アプリケーションのテストおよび申請
学習の目的
- ブランド設定されたモバイルアプリケーションの管理パッケージを要求してインストールする。
- ブランド設定されたアプリケーションをベータテストするプロセスを説明する。
- ベータを要求してアプリケーションをテストする。
- アプリケーションストアにアプリケーションを申請する。
アイデアを実現
この時点で Salesforce には、ブランド設定された iOS アプリケーションと Android アプリケーションのドラフトバージョンがあります。おめでとうございます。とはいっても、アプリケーションはどのようにして Salesforce から Google Play や App Store に行き着くのでしょうか?
前の単元のお菓子の比喩を思い出してください。アプリケーションの材料を揃えた後にあなたがすべきことは、Salesforce にバトンタッチして「この後はあなたがキッチンに立って Mobile Publisher のケーキを焼き始めてください」と告げることです。
この単元では、Salesforce と協力して、iOS アプリケーションおよび Android アプリケーションをテストし、アプリケーションストアに承認申請する方法を学習します。ゴールはもうすぐです。では始めましょう!
管理パッケージについて
テストプロセスの最初のステップは、iOS アプリケーションおよび Android アプリケーションの管理パッケージを要求することです。ボタンをクリックするだけですから難しいことではありませんが、実行する前になぜ要求する必要があるのかを説明しておきましょう。
管理パッケージとは基本的に、Salesforce アプリケーションのコンポーネントを含むコンテナで、Salesforce 組織にアプリケーションをインストールするメカニズムです。AppExchange からアプリケーションをダウンロードしたことがある方は、これまでに管理パッケージを実行したことがあるはずです。
Mobile Publisher アプリケーションの iOS バージョンと Android バージョンのドラフトができたら、Salesforce が管理パッケージを作成します。管理パッケージには、アプリケーションを適切に実行するためのコンポーネントが含まれています。たとえば、Salesforce 組織に Mobile Publisher 管理パッケージをインストールしなければ、転送通知が機能しません。
管理パッケージはアプリケーションのベータバージョンと同一ではありません。ただし、ブランド設定されたアプリケーションを完全に機能させるためには管理パッケージが必要なため、ベータテストプロセスに進む前にこのステップを実行しておく必要があります。
管理パッケージの要求
D'Angelo は DreamHouse の仲介担当者向けの iOS アプリケーションと Android アプリケーションの管理パッケージを要求する準備ができました。さっそく一緒に要求してみましょう。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに「Mobile Publisher」と入力し、[Mobile Publisher] を選択します。
- iOS アプリケーションのリストの横にある [続行] をクリックします。
- [パッケージを要求] をクリックします。
- [完了] をクリックします。要求が Salesforce に送信され、管理パッケージの生成を開始できます。
- Android アプリケーションについても同じ手順を繰り返します。
D'Angelo は DreamHouse モバイル Experience Cloud サイトアプリケーションの (iOS と Android の) 管理パッケージも要求します。
ご覧のとおり、難しいことではありません! ただし、警告しておきますが、次のステップでは試練が待ち構えています……。Salesforce が管理パッケージを作成するまで辛抱強く待つというものです(ケーキを焼くのにちょうどいいかもしれません!)
iOS パッケージおよび Android パッケージが作成されてインストールできるようになったら、Salesforce からメールが届きます。Android アプリケーションのメールと iOS アプリケーションのメールの 2 通を受信します。
管理パッケージのインストール
タイムマシンに飛び乗って、Salesforce から管理パッケージをインストールできるようになったという通知を受け取った D’Angelo に追いつきましょう。DreamHouse Realty には本番組織と Sandbox 組織があるため、D’Angelo はこの両方にパッケージをインストールします。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに「Mobile Publisher」と入力し、[Mobile Publisher] を選択します。
- iOS アプリケーションのリストの横にある [続行] をクリックします。
- [パッケージのインストール] をクリックします。ポップアップウィンドウに管理パッケージのインストール手順が表示されます。また、パッケージのインストール URL も表示されます。
- [リンクをコピー] をクリックして、URL をコピーします。
- Sandbox 組織にログインします。
- ブラウザーのアドレスバーに URL を貼り付けます。
- 画面の説明に従って管理パッケージをインストールします。
- 本番組織にログインして、このプロセスを繰り返します。ブランド設定されたアプリケーションを実行するすべての組織でこのプロセスを実行します。
- アプリケーションの Android バージョンについても同じ手順を繰り返します。
D’Angelo は管理パッケージをインストールしたので、ベータテストに進むことができます。
ベータプロセスの概要
アプリケーションを Google Play および App Store にリリースするということは、大がかりな舞台作品を上演するようなものです。アプリケーションの立ち上げが初演であるならば、ベータテストはリハーサルです。初演に先駆けて不具合に対応しておくことはとても重要です。幸いなことに Google と Apple は、組織が Android アプリケーションおよび iOS アプリケーションを公開する前に綿密にテストできるベータプログラムを用意しています。
このプロセスは次のように機能します。まず、システム管理者がブランド設定されたアプリケーションのベータを Salesforce に要求します。Salesforce がベータを作成して、Apple および Google に直接申請します。
ベータテストが可能になった時点で、Salesforce がシステム管理者と、アプリケーションに関する情報の記入時に正式なベータテスト担当者に指名されたユーザーに通知します(前の単元で記入したとても長いフォーム内の項目です)。通知を受けたら、ベータテスト担当者がアプリケーションをインストールして、実際のモバイルデバイスでどのように表示されるのかを確認できます。
ベータの要求
