購入者の B2B ジャーニーのサポート
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ブランドの延長としてのストアフロントを思い描く。
- 個々の B2B 購入者の固有のニーズを説明する。
- 最高の B2B 購入エクスペリエンスを実現するためにストアフロントを最適化する。
購入者の期待を上回る
前述したように、Salesforce B2B Commerce 購入者は、毎日の生活の中で使用しているデジタルエクスペリエンスと同等のショッピングエクスペリエンスを期待しています。Salesforce B2B Commerce での購入において、選択肢、サービス、透明性が同じレベルであることが求められます。
Salesforce の調査レポート「State of the Connected Customer (つながっている顧客の現状)」によると、顧客の 84% が、会社の創出するエクスペリエンスは、その商品やサービスと同じくらい重要であると述べています。また、顧客の 66% は、優れたエクスペリエンスのために支払う金額が多くなってもよいと述べています。つまり、ビジネスの成長を目指す製造業者や流通業者にとって、説得力があり直感的な購入者エクスペリエンスは不可欠だということです。
ストアフロントはブランドの延長
前の単元では、会社が新しい地域で物的資産やスタッフを配置する前に、その市場でブランドの認知度と顧客ベースを築くためにストアフロントが役立つことを説明しました。その目標を念頭に置いて、ストアフロントは新しい顧客と現在の顧客にとって、ブランドへの入り口であることを忘れないでください。ここまでビジネスを成長させてきたのと同じ信頼、語調、気質、快適さをストアフロントでも確立する必要があります。
Ursa Major Solar の Salesforce システム管理者である Maria Jimenez が、ストアフロントを既存のブランドと統合する様子を見ていきましょう。Ursa Major Solar, Inc. は、米国南西部を拠点として、太陽光発電関連の商品やシステムを提供する会社です。
Ursa Major Solar システム管理者、Maria Jiminez
Maria はこう言います。「Ursa Major Solar では、ストアフロントを仮想ショールームのようにしたいと考えました。これは当社のブランドをオンラインでお見せするすばらしい方法だと確信していました。最高の方法で商品を提示し、オンラインで当社の商品を購入すべき理由をお客様に説明できるからです。」
Maria と彼女のチームは、Salesforce B2B Commerce を使用して、Ursa Major Solar のストアフロント全体のデザインをブランド設定するテーマを定義します。テーマでは、色、フォント、会社のロゴ、その他の視覚的に独自性を表現するルールなどを指定します。特定の購入者に対してさらにエクスペリエンスをパーソナライズするために、チームは特定の取引先グループに対するカスタムテーマも作成します。それらの購入者がストアフロントにログインすると、ストアフロントのデフォルトのテーマではなく、Ursa Major Solar 独自のテーマによる会社の色やロゴを使用したストアフロントが表示されます。この追加ステップによって、Maria はショールームのアイデアを拡張し、コンテンツを購入者に対してさらに個別化できます。
購入者固有のジャーニーのサポート
すべての購入者のジャーニーが同じではありません。ストアフロントにアクセスしたときにはすでに購入する商品 SKU と数量が正確にわかっている購入者もいれば、そのブランドや商品はまったく初めてで、購入する前に閲覧、比較、見積に時間をかける購入者もいます。一旦ストアフロントを離れ、何回か再訪してから購入を完了することさえあります。短期間でロイヤルティの高いリピーターになる購入者もいれば、多くのサポートを受けたり何度も良い経験をして初めてブランドを信頼する購入者もいます。
Salesforce B2B Commerce には、購入者固有のジャーニーのさまざまなステップをサポートするいくつかの機能が含まれていて、購入者が情報を把握し、つながり、購入に前向きになるようにすることで、ブランドへの信頼とロイヤルティを築くことができます。たとえば、ある購入者がストアフロントを探索し、カートに商品を追加し始めた後に、何らかの理由でチェックアウトを完了しなかったとします。Salesforce B2B Commerce では、その購入者に放棄カートメールを送信できるため、購入者とのつながりを維持し、将来の販売につなげることができます。
