統合されたプラットフォームによる業務の変革
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Salesforce と G Suite のインテグレーションの利点を説明する。
- Salesforce と G Suite のインテグレーションの実際的なシナリオを説明する。
多忙な仕事と生産的な仕事の違い
メールへの応答、ドキュメントの管理、メモの記入、スケジュール設定はどれも重要な業務です。けれども Salesforce の調査では、お客様 (特に営業担当) が、やるべきこと、つまり、顧客との確固たる関係構築につながる活動に十分な時間を費やしていないと感じていることが判明しています。
Salesforce Research の最近の調査で、平均的な営業担当の業務時間の 66% が販売以外の業務に費やされていることがわかりました。
出典: “State of Sales”、Salesforce Research、2018 年 5 月
行く手を阻む障害物
上記のデータによると、営業担当が時間をかけ過ぎていると考える上位 5 つの事項は次のとおりです。
- メールの管理
- 活動の記録
- 販売データや顧客に関するメモの入力
- 連絡を取る適切な相手の確認
- フォローアップ ToDo の作成
こうした非効率性に対処する 1 つの方策は、営業担当者が販売情報 (CRM) を追跡する場所と、日常業務に使用する生産性向上ツールを連携させる統合型エクスペリエンスを提供することです。こうした統合型エクスペリエンスという構想から、Salesforce と G Suite のシームレスなエクスペリエンスを創出し、営業担当が業務時間を取り戻せるようにする目的で、Google Cloud とのパートナーシップが実現しました。
G Suite とは?
馴染みのない方のために説明すると、G Suite とは Google AI を搭載した、クラウドネイティブの安全なコラボレーションアプリケーションや生産性向上アプリケーションを統合したスイートで、Gmail、ドキュメント、ドライブ、カレンダー、Meet などが含まれます。詳しい情報を知りたい方や試用してみたい方は、この単元の末尾にあるリソースを参照してください。
Salesforce と G Suite のインテグレーションのメリット
Salesforce と G Suite のユーザは、追加費用なしに、多数のネイティブインテグレーションにアクセスして業務の生産性を高めることができます。使用できる機能は、Salesforce プラットフォームと次の G Suite アプリケーションの広範に及びます。
- Gmail
- カレンダー
- ドライブ
- スプレッドシート
こうしたインテグレーションはどのように機能するのでしょうか? 顧客のストーリーにおいて、あなたが単なる脇役ではなく、信頼できるガイドであり続けるにはどうすればよいのでしょうか?
Gmail インテグレーション
Salesforce Lightning と Gmail のインテグレーションでは、Gmail の Web アプリケーションに直接 Salesforce が配置されます。Salesforce には、Salesforce Lightning Experience のコンパクトビューを表示するサイドバーからアクセスします。このサイドバーを自分向け、あるいは会社向けにカスタマイズします。
- Salesforce アプリケーションビルダーで、サイドバーに表示するオブジェクトをカスタマイズします。この点は、メールを操作するときにあなたやそのユーザに特定のオブジェクトを表示する必要がある場合には特に重要です。
- メールをクリックするとすぐ、サイドバーに関連する Salesforce データが表示されます。
- Gmail を開いたままの状態で、活動やメールを記録します。
設定も簡単なため、ユーザがすぐに立ち上げて実行できます。この単元の「リソース」セクションに、「Gmail インテグレーション」バッジへのリンクが掲載されています。
Salesforce Inbox for Gmail
Salesforce Einstein の知力をメールエクスペリエンスに取り入れます。Salesforce Inbox for Gmail は人工知能を使用して、営業担当が Salesforce と Gmail の統合型エクスペリエンスを有効活用できるようにします。このインテグレーションでは、メールのフォローアップが促進されます。さらに、顧客とのやりとりをより有意義で生産的なものにするために Einstein スコアリングが搭載されています。
Salesforce Inbox for Gmail は、上記以外に次の機能も備えています。
- メールにカレンダーの空き時間を挿入
- メール追跡
- メールを後で送信
- Salesforce レコードの追加リストの公開
- Gmail サイドバーで Einstein スコアリングを使用可能
Salesforce Inbox の機能は有料のアドオンです。
Salesforce Files Connect とドライブ
