問題とソリューションを特定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 共感を持ってお客様に返信する。
- 問題の根本原因を突き止めるために適切な質問をする。
- 推奨事項を伝えるためのツールを特定する。
- お客様がソリューションを見つけられるようにサポートする。
共感
お客様と十分に関わり、問題の本質を理解するためには、実行すべき 2 つのベストプラクティスがあります。1 つは認めること、もう 1 つは共感を示すことです。認知 (前の単元で学習しました) とは、お客様の経験や視点を認識して受け入れる能力です。共感とは、お客様の感情を理解して共有することです。
共感は、お客様と同じような状況に置かれている自分を想像する能力です。共感によって、お客様の成功のために力を注いでいることが伝わります。共感することで、お客様とお客様の問題を自分のことのように考え、信頼関係を構築できるため、お客様との連携を強化して、問題解決を達成することができます。
お客様の視点を理解するための質問
お客様の現在の問題を認識し、共感したら、その根本原因を探るために質問をします。お客様から答えが返ってきたら、会話ができるようにオープンエンド型の質問を使用して、「理由」を突き止めます。
目下の問題に関して話す相手ごとに、新しいインサイトや情報を得ることができます。役割がそれぞれ異なっていれば、各自が問題解決の一助となり得る固有の視点を持っています。
質問攻めにしていないか、聞き役に回ったほうがいいかを見極めることが重要です。以下に、お客様との会話を常に正しい方向に導くために頼りになる質問をいくつか紹介します。
- この状況について、もう少し詳しく教えてもらえますか?
- この状況で順調にいっていることは何ですか?
- 何が変更されたのかについて説明してもらえますか?
- あなたが目標を達成するためにお力になれることはありますか?
- 目標に到達する上での最大の障害は何ですか?
- この状況/パートナーシップ/機能/統合を改善するために、私のチームは何をする必要がありますか?
- この変更を行うためにお力になれることはありますか?
- 価値と成功を測定するためのデータを監視しているのは誰ですか?
- どのような測定を実施または監視していますか?
- どのようなことを期待していましたか?
- 理由は? なぜ、このようなことが起きたのですか?
質問をすることで、あなたが気にかけているということを示せます。また、あなたが懸念事項に対応し、サポートしようとしていることがお客様に伝わります。さらに、根本原因を明らかにするだけなく、信頼関係を築くこともできます。
問題の根本原因を突き止めたら、次は問題解決のコツを詳しく見ていきましょう。
推奨事項の提案
本当に信頼できる人にアドバイスを求めたことがありますか? その人はアドバイスしてくれましたか? アドバイスしてくれなかったとしたら? ただ話を聞いて共感しただけで、何のコーチングもしてくれなかったとしたらどうでしょうか?
あなたは、お客様がアドバイスを求めるその相手なのです。お客様は、あなたを成功に導く信頼できるアドバイザーとして見ています。聞くだけでなく、推奨を行うのもあなたの責任です。
推奨とは、お客様にとって今最も適したソリューションを見つけることです。理想的には、お客様がどのソリューションが最適であるかを十分に情報を得た上で判断できるように、金銭的投資、時間、作業レベルなどの要素を考慮した複数の選択肢を提示します。常に、新しい投資を試す前に、まず現在の投資や商品を最大限に活用することを勧めるようにしてください。
アプリケーションを勧めるときは、ベストプラクティスである、率直であること、ソリューション重視の考え方の提供、フォローアップを使用します。これにより、お客様はすべての選択肢を検討し、最終的に自身にとって最善と感じる決断を行うことができます。あなたが個人的に同意する場合もあれば、そうでない場合もあります。推奨とは、お客様がその決断を下せるようにサポートすることです。では、こういったベストプラクティスはどのように機能するのでしょうか?
透明性を保つ
お客様とエンゲージしたら、次はお客様が答えを探すことができるようにサポートします。答えを持ち合わせていない場合は、透明性を保つ、つまり率直にその旨を伝えましょう。自信を持って提供できるソリューションがない限りは、チームを再編成することをお勧めします。新しい情報や他の視点を得ることで、ソリューションへの扉が開く可能性があります。
あなたがお客様にとって必要な専門家でない場合は、そのことを正直に伝えます。自分のエゴを捨て、お客様が問題を解決する適切な人物を見つけられるように手助けします。その人物があなたでないことを認めることは、あなたの信頼性を損なうものではなく、むしろ高めるものです。
率直であることには、すべての選択肢をお客様に提示することも含まれます。あなたが勧める選択肢とその背後にある理由がきちんとわかるようにお客様に説明します。どの選択肢が最適だと思うか、またその理由についても率直に伝えてください。このようにすべてを明らかにすることによって、あなたがお客様の状況に共感し、お客様の目標が達成されるように全力を尽くしていることがお客様に伝わります。これは、大きな信頼の構築につながります。
ソリューション重視
ソリューション重視であることは、自分自身の意図を脇に置くということです。その時点ではお客様のニーズに合っていない機能やサービスを売り込みたいこともあります。ですが、信頼を築くには、適切なタイミングで適切な推奨事項を提案します。
常にお客様と一緒にブレインストーミングを行いましょう。ホワイトボードや付箋紙 (実物またはバーチャル) を使用して、一緒にソリューションのブレインストーミングを実施します。理想的なのは、お客様が自身のソリューションを特定できるようにすることです。お客様が所有または特定するソリューションは、最も成功する傾向があります。時には、このような推奨は、妥協を意味することもあります。
ソリューションの推進に利用できるツール (主要業績評価指標、評価指標、値の対応付け) を使用します。評価指標や KPI から何がわかりますか? お客様は自社の目標や目的に対する成功を積極的に測定するためにどのようなことができますか? お客様の懸念事項をより深く理解するために、ビジネス価値の対応付けを完了する必要がありますか?
すべてが完了し、推奨事項を選択したら、必ず会話全体を振り返って、次のステップを示すようにしてください。
フォローアップ
最後に、お客様の進捗状況をフォローします。お客様をサポートしてソリューションを見つけた後も、あなたは励ましやコーチングを行うサポート役を担います。
お客様と継続的に連絡を取ることができない職務の場合は、やり取りの詳細なメモを作成します。そうすれば、お客様と連絡を取っている他の担当者は、あなたの推奨事項についてフォローアップしたり、質問したりすることができます。これにより、お客様と打ち解け、信頼を築き、お客様とやり取りするあなたの会社のすべての担当者がお客様の進捗状況、経緯、ニーズを把握していることを顧客に示すことができます。
準備、エンゲージメント、推奨事項の提案に重点を置くことは、想定内であろうとなかろうと、どのような困難な会話にも対応するための最善の方法です。
落ち着き、話を聞くことに集中して、共感を示し、質問することで、お客様の不満に対する最善のソリューションを見つけることができます。