Tableau Prep をはじめる
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Tableau Prep でデータを準備する利点を説明する。
- 一般的なユースケースと役割を説明する。
- データ準備プロセスの手順を挙げる。
始める前に
このモジュールを始める前に、「Tableau Prep: Quick Look (Tableau Prep: クイックルック)」で基本概念と主要機能について学習できます。
未加工データをインサイトに変える
データを分析していて、そのデータが不一致、スペルミス、余分な空白などで「ダーティ」であると気づいた経験はありませんか? データをパブリッシュする前に、他の人が分析しやすいようにデータの形式変換や組み合わせを行いたいと思ったこともあるかもしれません。
Tableau Prep Builder はそのような場合に役立つ視覚的なデータ準備ツールです。デスクトップまたはブラウザーで Tableau Prep Builder を使用すれば、より迅速に分析を開始できます。このモジュールでは、Tableau Prep Builder の基本と、使用する理由について学習します。さらに、一般的なデータ準備作業の実践的な演習も行います。
Tableau Prep Builder は他の Tableau 製品と組み合わせて、次のようなワークフローで使用します。
- デスクトップまたはブラウザーの Tableau Prep Builder で、データのクリーニング、形式変換、組み合わせを行って、データを分析できる状態にします。
- Tableau Desktop で、データ準備のプレビューと検証を行います。
- クリーニングおよび準備されたデータ抽出をファイルに保存したり、Tableau Server または Tableau Cloud にパブリッシュしたり、フローからの出力を外部のリレーショナルデータベースに書き込んだりすることができます。
- Tableau Prep Conductor (Data Management Add-on が必要) を使用して、フローを Tableau Server/Online に保存またはパブリッシュし、スケジュールに従って実行できます。
誰がデータを準備するか?
Tableau Prep を使用すれば、必要なユーザーが誰でも簡単にデータを準備できます。次の役割を持つユーザーはどのようなタスクを実行するでしょうか? その役割ではどのように Tableau Prep を使用するのでしょうか?
役割 |
タスク |
一般的な使用事例 |
例 |
---|---|---|---|
ビジュアライゼーション作成者またはビジネス所有者 |
ユーザーがスマートにビジネス上の意思決定を下せるように、ビジュアライゼーションやダッシュボードを作成します。 |
Tableau Prep の視覚的で直接的なインターフェースを使用してデータを操作することで、各自の分析の質問に答えます。 |
作成者/ビジネスユーザーがデータソースを組み合わせ、計算を作成し、アンケートデータに複数のピボットを実行します。 |
アナリスト |
複数の事業部門にわたってデータインサイトを提示することで意思決定を改善します。 |
Tableau Prep のインターフェースを使用してデータの形式を変換することで、Tableau Desktop での複雑な計算を避けます。Tableau Prep Conductor でスケジュールに従って実行するフローをパブリッシュします。 |
アナリストが毎月または毎週のサマリーを作成するために複数の集計を計算します。 |
データスチュワード |
より幅広い組織のためにデータソースを選定、準備します。 |
Tableau Prep を使用してスマートアルゴリズムによってデータをクリーニングします。計算にビジネスルールを追加し、データを組み合わせて形成し、選定したデータソースを幅広い組織にパブリッシュします。 |
データスチュワードが現在のデータと履歴データを統合し、クリーニングし、計算を加え、そのデータソースを財務部門と共有します。 |
データサイエンティスト |
大規模で多様なデータセットから専門家ならではの有用なインサイトを生成します。 |
Tableau Prep Builder を使用して視覚的にデータを調べ、分析のためにデータを準備しつつ、Python/R スクリプトを使用したより複雑なクリーニング、機械学習、予測モデリングを統合します。 |
データサイエンティストが Python スクリプトを使用して製造業者のサプライチェーンの予測メンテナンスコストを追加します。 |
どのような役割にとっても、Tableau Prep は未加工データを整理された解釈しやすい形式に変換するのに役立ち、データを迅速に分析できるようになります。
分析のためにデータを準備する
誰が Tableau Prep Builder を使用するかを理解したところで、次はその使用方法を見ていきましょう。
Tableau Prep Builder を使用してデータを変換するには、次の 4 つのステップに従います。
- データに接続する。
- データをクリーニング、形成し、組み合わせる。
- 準備したデータを出力する。
- データを最新に保つ。
データに接続する
Tableau Prep Builder を使用してデータのクリーニングと準備を行うには、まずデータに接続するフローを作成する必要があります。Tableau Prep Builder は、次のような多くの一般的なデータ種別への接続をサポートしています。
- テキスト、Excel、PDF、統計ファイルなどのフラットファイル。
- Tableau 抽出 (メモリ内処理用に最適化されたデータのスナップショットである .hyper ファイル)。
- パブリッシュ済み Tableau データソース (Tableau Server または Tableau Cloud 上)。
- 提供されたコネクタを使用したオンプレミスまたはクラウドベースのデータベース (Hadoop、SAP、MySQL、BigQuery など)。
- JDBC または ODBC コネクタを使用したその他のデータベース。
データに接続することでフローを作成したら、次にデータのクリーニングと準備を行うことができます。準備プロセスには、必要に応じてデータのクリーニング、組み合わせ、形成が含まれます。データをクリーニングするには、ワンクリックのクリーニング操作、フィルター、計算フィールドなどを使用します。データを組み合わせるには結合とユニオンを使用し、データの形成にはピボットと集計を使用します。
準備したデータを出力する
データを準備したら、フロー出力をカスタマイズと共にパブリッシュされたデータソースとして Tableau Server または Tableau Cloud にパブリッシュできます。これによって、準備したデータに組織内のユーザーがアクセスできるようになります。また、クリーニングした出力をローカルファイルやデータベースに保存することもできます。フロー自体を Tableau Server または Tableau Cloud にパブリッシュできるため、適切なパーミッションを持つユーザーはフローを編集して、独自のフロー出力 (自部門用のデータのサブセットなど) を作成できます。
データを最新に保つ
準備したデータを最新に保つには、フローを実行して、更新された出力を生成します。Tableau Prep Conductor は Tableau Server および Tableau Cloud の Data Management Add-on に含まれています。Prep Conductor を使用すると、適切なパーミッションを持つユーザーはフローのスケジュール設定、管理、監視を実行できます。このようなユーザーは、フロー実行の自動スケジュールを作成し、組織の要件に合わせてデータ共有と更新のパーミッションを管理し、成功および失敗アラートによってフローの品質をモニタリングできます。
お疲れ様でした。これで、Tableau Prep を使用して Tableau の分析用にデータを準備する方法を習得できました。次は、Tableau Prep Builder 環境について学習しましょう。