Salesforce モバイルアプリケーションの使用開始
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Salesforce モバイルアプリケーションを使用する利点をいくつか挙げる。
- モバイルアプリケーションのカスタマイズが重要な理由を説明する。
- アプリケーションを検索してダウンロードする。
- アプリケーションの作業環境を選択する。
モバイル提供という約束の実現
長年洞窟で暮らしてきたのでなければ、今はモバイル革命のまっただ中にあることにお気付きだと思います。モバイルの利用率は過去最高を記録しており、多くの人がコンピューターの前にいるのと同じくらいの時間をモバイル端末の利用に費やしています。モバイルテクノロジーにより、私たちの生活や学習、旅行、買い物、そしてつながりを保つ方法が一変しました。
企業も例外ではありません。ビジネスツールには携帯性と容易なアクセスが当然のように求められるようになりました。従業員は外出先や、自分のデスクから離れた場所で仕事を完了する必要があります 。(自動車の中や飛行機のシート、近所のコーヒーショップで仕事をするデスクを持たない従業員もいます)。
ただし、ここに問題があります。モバイルテクノロジーの普及にもかかわらず、ほとんどの会社がまだモバイルを提供するという約束を果たすことができていません。その理由は、モバイルアプリケーションの開発が難しいからです。Android 対応か、iOS 対応か、どのツールを使用するか、複数の画面サイズをどうやって設計するかセキュリティはどうするか、など課題はたくさんあります。
Salesforce モバイルアプリケーションはシステム管理者のそんな課題を一気に解決してくれます。煩わしい開発上の課題はすでにクリアされていますから、面倒な作業は不要ですぐにモバイルを活用できるのです。良い話だと思いませんか? それでは、Salesforce モバイルアプリケーションについて詳細に説明しましょう。
Salesforce モバイルアプリケーションへようこそ
Salesforce モバイルアプリケーションは、ユーザーがスマートフォンまたはタブレットから会社の CRM データにすぐにアクセスできるようにする、エンタープライズクラスのアプリケーションです。このアプリケーションには、次のような利点があります。
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すべての Salesforce ライセンスには、モバイルアプリケーションが付属。つまり、無料です。モバイル展開を先延ばしにするのは、経費の無駄遣いと言っても過言ではありません。
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アプリケーションはプラグアンドプレー。つまり、App Store® または Google Play™ からダウンロードしてすぐに使用できます。設定なしですぐに使用できます。いまこの項を読んでいる間にアプリケーションのインストールとログインが完了していてもおかしくないぐらい、本当に簡単にセットアップできます。
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アプリケーションはクロスプラットフォーム。Android と iOS オペレーティングシステムに対応しています。開発作業はまったく不要です。
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アプリケーションにはオフライン機能がある。不安定な携帯電波や FAA 規制、地下鉄構内、遮蔽性の高い建築にも煩わされることなく使えます。
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Lightning Experience のデスクトップバージョンとシームレスに連動。この 2 つをスムーズに切り替えることができます。
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ただのアプリケーションではなく、プラットフォーム。モバイルアプリケーションは、Salesforce プラットフォームで稼働するため、非常に高いカスタマイズ性があります。ポイント & クリックツールを使用して独自にカスタマイズできます。
メタデータの魔法
Salesforce モバイルアプリケーションをそのまますぐに使用できるのはどうしてか疑問に思われているのではないでしょうか? それを解く鍵がメタデータです。
システム管理者である皆さんなら、Salesforce のカスタマイズにポイント & クリックツールを使用して、カスタムオブジェクトの作成やページレイアウトの調整、リストビューの作成などを行ったことがあると思います。
こういったカスタマイズは、特定の Salesforce 組織を説明する一連の定義であるメタデータに追加されます。Salesforce モバイルアプリケーションでは、定義が読み込まれそれに従ってデータが表示されるため、ほとんどのカスタマイズを自動的にすぐに使用できます。
でも、Salesforce のカスタマイズすべてをすでにモバイルアプリケーションで使用できるのなら、わざわざカスタマイズするのはなぜでしょうか?
