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Salesforce Einstein 1 について知る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Salesforce とは何をする会社なのかを説明する。
  • Einstein 1 によってビジネスがどのように刷新される可能性があるか理解する。
  • CRM + AI + データ + 信頼を組み合わせれば、まったく新しい方法で顧客とつながれることを説明する。

Salesforce Einstein 1 とは?

この疑問にお答えする前に、「Salesforce とは何をする会社なのか?」という基本的なことについてお話ししましょう。

Salesforce とその一部の CRM (カスタマーリレーション管理) ソリューションについてはご存知かと思いますが、AI (人工知能) とデータを活用して顧客関係を強化する Salesforce の機能やそのお客様へのメリットの全容はご存知ないかもしれません。

顧客の期待がますます高まる中、どのように実現するのでしょうか?

Salesforce のすべての製品とサービスの集大成である Salesforce Einstein 1 があれば、従業員一人ひとりが必要なアプリケーション、信頼できる AI、統合データを活用して、顧客の期待を上回り、満足度を高めることができます。Einstein 1 はビジネス全体で機能する唯一のソリューションポートフォリオで、営業、サービス、マーケティング、コマースなどに及ぶ統合データに基づいて顧客の 360 度ビューを示します。このすべてが CRM 内で行われ、従業員が信頼できる AI である Einstein の助けを借りて業務を遂行します。簡単に言うと、世界 No.1 の AI CRM である Einstein 1 は、CRM + AI + データ + 信頼を組み合わせて、まったく新しい方法で顧客とつながれるようにします。

Salesforce の会話型 AI である Einstein Copilot は、各 CRM アプリケーションや Slack 内で信頼のおける AI アシスタントを利用できるようにします。Slack は社内の知識を保持する場所であるため、チャンネル内のあらゆる情報に対して Einstein Copilot を機能させれば、作業の流れの中で要約、回答の検索、CRM レコードの更新を実行するよう指示できます。

さらにこのすべてが、1 つの共通メタデータモデルに完全統合された 1 つのプラットフォーム上で行われます (ちなみにメタデータとは、データを説明するデータのことです)。このため、アプリケーション間のシームレスな通信や連携が実現します。Einstein はこうした 360 度ビューから学習し、顧客とビジネスがやりとりするあらゆる場所で、その完全なコンテキストを各カスタマーエクスペリエンスに適用できます。つまり、サービスケースが販売の機会になり、マーチャントがサービスの問題を解決でき、マーケターが臨機応変にアップセルを検討できるということです。Salesforce のプラットフォームは CRM + AI + データ + 信頼が統合されているため、ビジネスもかつてないほど統合されます。

CRM + AI + データ + 信頼を組み合わせて、企業が顧客関係を強化できるようにする Salesforce の力量こそが、世界の名だたるブランドが私たちをパートナーに選ぶ理由であり、Salesforce がお客様の成功を促進する業界リーダーとして認められている理由でもあります。後続のセクションでは、Einstein 1 を構成するすべてのコンポーネントとメリットを順に見ていきます。

顧客の 360 度ビューを作成する

ビジネス全体の顧客のデータややりとりを明確に把握していなければ、優れたカスタマーエクスペリエンスを実現して関係を強化することは困難です。各チーム向けのソリューションがあったとしても、こうしたアプリケーションが分断されていることが多いため、データのサイロ化を招き、ばらばらのカスタマーエクスペリエンスになってしまいます。

Salesforce は Einstein 1 でこうした課題を克服し、すべてのアプリケーションで顧客の 360 度ビューを作成して、ジャーニーを進行中の顧客に従業員がそのコンテキストで対応できるようにします。どの企業も業界をリードする Salesforce の CRM アプリケーションを使用して、顧客の 360 度ビューを作成できます。また、どのアプリケーションも同じ統合プラットフォーム上で実行されるため、AI、データ、カスタマイズ、アップグレードのすべてが各エクスペリエンスでシームレスに機能します。チーム間で分断されているポイントソリューションとは異なり、Salesforce アプリケーションは 1 つのプラットフォーム上で機能するため、契約、インテグレーション、トレーニング、時期のずれたリリースサイクルなど、ビジネスを停滞させる要因が減少します。

顧客を中心に各部門を結び付ける Einstein 1。

ところで、CRM アプリケーションは一体何をするものなのでしょうか? さらに重要な点として、CRM アプリケーションはどのような方法で顧客との関係を強化するのでしょうか? 顧客インサイトを共有して、適切なツールを使用した場合、各部門に次のメリットがあります。

