インテグレーションユースケースを検証する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Salesforce と Tableau の間でセールスリードの同期を維持するうえでの課題を説明する。
- MuleSoft Composer を使用して Salesforce のリードを Tableau のリードデータソースと同期する方法を説明する。
- フロー作成の準備をする。
始める前に
このモジュールは「MuleSoft Composer のインストールと設定」に基づいて作成されているため、先に進む前にこちらのモジュールを必ず受講してください。先行のモジュールと同様に、インテグレーションフローを構築して実行するためには「MuleSoft Composer ユーザー」権限セットが必要です。
このモジュールでは、受講者が MuleSoft Composer ユーザーとして認証されていると想定しています。ただし、MuleSoft Composer ユーザーでなくても問題ありません。このまま読み進んで、どのように手順を実行するのかを学習してください。MuleSoft Composer は Trailhead Playground で使用できないため、記載の手順を Trailhead Playground で実行しないでください。
この単元では、アウトドアやレクリエーション用品の小売企業である Northern Trail Outfitters (NTO) のシステム管理者としての職務に取り組みます。まず、NTO が直面しているインテグレーションの課題を検証し、MuleSoft Composer のインテグレーションソリューションについて理解します。次に、フロー作成の準備方法を学習します。
インテグレーションの課題
NTO が直面しているインテグレーションの課題を見てみましょう。NTO の営業チームは、NTO 組織の Sales Cloud でセールスリードを管理、維持しています。また、Tableau のリードデータソースに基づく対話型の視覚化も管理および維持しています。
現在、営業チームはこうしたタスクを手動で行っています。毎週、リードを Sales Cloud から .csv ファイルにエクスポートし、その .csv ファイルから Tableau の .hyper 抽出を作成し、その抽出を Tableau Cloud プロジェクトにデータソースとしてパブリッシュしています。また、リードが Sales Cloud に入力されてから、同じリードが Tableau に表示されるまで、大きなタイムラグがあります。このプロセスは時間がかかり、非常にミスが起きやすいため、チームは自動化したいと考えています。
インテグレーションソリューション
ソリューションとして、NTO 組織の Sales Cloud と Tableau の間のデータ同期を自動化して、ニアリアルタイムのインテグレーションを実現する必要があります。そのために、MuleSoft Composer を使用して、Sales Cloud の新しいリードで Tableau の既存のリードデータソースを自動的に更新するインテグレーションフローを作成します。具体的に、このフローで実行する必要があるタスクは次のとおりです。
- NTO 組織の Sales Cloud で新規作成されたリードを見つける。
- そのリードを Tableau Cloud の既存のリードデータソースに追加する。
MuleSoft Composer を使用するソリューションを実装するには、次のフロー作成タスクを実行する必要があります。
- フロー作成の準備をする。
- フローを設計してテストする。
- フローをアクティブ化する。
- フローを監視してトラブルシューティングする。
上記のタスクの実行方法については、このモジュールの後続の単元で説明します。
フロー作成の準備をする
準備はよいですか?
最初に、これからフローで使用するシステムとアセットについて必要な情報をすべて集める必要があります。次の表は、フローの接続先となるシステムと、各システムの必要な情報を示しています。
フローの設計時とテスト時に接続できる Sandbox 組織が NTO 組織にあることを確認することがベストプラクティスです。
システム |
必要な情報 |
---|---|
NTO の Sales Cloud |
|
Tableau |
|
次は、Tableau 環境の前提条件について学習します。
Tableau 環境の前提条件
MuleSoft Composer を使用して Tableau への接続を作成する前に、Tableau 環境が次の前提条件を満たしていることを確認します。
- Tableau に .hyper 形式のリードデータソースが存在する必要があります。
- Tableau ユーザーは Explorer (パブリッシュ可能) 以上のサイトロールを持っている必要があります。
次に、Tableau 接続のための値を確認しましょう。
Tableau 接続パラメーター
MuleSoft Composer を使用して Tableau への接続を作成するときには、次のパラメーターの値を指定する必要があります。
Connection Display Name (接続表示名)
接続表示名は、任意の名前です。
サーバー URL とサイト
Tableau 接続のサーバー URL とサイトを調べるには、次の手順を実行します。
- 自分のメールアドレスとパスワードを使用して Tableau Cloud にログインします。
- リードデータソースに移動します。
- URL を見て、サーバー URL とサイトを特定します。たとえば、リードデータソースの URL が
https://online.tableau.com/#/site/nto/datasources/1234/connections
であれば、次のパラメーター値を使用します。- Server URL (サーバー URL):
https://online.tableau.com
- Site (サイト):
nto
- Server URL (サーバー URL):
個人アクセストークンとトークンシークレット
Tableau 接続には個人アクセストークンとトークンシークレットが必要です。個人アクセストークンは有効期間が長く、これを使用することでハードコード化されたログイン情報や対話式ログインを使用する必要がなくなります。個人アクセストークンを使用すると、オートメーションタスクの実行中に Tableau のログイン情報が侵害されるリスクを軽減できます。個人アクセストークンが侵害されるようなことがあれば、トークンを取り消すことができます。個人アクセストークンは自分で作成する必要があります。Tableau 管理者がユーザーのために個人アクセストークンを作成することはできません。
一般に、個人アクセストークンは連続 15 日間使用されなかった場合には期限切れになります。15 日ごとより頻繁に使用された場合には、トークンは 1 年後に期限切れになります。1 年後には新しいトークンを作成する必要があります。個人アクセストークンの詳細は、「Tableau Personal Access Tokens (Tableau 個人アクセストークン)」を参照してください。
個人アクセストークンとトークンシークレットを作成する手順は次のとおりです。
- Tableau Cloud で自分のプロファイルアイコンをクリックし、[マイアカウントの設定] を選択します。
- [設定] タブで [個人用アクセストークン] 項目までスクロールダウンし、任意の名前を入力して、[Create new token (新しいトークンを作成)] をクリックします。
-
[クリップボードにコピー] をクリックし、個人アクセストークンシークレットを任意のテキストファイルに貼り付けます。
- 個人アクセストークン名をコピーして同じテキストファイルに貼り付けます。MuleSoft Composer を使用して Tableau 接続を設定するときに、自分の個人アクセストークン名とトークンシークレットを使用します。
MuleSoft Composer でフローを作成する準備の最初の手順を実行しました。次の単元では、フローを設計してテストする方法を学習します。