時間の 1%
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 従業員のボランティア精神における社会的価値とビジネス価値を明確にする。
- 自社に最も適したボランティアプログラムを決定する。
- 今日から始められるステップを特定する。
社会的価値とビジネス価値を高めるボランティア活動
従業員によるボランティア活動は、以前から企業の社会的インパクト戦略の要となってきました。従業員は、自分たちが住み、働いている地域社会に貢献することができ、大きなコミュニティへの帰属を再確認できます。学校や非営利団体の多くは、主要なサービスをボランティアに頼って日々提供しています。ボランティア活動によってこれらの学校や非営利団体に貢献することで、地域社会も明るくなります。
また、会社にとってもメリットがあることをご存じですか? ボランティア活動は、企業文化を高め、従業員同士の仲間意識を強くします。従業員のボランティア活動は、優秀な人材の獲得と維持につながるだけでなく、企業の収益増にも直接貢献します。
次の統計情報をご覧ください。
- 従業員の 71% は、就職先を検討する際、社会へのインパクトが有力な判断材料または決定要因であると述べています。(Edelman)
- 調査の対象となった企業の 91% に、従業員のボランティア活動と従業員のエンゲージメントスコアの間に正の相関関係がみられました。(ボストン大学キャロル経営大学院)。
- エンゲージメントが高いビジネスユニットの行動によって収益性が 23% 向上します。(Gallup)
- 従業員のエンゲージメントが高いチームは、エンゲージメントが低いチームと比較して、欠勤率が 78% 低く、生産性が 14% 高いことが確認されています。(Gallup)
従業員によるボランティア活動は、社会貢献活動を始めるための手近な手段です。では、その方法を学習しましょう。
自分の会社に合ったボランティアプログラムを作る
Pledge 1% で就業時間の 1% を寄付することを表明している企業は、さまざまなボランティアプログラムを実施しています。たとえば、年間を通じてチーム全員でボランティアに参加する機会を設けている企業もあれば、3 ~ 7 日間のボランティア休暇 (VTO) を与えている企業もあります。
ボランティアの種類 | 例 |
|---|---|
ハンズオンボランティア | 海岸の清掃や地元のシェルターでの食事の提供などです。これらの活動は、会社全体で行うことも、チームや部署単位で行うことも、個人で行うこともあります。 |
スキルベースまたはプロボノボランティア | 従業員が独自のスキルを活かしてボランティア活動をすることや、非営利団体に寄付した製品を活用できるようにボランティアとして支援することです。 |
資金調達 | バレーボール大会やウォーカソンといった資金調達イベントを主催したり、オフィスでクラウドファンディングキャンペーンを推進したりすることです。 |
ワークフォースイノベーション | 多様なバックグラウンドを持つ人材をインターンとして迎え入れ、メンターシップを通してスキルを身につけさせることです。 |
バーチャルボランティア | この例として、デジタルプロジェクトや組み立てキットなどで、従業員が自宅から個別にサポートしたり、オンラインで一緒に取り組んだりすることが考えられます。 |
ボランティア活動を始めたばかりであれば、最初は小さい規模から始めるのがベストです。年に 1 ~ 2 団体を支援したり、会社主導で企画した数件のボランティア活動に取り組んだりするのがよいでしょう。後でバリエーションを増やすことができます。
毎年、あるいはもっと高い頻度で繰り返し実施できるボランティアの機会を見つけてください。そうすることで、支援対象に団体での認知度と親近感が高まり、その活動で明確かつ測定可能なインパクトを与えることができるうえ、繰り返すたびにより簡単かつ迅速に実施できるようになります。
開始する
Pledge 1% に参加すると、成長中の企業にとって最適なボランティアプログラムの実施方法に関するケーススタディ、リソース、そしてガイダンスにアクセスできます。まず、次のことから始めると良いでしょう。
- プログラムの明確なミッションとビジョンを作成する。
- 主要なステークホルダーの賛同を得る。
- ボランティア休暇ポリシーを策定する。
- 最初のチームボランティアの日を計画する。
- 従業員にアンケートを実施して、社会貢献活動の重点分野を決定する。
- 2 ~ 3 件の支援活動を特定して、対象とする非営利団体を調査する。
- イベントを企画、構成する従業員のリーダーまたはグループを指名する。
- 従業員にアンケートを実施して、社会貢献活動の重点分野を決定する。
まとめ
多くの企業は、就業時間の寄付による社会貢献から始め、次の段階に進む準備ができたら、別の種類の寄付を増やしていきます。ボランティア活動を通して何が達成できるかを考えて、企業全体の文化や目標に最適な要素を盛り込んだ、バランスの取れた社会貢献プログラムを開発することが大切です。