製造のサービスコンソールをカスタマイズする
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 製造のサービスコンソールのページに関連リストを追加する。
- ID 検証フローを編集して、通話の理由を追加する。
- 取引先ページにタイムラインを作成する。
パートナーを包括的に把握する
製造のサービスコンソールにはデフォルトで、電話をかけてきた取引先責任者の親取引先に関連するケース、納入商品、注文の 3 つのリストが表示されます。ただし、大半のインタラクションでは、エージェントがパートナーやディストリビューターのビジネスに関連する詳細情報を求めていることを Najma は認識しています。
たとえば、「この取引先に関連する販売合意はどのような内容か?」「パートナーが所有する商品に対して実行されるタスクを追跡する作業指示はどのようなものか?」といった情報です。パートナーが利益の大きいリベートプログラムに登録されているような場合には、エージェントがメンバーへの支払の詳細を確認しようとします。Cindy は Lightning アプリケーションビルダーを使用して、こうした情報をコンソールビューに追加することにします。
このリストをコンソールに表示するために実行する主な手順は、次のとおりです。
- オブジェクトマネージャーで、取引先ページレイアウトに [Work Orders (作業指示)]、[Sales Agreements (販売合意)]、[Rebate Program Members (リベートプログラムメンバー)] 関連リストが追加されていることを確認します。
- コンソールの取引先責任者ページを編集します。
- [Related List-Single (関連リスト - 1 つ)] コンポーネントを 3 つの関連リストのページレイアウトに追加します。
- 親レコードに [Account Name (取引先名)] を選択します。
- [Related List (関連リスト)] に [Sales Agreements (販売合意)]、[Work Orders (作業指示)]、[Rebate Program Members (リベートプログラムメンバー)] を選択します。
- 変更を保存して、ページレイアウトを有効にします。
Cindy はさらに、ページ内の関連リストを動かして、[Orders (注文)] が独自のサイドパネルに表示され、他の情報はページの中央に表示されるようにします。
これで、エージェントが通話者とインタラクション中に、関連性が高いすべての情報と最新情報をクリック操作で確認できるようになりました! この結果、効果的なコミュニケーションが可能になり、迅速な問題解決につながります。
さらなる質問で要点を絞る
Cindy は続いて、エージェントが通話者の本人確認を行った後で相手に尋ねる質問に注意を向けます。エンゲージメントの理由が明確になれば、インタラクションの焦点を絞ることができます。[Verify Caller Identity (通話者 ID を検証)] フローには次の理由が事前定義され、エージェントはその中から選択できます。
- 新規サービス要請
- ケースのフォローアップ
- 注文の問い合わせ
- 保証の問い合わせ
- 商品情報
大半のパートナーやカスタマーサービス担当者が通常はこのいずれかの理由で電話をすることに Najma も同意しています。時として、パートナーやディストリビューターが購入した商品の支払状況や、受け取る予定の支払を確認するために電話をかけてくることがあります。Cindy はフローを簡単に更新して、インタラクションの理由のリストに「支払照会」が追加されるようにします。
次の手順を実行します。
- [Verify Caller Identity (通話者 ID を検証)] フローをコピーして、定義を保存します。
- 新しいリソースを作成して、次の属性を設定します。
- Resource Type (リソース種別): Choice (選択肢)
- API Name (API 参照名):
PaymentQuery
- Choice Label (選択肢表示ラベル):
{!PaymentQueries}
- Data Type (データ型): Text (テキスト)
- Choice Value (選択肢の値):
{!PaymentQueries}
- [Reason for Call (通話の理由)] 画面要素を編集して、[Radio Buttons (ラジオボタン)] 要素を選択します。
- [Configure Choices (選択肢を設定)] セクションで、この選択肢を追加して、[{!PaymentQuery}] を選択します。
- 変更を保存して、フロー定義を有効にします。
- Lightning アプリケーションビルダーで [Engagement Interaction (エンゲージメントインタラクション)] ページを編集し、[Flow (フロー)] に新しいフロー定義を選択します。
- 変更を保存して、ページレイアウトを有効にします。
成功です。Najma や Cindy がエンゲージメントインタラクションを起動すると、新しい検証質問が表示されます。サービスの問題が解決したところで、最後の要望に進みます。
タイムラインを微調整する
製造のサービスコンソールに付属するインタラクションタイムラインには、取引先責任者との過去、現在、今後のエンゲージメントが表示されます。このタイムラインを見た Najma はふと、「取引先の同様の情報も表示できないか?」と考えました。Najma は、サービスエージェントが取引先レコードを開いたときに、パートナーのビジネスに関する情報をすぐ確認できるようにしたいと思っています。パートナーと通話しながら、関連リストを切り替えたり、複数のタブを開いたりするのはなかなか大変なためです。
Cindy は取引先レコードにタイムラインを作成して、パートナーに関する商談、訪問、リベート請求などの情報を対応する取引先レコードのインタラクティブなタイムラインにまとめて表示することにします。このタイムラインビューはいつでも拡張でき、カスタムオブジェクトや場所のほか、契約やアクションプランなど他の関連レコードからの情報も表示できます。
Cindy は取引先をタイムラインオブジェクトとするタイムラインを作成します。
3 つの関連オブジェクトを選択して、次の仕様を設定します。
関連オブジェクト | 項目 | タイトル項目 | サブタイトル項目 | タイムスタンプ | 追加の項目 | 追加の関連リスト |
---|---|---|---|---|---|---|
商談 |
AccountId |
Amount (金額) |
Stage (フェーズ) |
Created Date (作成日) |
Probability (%) (確度 (%)) Close Date (完了予定日) |
Products (商品) |
訪問 |
Status (状況) |
Planned Start Time (予定開始時刻) |
System Modstamp |
Actual End Time (実際の終了時刻) Location ID (場所 ID) |
Action Plans (アクションプラン) |
|
リベート請求 |
Processing Status (処理状況) |
N/A |
Created Date (作成日) |
Participating Account Number (参加取引先番号) |
N/A |
Cindy はタイムラインを有効にし、取引先でテストします。Lightning アプリケーションビルダーの取引先ページにタイムラインコンポーネントを追加し、タイムラインを選択して変更を確認します。
Cindy と Najma はタイムラインで、取引先に関連付けられている今後、過去、現在の請求、訪問、商談を確認できます。レコードタイプや特定の日付範囲で絞り込むことや、1 回のクリック操作でレコードを作成することもできます。クリックでレコードが展開され、ビジネスや通話のコンテキストを失うことなく、主な詳細を確認できるため、エージェントにとってこのうえなく便利です。
積極的にエンゲージするサービスで私たち全員が満足する
Cindy は、いつものごとく、任務を見事にやり遂げました! Rayler Parts のビジネスは前にも増して好調です。Cindy は、Najma のチームが心もとないサービスから頼もしいサービスへと移行する手助けをしました。サービスエージェントは、Cindy が設定した真新しいコンソールと他のあらゆるサービスコンポーネントを使用して、通信者に積極的にエンゲージできます。
Manufacturing Cloud ではパートナーやお客様をきちんと理解したうえでつながることができます。