Skip to main content

ブランド設定されたアプリケーションの作成

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。
  • Mobile Publisher を使用してブランド設定されたモバイルアプリケーションを作成するプロセス全体を説明する。
  • ブランド設定されたアプリケーションでブランドを設定できる要素を挙げる。
  • 各自の使用事例に基づいて適切な配信種別を選択する。
  • Mobile Publisher プロジェクトを作成して保存する。

しくみ

モバイルアプリケーションのブランドバージョンの作成方法を細かく見ていく前に、今後のためにプロセス全体の概要を把握しておきましょう。

基本的な手順は次のとおりです。

  1. Mobile Publisher プログラムにサインアップします。詳細は、salesforce.com の営業担当にお問い合わせください。
  2. ブランド設定するアセットをデザインして、Salesforce にアップロードします。
  3. 各自のニーズに適したアプリケーションの配信種別を選択します。
  4. アプリケーションのベータバージョンを受け取ります。
  5. ベータを徹底的にテストします。
  6. アプリケーションを承認し、Salesforce が Google および Apple に送信できるようにします。
  7. 自身のアプリケーションが Google Play と App Store に載っているのを見て小躍りします(小躍りの部分は省略可能ですが、強く推奨します)。

アプリケーションを公開後のメンテナンスは簡単です。将来、ブランド設定を変更することになった場合、Mobile Publisher を使用して何度でも編集することができます。また、Salesforce がモバイルアプリケーションの新バージョンをリリースしたときに、ブランド設定されたアプリケーションがシームレスに更新されます。

独自のカスタマイズ + 独自のブランド設定 = 独自のアプリケーション

ブランド設定されたアプリケーションは、すでにカスタマイズしている Salesforce アプリケーションとモバイル Experience Cloud サイトの複製にすぎません。モバイル実装をお洒落な包装紙に包んだもので、中身の機能はまったく同じです。ですから、ブランド設定されたアプリケーションを作成するプロセスでは、まず既存の Salesforce モバイルアプリケーションとモバイル Experience Cloud サイトを検討します。

ブランド設定されたアプリケーションを従業員や顧客にロールアウトする前に、組織の現在のモバイル使用状況を評価します。
  • Salesforce モバイルアプリケーションを従業員のニーズに合わせてカスタマイズする方法はありますか?
  • 顧客が最も利用しやすくなるように、適切な標準またはカスタム Lightning コンポーネントを使用してモバイル Experience Cloud サイトをカスタマイズしていますか?

必ず時間をかけて Salesforce アプリケーションとモバイル Experience Cloud サイトの実装を最適化します。Salesforce モバイルアプリケーションとモバイル Experience Cloud サイトに実施するカスタマイズを綿密に開発してテストすることをお勧めします。

ヒント

ヒント

ブランド設定されたアプリケーションを最大限に活用するために、Trailhead の「Salesforce モバイルアプリケーションロールアウト」「「Experience Cloud の基本」のバッジを獲得してください。

DreamHouse をお手本にする

模範的なシステム管理者である D'Angelo Cunningham に話を戻し、DreamHouse Realty のブランド設定されたアプリケーションを作成する前に Salesforce モバイルアプリケーションとモバイル Experience Cloud サイトのカスタマイズをどのように合理化したかを確認しておきましょう。

D’Angelo は Salesforce アプリケーションをカスタマイズするために、次のことを行いました。
  • 仲介担当者のワークフローを迅速化するクイックアクションを作成しました。
  • モバイルナビゲーションをカスタマイズして、Chatter フィードをモバイル専用アプリケーションのランディングページにしました(組織で Salesforce アプリケーションに設定したナビゲーションはブランド設定されたアプリケーションにも適用されます)。
  • House Explorer (住宅探索)、Heat Map (色分け地図)、Property Explorer (地所探索) という 3 つの Lightning アプリケーションを新規作成して、ナビゲーションメニューで使用できるようにしました。
D'Angelo はモバイル Experience Cloud サイトカスタマイズするために、次のことを行いました。
  • DreamHouse Realty のブランドやスタイルに合わせてテーマをカスタマイズしました。
  • 顧客が効率よく検索できるように、カスタムの検索コンポーネントを作成しました。