  • 営業: AI を使って見込み客や顧客に固有の商談成立プランを生成し、商談の迅速な成立に必要なツールやデータを営業組織に完備すれば、営業担当が綿密なやり方で顧客関係を構築するために多くの時間を費やせるようになる。
  • サービス: コンタクトセンターから現場まで、顧客が希望するあらゆるチャネルで一貫性のあるパーソナライズされたサポートエクスペリエンスを実現し、AI が生成したサービス応答や自動承認を活用してエージェントの効率性を高める。
  • マーケティング: AI を使用してパーソナライズされたメール、モバイル、Web、広告のコンテンツを動的に生成することで、リード生成、顧客獲得、アップセル商談を改善する。
  • コマース: シームレスなデジタルコマースエクスペリエンスを構築して、顧客の期待を上回り、収益を高めるように調整された商品のおすすめを利用して、新商品の市場投入時間を短縮する。
  • IT: CRM、AI、データ、開発、セキュリティを 1 つの包括的なプラットフォームに統合する、拡張可能な AI プラットフォームで IT チーム、システム管理者、開発者を補佐し、生成アプリケーションや自動化の開発を加速する。
  • 全チーム: 会話、コラボレーション、自動化を Slack の信頼できる AI と連携させて生産性を向上させ、各チームがプロセスを加速して、大きな成果を上げられるようにする。

信頼できる AI を拡張する

どの企業も AI の未来を実現したいと考えています。けれども、顧客データや企業データの保護と、AI による生産性の向上を両立させるにはどうすればよいのでしょうか? AI がビジネスから分断されていれば、AI は顧客についてほとんど何も知りません。そのため、AI にすれば、どのように手を差し伸べ、予測を行い、顧客の心に響くコンテンツを生成すればよいのかよくわかりません。ここに厄介な問題が潜んでいます。顧客データを使用して AI の精度を高めれば、プライバシーに関する懸念が持ち上がる可能性があります。実際、Gartner が CEO と経営幹部を対象に実施した 2023 年の調査で (2023 Gartner CEO and Senior Business Executive Survey)、顧客の 59 % が自分のデータの取り扱いについて企業を信用していないことが判明しています。さらに、生成 AI を使えば、ハルシネーション、バイアス、有害性のリスクも浮上します。

CEO にとって AI はナンバーワンの優先事項ですが、顧客の 59 % が自分のデータを安心して企業に預けることができないという AI の信頼のギャップがあります。

Salesforce が Einstein 1 を構築したのはこのためです。この目的は、ビジネス全体を簡単かつ安全に拡張しながら、すべての顧客に成功をもたらす方法を心得た信頼できる AI を利用できるようにすることです。Einstein 1 には、CRM の最も信頼できる予測・生成 AI である Einstein がネイティブに組み込まれ、次善アクションを予測したり、コンテンツやコードを生成したりすることができます。Einstein の機能は CRM 向けに構築され、統合された正確な顧客データでグラウンディングされているため、Einstein はリード、取引先所有者、顧客のケースのほか、これらにまつわる固有のあらゆるコンテキストも理解します。ビジネス全体に対する理解を深化させていく Einstein は、担当者が見逃してしまう可能性がある機会をとらえ、担当者が思いつかないような次のステップを提案できるようにして、信頼関係の構築を促します。

さらに、Einstein Copilot という最新のイノベーションを使えば、すべての CRM アプリケーションに会話型 AI アシスタントが組み込まれ、それぞれのチームや部門が顧客との関係を育み、効率的に業務を遂行できるようになります。Einstein Copilot を使用して、営業アクションプランの作成、カスタマーサービスの承認の自動化、マーケティングキャンペーンの作成のほか、商品のおすすめを調整することもできます!

閉じ込められたデータを解放する

企業が AI を駆使して成功するためには、まずデータをまとめる必要があります。ただし、どの企業もデータが閉じ込められ、あるいは分断されているため、こうしたデータの塊が企業の足かせになっています。実際、MuleSoft の「2024 Connectivity Benchmark Report (2024 年接続性ベンチマークレポート)」によると、統合または接続されているアプリケーションはわずか 28% に過ぎないことから、企業が信頼できる AI を有意義な方法で導入して、従業員や顧客のエクスペリエンスを向上させるに至っていません。

Salesforce は、サードパーティシステムやレガシーシステムを含むあらゆるソースに閉じ込められているデータを解放し、各ソースから取り込んだすべての顧客データを 1 つのビューにハーモナイズして、充実した CRM を実現できるようサポートします。すべてのデータがつながれば、AI を信頼できるデータでグランディングできるため、マーケティングキャンペーンやサービスケースの応答など、あらゆるインサイトや生成コンテンツを向上させることができます。このすべてが可能なのも、Einstein 1 という 1 つの統合プラットフォームで、CRM + AI + データ + 信頼が連携するためです。