Ursa Major Solar は、購入者のジャーニーの中で注文の確認についての課題に直面していました。
「購入者は電話やメールで注文の最終決定や確認を行っていたため、その対応が毎日の作業時間の大きな部分を占めていました。」と Ursa Major Solar の営業担当である Erin Donaghue は言います。
Ursa Major Solar ヨーロッパ営業担当、Erin Donaghue
Salesforce B2B Commerce を使用すれば、購入者はオンラインで注文し、リアルタイムの通知を受信箱に受け取ることができます。また、カートの変更、注文履歴の確認、連絡先情報や支払情報の更新などはセルフサービスで行うことができます。その結果、サポートを求める電話が少なくなり、チームは新しい商談を成立させるという重要な作業に専念する時間が増えます。
検索エンジン最適化 (SEO)
ビジネスを成長させ、ストアフロントに新しい購入者を引き付けようとするなら、直接の営業担当やアウトバウンドコールセンターのリードのみに頼るわけにはいきません。これまで知られていなかった購入者を引き付ける必要があります。これを実現する 1 つの方法は、商品が外部の検索結果に表示されるようにすることです。適切な商品やストアフロントデータが購入者の検索に表示されれば、新しいクリックを購入に変換できる可能性が高まります。
SEO がビジネスにとってどれほど重要かがよくわからないとしたら、それはあなただけではありません。Ursa Major Solar のある営業担当にも説得が必要でした。
「私は、SEO を理解していませんでしたし、優れた SEO 戦略によって売上を促進できることもよくわかっていませんでした。でも、Salesforce システム管理者の Maria がすべての利点を説明してくれたのです。当社のサイトが検索エンジンの結果で (競合他社より) 上位にランキングされることで、私たちは新しい購入者を引き付けてビジネスを成長させているということに自信を持てます。私たちのストアフロントは、それ自体が新しいリードを生み出していて、そのおかげで私はセールスパイプラインを簡単に拡張できます。」と Lance は言います。
Ursa Major Solar ヨーロッパ営業担当、Lance Parks
優れた SEO 戦略は優れたマーケティングキャンペーンを補完します。マーケティングはブランド認知を生成するのに役立ちますが、SEO はその戦略の 1 つの構成要素です。SEO メタデータにはマーケティングキャンペーンのキーワード、使用事例、その他の言語を取り入れることができます。検索エンジンはストアフロントについて収集したそのデータを使用してページのインデックスを作成し、特定のコンテンツを検索結果に直接表示します。検索エンジンが収集する情報の一貫性と完全性が高いほど、検索でストアフロントの結果が返される可能性が高くなります。
Salesforce B2B Commerce には、ストアフロントの SEO プロファイルを強化するための機能がデフォルトでいくつか用意されています。若干の設定が必要ですが、フレンドリー URL、商品とストアフロントのメタデータ、代替言語リンクの URL、サイトマップなどをすばやくリリースできます。
SEO 戦略がリリースされてから、検索エンジンの検索結果にストアフロントのコンテンツが表示されるまでにはしばらくかかります。SEO は 1 回限りの作業ではなく、継続的な取り組みを維持する必要があります。四半期ごとに、表示される結果に基づいて SEO 戦略を調整することをお勧めします。また、競合他社の SEO 戦略を評価するのもよいでしょう。内部にリソースがない場合は、SEO に特化した外部エージェンシーを利用することで、競争で優位に立つための適切な人材と戦略を得ることができます。
まとめ
すでにブランドへのロイヤルティが高い人から、初めてストアフロントを探索する人まで、さまざまな購入者の固有のニーズや好みに対応することが重要です。購入者が、快適で馴染みのあるユーザーエクスペリエンスで、探しているものをストレスなく簡単に見つけられるようにしましょう。Salesforce B2B Commerce を使用すれば、ロイヤルティを育成し、ビジネスを成長させ、競争で優位に立つことが容易になります。