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Salesforce アーキテクチャについて

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Salesforce アーキテクチャに関連する主要な用語を定義する。
  • 信頼に関連する情報を検索する。
  • Salesforce API の少なくとも 1 つのユースケースを説明する。

Salesforce アーキテクチャとは?

現在までに、Salesforce を使用すれば、高度にカスタマイズされたエクスペリエンスを顧客や従業員、パートナーに提供できることがわかりました。そして、コードをほとんど (またはまったく) 記述することなく、すばやくこのエクスペリエンスを実現することができます。

Salesforce の一体何がそれほど特別なのでしょうか? その筆頭は、当社のアーキテクチャです。

Salesforce アーキテクチャは、何層にも重なったレイヤー構造と考えることができます。美味しいレイヤーケーキと同様に、Salesforce アーキテクチャもさまざまな場面で活躍します。どのような方法であれ、Salesforce アーキテクチャについて理解しておけば、プラットフォームを簡単に使いこなせるようになります。

Einstein 1 Platform 上の統一されたデータフレームワーク。

詳しく解説すればきりがありませんが、ここでは特に重要な点に絞って説明します。この単元では、以下の点についてそれぞれを詳しく説明します。

  • Salesforce はクラウド企業です。つまり、当社が提供するものはすべて、信頼できるマルチテナントクラウドに存在します。
  • Salesforce Platform は、当社のサービスの基盤です。このプラットフォームはメタデータを活用し、ローコードツール、ワークフローの自動化、人工知能 (AI)、開発用の堅牢な API といったさまざまな要素で構成されています。
  • このすべてが Data Cloud に接続されています。Data Cloud は、大規模なスケールを想定して設計されたデータエンジンで、このメタデータフレームワークの一環としてプラットフォームに組み込まれるため、Data Cloud で簡単にデータを結び付けてアクションを実行することができます。
  • 当社のアプリケーションはすべてプラットフォーム上に存在します。Sales Cloud や Marketing Cloud Engagement のような事前作成済み製品も、開発者がこのプラットフォームを使用して構築したアプリケーションも、一貫した強力な機能を備えています。
  • そして、すべて統合されています。Salesforce が提供するあらゆる製品や、開発者が構築するすべてのものに、予測・生成 AI や開発フレームワークなどのプラットフォームテクノロジーが組み込まれるため、Einstein Copilot などの会話型 AI や Slack で利用できます。

このアーキテクチャを理解するためには、信頼、マルチテナンシー、データ、メタデータ、API といった特に重要な用語を抑えておく必要があります。

クラウドを信頼する理由

Salesforce で信頼は最優先事項です。お客様は機密データを組織に保存しているだけでなく、会社の成功に不可欠な機能を当社のプラットフォームで構築しています。お客様のデータおよび機能の安全を確保する当社の責任が軽視されることはなく、当社ではそのためにサービスに対する透明性を常に維持しています。

信頼に関する当社のサイト (trust.salesforce.com) は、極めて重要なリソースです。このサイトでは、パフォーマンスデータを参照したり、データを保護する方法に関する情報を確認したりすることができます。また、当社が予定しているメンテナンスが、お客様の Salesforce へのアクセスに影響する可能性がある場合もこのサイトで通知されます。

さらに、あらゆるワークフローに生成 AI を組み込もうと全世界で競争が激化する中で、Salesforce は AI の安全性を何よりも重視し、その目的で Einstein Trust Layer を構築しています。Einstein Trust Layer によってセキュリティガードレールが強化されるため、データのプライバシーやガバナンスを損なうことなく、各自の企業データや顧客データを用いた生成 AI を活用できます。

マルチテナントクラウドでの共有には配慮が必要

これまで、住宅についていろいろ話してきました。ただし、実際には Salesforce はアパートのような構造になっています。お客様の会社はクラウドに独自のスペースを確保しますが、その付近には個人経営の商店から多国籍企業までさまざまな隣人が存在します。

専用スペースを持ちながら、リソースを共有するアパート。

こうした概念をマルチテナンシーといいます。マルチテナンシーなどと言えば、何だか飲み会で賢そうな印象を与えられそうな気がしますが、実際にはリソースを共有することを意味します。Salesforce では、マルチテナントクラウドで、お客様の全員に一連のコアサービスを提供します。お客様は、ビジネスの規模に関係なく、同一の計算機能、データストレージ、コア機能にアクセスします。

信頼とマルチテナンシーは密接に関連しています。他の企業とスペースを共有しながらも、Salesforce によってデータの安全性が確保されていると信頼することができます。また、年間を通したシームレスな自動アップグレードにより、最新かつ最高の機能を確実に利用できます。Salesforce はクラウドサービスのため、新しい機能をインストールする必要や、ハードウェアについて心配する必要がありません。このすべてが可能になるのもマルチテナンシーだからです。

Data Cloud の違い

Dreamhouse Realty が業界大手になるためには、大量のデータが必要です。ただし、D’Angelo はすぐに、Dreamhouse が長年にわたって収集したり、さまざまなソースから購入したりしたデータの大半は形式が異なり、各所に分散し、大容量で配信されていることを認識します。このすべてのデータを選別し、ビジネス価値のあるものに変換して、Michelle やブローカーが使用できるようにするにはどうすればよいのでしょうか?