Data Cloud があれば、サイロ化された外部データを Salesforce に簡単に接続できるため、すべての顧客データと企業データをハーモナイズして、顧客の統合ビューを作成し、Einstein 1 の製品ポートフォリオ全体で使用できます。すべてのデータをまとめれば、どの CRM アプリケーションでも顧客の全体像を確認できるようになるため、Salesforce のビジュアル分析プラットフォームである Tableau でさらに多くのインサイトを取得して、データに基づく判断を拡大できます。データが統合されれば、AI も向上します。信頼できる豊富なデータセットからインサイトを引き出し、コンテンツを生成するためです。つまり、Data Cloud があれば、データをそのサイロから解放し、意思決定に役立てたり、ビジネス用の AI に最も迅速かつ安全にデータを取り込むことができます。

Einstein 1 Platform でスピードアップする

ビジネスが汎用的なソリューションで心底満足することはありません。けれども、カスタマイズされた機能を構築するには専門的なスキルと貴重な時間を要し、多くの企業はそのどちらも持ち合わせていません。AI のイノベーションが加速し、あらゆる場所でデータが爆発的に増え、こうしたペースに対応することへの顧客の期待が高まる中で、企業はその問題の一部しか解決できず、自らの顧客データからも切り離された不十分なシステムに甘んじるようになっています。

Einstein 1 Platform は、Salesforce の次世代のプラットフォームで、Einstein 1 ポートフォリオの技術レイヤーです。ビジネス全体に対応する 1 つの顧客プラットフォームで、すべての顧客データとメタデータを最大限に活用して、各従業員がインテリジェンス、自動化、ローコードのアプリケーション開発などを操作できるようにし、この AI 革命に遅れることなく、先行できるようにします。しかも、従業員に IT の学位は必要ありません!

Einstein 1 Platform の統合メタデータフレームワークは、すべてのアプリケーションでデータ、AI、カスタマイズをシームレスに機能させます。メタデータとはデータに関するデータのことで、Salesforce ではメタデータが各自のデータに関する重要なコンテキストを示し、AI がデータの内容とその使用法を理解できるようにします。たとえば、Salesforce のメタデータは、商談の概要、必須の項目、商談と取引先のリレーション、商談が作成または更新されるたびに実行される自動化、レイアウトなど、さまざまな情報を説明します。

メタデータによってデータを新しい方法で処理できるようになるため、極めて重要です。Salesforce 内ではメタデータを使用して、組織の固有のニーズに合わせて Salesforce をカスタマイズしたり設定したりすることができます。たとえば、ペット病院のシステム管理者は、ペットのプロファイル用のカスタムオブジェクト、高リスク症例用のタブ、獣医だけが表示できる日次レポート、薬を再処方するためのワークフローなどのすべてをメタデータを使って作成できます。

インテリジェントな Einstein 1 Platform を導入すると、業務の流れの中に会話型 AI が組み込まれるため、従業員全員の能力が強化され、生産性が高まります。また、Salesforce と任意のシステムの全体でプロセスをオーケストレーションする、組み込みの使いやすい (AI 支援型の) ワークフローエンジンによって自動化されます。ローコードであるため、システム管理者や開発者がコードを 1 行も記述しなくても、Salesforce を簡単にカスタマイズして、まったく新しいアプリケーションやエクスペリエンスを構築できます。また、高度なカスタマイズが必要な場合は、コードの一部のみを必要とする強力なプロコードツールを利用できます。ちなみに、他のプラットフォームではコードを記述する必要があります。

最後に、Einstein 1 はオープンプラットフォームであるため、企業が Einstein 1 の機能を何千種ものパートナーアプリケーションで拡張できるほか、現在使用中のすべてのエンタープライズシステムにも簡単に接続できます。Einstein 1 では、AI や分析からインテグレーション、従業員のトレーニングに至るまで、この信頼できるプラットフォームのすべての機能を簡単にカスタマイズして、特定の企業や業種のニーズを満たすことができます。

これで、誰かに「Salesforce って何をするものか知っている?」と聞かれたら、「Einstein 1 は、クラス最高の CRM アプリケーションを信頼できる AI やデータとともに 1 つの統合プラットフォームにまとめるもので、企業は関係の強化、従業員の生産性の向上、効率的な成長の促進のすべてを同時に実現できるんだよ」と (よどみなく) 答えることができます。

リソース

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