Salesforce サプライヤーの持続可能性へのコミットメントについて
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- サプライヤーの持続可能性に対する Salesforce のコミットメントについて説明する。
- Salesforce がサプライヤーに求める持続可能性関連の期待事項を要約する。
Salesforce では、持続可能性はコアバリューです。Salesforce のビジョンは、総力を挙げて世界の温室効果ガス (GHG) のネットゼロ排出に対する取り組みを加速させることです。Salesforce は、お客様の意見と購買力を活かし、このビジョンを達成できるように全力を尽くしています。サプライヤーと計画的にエンゲージし、購入の判断において持続可能性を高めることで、バリューチェーンに影響を次々と連鎖させ、ネイチャーポジティブな未来であるネットゼロに向けた動きを世界的規模で加速させることができます。
Salesforce は、持続可能で公平な低炭素の未来をすべての人々に提供するというコミットメントを共有する企業と提携するよう努めています。Salesforce のサプライヤーは、会社の規模や種類に関係なく、このコミットメントに積極的に参加することが求められます。どの企業も果たすべき役割を担っています。
サプライヤーには、この共有の持続可能性ジャーニーに次の 4 つの主要な方法で参加することが求められます。
- 1.5°C 目標に向けて排出量を削減するための科学的根拠に基づく目標を設定し、関連データを毎年開示する。
- 組織の最近の持続可能性パフォーマンスを反映するサードパーティによる持続可能性スコアカードを提出する。
- Salesforce との契約内で、持続可能性に関連する一連の拘束力のある契約条項である「Sustainability Exhibit (持続可能性に関する別紙)」に同意する。
- Salesforce と積極的かつ協調的に関わることで、パートナーシップと透明性を示す。
また、すべてのサプライヤーには「サプライヤーの行動規範」を遵守することが求められます。「サプライヤーの行動規範」では、環境保護、ダイバーシティと無差別、職場の健康と安全、人権と労働、地域社会への参加といった重要なトピックにおいて、サプライヤーへの最低限の期待事項が概説されています。
「Supplier Code of Conduct (サプライヤーの行動規範)」、Science Based Targets、サードパーティによるスコアカード、「Sustainability Exhibit (持続可能性に関する別紙)」についての詳細は、末尾の「リソース」セクションを参照してください。
サプライヤーが持続可能性でのパートナーとして選ばれるために満たすべき期待事項を詳しく見ていきましょう。
科学的根拠に基づく目標の設定
科学的根拠に基づく目標 (SBT) とは、地球温暖化を 1.5°C に抑えるために最新科学で必要と見なされる事項に従って、温室効果ガス排出量 (GHG) を削減するための企業の気候目標です。
地球温暖化を 1.5°C に抑えるには、企業が自社組織を超えて行動を起こし、バリューチェーン全体に影響をもたらすことが必要不可欠です。そのため、Salesforce はサプライヤーに SBT の設定を求め、サプライヤーがこの目標を設定し、達成できるよう努めています。また、Salesforce のサプライチェーン排出量の 60% にあたるサプライヤーが 2024 年までに SBT を設定するという目標も設定しています。
Salesforce は、サプライヤーに Science Based Targets イニシアチブ (SBTi) を通じて目標を検証し、SBTi の目標設定ガイダンスとツールを使用することを強く推奨しています。SBTi では、中小企業 (SME) 向けに具体的なガイダンスと合理化された検証パスウェイが提供されています。
サプライヤーの SBT には、Salesforce との取引に関連する排出量だけでなく、すべての業務が含まれるため、Salesforce とサプライヤーは Salesforce のサプライチェーンを通じて影響の連鎖反応を生み出すべく協力しています。
SBT、SBTi、および関連ツールについての詳細は、この単元の最後にある「リソース」セクションを参照してください。
排出量を削減して報告する
Salesforce はネットゼロを目指した進展をサポートする商品を購入したいと考えており、その進捗状況を測定および管理するためにサプライヤーからのデータに依存しています。Salesforce は、Salesforce に提供される商品やサービスに関連する排出量データの提出をサプライヤーに要求する場合があります。また、地球温暖化を 1.5°C に抑えるため、こういった排出量が徐々に減少することを望んでいます。
