Skip to main content

ロールアウトを計画する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • ロールアウトのスケジュールを設定する。
  • 成功の測定に使用する総計値を定義する。
  • モバイルデバイスとセキュリティに関するポリシーを作成する。

準備がすべて

「結果は後からついてくる」とよく言いますよね。しかし、ユーザーへの新技術のロールアウトに関しては、これはあてはまりません。

プロジェクトの実行で、技術的な実装手順と同じぐらい重要なのが、新しいエクスペリエンスに対してユーザーの準備を整えることです。ロールアウトプロセスのこのフェーズでは、導入計画を成功させるために、何が必要かを学びます。

計画フェーズでは、あなたはロールアウト全体を 1 人でまとめて、実行する責任を負う場合があります。また、会社のプロジェクトマネージャーや変更管理部門と連携する可能性もあります。

いずれにしても、あなたの役割は重大です。管理者として、あなたはレポートや項目を作成したり、パスワードを再設定したりするだけではありません。実際には、あなたは会社の信頼を受けた Salesforce アドバイザーです。Salesforce アプリケーションに関しては、あなたは会社のモバイルドリームを実現することに責任を負います。

ロールアウトチームのための Chatter グループを作成する

前の単元ではロールアウトチームの設定について説明しました。ロールアウトチームが設定されたら、Chatter グループを作成し、モバイルの稼働開始に関与するチームメンバーを招待します。Chatter を使用することで、チーム全体とファイルを共有したり、状況に応じて連携したり、関連する最新情報を共有したりできます。

スクリーンショットはサンプルの Chatter グループを示しています

チームメンバーと共有する重要なファイルの 1 つはプロジェクトスケジュールです。スケジュールを常に最新の状態に維持し、スケジュールへのリンクをチームの Chatter グループに投稿します。

稼働開始日の決定

稼働開始日は賢く決定しましょう。会社の営業のキックオフミーティングなど、大きなイベントに稼働開始日を合わせることを検討します。そうすることにより、ロールアウトへの組織全体の注目度を高めることができます。また、休日は避け、関係者の不在期間を事前に確認しておきます。たとえば、重要な関係者が稼働開始日の直前に 3 週間の休暇を取る予定があるような場合、日程の変更を検討しましょう。

良いタイミング

良くないタイミング

営業キックオフまたはコンテスト

休日

会社のミーティング

四半期末または会計年度末

閑散期 (あてはまる場合)

関係者の休暇中

この機会に、既存の Salesforce ロードマップを再確認し、ロールアウトと競合する可能性のあるプロジェクトを排除します。それから、ロールアウトに必要なリソースを使用する Salesforce 以外のプロジェクトなどの障害があれば、担当役員と連携して排除します。ロールアウトが特に複雑な場合には、会社に対し、プロジェクトの完了まで他のプロジェクトを保留するように提案する必要がある場合もあります。

プロジェクトスケジュールの作成

稼働開始日が決まりました。この日から逆算して、目標達成に役立つプロジェクトスケジュールを作成できます。まずは稼働開始までに実行する必要のあることをリストアップし、次にそれらの活動に必要な時間とリソースを見積もります。次に、作業を完了するためのスケジュールを作成し、チームを結成して、すべての作業を実行します。簡単に聞こえますね。

しかし実際には、ある程度の時間と連携が必要です。お気に入りのスプレッドシートまたはプロジェクト管理アプリケーションを使用して、プロジェクトに関連するすべてのマイルストーンと作業を必ず管理してください。

Salesforce アプリケーションのロールアウトには、数週間から数か月が必要です。必要な期間の長さは、組織の複雑度、ユーザーの人数、変更管理に関する会社方針、Salesforce の新規のお客様であるかどうかなどのいくつかの要素によって異なります。

成功基準の定義

ロールアウトの計画フェーズで完了する必要がある重要な作業の 1 つは、成功基準を特定することです。これは、成功とはどのような状態かを定義した条件に基づいて、プロジェクトが成功であったかどうかを判断する方法です。

担当役員や関係者と協力し、モバイルの各ユースケースについてどのように成功を測定するかの基準を特定します。現在の問題点を文書化し、それらの領域で改善を測定する方法を検討します。具体的には、生産性の向上、データ品質の向上、財務目標などを次のように設定することが考えられます。