DreamHouse の仲介担当者や顧客からフィードバックを得てモバイルアプリケーションを最終調整した D'Angelo は、いよいよ Mobile Publisher へと踏み出すことに心を躍らせています。

いよいよアプリケーションを作成

独自のモバイルアプリケーションを作成する準備が整った DreamHouse が次にするべきことは何でしょうか? ブランド設定されたアプリケーションを作成することは、美味しいケーキを焼くようなものです。その最初のステップは材料を集めることです。

Mobile Publisher を使用する場合にシステム管理者がしなければならないことは、ほぼそれだけです。ケーキを焼くプロセスは Salesforce にお任せください。材料を渡していただければ、甘くて美味しいお菓子をこちらで焼き上げます。

Mobile Publisher のレシピに載っている主な材料は何だと思いますか? 答えは、会社のビジュアルアセットです。これがなくてはブランドアプリケーションを作成できません。

大きなケーキとその材料のイラスト

ブランド設定するアセットの準備

ブランド設定するアセットの準備は、このプロセスの最も重要な部分で、最大の楽しみでもあります! アプリケーションの見た目について社内でアイデアを練り、美味しいケーキを飾り付けるすべての要素をデザインします。……アプリケーションの話でしたね(デザートのことで頭がいっぱいでした)。

Mobile Publisher プロジェクトに取りかかれるように、ブランド設定の詳細を検討していきましょう。

ブランド設定できる要素: Salesforce モバイルアプリケーションでは、さまざまな要素に会社のブランド設定を適用できます。以下は、ブランド設定できる要素です。
  • アプリケーションアイコン
  • アプリケーション名
  • 起動スクリーン
  • 配色
  • アプリケーションストアのリスト (名前、説明、画像、スクリーンショット、サポート URL、マーケティング URL)
  • 認証 URL (Salesforce アプリケーションのみ)
  • ヘルプ URL (Salesforce アプリケーションのみ)

デザイナーとの協力

新しいアプリケーションを Google Play や App Store に載せれば、世界中の何百万人もの人々がそのアプリケーションを目にできます。実際にダウンロードするのは自社の従業員だけかもしれませんが、プロのデザイナーと協力して、できるだけ好印象を与えるビジュアルアセットを作成するようにします。社内にデザイナーがいない場合は、フリーランサーに委託します。組織の規模にもよりますが、デザイナーはマーケティング部門や PR 部門の担当者と協議して、会社のブランドに見合うグラフィックやコピーを考案するでしょう。

ガイドラインに準拠

幸いにも Google Play や App Store にアプリケーションを公開するプロセスを進めるのは、あなたの組織が初めてではありません。正しい方向に進めるように、Apple および Google ではアプリケーションストアのリストを構成する全デザイン要素のガイドラインを示しています。「リソース」セクションに、各社のガイドラインへのリンクが掲載されています。

待機中にできること

ブランド設定するアセットをすべてデザインしてから承認を受けるまでに、時間を要することがあります。この待ち時間が、公開に備えて Salesforce モバイルの実装を最適化していく絶好の機会となります。

mySalesforce プロジェクトの作成

ここで早送りして、DreamHouse Realty のデザイナーから、会社のブランド設定アプリケーション用の全ビジュアルアセットの最終バージョンを受け取った D'Angelo に追いつきましょう。

D'Angelo は 2 つの Mobile Publisher プロジェクトを作成する気満々です。Salesforce モバイルアプリケーションを使用する仲介担当者向けの Mobile Publisher プロジェクトと、モバイル Experience Cloud サイトを使用する顧客向けの Mobile Publisher プロジェクトです。では早速 Salesforce に移動して始めましょう。

重要

重要

Mobile Publisher は、組織でこの機能の使用が許可されていない限り、Salesforce の [設定] で使用することができません。詳細は、salesforce.com の営業担当にお問い合わせください。

