一般的なワークフローを設計する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- プロダクトフィードバックを追跡するワークフローを設計する。
- ワークフローのベストプラクティスについて説明する。
ワークフローを設計する
ワークフローをゼロから構築する方法を詳しく見ていきましょう。
あなたはプロダクトマネージャーで、お客様から担当するプロダクトのフィードバックが頻繁に届いているとします。この情報はさまざまなソース (カスタマーサポート、営業、マーケティング、エンジニアリングなど) から、多様な形式 (Slack DM、Slack チャンネルメッセージ、Jira リンクなど) で届き、詳細度も異なります。情報が多過ぎることがある一方で、情報がほとんどないこともあり、その場合にはフォローアップの質問が必要になるため時間を取られます。
プロダクトフィードバックワークフローを設定する
そこでこの機会に、ワークフロービルダーを使用してプロダクトフィードバックの収集を標準化することにします。では始めましょう。
- まず、フィードバックを収集するための専用チャンネルを作成します。フィードバックチャンネルがすでに存在する場合もあれば、担当しているプロダクト専用のチャンネル (例:
#feedback-product-name
) を作成したいと思っている場合もあるものと思われます。チャンネルの会話を効率化し、集約したい場合には、読み取り専用チャンネルにし、ワークフローに従ってフィードバックを送信する手順を示すことが考えられます。 - 続いて、各自のワークスペース名をクリックします。
- [ツール] | [ワークフロービルダー] の順に選択します。
- 次に、[作成] をクリックします。
- ワークフローに
Submit product feedback
(プロダクトフィードバックの送信) のような名前を付けて、[Next (次へ)] をクリックします。 - トリガーを選択します。前述のとおり、トリガーはワークフローを開始する手段です。この場合の最も簡単な出発点はショートカットメニューを使用することであるため、ショートカットオプションの横にある [選択] をクリックします。
- ショートカットを設定するように促されます。
- [どのチャンネルですか?] フィールドで該当するチャンネルを選択します。
- ショートカットに名前を付けます。この名前がショートカットメニューに表示され、ユーザーが選択します。ワークフロー名と同じにすることができます。簡潔でわかりやすい名前にします。以下の例では、「Submit product feedback (プロダクトフィードバックの送信)」になっています。
- [Next (次へ)] をクリックします。
フォームを送信する
トリガーが設定されたら、一連のステップをワークフローに追加します。フィードバックの場合は、収集したいフィードバックの種類に応じて数種類のパラメーターを設定することをお勧めします。ユーザーに必須フィールドのあるフォームへの入力を求めます。
- ワークフロービルダーで、[ステップを追加] をクリックします。
- [Send a form (フォームを送信する)] を見つけ、その横にある [追加] をクリックします。
- フォームにタイトルを付け、回答してもらいたい質問を構成します。さまざまなタイプの回答 ([短い回答]、[長い回答]、[一覧から選択]、[メンバーを選択]、[チャンネルまたは DM を選択]) の中から選択できます。また、特定のフィールドを必須または省略可能にすることができます。
- フィードバックをチャンネル内で共有し、他のユーザーが参照できるようにすることをお勧めします。そのため、[提出された回答をチャンネルまたは DM で他のメンバーに送信する] がオンになっていることを確認します。
- 次に、[ワークフローを開始したチャンネル] を選択します。
- [Save (保存)] をクリックします。
[ワークフローを開始したチャンネル] という変数が追加されました。ワークフローの次のステップでは、メッセージの変数データをさまざまな方法で活用します。
変数データのあるステップを追加する
フィードバックプロセスのもう 1 つのベストプラクティスは、送信者に個人宛の確認メッセージを送信することです。この場合に役立つのが変数データです。
- ワークフローの [ステップを追加] をクリックします。
- [メッセージを送信] を見つけ、その横にある [追加] をクリックします。
- メッセージの送信先: フォームを提出したメンバー
- メッセージのテキスト:
-
Hello
(こんにちは) - ここで [変数を挿入する] をクリックします。
- [フォームを提出したメンバー] を選択します。
- 次のメッセージを入力します。
! Thank you for submitting product feedback. You can see any updates or comments related to your feedback by following along in
