テリトリープランニング入門
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- テリトリープランを設計する。
- 新しいテリトリーアライメントを作成する。
効果的なテリトリープランニングは、売上の増加、人材や移動にかかるコストの削減、関係強化につながる顧客へのサービス提供範囲の全体的な改善を実現できます。
会社でテリトリープランニングについて考える場合には、次の質問を検討してください。
- 組織にテリトリーがあるか?
- 営業リーダーや Sales Ops リーダーにとって、テリトリープランニングが時間のかかる作業になっていないか?
- より効率的なテリトリープランニングソリューションを探していることが頻繁にあるのではないか?
このような質問のいずれかに「はい」と答えたなら、もう探す必要はありません。これは、その解決策を見つけるのにぴったりのモジュールです。
このモジュールでは、受講者が営業テリトリー (旧称: エンタープライズテリトリー管理) を十分に理解していることを前提としています。この条件を満たしていなくても大丈夫です。Salesforce ヘルプで営業テリトリーの詳細を参照してください。
セールスプランニングでの Salesforce テリトリーの表示
営業テリトリーを分割する方法はたくさんありますが、セールスデータを手作業でくまなく調べて、テリトリーを再編成するのは時間がかかります。やり方を間違えると、現在だけでなく将来にわたって、組織全体で商談が均等に分布されなくなります。テリトリーのバランスが悪いと、営業チームが手を広げすぎたり、テリトリーを担当する営業担当が多すぎたりして、ビジネスにも悪影響を及ぼします。いずれにせよ、Salesforce セールスプランニングソリューションの一部として、テリトリープランニングは会社が直面する困難なテリトリープランニングプロセスを成功に導く方法となります。
テリトリープランニングは、論理的で拡張性の高い方法でテリトリーを分析および設計するのに役立ちます。3 つの主要機能に焦点を当てることで、時間の節約と精度の向上に必要なツールがビジネスリーダーに提供されます。
テリトリープランニングの機能 |
機能 |
---|---|
高度なテリトリー管理と最適化にアクセスする |
|
Salesforce Maps に最適化されたテリトリーをインポートする |
|
Salesforce 内部のテリトリーを管理する |
|
上記のテリトリープランニング機能が実際的なシナリオでどのように機能するか見てみましょう。
事例: テリトリーで整理する
カスタムシューズ会社である Cloud Kicks は、大規模なテリトリー再配置演習を実施中であり、このような変更を管理するためにテリトリープランニングを実装しました。
Cloud Kicks は営業チームを拡大し、テリトリーを追加しているところです。Cloud Kicks は現在、Salesforce 営業テリトリーを使用して、テリトリーアライメントを取引先のグループに整理して、取引先所有者を識別します。再配置の一環として、Cloud Kicks は年間売上項目を使用して、営業担当に商談を公平に配分したいと考えています。そのために、Cloud Kicks は 3 つの重要な分野に焦点を絞っています。
- 担当がより多くの取引先を効率的に担当できるようにテリトリーを再配置する。
- リーダーや営業チームと連携してテリトリー設計を行う。
- 会社の成長目標に沿って、取引先を割り当てるテリトリーを確立する。
Salesforce システム管理者である Linda Rosenberg は、テリトリープランニングを使用してこの再配置を実行します。
レポートを作成する
テリトリープランニングは Salesforce レポートと直接統合することができます。このレポートは、対応付け可能な任意のオブジェクトを対象として作成でき、そのオブジェクトの任意の項目を表示できます。レポートを作成する場合、いくつかの必須項目があります。具体的には次の項目です。
- オブジェクト ID 項目
- ユーザー名、ユーザー ID、テリトリー名、テリトリー ID など、テリトリーの割り当てに使用される項目
- 緯度項目
- 経度項目
地理コード化されたレコードが必要です。ご使用の環境でレコードが緯度と経度の座標で地理コード化されていない場合は、Salesforce Maps のコアアプリケーションを使用してレコードを地理コード化します。詳細については、「Salesforce Maps 設定」バッジを参照してください。
この例では、Linda は Salesforce レポートを作成し、年間売上、取引先カテゴリ、従業員数という主要属性がある取引先を表示します。また、取引先 ID、ユーザー ID、経度、緯度、その他の説明的な項目 (名前、カテゴリ、州、国、郵便番号など) を追加します。このような項目によって、テリトリーの測定および個々の取引先の検索と再割り当てが行われます。
Linda は、保存されたレポートに Southeast Accounts by Annual Revenue (年間売上別の南東部の取引先) という名前を付けます。
設計を計画する
テリトリープランニングでは、設計プロセスに 2 つの要素があります。
-
データセット: テリトリーアライメントを定義するレコードのコレクション。
-
テリトリーアライメント: データセットで定義されたレコードグループの提案されたテリトリーモデル。アライメントでは、テリトリー分類が視覚的なフレームワークで提供されます。たとえば、テリトリーは地域や地区として分類される場合があります。
Linda は [Create Data Set (データセットを作成)] ボタンを選択して、データセットに Southeast Region: Enterprise Accounts (南東地域: 企業取引先) という名前を付けます。
簡単な説明を追加し、テリトリー境界の範囲を定義します。
テリトリー境界の使用は省略可能です。定義すると、選択した国に適用され、追加の地理的オプションが提供されます。Linda が国として [United States (米国)] を選択すると、4 つの追加オプションである [Postal Code (郵便番号)]、[State (州)]、[County (国)]、[3-Digit Postal Code (3 桁の郵便番号)] が表示されます。Linda は [3-Digit Postal Code (3 桁の郵便番号)] を選択し、設計を続けます。