  1. [設定] から、[クイック検索] ボックスに「Mobile Publisher」と入力し、[Mobile Publisher] を選択します。Salesforce の [設定] の mySalesforce のランディングページ
  2. [新しいアプリケーションを作成] をクリックします。
  3. ブランドを設定する対象として次のものを選択できます。
    • Salesforce アプリケーション
    • Experience Cloud サイト (またはエクスペリエンスビルダーサイト)
      アプリケーションピッカー
  4. [次へ] をクリックします。
  5. Mobile Publisher プロジェクトの名前を入力します。プロジェクト名は後で編集できないため、慎重に決めます(この名前は内部の参照用であるため、Google Play や App Store に公開されることはありません)。
  6. [次へ] をクリックします。Mobile Publisher プロジェクトを作成すると、ブランド設定されたアプリケーションの iOS バージョンと Android バージョンの両方をリストしたページが表示されます。

1 つのプロジェクトに 2 つのアプリケーション

Mobile Publisher プロジェクトを作成し終えたら、プロジェクトに含まれる iOS アプリケーションと Android アプリケーションを管理できます。

mySalesforce プロジェクトの iOS アプリケーションと Android アプリケーション

なぜ Mobile Publisher プロジェクトには iOS と Android の 2 つの別々のリストがあるのかと、不思議に思うかもしれません。その理由は、各アプリケーションストア、つまり Google Play と App Store では、アプリケーションの公開に必要な情報が異なるからです。ブランド設定されたアプリケーションに関するあらゆる情報を入力する前に、各自のニーズにどちらの配信種別が適しているかを判断する必要があります。

配信種別

D'Angelo はアプリケーションに関する情報を入力する前に、そのアプリケーションをどのように配信したいかを検討する必要があります。ブランド設定されたアプリケーションは、Apple と Google のガイドラインに従って、プラットフォームごとに異なるチャネルでエンドユーザーに公開または非公開で配信できます。

各自の使用事例と希望する配信種別が、Apple や Google のガイドラインに適合していることを確認します。使用事例に適合しない配信種別を選択すると、ユーザーに問題が生じる可能性があります。

たとえば、ブランド設定されたアプリケーションの iOS バージョンが内部従業員を対象とするものである場合、Apple Business Manager (ABM) 経由でのみ配信でき、App Store には公開されません。Apple では、既存のアプリケーションの配信種別の非公開と公開の切り替えを認めていないため、変更すれば Apple に却下される可能性があります。この場合は、ブランド設定された新しいアプリケーションを作成して、既存のユーザーベースを新しいアプリケーションに移す必要があります。

以下は、Apple と Google のアプリケーション配信の一般的なガイドラインです。

Apple App Store の配信のガイドライン
  • B2B/B2E アプリケーションは Apple 非公開配信 (VPP) としてのみ配信できます。
  • B2C アプリケーションは、公開の App Store のみに配信できます。
Google Play Store の配信のガイドライン
  • B2C/B2B/B2E アプリケーションを顧客の使用事例に基づいて各種の配信種別として配信できます。

選択の指針

アプリケーションを配布するために、カスタマー代理配信を行います。つまり、ブランド設定されたアプリケーションが各自の開発者アカウント経由で公開または非公開で公開されることになります。

以下は、各自のニーズに最適な配信種別を選択する際に役立つマトリックスです。



カスタマー代理配信

非公開 公開
Android
  • 顧客の開発者アカウント: 必要
  • アプリケーションの配信: 顧客管理の Google Play for Work
  • 顧客の開発者アカウントへの Salesforce のアクセス: 必要
  • 顧客の開発者アカウント: 必要
  • アプリケーションの配信: 顧客の公開の Google Play アカウント
  • 顧客の開発者アカウントへの Salesforce のアクセス: 必要
iOS N/A
  • 顧客の開発者アカウント: 必要
  • アプリケーションの利用法: App Store アカウント上で顧客の公開として利用
  • 顧客の開発者アカウントへの Salesforce のアクセス: 必要

