インクルーシブな慈善事業の探求
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Salesforce における社会貢献への取り組みと、重点分野について説明する。
- インクルーシブな慈善事業戦略を策定する。
- 社会を変えるプラットフォームとしてビジネスを活用するように他者を鼓舞する。
変化をもたらすプラットフォームとしての企業
社会貢献は、Salesforce の DNA に組み込まれています。Salesforce は 1999 年の創業時に、就業時間、株式、製品の 1% を地域社会に還元することを約束した「Pledge 1% (1% の誓い)」モデルを提唱しました。このモデルのおかげで、Salesforce は業績を伸ばす一方で、社会的影響力も飛躍的に拡大させてきました。
企業は、変革のプラットフォームとして活動することで、従業員、顧客、パートナーなどのすべてのステークホルダーに加えて地域社会や環境にもプラスになる世界を作り上げることに貢献できるのです。
パートナーの声に耳を傾け、パートナーから学ぶ
Salesforce では、非営利団体のパートナーの声に耳を傾け、最新のニーズや、私たちがインパクトを与えられる独自の方法を把握しています。
インクルーシブな慈善事業とは、地域社会と連携して、問題に最も近い人々を解決策へと導くことです。
重点分野を決める
世界には差し迫った問題が山ほどあるため、慈善活動の焦点をどこに絞るかは難しい問題です。社会貢献への取り組みをどこに集中させるかを検討する際には、以下の点を考慮してください。
- 自分の会社の価値
- 従業員が熱心に取り組んでいる活動
- 地域社会が最も必要としていること
- 自分の会社が最大のインパクトを与えるための位置付け
Salesforce のコアバリューは、信頼、お客様の成功、イノベーション、平等、持続可能性です。これらは、Salesforce が慈善活動の重点分野として定めている教育と経済的機会の提供や気候変動に対する地域社会の強靭性の向上など、Salesforce のあらゆる活動の指針となっています。
教育と経済的機会の提供
公平な未来は、質の高い教育を平等に受けられるようにすることから始まります。Salesforce は 2012 年から公立学校への投資を続けており、生徒が潜在能力を発揮するために必要なリソースとエクスペリエンスを提供しています。私たちは、生徒の学業とウェルビーイングをサポートし、教育者の指導力を高めることに尽力しています。
また、未開発の人材 (十分な行政サービスを受けていないマイノリティのコミュニティに属し、キャリアを伸ばす機会があることに気づいていないか、そのような機会にアクセスできない若者) がソーシャルキャピタルを築き、有意義なキャリアを身につけて、経済的にも成功できるように支援します。
気候変動に対する地域社会の強靭性の向上
気候危機は平等の危機でもあります。Salesforce は、気候変動による脆弱な地域社会への不平等な影響を防止し、そのような影響に対応するためのコミュニティ主導型の解決策に投資しています。
Salesforce のEcosystem Restoration & Climate Justice Fund (生態系の復元と気候の公平性基金) は、弱い立場のコミュニティの経済の強靭性を高めるための自然に基礎を置いた解決策と適応策に投資しています。
従業員インパクトを高める
慈善事業の中核となる重点分野は社会貢献活動の体制を形作りますが、一方では、従業員が情熱を持って取り組める他の活動にも貢献できるようにすることが重要です。
Salesforce では、Employee Impact (従業員インパクト) プログラムを通して、従業員が個人として、そして会社の一員としてインパクトを促進し、自分の時間、才能、そしてリソースによって違いをもたらすことができるようにしています。
リスクとイノベーションに資金を出す
Salesforce では、慈善事業をリスク許容度の高い資本と考えています。他のビジネスとは異なり、慈善事業では資金が柔軟に提供されるため、インパクトリーダーはリスクを取って新しい解決策を試すことで能力を高めることができます。
Salesforce は、使途を制限しない資金を提供することで、問題に最も近い人々に力を与えることを目指しています。(使途が制限された資金は特定の目的にしか使用できませんが、使途を制限しない資金は自由に使用できます。)
ビジネスのすべての要素を活用する
ここ数年、新型コロナウイルス感染症のパンデミック、人種差別問題の再燃、世界規模での深刻な自然災害の多発、ウクライナでの戦争など、他にも多くの難題に直面してきた私たちは、まったく新しい方法を示して協力的なアプローチを開発する必要に迫られています。
より公平で持続可能な世界というビジョンを実現するためには、すべての人々の協力が必要だと Salesforce は考えています。慈善事業は、インパクトをもたらす手段の 1 つにすぎません。私たちは、相乗的に作用するさまざまな危機に、ビジネス全体のエキスパートを集めたタスクフォースが連携して対処する必要があります。
インクルーシブな慈善事業を実践する
戦略 | Salesforce の例 |
---|---|
パートナーの声に耳を傾け、パートナーから学ぶ |
学生や教育者が直面している最大の課題の 1 つがメンタルヘルスの問題であることをパートナーから聞いた Salesforce は、学生と教育者のウェルビーイングに重点を置き、2022 年に 2,500 万ドルを教育事業に寄付しました。 |
重点分野を決める |
Salesforce では、平等と持続可能性という自社のコアバリューに従い、インクルーシブで豊かな社会の構築を支援する原動力として、教育と経済的機会の提供および気候変動に対する地域社会の強靭性の向上に慈善事業の重点を置いています。 |
従業員インパクトを高める |
Salesforce の従業員には、毎年 7 日間のボランティア休暇 (VTO) が与えられ、従業員による対象非営利団体への寄付金額と同額を会社からも寄付しています。 |
リスクとイノベーションに資金を出す |
Catalyst Fund (カタリスト基金)は、従来の慈善活動では見過ごされがちだったリーダーたちが革新的な解決策を構築できるように、使途を制限しない資金を提供し、組織の成長と拡大を支援しています。 |
ビジネスのすべての要素を活用する |
Racial Equality and Justice Task Force (人種平等および公平タスクフォース) は、人材、慈善事業、購買、ポリシーに関する活動を通して、体系的な変化をもたらすために尽力しています。 |
まとめ
インクルーシブな慈善事業戦略は、より公平で持続可能な世界の構築に貢献します。企業は、地域社会主導の解決策と協力的な社会貢献アプローチを重視することで、より大きなインパクトをもたらすことができます。
リソース
- 外部サイト: Pledge 1% (1% の誓い)
- Web サイト: Salesforce の慈善事業
- Web サイト: Salesforce の教育への貢献
- Web サイト: Salesforce Gives $25M to Education with a Focus on Teacher and Student Wellbeing (Salesforce が教育者と学生のウェルビーイングに焦点を当てた 2,500 万ドルの教育事業への寄付を実施)
- Web サイト: Salesforce Launches Catalyst Fund to Scale Inclusive Philanthropy (Salesforce がインクルーシブな慈善事業を拡大するための Catalyst Fund (カタリスト基金) を立ち上げ)
- Web サイト: Salesforce Gives $11M to Restore Ecosystems and Advance Climate Justice (Salesforce が生態系の復元と気候の公平性を推進するために 1,100 万ドルを寄付)
- Web サイト: Racial Equality and Justice Task Force (人種平等および公平タスクフォース)