モバイルカスタマイズをテストする
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- モバイル設計のベストプラクティスを挙げる。
- 正式稼働の開始前に Salesforce モバイルアプリケーションのパイロットを実施することが役立つ理由を説明する。
- Salesforce アプリケーションで Visualforce ページをテストする。
- カスタマイズを適切にテストする。
使用事例を実現する
モバイルロールアウトの許可を得ることができました。やりました! きっと大丈夫だろうと思っていました。ここで、ロールアウトの次のフェーズである構築とテストに進みます。
すでにこの時点で、会社のモバイル使用方法に合わせて Salesforce アプリケーションをカスタマイズするために時間を費やしていることでしょう。ロールアウトのこのフェーズでは、そのモバイルの力作の仕上げをし、構築した内容をテストします。他の Salesforce ロールアウトと同様に、最初に Sandbox または Developer Edition アカウントでカスタマイズを作成してテストし、稼働の準備が整ったら本番に移行します。
モバイルで使いやすい操作性を設計する
前の単元で紹介した素晴らしいリソースを確認されたでしょうか。それらのリソースを参考にして Salesforce アプリケーションをカスタマイズすれば、Salesforce アプリケーションをユーザーがすばやく作業を完了できる強力なツールに変えることができます。アプリケーションをカスタマイズするときには、モバイルユーザーの操作性を改善するためにできることについて考えましょう。
それでは、どうすればモバイルユーザーに優れた操作性を提供できるでしょうか? モバイル設計は、異なる視点で考えざるを得ないからこそ素晴らしいと言えます。携帯電話やタブレットの画面は小さいため、必要不可欠なものだけに絞り込み、ユーザーにとって特に重要なものを優先します。携帯電話の接続は低速であったり不安定な場合があるため、パフォーマンスを最大化する必要があります。
モバイルのカスタマイズを最終決定するときには、次の点に留意してください。
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少ない方が効果的。ページレイアウトではモバイルデバイスの画面サイズを考慮し、最も重要な情報を最上部に移動します。本当に必要な項目のみを追加します。ページに含める項目数は 5 個以下にすることをお勧めします。最大でも 8 個までにしてください。
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速度を重視する。ページにカスタム要素を追加するときには、パフォーマンスについて考慮します。ページの読み込み時間が遅くなる可能性がある画像やプロセスはあるでしょうか? ユーザーがモバイルデバイスを使用するときは特にパフォーマンスを気にするため、コンテンツを合理化し、ページ要素をできるだけ軽量にします。
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タップターゲットを考慮する。カスタムページを作成するときには、ユーザーがモバイルデバイスをどのように操作するかを考慮します。たとえば、ボタンはリンクよりも簡単にタップできます。
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モバイル機能を尊重する。位置検出、カメラ、加速度センサーなど、携帯電話で使用できる便利なすべての機能を考慮します。モバイルデバイス特有の機能を利用できる方法はあるでしょうか?
モバイル設計のベストプラクティスについての詳細は、「リソース」セクションのリンクを確認してください。
Visualforce ページを最適化する
既存の Visualforce ページは、Salesforce アプリケーションで使用可能にすることができます。モバイルで Visualforce ページを有効にするには、チェックボックスをオンにするだけです。ハウツーガイドについては「リソース」セクションを参照してください。
ただし、これだけでは済まないことが多いです。
モバイルアプリケーションでは、Visualforce ページは自動的にモバイル対応になりません。テストするときに、既存のページやカスタムページでいくつかの問題が発生する可能性があります。
幸い、モバイルアプリケーションで Visualforce ページを見やすくすることは比較的簡単です。Salesforce フルサイトと Salesforce アプリケーションでページが機能するようにコードを書き換えるか、モバイル固有のページを作成します。
Salesforce アプリケーションで Visualforce ページを使用するには、「Visualforce のガイドラインとベストプラクティス」も参照してください。
カスタマイズをテストする
設定タスクが完了すれば、モバイルの大きなマイルストーンに到達したことになります。独自にカスタマイズした Salesforce アプリケーションのプロトタイプが用意できました。では、そのプロトタイプを何度も何度もテストしましょう。その後に、さらに多くのテストを行います。これほどテストが必要なんて聞いていませんでしたか?