モバイルは別
デスクトップ環境で機能するものが、モバイル環境でもうまく機能するとは限りません。たとえば、大量のカスタム項目を商談オブジェクトに追加したとします。ということは、商談ページレイアウトには 100 件を超える項目があるわけです。
デスクトップユーザーなら問題ありません。携帯端末から商談を編集する営業担当にとってはどうでしょうか? 携帯電波が不安定で、巨大なページを読み込むのに長時間待たなければなりません。その後、実際には 3 つの項目を更新したいだけなのに、延々とスクロールしなければなりません。
これは問題です。ストレスが溜まりそうです。ただし、そうしなくてもすむ方法があります。少し時間をかけてモバイル固有の組織設定をいくつか調整することで、モバイルユーザーの操作性を大幅に改善できます。
モバイルアプリケーションのカスタマイズ
Salesforce モバイルアプリケーションをカスタマイズすることで、ユーザーがすばやく作業を完了できる強力なツールに変えることができます。このモジュールでは、モバイルアプリケーションのカスタマイズに使用できる 3 つの機能について説明します。
- クイックアクション
- コンパクトレイアウト
- Lightning アプリケーションと Mobile Only アプリケーションのモバイルナビゲーション
Salesforce モバイルアプリケーションを初めて扱う場合は、モバイルユーザーの問題を解決するためにこれらの機能をどう使用すればよいかを正確に把握するのが難しいことがあります。そこで、現実のシナリオでモバイルアプリケーションをカスタマイズする方法について学習しましょう。
DreamHouse Realty の例
DreamHouse Realty は、75 名の不動産ブローカーを擁する業績が好調な不動産会社です。ブローカーは多忙を極めており、購入者とのミーティング、物件の見学、オープンハウスの準備などで常に外出しています。
DreamHouse の Salesforce システム管理者である D’Angelo Cunningham は、ブローカーが外出先の現場でも生産性を維持できるように Salesforce モバイルアプリケーションの導入を検討しています。
そこで、D’Angelo は下調べを行いました。ブローカーと話し合い、何回か仕事先に同行してモバイルアプリケーションで問題解決や特定プロセスのスピードアップが可能な状況を把握しました。
自分のメモを見直した結果、D’Angelo はブローカーが日常的に行っている最も一般的な作業をいくつか特定しました。これらの作業はユースケースと呼ばれます。
モバイルの目的
D’Angelo が特定したモバイルのユースケースとはどのようなものでしょうか? ブローカーが現場ですばやく実行しなければならない 3 つのことがあります。
- 新規の見込み住宅購入者を追加する
- 新規の見学をスケジュールする
- 見学後に見込み購入者のフィードバックを入力する
このモジュールを通して、D’Angelo と一緒にこうしたユースケースをモバイルカスタマイズに落とし込んでいきます。
Salesforce モバイルアプリケーションを入手する
それでは D'Angelo と一緒に Salesforce モバイルアプリケーションをカスタマイズしてきましょう。まずは、モバイルアプリケーションを立ち上げます。
要件を確認する
モバイルアプリケーションは、必ず最小プラットフォーム要件を満たすデバイスで実行してください。この要件は変更される場合がありますから、注意が必要です。
アプリケーションをダウンロードする
最小要件を満たす Android または iOS デバイスがある場合は、App Store または Google Play から入手できる Salesforce ダウンロード可能モバイルアプリケーションを使用できます。
作業環境を選択する
Salesforce モバイルアプリケーションにログインすると、自動的に本番組織に接続されます。ただし、Sandbox にログインすることもできます。Sandbox は、モバイルの設定とカスタマイズをいろいろと試すのに最適です。Sandbox がない場合は、Trailhead Playground (TP) 組織のログイン情報でログインするか、無料の Developer Edition アカウントを取得します 。(TP のユーザー名とパスワードが必要な場合、こちらの手順に従ってアクセスできます)。
制限を理解する
Salesforce モバイルアプリケーションには多数の機能がありますが、何でもできるわけではありません。Salesforce デスクトップサイトとはいくつかの違いがある点に注意してください。Salesforce モバイルアプリケーションでは使用できない Salesforce 機能、機能上の差異、モバイルアプリケーションでの異なる動作について優先的に学習しましょう。
モバイルがもたらす未来
Salesforce を携帯電話にインストールしたところで、組織のモバイルジャーニーの第 1 歩を踏み出したという実感を味わいましょう。ワクワクしますね?
Salesforce モバイルアプリケーションは入門編として最適です。標準設定のまま、ユーザーに豊富な価値を提供できます。さらに、このモジュールで説明するカスタマイズ機能を利用すれば、ユーザーは時間を節約して、日々の作業負担を大幅に軽減できるようになります。(注意: ユーザーが嬉し泣きするかも知れませんから、お手元にティッシュのご用意を!)。
利点はまだあります。モバイルの展開がうまくいけば、Salesforce の全体的な採用も大幅に増えると予想されます。システム管理者にとって採用の増加という言葉は実に良い響きですね。
では始めましょう! 次の単元では、Salesforce モバイルアプリケーションにクイックアクションを設定して、ユーザーが外出先でも重要な作業を簡単に実行できるようにする方法を学習します。
リソース
- Trailhead モジュール: Salesforce モバイルアプリケーションの基本
- Trailhead モジュール: Salesforce モバイルアプリケーションロールアウト
- Salesforce ヘルプ: Salesforce モバイルアプリケーションドキュメントのランディングページ