D’Angelo は Data Cloud に目を向けます。Data Cloud は Salesforce Platform にネイティブで組み込まれているハイパースケールデータエンジンで、プラットフォーム全体で使用できます。従来のデータベースではなく、データレイクハウスのようなものです。レイクハウスというと湖畔の保養地のように感じられるかもしれません。ただし、この場合のデータレイクハウスは、Michelle がクライアントに購入を勧める保養目的の物件ではなく、構造化データと非構造化データの両方を処理してハーモナイズするアーキテクチャで、プラットフォームに搭載されたすべてのツールでデータを簡単に使用できるようにします。Data Cloud は主に次の 3 つの処理を行います。

  1. データを結び付けて表示し、Salesforce Cloud のあらゆる面を向上させるため、Dreamhouse のような企業が Salesforce の内外に存在するデータを使用して、潜在的なクライアントと新たな方法でつながることができます。
  2. チームが他のウェアハウスやレイクに閉じ込められているデータを解放し、ゼロコピーインテグレーションを使用してそうしたデータを Salesforce で処理できます。つまり、D'Angelo が他のシステムのデータを複製せずに使用できるということです。
  3. 信頼できる予測・生成 AI を強化して、AI を自社のビジネスコンテキストでグラウンディングできるため、強固な顧客関係を築き、生産性を向上させることができます。

一例として、Data Cloud は、Dreamhouse の購入希望者が複数の物件をお気に入りに登録した場合などの Web インタラクションをリアルタイムの活動フィードに表示して、ブローカーの効率性を高めることができます。また、クライアントに関する広範かつ正確な詳細情報や、サポートの現在および過去の問題を表示するという方法で、カスタマーサービスエージェントの効率性や生産性を向上させることもできます。さらに、前述の物件の詳細を標準化する組み込みの AI プロンプトなど、D'Angelo が構築する新しい種類のアプリケーションにも活用できます。

つまり、Data Cloud は、ケースや商談など CRM に既存のデータを、瞬時に大量に発生するデータで補完し、同じプラットフォーム上でこの情報にアクセスしてアクションを実行できるようにするという方法で、上記の処理を行います。

メタデータの魔法

メタデータを簡単に言うと、データに関するデータです。かなり抽象的ですね。当社がデータに関するデータという場合、Salesforce 組織で収集したい情報に関連するコンテンツを保持するシェルを意味します。

Property (物件) などのオブジェクトについて考えてみましょう。Dreamhouse の同僚は Salesforce を使用するときに、物件に関するデータを入力して表示します。たとえば、物件がボストンにあり、価格が 50 万ドルで、寝室が 3 つあるとします。

では、この Property (物件) レコードで、ボストン、50 万ドル、寝室の数を表す 3 を削除したところを想像してみてください。何が残るでしょうか? Property というオブジェクトと、住所、価格、寝室数などの空の項目が残ります。このような項目がメタデータです。

ここで、メタデータについて、より大きな観点から考えてみましょう。メタデータとは、ページレイアウト、セキュリティ設定、組織のデータを収集または使用するために組織の構造に対して行ったその他のカスタマイズのことでもあります。

組織内のこうした標準およびカスタムの設定、機能、コードのすべてがメタデータです。プラットフォーム上ですばやく移動できる理由の 1 つは、各自が作成したメタデータをすぐさま保存して利用できるようにする術を Salesforce が心得ているからです。メタデータを使用することで組織を構造化できるため、価格と数値のどちらを入力すべきかがわかります。また、地図上の地理位置情報を使用して住所を参照したり、複数のオブジェクトに関連付けることができる取引先担当者に関する情報を収集したりすることができます。

API に関するすべて

アプリケーションプログラミングインターフェース (API) はさまざまなソフトウェアを互いに結び付け、情報交換できるようにするものです。

説明がやや抽象的と感じた方は、現在操作しているコンピューターを見てください。おそらく各種の接続をサポートするさまざまな形状やサイズのポートがいくつがあるはずです。これらのポートは API のハードウェアバージョンのようなものです。USB ポートのしくみを知る必要はありません。ここで理解しておくべきことは、携帯電話を USB ポートに接続すれば、情報がコンピューターに伝達されるということのみです。

API も同様です。詳しいことがわからなくても、アプリケーションを他のアプリケーションやソフトウェアシステムに接続することができます。情報をシステム全域に伝達する具体的な方法は、基盤となるテクノロジーによって処理されます。

では、こうしたことが Salesforce にどのように関係するのでしょうか?

以前に、データベースについて説明しました。カスタムオブジェクトまたは項目を追加すると、プラットフォームで、組織とデータベース間のアクセスポイントとして機能する API 参照名が自動的に作成されます。Salesforce はこの API 参照名を使用して、探しているメタデータやデータを取得します。

たとえば、取引先責任者の [Name (名前)] 項目は、Salesforce モバイルアプリケーションやカスタムページ、さらにはメールテンプレートまで、さまざまな場所で使用できます。こうしたことが可能になるのも API 参照名があるからです。

取引先責任者および物件の API 参照名を使用した Salesforce のメールテンプレート。

API が威力を発揮する根本的な理由は、データとメタデータがすべて API に対応しているためです。標準機能を使用している場合でも、カスタムアプリケーションを構築している場合でも、Salesforce を使用するたびに API とやり取りすることになります。今のところ大したことではないように思えるかもしれませんが、API によって、Salesforce に非常に高い柔軟性がもたらされます。ビジネスソフトウェアに関する従来の考え方にとらわれず、独特のクリエイティブなソリューションを作成できます。

リソース

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