ベータテストプロセスの全体像を掴んだところで、DreamHouse の iOS アプリケーションおよび Android アプリケーションのベータの要求に取りかかる D’Angelo を手伝いましょう。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに「Mobile Publisher」と入力し、[Mobile Publisher] を選択します。
- iOS アプリケーションのリストの横にある [続行] をクリックします。
- [ベータを要求] をクリックします。要求が Salesforce に送信され、Salesforce がベータの生成を開始できます。
- [完了] をクリックします。
- Android アプリケーションについても同じ手順を繰り返します。
Salesforce がベータバージョンを作成したら、App Store と Google Play に承認を申請します(心配いりません。これはベータの申請プロセスにすぎず、アプリケーションが公開されることはありません)。
Apple および Google がアプリケーションを承認するまでに 1 日ほどかかることがあります。アプリケーションのテストが可能になったことを知らせるメールを見逃さないようにします。指定したベータテスト担当者にもメールに注意するよう伝えておくとよいでしょう。
アプリケーションのテスト
- ベータテスト担当者がすべきことは、どのように表示されるかの確認のみです。
- さまざまなサイズの画面でアプリケーションをテストします。たとえば、テスト担当者がベータを iPhone® と iPad® にインストールして、ブランド設定されたアセットがどのフォーム要素でも適切に機能することを検証します。
- 本番組織と Sandbox 組織で転送通知をテストして、アプリケーションの管理パッケージが適切に機能していることを検証します。
最後のマイルストーン
名残惜しいですが、私たちの mySalesforce のジャーニーも終わりに近づいています。ここで再び D’Angelo に話を戻し、DreamHouse Realty のブランド設定された Android アプリケーションおよび iOS アプリケーションのプロセスの進み具合を見てみましょう。
DreamHouse Realty の指定されたベータテスト担当者は同社の CEO です。たった今、この CEO が D’Angelo にメールを送信して、Android と iOS のアプリケーションが適切に表示されることを知らせました。修正する必要がないため、D’Angelo はプロセスの最後のステップに進むことができます。いよいよ最終的なアプリケーションを Apple と Google に申請します!
アプリケーションの申請
間違いなくワクワクする瞬間ですが、あまり先走らないようにします。これから当社が Salesforce のアプリケーションを申請しますが、Google Play や App Store ですぐに入手可能になるわけではありません。
アプリケーションの申請後の過程について説明します。Salesforce が最終的なアプリケーションを App Store と Google Play に送信します。次に、Apple と Google がアプリケーションを審査して、アプリケーションストアのガイドラインに準拠していることを確認します。問題がなければ、アプリケーションを承認して公開します。問題がある場合はアプリケーションを却下します。
これではいけません。却下されて嬉しい人はいませんが、悲しみを 1 人で受け止める必要はありません。いずれかのストアでアプリケーションが却下された場合は、Salesforce がシステム管理者にメールを送信し、問題の具体的な解決方法をお知らせします。
申請後の過程がわかったところで、D’Angelo と一緒に、DreamHouse のブランド設定されたアプリケーションが承認されるところを見ていきましょう。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに「Mobile Publisher」と入力し、[Mobile Publisher] を選択します。
- iOS アプリケーションのリストの横にある [続行] をクリックします。メモ: 編集する場合は、[変更を実施] ボタンをクリックします。[アプリケーション情報] ページで、修正したブランドアセットをアップロードしたり、項目の値を変更したりすることができます。続いて、新しい管理パッケージを要求してインストールし、ベータを要求して変更を検証するという手順を繰り返します。
- [アプリケーションを申請] をクリックします。
- チェックボックスをオンにして、アプリケーションを申請する準備ができていることを確認します。
- [アプリケーションを申請] をクリックします。Salesforce がアプリケーションストアにアプリケーションを申請します。アプリケーションがストアで審査および承認されるまでの期間は 1 日から 2 週間までと幅があります。この期間中はアプリケーションを変更することができません。
- Android アプリケーションについても同じ手順を繰り返します。
根気よく待ち続けます。Apple や Google がアプリケーションの審査を終えた時点で Salesforce からメールが届きます。
判決のとき
DreamHouse Realty とともに長い旅をしてきました。待っている間は、どうなるのでしょうか? 「アプリケーションは承認されたのか?」と気が気ではないでしょう。Google Play に DreamHouse アプリケーションの真新しいリストがないか、ご自身で確認してみましょう。
答えはもちろん「Yes!」です。アプリケーションが承認されました。安堵した D’Angelo が小躍りしています。
DreamHouse は企業対従業員 (B2E) アプリケーションであるため、App Store に公開されますが、非公開リストで DreamHouse Realty にしか表示されません。
Apple がこのアプリケーションを承認して App Store に公開した後、D'Angelo が会社のモバイルデバイス管理 (MDM) システム経由で仲介担当者への配布を実施しました。
次の単元では、Google Play および App Store に公開中の真新しいブランドアプリケーションのメンテナンスにあたる場合にするべきことを学習します。
リソース
- Salesforce ヘルプ: アプリケーションのテストおよび申請
- Salesforce ヘルプ: パッケージについて
- Salesforce ヘルプ: パッケージのインストール
- Apple: TestFlight Overview (TestFlight の概要)
- Apple: TestFlight Beta Testing Tutorial (TestFlight のベータテストチュートリアル)
- Google: Android のベータテストに関するベストプラクティス
- Google: Google Play Console
- Apple Business Manager: Apple Business Manager