冗談抜きで、テストの重要性はいくら強調してもしすぎることはありません。モバイルの稼働時に予期せぬ問題に出くわしたくはありません。必ず、Salesforce アプリケーションへのアクセスに従業員が使用する、すべての種類のモバイルデバイスとすべてのオペレーティングシステムでアプリケーションをテストしてください。その後にまたテストします。(すみません、これでテストについてしつこく言うことはおしまいです)。
もちろん、デバイスを使用して各変更をテストするより、デスクトップから簡単なサニティチェックを行う方が便利です。幸いにも、デスクトップで反復して開発できるデバイスエミュレーターが Apple および Google から入手可能です。
デバイスエミュレーターでモバイルアプリケーションを操作するには、サポートされているデバイスに適した SDK をダウンロードしてインストールします。
ここで、重要な警告があります。(これを点滅するネオンで書けるならそうしています)。
重要
Salesforce アプリケーションをエミュレーターで実行することは、通常の使用ではサポートされていません。また、組織でサポートされているモバイルデバイスでの完全なテストの代わりになるものではありません。リリースする予定のあらゆるデバイスやプラットフォームでアプリケーションを定期的にテストする必要があります。
ユーザーにプロトタイプのパイロットを実施してもらう
機能するプロトタイプが完成したため、見せびらかしましょう。正式なモバイルの稼働を開始する前に、数人のユーザーにアプリケーションのパイロットを実施してもらい、初期のフィードバックを得る必要があります。これにより若干ロールアウトスケジュールが遅れますが、ここで得られる情報は非常に価値があります。パイロットにより、次の利点を得ることができます。
- モバイルの使用事例を検証し、新しい使用事例の機会を見つける
- カスタマイズを合理化し、潜在的な問題を特定する
- トレーニング計画に影響する FAQ をまとめる
- 正式稼働の開始前に、パワーユーザーと支持者のグループをトレーニングする
- モバイルアプリケーションについての最初の噂を広める
- 初期の成功によってより多くの関係者と役員の賛同を得る
- マーケティング資料とコミュニケーション資料に使用する推奨文と成功のストーリーを集める
パイロットユーザーを見つける
それでは、どのユーザーをパイロットに参加させればよいでしょうか? もちろん、これまで説明してきたすべての理由でスーパーユーザーは必ず参加させる必要がありますが、他にもさまざまな観点と意見が必要です。そのため、使用に常に懐疑的な Salesforce ユーザーにも参加してもらいます。
そうです。Salesforce の天才は大事ですが、否定的な人も同じくらい重要です。モバイルアプリケーションの使用時に挙がる可能性のあるすべての不満や課題に耳を傾ける必要があります。それらの懸念事項に早期対処すれば、モバイルに否定的な人を最大の支援者にすることができます。
リソース
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Salesforce モバイルアプリケーションのカスタマイズ
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Mobile First (モバイルファースト)
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iOS Human Interface Guidelines (iOS ヒューマンインターフェースガイドライン)
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Android User Interface Guidelines (Android ユーザーインターフェースガイドライン)
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「Salesforce Mobile App」Trailblazer Community
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モバイルとデスクトップでの Visualforce ページの共有
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Salesforce App Developer Tutorial (Salesforce アプリケーション開発者チュートリアル)
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A Beginner’s Guide to the Salesforce Mobile App (Salesforce モバイルアプリケーション入門ガイド)
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Visualforce および Lightning Experience
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Salesforce App: Make It Mobile, Make It Easy (Salesforce アプリケーション: モバイル化して簡単に)
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Salesforce Mobile User Experience Design (Salesforce モバイルユーザーエクスペリエンス設計)