サプライヤーは、CDP Climate Questionnaire (CDP 気候変動質問書) を使用して、排出量データと気候情報を毎年 Salesforce に提出できます。また、サプライチェーンの透明性と説明責任を促進できるように、サプライヤーにはバリューチェーン全体の排出量を公表することが求められます。
持続可能性スコアカードの提出
サードパーティの評価プラットフォームによって作成されたスコアカードを使用して、Salesforce はサプライヤーの持続可能性のパフォーマンスと進捗状況をより適切に評価することができます。Salesforce はすべてのサプライヤーに、EcoVadis などの信頼できる持続可能性スコアカードプロバイダーで年次評価を行うことを強く奨励しています。また、一部のサプライヤーにはこれが義務付けられることがあります。この評価は、ソーシングに関する決定の通知とサプライヤービジネスレビューに使用される場合があります。
Salesforce は持続可能性スコアカードを使用して次のことができます。
- 企業の持続可能性の目標を達成し、影響を促進する。
- 一貫性のある包括的な基準でサプライヤーを評価する。
- サプライヤーに明確な期待事項と実用的な評価を提供する。
- Salesforce のサプライチェーンの透明性を高め、リスクを特定する。
サプライヤーはスコアカードを使用して、パフォーマンスをベンチマーク評価し、ベストプラクティスを理解し、持続可能性戦略を導き、改善点を特定することができます。サプライヤーは、EcoVadis スコアカードを他の顧客と共有することもできます。
Sustainability Exhibit (持続可能性に関する別紙) への同意
持続可能性へのコミットメントにおいてサプライヤーとの連携をさらに強化するために、「Sustainability Exhibit (持続可能性に関する別紙)」を使用して契約プロセスに持続可能性の要件を組み込みました。サプライヤーは、Salesforce との次回に契約に「Sustainability Exhibit (持続可能性に関する別紙)」を含めるための準備をする必要があります。また、サプライヤーには修正によって既存の契約に「Sustainability Exhibit (持続可能性に関する別紙)」を積極的に追加することも要請しています。
「Sustainability Exhibit (持続可能性に関する別紙)」については、後の単元で詳しく説明します。
パートナーシップと透明性の明示
Salesforce は、協力的で透明性が高く、積極的な方法で Salesforce とエンゲージすることをサプライヤーに求めています。また、Salesforce のビジネスとサプライヤーのビジネスの両方において、持続可能性とイノベーションを推進するために協力し合える機会を見いだすこともサプライヤーに奨励しています。
Salesforce は、年次アンケートを通じて、またはビジネスレビューと組み合わせることによってなど、期待事項の進捗状況について定期的に更新するようサプライヤーに要求する場合があります。これにより、Salesforce は、情報に基づく意思決定、成功の測定、独自の持続可能性に対するコミットメントを達成するための事前計画、および持続可能性に関してサプライヤーをより適切にサポートする機会の特定を行うことができます。
次の単元では、サプライヤーの選定から契約、また取引中のサプライヤービジネスレビューを通じて、調達プロセス全体に持続可能性がどう組み込まれているかを学習します。
リソース
- Salesforce.com PDF: Global Supplier Code of Conduct (グローバルサプライヤーの行動規範)
- Salesforce.com PDF: Supplier Sustainability Program Guide (サプライヤーの持続可能性プログラムガイド)
- 外部 Web サイト: SBTi Guide (SBTi ガイド): How to Set a Science-Based Target (科学的根拠に基づく目標の設定方法)
- 外部 Web サイト: EcoVadis: How Can You Get the Best Possible Score on Your Assessment? (評価で可能な限り最高のスコアを獲得するには?)
- 外部 Web サイト: CDP: How to Disclose as a Company (企業として開示する方法)
- Salesforce.com: FY23 Stakeholder Impact Report (2023 年度ステークホルダーインパクトレポート)