(プロダクトフィードバックを送信いただきありがとうございます。手順に従うと、フィードバックに関連する最新情報やコメントを確認いただけます) - もう一度 [変数を挿入する] をクリックします。
- [ワークフローを開始したチャンネル] を選択します。
-
- [メッセージを送信] 設定に、変数データにはプレースホルダーを挿入した状態で、メッセージがどのように表示されるかを示すプレビューが示されます。問題がなければ、[Save (保存)] をクリックします。
さらに先に進み、新しいフィードバックを知らせるメッセージをチャンネルに追加します。上記の手順に従ってメッセージを作成します。変数を挿入すると、フォームに特定の回答を組み込むことができます。次の例ではメッセージに、フィードバックの緊急性と一般的なフィードバックのほか、ユースケースや理由が示されています。この変数はすべてフォームから取り込まれます。
ワークフローができることはこれだけではありません。さらに使いこなしたければ、追跡や分析の目的でこの情報を Google Sheets に送信したり、PagerDuty に送信して新たなインシデントに対処したり、Trello に送信してプロダクトフィードバックボードに新しいカードを作成したりすることが考えられます。こうした処理により、ワークフローが各自の特定のプロセスやテクノロジーに合わせて調節されます。
納得のいくワークフローができたら、[公開] をクリックします。
ワークフローをパーソナライズする
ワークフローをパーソナライズしてユーザーが使いやすくするために、アイコンを変更し、チャンネルへの投稿時にワークフローに独自のカスタムアバターが表示されるようにします。この処理は簡単なクリック操作で実行できます。ワークフローアイコンをクリックし、[ファイルを選択する...] をクリックしてから、マシンに保存されている任意の画像を選択します。カスタムアイコンは 128 ピクセル以上で、できれば正方形である必要があります。
ワークフローテンプレートと既存のワークフローを使用する
ゼロから始めるとなると膨大な時間がかかると思われる場合は、ワークフロービルダーのテンプレートライブラリにアクセスすれば、気軽に始めることができます。テンプレートを選択し、各自の Slack ワークスペースでカスタマイズしてから、任意のチャンネルに公開します。
次のテンプレートが用意されています。
- 新しくチームに参加するメンバーに送る心温まる歓迎メッセージのテンプレート
- リクエストのトリアージ方法
- デイリースタンドアップとチェックイン
- 情報を簡単に送る方法
- チームのステータス更新
他のユーザーのワークフローを見てコピーしたいと思うかもしれません。その場合は、ワークフローファイルを共有してもらえないか聞いてみます (ワークフローでメニューアイコンをクリックし、[ワークフローファイルをダウンロードする] をクリックします)。ファイルをワークフロービルダーにアップロードし、独自の目的に合わせて編集して、別のチャンネルに公開できます。
効果的なワークフローを構築するためのヒント
各人のワークフローがそれぞれ異なるように、ベストプラクティスもそれぞれ異なります。ワークフローを初めて作成するときに役立つヒントや秘訣をいくつかご紹介します。
個人的なテストチャンネルを作成する。ワークフローを公式チャンネルにインストールする前にテストします。テストすれば、ワークフローが期待どおり動作するかどうか確認できます。
独自のアバターをカスタマイズする。ワークフローが個性的なものになり、ユーザーごとにオリジナリティを加えることができます。カスタマイズする場合は、個々のワークフローの [設定] タブに移動し、アイコンを編集して、任意の画像をアップロードします。
変数データを使用する。ワークフローをトリガーした人の名前や、特定のフォームの回答など、ワークフローによって収集されたデータを取り込んで、他のツールやサービスに送信するメッセージや情報をパーソナライズします。
確認メッセージを追加する。フォームが送信されたことをワークフローのユーザーに知らせ、回答のコピーを共有して、次のステップを伝えます。ユーザーに推測させないようにします!
既存のツールをワークフロービルダーに接続する。日常的なタスクや反復的なプロセスで各種のツールがどのように連携しているかを検討し、そのしくみを自動化します。
まとめ
反復的なタスクや面倒な情報収集を自動化すれば、チームの生産性が大幅に向上します。このモジュールでは、Slack ワークフロービルダーの基本事項と、チャンネルの業務を効率化する方法について学びました。トリガーで自動化を開始し、ワークフローのステップでアクションをカスタマイズします。上記のベストプラクティスに従って、ワークフローを最大限に活用します。
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