Files Connect for Drive を使用すると、ドライブのファイルを Salesforce 内で使用したり、レコードや Chatter 投稿で直接これらのファイルへのリンクを設定することができます。このため、ファイルの重複が減り、機密情報のコンプライアンスやセキュリティを向上させることができます。
主な機能は次のとおりです。
- クリック操作で、ドライブのファイルを Salesforce レコードに関連付ける機能
- クリック操作で、ドライブのファイルを Chatter の社内外のコミュニティに投稿する機能
- ドライブの基本的なインテリジェント機能 (「最近更新した」ファイルがリストの一番上に表示されるなど)
- Salesforce モバイルのサポート
詳細は、「リソース」セクションの「Files Connect 向けのドライブの設定方法」を参照してください。
Sheets Data Connector for Salesforce
大規模なデータセットを操作するときに、Salesforce からスプレッドシートにレポートをプルしたり、カスタムデータクエリを作成したりすれば時間を節約できます。また、編集済みの大量データを Salesforce に戻すこともできます。
次の動画で、Sheets Data Connector for Salesforce を使用して Salesforce とスプレッドシート間でレコードのリストを管理する方法をご覧ください。
Lightning Sync for Calendar
カレンダーと Salesforce 間で取引先責任者と行動は常に同期しています。
システム管理者は、取引先責任者と行動の両方を同期するか、取引先責任者または行動のみを同期するかを選択できます。また、項目の同期方向 (Salesforce とカレンダー間の双方向、または一方向のみ) もシステム管理者が決定できます。
Lightning Object Creator
Lightning Object Creator では、現在スプレッドシート上に構築されているオフラインプロセスを、最新のクラウドアプリケーションに変換できます。
次に例を示します。
- 自動車ディーラーが、紙面の試乗申込書 (見込み客の情報、車種、モデル、好みなどを収集) を基に作成していたスプレッドシートを、CRM と連携するデジタルプロセスに変換できます。
- マーケティングチームは、マーケティングアセット (テーマ、形式、場所、日付、配信場所など) を手動で追跡するスプレッドシートを、対話型のアセットトラッカーに変換して自動化し、カスタマイズしたり、ダッシュボードやレポートから深層のインサイトを取得したりすることができます。
- 人事チームは、ボランティア活動を追跡するスプレッドシートを、ボランティアマッチングアプリケーションに変換して、従業員の参加を促進し、社会的な影響力を強め、企業の社会的責任の認知度を高めることができます。
スプレッドシートは、Salesforce Lightning Object Creator でサポートされている主要なインポート手段の 1 つで、G Suite ユーザがスプレッドシートに入力済みのデータを使用して Salesforce Lightning Platform 上で簡単にアプリケーションを構築できます。
あるストーリーのご紹介
Nielsen が Google と Salesforce をリリース後ユーザから高評価を獲得!
Lightning Sync と Gmail のインテグレーションを有効にした Nielsen の営業チームが、その活動や顧客とのやりとりを効率的に追跡できるようになりました。具体的には、営業担当 1 人あたり週に 2 時間節約しています。
「この 2 つ (のソリューション) を組み合わせることの当社の究極の目標は、販売時間を増大させることでした。そして、そのとおりになっています。」
— Nielsen、業務担当副社長、Andrew Criezis 氏
課題 |
解決策 |
ユーザがドキュメントやリソースを共有できなかったため、コラボレーションが進まなかった。 |
G Suite により、簡便なコラボレーション、クロスデバイス機能、クラウドファースト戦略が推進される。 |
全社で統一されたセールスプロセスが必要であった。 |
Salesforce を標準となる新エンタープライズプロセスの基幹とする。 |
活動の追跡や、セールスファネルのデータ入力に時間がかかりすぎていた。 |
Lightning Sync with Calendar により、営業担当が行動やデータを簡単に入力できる。 |
Salesforce Sales Cloud と Lightning for Gmail により、行動ややりとりを簡単に追跡できるようになる。 |
リソース
- G Suite のサインナップ (14 日間無料トライアル)
- Gmail インテグレーション
- Files Connect 向けのドライブの設定
- Data Connector for Salesforce (Salesforce とスプレッドシート)
- Lightning Sync for Google の設定の概要の把握 (Salesforce とカレンダー)
- Salesforce の Lightning Object Creator の導入: 数回のクリック操作でスプレッドシートをアプリケーションに変換
- 営業の現状