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Data Cloud でデータを統合して活用する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Data Cloud を使用して、Salesforce や既存のシステムにあるデータを接続して活用する方法を説明する。
  • 組織全体で AI を使用するうえで、データがなぜ重要なのかを説明する。

Data Cloud とは

顧客データと、それを管理するサービスの爆発的な増加により、企業は多くのデータが分断されている (閉じ込められている) という状況に直面しています。実際、企業のアプリケーションの 72% が分断されているという調査結果もあります。こうした閉じ込められたデータはビジネス全体でデータを最大限に活用するうえでの大きな障害となり、AI が信頼できるデータを基に自律的かつ安全にアクションを実行することも困難になります。

中央に 7 つの島が浮かぶ川のイラスト。それぞれの島には企業のロゴが描かれており、企業のアプリケーションの 72% が分断されていることを示している。

Data Cloud は、Salesforce で設計、構築された比類のないハイパースケールデータエンジンです。構造化データ (顧客レコードや売上データなど) と、非構造化データ (メールや SNS 投稿など) を、外部システムやデータレイクといったあらゆるソースから統合できるように設計されています。この強力なツールは、データを調和させることで、あらゆる Salesforce のアクション、自動化、インサイトの基盤となる統一された顧客プロファイルを生成します。

CRM システム、外部データベース、SNS など、さまざまなソースからのデータを統合して顧客を包括的に把握できる単一のビューがある環境を想像してみてください。Data Cloud を使用すれば、データをスムーズに統合して整理できるため、情報の正確性、最新性、アクセスのしやすさが常に保証されます。

Data Cloud が複数のシステムから取得したデータで作成した統一プロファイル。

これらの統一された顧客プロファイルは、単なる静的なレコードではありません。顧客とのやり取りに応じて進化する、動的な情報です。また、自律型のカスタマーサービスからマーケティングキャンペーンの作成まで、すべての Agentforce のアクションを支える原動力でもあります。社員は顧客 1 人 1 人を 360 度の視点で把握でき、ビジネス上の意思決定に必要なインサイトも得られます。これにより、組織全体の効率と効果が高まります。

Data Cloud のもう 1 つの重要な特長はゼロコピーです。ゼロコピーとは、データを物理的にコピーしたり移動したりせずにシステム間で共有できる仕組みです。ゼロコピーによってリアルタイムでのアクセスが可能になり、データの重複も削減されます。たとえば小売業者が Salesforce や他のツールを使用している場合は、CRM、e コマースプラットフォーム、マーケティングツールにわたって、顧客データを複製しなくてもリアルタイムで利用できるようになります。お礼メールの送信や商品のおすすめなどのマーケティングアクションも即座に実行でき、すべてのシステムで一貫性のある最新情報が保たれます。

カスタマーエクスペリエンスの改善、労働力としての AI の活用、業務の効率化、より充実したインサイトの取得など、Data Cloud はあらゆる目的を達成するための力になります。Salesforce のお客様が Data Cloud を使ってカスタマーエクスペリエンスをどのように改善しているかを見てみましょう。

AI 戦略においてデータが果たす役割

データは AI エンジンを動かす燃料のようなものです。高品質なデータが多ければ多いほど、AI はより深く学習して、正確な予測や賢い判断が可能になります。例えるなら、ケーキを焼こうとしているようなものです。適切な材料 (データ) がなければ、美味しいケーキ (効果的な AI) は期待できません。データは、AI が顧客の行動や市場のトレンドを理解したり、社内プロセスを改善したりするためにも不可欠です。本気で AI を活用したいのなら、本気でデータ戦略を考えなければなりません。

Data Cloud が企業の AI 戦略において非常に重要である理由はここにあります。Data Cloud は、顧客データを 1 か所に集約し、統一された 360 度ビューとして提供します。その結果、従業員だけでなく AI モデルもビジネス全体の全体像を把握できるようになり、顧客の行動をより正確に予測できるようになります。

Agentforce の例で考えてみましょう。Data Cloud のおかげで、Agentforce は統一された豊富なデータを分析して、エージェントがデータにアクセスできるようにします。そして、検索拡張生成 (RAG) を利用して、大規模言語モデル (LLM) をトレーニングし直したり、データを広く共有したりすることなく、LLM に各社固有のビジネスについて学習させます。

これによってエージェントは、顧客のニーズを予測し、そのインサイトに基づいてプロアクティブに対応できるようになります。そして何よりも優れているのは、統合されたすべてのデータを活用することで、まるでそれぞれの顧客に合わせて用意されたかのようにインタラクションをパーソナライズできるという点です。言うなれば AI に眼鏡を掛けさせて、よく見えるようにするようなものです。すべてが噛み合い、カスタマーエクスペリエンスが一段と向上します。

リソース

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