々増え続けているように思えます。また、1 年、四半期、1 か月の目標も設定されています。ですが、ストレスを溜めないでください。あなた自身が最も価値ある資産なのです。大切な人の世話、運動、ボランティアなど、個人的な責任はすべて、あなた自身の健康を維持し、今後何年も生産的であり続けるための一部となります。

時間の確認

1 日を最大限に活用するために真剣に取り組みたいのであれば、時間監査を実行しましょう。時間監査とは、その名のとおり、1 週間分の行動の詳細なログです。 

記録するための簡単な方法を見つけてください。アプリケーションストアには多数の時間追跡アプリケーションがあります。下の「リソース」セクションで、推奨されるものを確認してください。

この演習の鍵となるのは、正直であることです。オンラインショッピングをしている時間やインターネットを閲覧している時間を含めないと、どのように 1日を過ごしているかを知るという目標が損なわれます。

5 回のなぜメソッドの使用の検討

同じ問題に何度もぶつかると感じることはありませんか? 「なぜ?」と 5 回質問して、根本原因を突き止めることをお勧めします。これは、5 回のなぜメソッドとして知られています

。次に例を示します。

1. なぜ、家族との夕食に間に合うように帰宅しないのか?
   • 仕事を終えるのが遅すぎるから。
2. なぜ、仕事を終えるのが遅すぎるのか?
   • 急に入った ToDo を片づけていたから。
3. なぜ、急に入った ToDo を片づけていたのか?
   • 最初のミーティングの前にそのタスクを行っていなかったから。
4. なぜ、早く出社しなかったのか?
   • 仕事に行く支度をするのに予定より時間がかかったから。
5. なぜ、仕事に行くのに時間がかかったのか?
   • 朝、適切に時間を配分しなかったから。

問題は帰宅が遅くなることでした。ですが、根本的な問題は、朝に十分な余裕がないことでした。朝の日課を再度整理して、根本的な問題を解決しましょう。

5 回のなぜメソッドを適用することで、夕食に間に合うように帰宅する、プロジェクトを終わらせる、評価指標を満たす、リラックスする時間を見つけるなど、直面しているあらゆる時間管理に関する課題の原因を理解できます。 

これで、最大の課題とその根本原因を特定できました。次は、最も生産的になるために時間管理を使用することについて詳しく見ていきましょう。

リソース

• 外部リンク: Stephen Covey’s Time Management Matrix (Stephen Covey の時間管理マトリックス)
• 記事: To Get to the Root of a Hard Problem Just Ask Why Five Times (難しい問題の根本を理解するには、「なぜ」と 5 回問うだけでいい)