Data Cloud のストリーミングデータ変換入門
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ストリーミングデータ変換の概要とその主なユースケースを説明する。
- Data Cloud でストリーミングデータ変換を作成する。
ストリーミングデータ変換とは?
ストリーミングデータ変換を使用すると、システムに入力された時点でデータをほぼリアルタイムでクリーニングして強化できます。スケジュールされた時間間隔で選択された量のデータを変更するには、バッチ変換を使用します。
たとえば、ストリーミングデータ変換はクレジットカード詐欺の検知に最適です。膨大な数の処理システムから送信されるデータを取り込んだ時点で集計し、標準形式に正規化することで、ほぼリアルタイムで不規則性を発見できます。
ストリーミングデータ変換の内部のしくみ
新しいレコードは取り込まれると、すぐに変換されて出力オブジェクトに追加されます。
ストリーミングデータ変換では、変換元データレークオブジェクト (DLO) からレコードが読み込まれ、受信データを変更する SQL クエリが実行されます。次に、変換先データレークオブジェクトがデータモデルオブジェクト (DMO) の Data Cloud データモデルに対応付けられます。
ストリーミングデータ変換を作成する
- Data Cloud で、[Data Transforms (データ変換)] タブをクリックします。
-
[New (新規)] をクリックします。
-
[Streaming Data Transform (ストリーミングデータ変換)] を選択します。
ストリーミングデータ変換の名前付け、変換先 DLO の選択、SQL クエリの作成、対応付けなど残りの設定画面も設定します。
例: 電話連絡先を正規化する
正規化にはストリーミングデータ変換を使用できます。デフォルトの Data Cloud 機能では、連絡先に複数の電話番号は保存されません。DLO Contact_core
は DMO Contact Point Phone
(連絡先電話番号) に直接対応付けられますが、対応付けが可能な連絡先は 1 つのみです。
外部システムには現在、次のデータがあります。
CUSTOMERID
|
NAME
|
MOBILEPHONE
|
HOMEPHONE
|
WORKPHONE
|
---|---|---|---|---|
C1 |
John |
408-512-2234 |
650-342-4612 |
|
C2 |
Peter |
310-453-3421 |
915-870-9900 |
ただし、カスタマーサポート担当は、連絡先のすべての電話番号にほぼリアルタイムでアクセスする必要があります。3 つの種別をすべて利用可能にするには、ストリーミングデータ変換を使用して電話連絡先を正規化できます。
複数の連絡先を Contact Point
(連絡先) に対応付けるには、UNION
演算子で SQL 変換を使用します。
実行後、変換先 DLO Phone Numbers
(電話番号) に各電話番号種別のレコードが含まれます。これで、変換先 DLO 電話番号を DMO Contact Point Phone
(連絡先電話) に対応付けできるようになりました。DMO Contact Point Phone
(連絡先電話) に各顧客の 3 つの電話番号種別がすべて含まれるています。さらに便利なことに、計算済みインサイト、ID 解決、セグメンテーションなど、データモデルオブジェクトを使用する下流のツールでデータを利用することができます。
PHONEID
|
CUSTOMERID
|
PHONENUMBER
|
PHONETYPE
|
---|---|---|---|
C1_Mobile |
C1 |
408-512-2234 |
モバイル |
C1_Work |
C1 |
650-342-4612 |
勤務先 |
C2_Home |
C2 |
310-453-3421 |
Home (ホーム) |
C2_Work |
C2 |
915-870-9900 |
勤務先 |
状況を監視する
ストリーミングデータ変換の状況を監視するには、その処理のメトリクスを確認します。
-
[Data Transforms (データ変換)] タブで、ストリーミングデータ変換の名前をクリックします。
-
[Refresh History (更新履歴)] をクリックして、処理済み、失敗、および削除済みのレコード数を表示します。
Data Cloud でストリーミングデータ変換を設定することは、リアルタイムデータと迅速で応答性の高い包括的な顧客ビューを組み合わせるための第一歩です。DLO を DMO に対応付けると、変換されたデータストリームで下流の分析や処理を行えるようになります。
リソース
- Salesforce ヘルプ: UNION を使用したデータ正規化の使用事例
- Salesforce ヘルプ: ストリーミングデータ変換の設定
- Salesforce ヘルプ: ストリーミングデータ変換の状況の確認
- Salesforce ヘルプ: データマッピング