Slack ファーストな考え方をマーケティングチームに取り入れる計画を作成する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Slack をマーケティングチームにロールアウトする前に考慮すべき 4 つの事項を挙げる。
- ワークフローとインテグレーションを使用して Slack を最大限に利用する方法を説明する。
Slack をチームに導入する準備をする
ここまでに、Slack にはマーケティングプロセスを改善する大きな可能性があることを学習しました。ただし、最初のチャンネルを作成する前に、大きな変更を成功させるには前もって計画する必要があるということを忘れないでください。そして、Slack を最大限に活用するには、常にデータを収集し、改善を継続する必要があります。
ですから、Slack をチームにロールアウトする前に、次の 4 つの事項について考えます。
- 命名規則。チャンネルにはどのような名前を付ければよいでしょうか? チームメンバーが会話の適切な場所を簡単に見つけられるようにするには、チャンネルをどのように整理すればよいでしょうか?
- ワークフロー。優先度が特に高いワークフローはどれですか? そのワークフローを Slack に取り込んで主要なイベントや承認をトリガーするにはどうすればよいでしょうか?
- インテグレーション。Slack に統合する必要があるサードパーティシステムはどれですか? 統合されたアプリケーションやツールでは、特に重要なワークフローにどのように対応できますか?
- 行動。ユーザーにどのような行動を奨励しますか? チームメンバーが Slack を継続的かつ効率的に使用するには、どのようなトレーニングを行いますか?
この単元で各事項について説明していきます。
命名規則
Slack でマーケティングのチャンネルを設定するときには、会話をどのようにグループ化して整理するかを考えます。チャンネルの命名規則とガイドラインを作成して組織全体で共有することをお勧めします。
以下にいくつかの例を挙げます。
チャンネル名 |
説明 |
---|---|
#mktg-all-marketing |
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#mktg-campaign-solar-battery-launch |
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#mktg-campaign-data |
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#mktg-project-social-banner-redesign |
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#mktg-social-listening |
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#ext-agency-creative-pros |
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一貫性のある名前を付けることで、チームが適切なチャンネルを見つけやすく、新しい従業員がすぐに情報を把握できます。また、一貫性のあるプレフィックス (チームのコアチャンネルには #mktg、外部パートナーや顧客と共有するチャンネルには #ext など) を追加することで、チャンネルが自然にグループ化され、Slack 内で見つけやすくなります。
ワークフロー
Slack のワークフローを使用すると定型タスクを自動化できます。まずは、優先度が高く大規模なワークフローがある領域を特定します。そのような領域は合理化に適しています。また、マーケティング担当者の貴重な時間を浪費する手作業が多いプロセスについても考慮します。
たとえば、チームはクリエイティブやキャンペーンの要求用のワークフローを作成できます。また、コンテンツがレビューと承認を行える状態になったときの通知を自動化することもできます。そうすることで、承認者にアラートが表示され、Slack 内で承認を行えるため、プロジェクトが円滑に進みます。そして、アセットに若干の変更が必要な場合や承認者が質問したい場合には、長いメールを書いたり忙しいスケジュールの合間にミーティングの時間を探したりするのではなく、チームメンバーが短いハドルミーティングを開始して問題を議論できます。ハドルミーティングは音声優先であるためチームはカメラに映ることから解放されますが、デザイン、スライドデッキ、その他のビジュアルを一緒に確認する必要がある場合は画面を共有できます。
ワークフローを使用すれば、チームが大きなキャンペーンやジャーニーを開始した後の作業も合理化できます。パフォーマンスを監視し、問題や異常が発生した場合の Slack チャンネルへのアラートを自動化すれば、適切なタイミングでマーケティング担当者とエンジニアリングチームが調査を行い、関与できます。
もちろん、オートメーションとワークフローはアプリケーションやツールの統合によってさらに強力になります。マーケティング組織がどのように Slack を使用して顧客と直接つながり、顧客をよく知ることができるかを考えましょう。オーディエンスをよく知るほど、オーディエンスが喜ぶコンテンツやエクスペリエンスを設計できます。
インテグレーション
インテグレーションを利用することで、チームはソーシャルリスニングと顧客フィードバックへの応答を合理化し、すべてを Slack 内で実行できます。たとえば、チームが以前は複数のソーシャルメディアやメールキャンペーンエンゲージメントアプリケーションを使用してキャンペーンやジャーニーに対する顧客の反応を監視していたということが考えられます。
では、Slack で顧客の行動とフィードバックを明らかにするとどうなるかを見ていきましょう。
- ソーシャルメディアアプリケーションを #mktg-customer-feedback チャンネルに追加します。このチャンネルでは顧客のコメントと質問がリアルタイムで表示されます。
- 新しい機能を発表する最新の投稿にある顧客が返信します。新機能は気に入ったが、重要なツールが以前と同じように機能しなくなったことに失望しているという内容です。
- ソーシャルマーケティングマネージャーは商品チームとエンジニアリングチームをチャンネルに招待して問題を議論します。この顧客のお気に入りツールへの変更は計画したものだったでしょうか? それともバグでしょうか? 商品マネージャーは、これは計画された変更だったことと、新しい機能には古いツールをさらに改善した機能が備わっていることを説明します。
- そのことを知ったマーケティングマネージャーはライターとグラフィックデザイナーをチャンネルに招待して前向きな返答についてブレインストーミングを行います。その目的は、顧客にフィードバックのお礼を述べて、新しい機能の使用方法についてのヒントをイラスト付きで伝えることです。
- 返答を投稿した後、マーケティングマネージャーは商品チームとエンジニアリングチームに報告します。顧客はヒントを気に入り、この商品を将来さらに改善するアイデアを持っていました。商品マネージャーはそのアイデアを開発バックログに追加します。
既存のツールやアプリケーションを Slack と統合することで、その価値を最大化できます。
行動
チャンネル、ワークフロー、インテグレーションは Slack ファーストなマーケティングに欠かせないツールです。ただし、ツールが効果を発揮するかどうかは使用する人次第です。ですから、チームと協力して Slack でのやりとりに関するガイドラインを作成しましょう。
たとえば次のようなことをチームで合意します。
- 「賛成です」と返答するには +1 の絵文字をメッセージに追加する。
- チャンネルまたはダイレクトメッセージ内の人と短時間の音声優先の会話 (自動生成字幕付き) を行うには、Slack のハドルミーティングを開始する。
- キャンペーンが終了したときや成果物を納入したときにはチャンネルをアーカイブして、乱雑にならないようにする。アーカイブしても、後でそのチャンネルから情報が必要になった場合にはそのコンテンツは検索結果に表示されます。
このような行動に同意することによって、コミュニケーション時のストレスをできるだけ減らすことができます。その他のアイデアについては、「Slack のエチケットと生産性」モジュールを参照してください。
また、楽しむことも忘れないでください。Slack は常にビジネス限定というわけではありません。気軽な会話や共有のための #mktg-random チャンネルや、よい記事やブログを同僚と共有するための #mktg-goodreads チャンネルを作成しましょう。チームが互いに共有し合う場所を作ることで、グループとしてのつながりが深くなります。それを実現できるのが Slack です。
もっと詳しく知りたい
Slack ファーストなマーケティングスキルをレベルアップするには、『マーケティングチーム向けの Slack ハンドブック』を参照してください。情報やエキスパートへのアクセス、リアルタイムパフォーマンスデータの追跡、マーケティングワークフローの合理化を行うためのヒントやリソースが掲載されています。