これで、データセットを構成するレポートを選択できるようになりました。表示されたレポートのリストを確認し、以前に作成した [Southeast Accounts by Annual Revenue (年間売上別の南東部の取引先)] レポートを選択します。
データセットを設定する際には、1 つ以上のレポートを選択できます。複数のレポートを選択した場合、各レポートには独自の凡例ビューが設定され、レポートを区別するために地図上に異なる記号で表示されます。これにより、ユーザーは必要に応じて複数のオブジェクトのデータに基づいてテリトリーを計画できます。
次に、Linda はオブジェクト項目を対応付けます。(1) [Unit ID Field (ユニット ID 項目)] で、取引先 ID など、レコードに関連付けられた一意の値が識別され、(2) [Unit Assignment Field (ユニット割り当て項目)] で、取引先所有者などの既存の割り当てが識別され、(3) [緯度(請求先)] と [経度(請求先)] によって地理位置情報項目が指定され、(4) [Annual Revenue (年間売上)] などの選択された属性項目が営業テリトリーを分析するために使用されます。
データセットの作成を練習する
これで、Linda はデータセットを設計できました。試してみたい方は、Trailhead シミュレーターを使用してデータセットの作成を練習できます。
Trailhead シミュレーターの概要
Trailhead シミュレーターは Trailhead Playground とは異なります。シミュレーターでは進行中の作業は保存されません。ブラウザーを閉じると、次に起動したときにシミュレーションが最初から開始されます。中断した場所に戻るには、シミュレーターの下部にあるナビゲーションコントロールを使用します。操作性を最大限に高めるために、Trailhead シミュレーターはラップトップやデスクトップコンピューターに表示してください。また、シミュレーターでクリックできるのは、シミュレーターで示す手順のみです。
Trailhead シミュレーターを起動します。
アライメントを作成する
提案されたアライメントのフレームワークを計画する際、会社がテリトリーをまとめる方法は多数あります。次に、一般的な例をいくつか示します。
- 営業担当別やサービス技術者別
- ミッドマーケットや中小企業など、ビジネスの規模別
- さまざまなチームに割り当てられたマネージャー別
Cloud Kicks では、アライメントの焦点を営業担当に当てています。収益増加を最大化するため、提案されたアライメントには、追加のテリトリーと担当が取引先のカバー率を改善するためのモデルが含まれています。
Linda は新しいアライメントを作成します。
Proposed Alignment (提案されたアライメント) という名前を付けて、構築プロセスを開始します。
選択肢としては、次の 3 つがあります。
- さまざまな階層レベルがすでに表示されているサンプルモデルを入力してカスタマイズする。
- 既存のアライメントプランをインポートして設定する。これは、既存のアライメントの反復を作成する場合によく使用されます。
- 営業テリトリーから既存のモデルをインポートする。
Cloud Kicks ではすでに営業テリトリーが使用されているため、Linda は [Import Salesforce Territory Model (Salesforce テリトリーモデルをインポート)] ボタンを選択します。次に、[Southeast (南東部)] 支店を選択し、テリトリー所有者ロールとしてアカウントエグゼクティブを識別します。
その後、所有者名とユニット割り当て値を定義します。割り当て ID 値には、データセットで識別された値と同じ [Account Owner ID (取引先所有者 ID)] を使用します。この値により、選択された Salesforce レポートの各レコードを正しいテリトリーと常に一致させることができます。
各テリトリーの所有者名を確認した後、[Unit Assignment Option (ユニット割り当てオプション)] を選択すると、テリトリー所有者 ID 項目が自動入力されます。
最後に、設計を完了する前に、Linda は [Automatically assign nearby containers (周辺のコンテナを自動的に割り当てる)] チェックボックスをオンにします。この機能により、取引先までの距離の近さに基づいて、未割り当ての郵便番号が自動的にテリトリーに関連付けられます。これで、対象範囲のギャップをなくすことができます。[Finish (完了)] を選択すると、南東部テリトリーが地図上に表示されます。
Trailhead シミュレーターで練習する
Trailhead シミュレーターの手順に従うことで、Salesforce Maps テリトリープランニングでのアライメント作成を理解できるようになります。ここでは手順の実行に、Trailhead Playground ではなくシミュレーターを使用します。
Trailhead シミュレーターを起動します。
今後の展開
この単元では、Linda は再配置プロジェクトを開始するために必要な手順を完了しました。また、レポートを作成してデータセットに追加し、営業テリトリーから既存のテリトリー構造をインポートしました。次の単元では、すべてのエリアが対象範囲となるように、営業担当を追加したり削除したりして変更を行います。その後、Linda は変更が年間売上に与える即時的な影響を確認し、ビジネスリーダーとコラボレーションしてから提案されたテリトリーを最終決定します。
リソース
- Trailhead: Salesforce Maps 設定
- 外部サイト: Salesforce Maps Territory Planning Demo (Salesforce Maps テリトリープランニングのデモ)
- Salesforce ヘルプ: Set Up Salesforce Maps Territory Planning (Salesforce Maps テリトリープランニングの設定)
- 内部サイト: Install Salesforce Maps (Salesforce Maps のインストール)