Industries Cloud のキャッシュを管理する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Industries CPQ (設定、価格、見積) でプラットフォームキャッシュをいつ、どのように管理するか説明する。
- 商品階層やプラットフォームキャッシュに対してメンテナンスジョブを実行する方法について説明する。
プラットフォームキャッシュを管理する
Infiwave のカタログ管理者である Mary は、プラットフォームキャッシュを最新の状態に維持する方法を検討しています。Industries CPQ のカートの商品データに、商品デザイナーで設計時に行われた変更を正確に反映するためにはこの作業が欠かせません。嬉しいことに、エンタープライズ商品カタログ (EPC) にこの作業を加速する数種のプロセスが組み込まれています。
共有カタログ管理者である Mary は、ユーザーが次の変更を行った後、メンテナンスジョブを実行してキャッシュの商品データを更新する必要があります。
- バンドル設定やカーディナリティなどの商品階層
- 価格設定プランのステップまたはそのパラメーター
- 属性ルールまたはコンテキストルール
上記のいずれかのエンティティが更新されたら、Mary は次の 3 段階のプロセスを実行します。
- 商品階層のみが更新された場合は、「商品階層メンテナンス」ジョブを実行します。
- 「管理プラットフォームキャッシュをクリア」ジョブを実行します。
- 「プラットフォームキャッシュを更新」ジョブを実行します。
ご覧のとおり、プラットフォームキャッシュをクリアして更新するのは、ルールや価格設定プランのステップで変更があった場合のみです。
上記のジョブは、主な 3 つの機能を果たします。
- カタログエンティティをフラット化または合理化したレコードに変換して、すぐさま読み取って読み込めるようにする。
- カタログデータをメモリにキャッシュして、データベースにデータを繰り返し要求しなくても済むようにする。
- Industries CPQ の操作に極めて重要なメタデータを再生成する。
メンテナンスジョブを実行する
ちょっと前に、Infiwave の商品設計者である Devi が商品バンドルの子商品のカーディナリティを更新しました。Mary は商品階層と CPQPartition のキャッシュを更新して、更新内容がカートに反映されるようにする必要があることを認識しています。
商品階層とキャッシュメンテナンスジョブにアクセスするために、アプリケーションランチャーで [Vlocity CMT Administration (Vlocity CMT 管理)] を選択します。
[Vlocity CMT Administration (Vlocity CMT 管理)] ワークスペースで、使用可能なすべての管理設定を選択できます。
キャッシュメンテナンスジョブを表示するには、[Admin Console (管理コンソール)] セクションの [Maintenance Jobs (メンテナンスジョブ)] を選択します。
[Maintenance Jobs (メンテナンスジョブ)] ワークスペースに、商品階層とキャッシュに関連する 3 つの主要なジョブを表示できます。
ここに、[Product Hierarchy Maintenance (商品階層メンテナンス)] (1)、[Clear Managed Platform Cache (管理プラットフォームキャッシュをクリア)] (2)、[Refresh Platform Cache (Full) (プラットフォームキャッシュを更新 (フル))] (3) ジョブが表示されています。
最適な結果を得るためには、上記のジョブをこの順序で実行することが大切です。
「商品階層メンテナンス」ジョブを実行する
商品に新しいカーディナリティを割り当てるなど、商品バンドルに変更を行ったら、必ず商品階層データストアとキャッシュを再構築する必要があります。「商品階層メンテナンス」ジョブは、データストア sObject にすべての商品設定の合理化されたバージョンを構築します。前述のとおり、ルールまたは価格プランのステップのみに変更を行った場合は、この手順が不要です。
無効の古いデータセットを削除する場合は、[Delete Old Data (古いデータを削除)] を選択します。このオプションを選択すると、再構築された新しいデータセットのみが使用可能になるため、ストレージスペースが節約されます。古いデータを保持する場合は、[Delete Old Data (古いデータを削除)] を選択解除のままにします。
[Product Hierarchy Maintenance (商品階層メンテナンス)] ジョブの横にある [Start (開始)] をクリックしてジョブを実行します。
ジョブが正常に完了し、商品階層の不一致が解消されると、緑のメッセージが表示されます。
「管理プラットフォームキャッシュをクリア」ジョブを実行する
「商品階層メンテナンス」ジョブを実行したら、「管理プラットフォームキャッシュをクリア」ジョブと「プラットフォームキャッシュを更新」ジョブも実行する必要があります。この 2 つのジョブを実行すると、実行時にカートに商品バンドルの変更が表示されます。コンテキストルール、高度なルール、価格設定プランのステップとそのパラメーターなどを変更した後も、この 2 つを実行する必要があります。
「管理プラットフォームキャッシュをクリア」ジョブは、価格設定プランのステップやルールのデータなど、組織プラットフォームキャッシュのすべてのデータを削除します。ブランク状態になったら、「プラットフォームキャッシュを更新」ジョブが組織キャッシュに変更後の商品階層データを保存します。
次に、[Start (開始)] をクリックして [Clear Managed Platform Cache (管理プラットフォームキャッシュをクリア)] ジョブを実行します。
この場合もジョブが正常に完了すると、画面に緑のメッセージが表示されます。
「プラットフォームキャッシュを更新」ジョブを実行する
最後に、「プラットフォームキャッシュを更新」ジョブを実行して、組織キャッシュに商品階層データ全体を取り込みます。このプロセスで、データストアを使用して、商品階層のキー - 値ペアを含むキャッシュバージョンを構築する Apex ジョブが呼び出されます。また、価格設定プランのステップやルールのデータも再取り込みされます。
[Start (開始)] をクリックして、キャッシュを更新します。
このジョブでは、更新の対象を 1 つ以上の特定の価格リストに絞り込むこともできます。
キャッシュの更新のメンテナンスジョブにはもう 1 つ、プラットフォームを一度にまとめて更新するのではなく、漸増的に更新するものがあります。
CPQPartition プラットフォームキャッシュ以外にも、Digital Commerce API キャッシュなど、ほかにも Communications、Media、Energy Cloud で使用できるキャッシュが存在します。他のキャッシュについての詳細は、「リソース」セクションに記載されている Salesforce ヘルプのリンク先を参照してください。
今後の展望
Mary は共有カタログ管理に慣れてきました。ユーザーが商品データに変更を行った後で、キャッシュのデータを更新するために実行する必要があるメンテナンスジョブを理解しました。Mary は、お客様を満足させ、商品注文をスムーズに進めるためのメンテナンスジョブについてもっと学びたいと考えています。では、先に進みましょう。
リソース
- Salesforce ヘルプ: Refresh Platform Cache (Incremental) (プラットフォームキャッシュの更新 (増分))
- Salesforce ヘルプ: Digital Commerce API Caching (Digital Commerce API キャッシュ)