  • フォローアップ ToDo のない商談を 20% 削減
  • 記録された活動を 15 % 増加
  • リードの取引開始率を 5% 向上

また、従業員や顧客の感情に基づいて成功を測定することもできます。その場合は、AppExchange の調査アプリケーションを使用してフィードバックを収集したり、シンプルな Chatter アンケートを使用して従業員に簡単な調査を行ったりします。もう 1 つの総計値として、ユーザーの採用率を使用できます。これで、ログインと利用状況のデータを確認できます。

定義する総計値に関係なく、ベースライン調査を行ったり、分析スナップショットを取得したりして、稼働開始後の増減を必ず測定するようにしてください。成功の測定方法については、後の単元で取り上げます。このフェーズで必要なことは、プロジェクトチームと協力して、監視の対象とする特定の基準について概要を決定することのみです。

モバイルデバイスとセキュリティに関するポリシーを作成する

組織に Salesforce アプリケーションをロールアウトする前に、会社のモバイルセキュリティとコンプライアンスに関するポリシーを作成する必要があります。組織はそれぞれ異なります。ポリシーも会社の規模、業種、文化に基づいて大きく異なります。

ここでは基本を説明しますが、モバイルを稼働開始する前には必ず「Mobile Application Security (モバイルアプリケーションのセキュリティ)」ガイドを参照してください。モバイルアプリケーションを保護し、会社のデータの安全を確保し、モバイルデバイスから Salesforce へのアクセスを制御する方法を学習するのに最適です。

デバイス

まず、ユーザーが自身のデバイスまたは会社支給のデバイスのどちらから Salesforce アプリケーションにアクセスするか、あるいはその両方のオプションを提供するかどうかを決定する必要があります。従業員に独自のデバイスの使用を許可する場合、個人所有デバイス (BYOD) ポリシーを作成する必要があります。これは、このようなデバイスに関する会社のルールと責任を示すものです。

デバイスの所有者が会社かユーザーかに関係なく、Salesforce アプリケーションを実行するための、プラットフォームの最小要件をすべてのデバイスが満たす必要があります (リソースセクションを参照)。

セキュリティ

Salesforce アプリケーションはエンタープライズグレードのセキュリティを標準で提供します。セッションタイムアウト、PIN コードの適用、オフラインデータストレージ、IP 許可リストなど、多くの設定を、接続アプリケーションポリシーを使用して制御できます。機密情報は常に暗号化データベースに保存されます。これは、モバイルオペレーティングシステムによっても暗号化されます。

Salesforce アプリケーションは、モバイルエンタープライズ管理 (MEM) とも呼ばれるモバイルデバイス管理 (MDM) と組み合わせて使用することもできます。このツールは BYOD ポリシーの管理、事前にインストールされたアプリケーションを備えたデバイスのプロビジョニング、エンタープライズ ID 証明書のプッシュ、VPN プロファイルのインストール、トラフィックの監視、エンタープライズアプリケーションストアへの直接アクセスに役立ちます。

MDM を使用することで利点が得られる可能性があります。MDM を使用すると、Salesforce アプリケーションをユーザーにプッシュしたり、利便性のためにカスタムログインホストを自動的に設定したりできるためです。規制の厳しい業種の場合は、会社のデバイスを完全にロックダウンして法的コンプライアンスを確保しなければならないことがあります。会社で Salesforce アプリケーションを単独で使用するか、MDM と共に使用するかを決定できるのはあなただけです。

シングルサインオン

現在、従業員がシングルサインオンを使用して Salesforce サイト全体にアクセスしている場合、モバイルアプリケーションでシングルサインオンが適切に機能するようにいくつかの変更を加えなければならない可能性があります。稼働を開始する前に、シングルサインオンインテグレーションを設定する手順を確認し、SSO ソリューションを使用して Salesforce アプリケーションを必ずテストしてください。

これで計画ができました。あなたはモバイルのロールアウトを会社にいつでも伝えることができます。

リソース

無料で学習を続けましょう!
続けるにはアカウントにサインアップしてください。
サインアップすると次のような機能が利用できるようになります。
  • 各自のキャリア目標に合わせてパーソナライズされたおすすめが表示される
  • ハンズオン Challenge やテストでスキルを練習できる
  • 進捗状況を追跡して上司と共有できる
  • メンターやキャリアチャンスと繋がることができる