ここで再び D'Angelo に話を戻し、DreamHouse アプリケーションにはどの配信種別が最適かを検討しているところを見てみましょう。DreamHouse の CEO はブランド設定された Salesforce アプリケーションが社内従業員である仲介担当者向けであることから、非公開でリストしたい (App Store や Google Play に公開して一般の人々がアクセスできるようにはしたくない) と考えています。ブランド設定されたモバイル Experience Cloud サイトアプリケーションを使用する外部の顧客に対しては、このアプリケーションを Apple App Store と Google Play で公開するつもりです。

他方、ブランド設定されたモバイル Experience Cloud サイトアプリケーションについては、カスタマー代理配信を選択します。つまり、DreamHouse のブランド設定されたモバイル Experience Cloud サイトアプリケーションについては、DreamHouse の顧客が公開のアプリケーションストアからダウンロードしてインストールできます。カスタマー代理配信をサポートするために、D'Angelo は Salesforce に DreamHouse iOS と Android の開発者アカウントへのアクセス権を付与します。Mobile Publisher は DreamHouse に代わってブランド設定されたアプリケーションのライフサイクルを自動的に管理します (Mobile Publisher には、顧客の開発者アカウントからブランド設定されたアプリケーションを設定して管理するための限定的なアクセス権が必要です)。

あなたがアプリケーションに最適な配信種別を選択する際にこのマトリックスが役立てば幸いです。プロセスの次のステップでは、アプリケーションの iOS バージョンと Android バージョンのそれぞれに関する情報を入力していきます。

アプリケーションに関する情報の入力

D'Angelo が Mobile Publisher プロジェクトを進めたくてうずうずしているため、仲介担当者向けの DreamHouse iOS アプリケーションに関する情報の入力を手伝ってあげましょう。

  1. [Mobile Publisher] ページで、iOS アプリケーションの [開始] をクリックします。iOS アプリケーションのフォーム項目
  2. 必要なすべての項目に記入します。このフォームの項目の多さに気付いたかもしれません。まさに、大量です。ただ、多くの項目には情報バブルが付いています。これは成功への道筋を示す小さなビーコンです。項目の意味がよくわからない場合、情報バブルの上にカーソルを置くと、役立つヒントやガイダンスが表示されます。おそらく、すべてのアセットを一度にアップロードすることはないでしょう。最新の変更内容が保存されており、後からフォームに戻って情報を編集できます。
  3. すべての情報を入力し終えたら、[送信] をクリックします。
  4. [送信] をもう一度クリックして、フォームの送信を確定します。この時点のアプリケーションはドラフトです。[iOS] ページでアプリケーションの状況を確認できます。iOS アプリケーションのドラフトバージョン。アプリケーションの状況が表示されています。

DreamHouse では iOS アプリケーションと Android アプリケーションを同時にリリースしたいと考えているため、D’Angelo は Android バージョンでも同じ手順を繰り返します。DreamHouse モバイル Experience Cloud サイトアプリケーションでも同じ手順を繰り返します。なお、必ずしもこのようにする必要はありません。必要に応じて、一度に 1 つのアプリケーションを起動することもできます。

やり遂げましたね!

記念すべきことではないですか? たくさんの項目を記入しただけで大げさな、と思われるかもしれませんが、これは偉業です。シンプルなフォームを送信したことで、モバイル改革へ向けて、組織を大きく飛躍させることができました。

ここでもう 1 つ朗報を。あなたがすべき作業がこれでほぼ終了です。後は Salesforce にバトンタッチします。次の単元では、アプリケーションのベータバージョンを要求して、テストを開始する方法を学習します。

無料で学習を続けましょう!
続けるにはアカウントにサインアップしてください。
サインアップすると次のような機能が利用できるようになります。
  • 各自のキャリア目標に合わせてパーソナライズされたおすすめが表示される
  • ハンズオン Challenge やテストでスキルを練習できる
  • 進捗状況を追跡して上司と共有できる
  • メンターやキャリアチャンスと繋がることができる