Service Cloud のデータモデルについて
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 標準オブジェクトを使用してデータの整理と収集を行う。
- Service Cloud 実装向けにケースオブジェクトと項目をカスタマイズする。
データモデルとは何か
すべてのカスタマーサポートデータには Service Cloud 内にホームが必要です。データモデルは、追跡する情報が各ユーザーやビジネスリーダーにどのように関連するかを決定します。
データを全部まとめて一度に見ることは非常に大変です。そこで、データを収集、分類、格納、そして表示する方法を整理することが重要になります。データに構造を持たせることで、理解しやすく、チームへの提示も処理もやりやすくなります。
ソーラーエネルギー機器のサプライヤーである Ursa Major Solar がデータをどのように管理するかを見ていきましょう。
Ursa Major のシステム管理者である Maria Jimenez は、サービスマネージャーがサービスチームの生産性を向上させるのを支援するように依頼されました。最初、この依頼は漠然としたものに思われたため、Maria は Trailhead と Service Cloud コミュニティで調査を行います。そこでわかったことは、多くのシステム管理者が成功のトレンドを見つけるために、現在のデータを見るところから始めているということです。
Ursa Major のエージェントは Service Cloud のケースオブジェクトを使用して顧客とのすべてのやりとりを記録しています。ケースには顧客の情報とニーズが整理されているため、エージェントは顧客の懸念にすばやく対応できます。また、エージェントはケースオブジェクトを使用して顧客を支援するために実行する活動も記録できます。
Maria はパフォーマンスを向上させるための作業を次のようにまとめました。
目標 |
総計値 |
サービスチームの利点 |
---|---|---|
すべてのケースで顧客への応答時間を短縮する。 |
種類別 (電話など) のケースあたりに記録されたの活動数 |
日々のどの活動がクローズまでの時間に最も大きな影響を持つかを知ることができる。 |
Maria は、ケースあたりに記録された活動数を活動種別ごとに整理したレポートをサービスマネージャーに提供することにします。さらに、それらのケースをクローズまでの時間が短いものから長いものへと並び替えます。
ケースオブジェクトと活動オブジェクトは Salesforce 内で関連付けられているため、Maria はこのデータを簡単に取得して表示できます。サービスマネージャーがこのレポートを見れば、どの日常活動がケースの進行に最大の影響を及ぼしているかがわかります。
この例では、Ursa Major のエージェントの多くは顧客への連絡に電話を使用していますが、メールとライブチャットヘルプの方がケースを早くクローズできるということがわかります。サービスマネージャーはその情報をエージェントと共有できます。やがてエージェントは最も効果的な方法に従ってメールやメッセージングをより頻繁に使用するようになります。これによって、応答時間が短縮され、より迅速に顧客のニーズに対応できるようになります。
Service Cloud では、データモデルはオブジェクトと項目という 2 つの基本要素から構成されます。
オブジェクトとは何か
オブジェクトはデータのホームです。オブジェクトには顧客情報が収集されて保存されるため、チームは簡単に情報を見つけることができます。標準オブジェクトは、Salesforce の大きな成功を収めているお客様によって収集されたデータに基づいてあらかじめ設定されています。
Service Cloud ではオブジェクトのリレーションを使用してデータセットを関連付けることができます。たとえば、顧客の取引先責任者の情報をその人が作成したすべてのサポートケースに関連付けることができます。そうすることで、チームは必要なコンテキストを得ることができるため、つながりのあるカスタマーエクスペリエンスを提供できます。
項目とは何か
オブジェクトは項目によって構成されます。項目は、オブジェクトが自身の役割を果たすためには不可欠です。オブジェクトがフォームならば、項目はそのフォームに入力すべき特定の情報 (例: 名前) です。一部の項目は標準項目と呼ばれ、サービスコンソールの標準オブジェクトにすでに設定されています。
エージェントが収集する各データには固有の項目があります。それによって、サポートチームが新しい顧客情報を入力するときのエクスペリエンスが一貫したものになります。エージェントが新しい取引先責任者を作成する場合、既存の取引先責任者に使用したのと同じ項目 (例: 名前、電話番号、会社名) に情報を入力します。
また、項目を使用することで、オブジェクトリレーションがより明確になります。取引先責任者ごとに会社名項目がある場合、Service Cloud で同じ会社のすべての取引先責任者を関連付けることができます。
標準オブジェクトと標準項目があることで、チームのデータの整理にすぐに取りかかることができます。これらを出発点として使用してください。
オブジェクトと項目の編集
オブジェクトや項目を変更するには、Salesforce にログインしてオブジェクトマネージャーを使用します。サービスコンソールのホームから、右上の をクリックし、[設定] を選択します。[サービスの設定のホーム] が表示されます。
[サービスの設定のホーム] ではオブジェクトマネージャーやその他の重要なショートカットに簡単にアクセスできます。
オブジェクトマネージャーは、現在表示中の任意のレコードからも開くことができます。 をクリックし、[オブジェクトを編集] をクリックします。
オブジェクト、項目、そしてオブジェクトマネージャーについて理解できたところで、実際のビジネスの内容を反映させるように Service Cloud の設定を変更しましょう。
リソース
- Trailhead: データモデリング
- Trailblazer Community: Service Cloud (ログインが必要)
- Success カレンダー: Service Cloud Web セミナー
- サイト: Trailblazer ヘルプ & トレーニングポータル