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メドテック業界の基本を学ぶ

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • メドテックの概要と、日常的なヘルスケアエクスペリエンスにおけるその位置づけについて説明する。
  • メドテック商品のライフサイクルの主なフェーズについて説明する。
  • メドテック企業の主なビジネス目標と、直面している業務上の課題を挙げる。

私たちを取り巻くメドテック

私たちは自覚している以上にメドテック (医療テクノロジー) の恩恵を受けています。膝を擦りむいて絆創膏を貼った場合、 メドテックを利用したことになります。

メドテックには、絆創膏といった身近なものから、ロボット手術システムのような未来型のツールまで、幅広い商品やサービスが該当します。こうしたテクノロジーが疾患の予防、診断、観察、治療に役立ちます。

ヘルスケアで用いられる機器やテクノロジーを対象とするメドテックは、ライフサイエンス業界の主要な分野です。実際、グローバル市場には 200 万種を超える医療機器が存在し、何千ものカテゴリに分類されています。膨大な数のテクノロジーが世界各地の患者を支えているということです!

世界保健機関 (WHO) によると、医療機器とは、医療目的で使用されるあらゆる器具、装置、ソフトウェア、材料のことです。医療機器は、診断目的または治療効果を伴います。この 2 つのどこが違うのでしょうか?

  • 診断用商品は、疾患や病状を検出します (例: MRI スキャナー、COVID-19 検査キット)。
  • 治療用商品は、疾患を治療するか、患者に何らかの治療効果をもたらします (例: 人工膝関節、インスリンポンプ)。

テクノロジーの中には、この両方を備えているものもあります。たとえば、連続血糖値測定器は、血糖値をリアルタイムで記録して (診断)、インスリンポンプを作動させることができます (治療)。メドテック機器はローテクからハイテクまでさまざまで、車椅子のような外部装置から、人工心臓弁のような体内埋め込み型まで多岐にわたります。

では、実生活でどのように使われているのか見てみましょう。ドッグウォーカーの Alvin をご紹介します。彼は数匹の犬を一緒に散歩させています。ある日、元気のいい仔犬を追いかけて転倒し、足を骨折してしまいました。その瞬間から、彼の身辺に次々とメドテックが登場します。車椅子 (機器) に乗せられて、骨折部位を X 線撮影 (機器) し、輸液ポンプ (機器) で鎮痛剤を投与され、その日はギプス (これも医療機器です) を着けて帰宅します。

このシナリオは、メドテックが、支払者、提供者、公共セクター、製薬会社など、ヘルスケアのほかのセクターと連携して、包括的なケアエクスペリエンスをサポートする様子を示しています。

片足がギプスで固定されている患者が中央に示されています。その周囲に、提供者、支払者、製薬会社、メドテック、公共セクターを表す 5 つのアイコンが示され、メドテックのアイコンが強調表示されています。

Alvin のジャーニーは、最先端のイノベーションから日常的な簡易器具まで、ケアの各段階がメドテックで支えられていることを示しています。このモジュールでは、医療機器がどのように開発され、分類され、商品化されるかなど、メドテックセクターのしくみについて説明します。昨今の複雑なグローバル環境で成功を方向づけるビジネス要因や規制の動向について学習し、新興テクノロジーによってケアの未来の可能性がどのように塗り替えられているのかを見ていきます。

メドテックのライフサイクル

では、最新の医療機器のライフサイクルを簡単に確認し、こうしたテクノロジーが私たちの家庭や病院に届けられるまでにどのような過程を経ているのか認識します。

新しい医療機器のライフサイクル。

  1. まず研究開発でエンジニアが、通常は臨床医と協力して、まだ満たされていないニーズを満たすプロトタイプを開発します。
  2. 次に検査で、臨床検査と、通常は患者を対象とした臨床試験を実施して、安全性と有効性を実証します。
  3. データが揃ったら、企業が規制当局に承認申請を行います。承認の取り付けに数か月から数年かかることがあります。
  4. 承認されると、機器が商品化されますが、それで終わりではありません。企業は厳格な品質管理の下で製造を拡大します。
  5. ヘルスケア現場への導入を促進するために、マーケティングや営業活動に取り組み、特に複雑なテクノロジーについては、医師やユーザー向けのトレーニングを実施します。
  6. その後、企業は商品ライフサイクルを通して、市販後調査を実施します。つまり、フィードバックを収集して、有害事象があれば報告し、通常は研究を重ねていきます。この調査の目的は、機器が安全で、期待どおり機能することを確認することです。機器が更新または改良されることがあれば、新しいサイクルが始まります。

このライフサイクルから、メドテック企業には忍耐力、潤沢な資金、科学や規制に関する確固たる専門知識が必要であることがわかります。さらに、企業が規制という難関を乗り越えたとしても、もう 1 つ重要な問題が待ち受けています。「誰がこの機器を購入し、代金を支払うのか?」という問題です。 ここで、メドテックのビジネス面を見てみましょう。

メドテック企業の関心事項

メドテック企業の本質的な存在意義は、テクノロジーを通して患者の治療成果を向上させることです。その一方で、ビジネスを発展させるために、数種の目標のバランスを図る必要があります。

  • 安全性と有効性: 機器は安全に使用でき、本来の性能を発揮するものでなければなりません。リコールや安全性に関するスキャンダルは、患者にも企業にも悪影響を及ぼすため、どの企業もそうした事態を回避したいと考えます。したがって、品質が何よりも優先されます。
  • イノベーションと迅速な商品化: この業界はイノベーションの宝庫です。企業は、ライバルよりも高性能で先進的な機器をいち早く発売しようとしのぎを削っています。
  • 費用対効果: ヘルスケア制度や支払者はコストに極めて敏感です。新しいガジェットを開発しても、法外な価格で、かつケアを明確に向上させることがなければ、広く普及することはありません。
  • 市場参入と保険適用: 優れた機器でも、その費用を負担する人がいなければ、失敗に終わる可能性があります。企業は商品を発売する前に、支払者がその費用を負担してくれることを確認する必要があります。通常はこのために、機器によって治療成果が向上すること、あるいは既存の治療法よりも優れていることを示す確固たる臨床的根拠を収集します。
  • 現地の法規制に準拠したグローバル展開: メドテックはグローバルビジネスです。カリフォルニア州の企業が世界各地の病院に商品を販売することがあります。そのためには、国際的な規制や多様なヘルスケア制度に対応する必要があります。成功を収めているメドテック企業は、グローバルなビジネスチャンスに目を光らせながら、現地の市場のニーズや規制に合わせて戦略を調整しています。

ビジネスのこうした推進力はすべて、元をたどれば「患者を助ける」ことに行き着きます。ロボット手術システムでも、シンプルな家庭用血圧計でも、メドテックのイノベーションが目指すのは、ヘルスケアをより効果的で人間的にすることです。企業は成功を、利益だけでなく、患者の生活の質の改善で測定します。

Alvin の生活がどのように改善されたか考えてみましょう。骨折した足は、昔ながらの技法 (ギプス) と最新のテクノロジー (X 線画像診断) を組み合わせた方法で治療されました。その背後で、あるメドテック企業が X 線装置を製造し、安全規格を満たしていることを確認しています。彼が使用した車椅子は別の企業が製造したもので、さらに別の企業がギプスの材料を製造しています。このどの企業も、規制や市場の要求を満たしつつ、継続的なイノベーションに取り組むことが求められます。

この 2 つを両立させるのは容易なことではありません! 次の単元では、メドテック商品のさまざまなカテゴリと、企業がどのように商品化して患者のケアに役立てているかを検証します。

リソース

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