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ストアフロントのローカライズ

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • ビジネスを国際的に拡大する機会を見極める。
  • 1 つのストアフロントをローカライズするか、さまざまなロケール用の複数のストアフロントを設定するかを選択する。
  • Salesforce B2B Commerce を使用してストアフロントをローカライズする方法を説明する。

国際ビジネスの構築

国際市場に販売の対象となる購入者がすでにいる場合でも、国内の顧客ベースを海外市場にも拡大しようとしている場合でも、オンラインチャネルを使用してこれらの購入者にリーチすれば、現地で営業担当やインフラストラクチャに投資する前に、低いコストで効果的に新しい市場を評価できます。 

Ursa Major Solar, Inc. を紹介します。この会社は、米国南西部を拠点として、太陽光発電関連の商品やシステムを提供しています。当初は地方企業でしたが、国際的なエンタープライズへと成長しました。米国全体に流通センターを配置することに成功し、今はヨーロッパでもディーラーへの販売を行い、営業担当チームを置いています。最近になって、成長する国際営業をサポートするために B2B Commerce の使用を開始しました。これによって、チームは市場での Ursa Major Solar の物理的な存在の拡大に投資する前に、いくつかの特定のロケールでストアフロントをリリースできます。そして、デジタルマーケティングを使用して認知度を高めることによって、Ursa Major Solar 商品の販売を希望する再販業者を見つけることもできます。 

チームはフランス、ドイツ、スペイン、イタリアでストアフロントを立ち上げることにしました。数か月後、チームはフランスとドイツの売上がスペインとイタリアよりも大幅に高いことに気付きました。そこで、パリの小さなオフィスに投資し、フランスとドイツ全体で営業担当を採用することにしました。Ursa Major Solar チームが国際成長戦略への道筋をつけていたため、財務部長はそれらの新しい市場への投資について不安にならずに済みました。 

ヨーロッパの地図を指差している Ursa Major Solar チームメンバー。

Bienvenue.ようこそ。Willkommen.

あなたが、世界の別の地域の購入者だと想像してください。訪れたストアフロントは知らない言語で表示されていて、価格の通貨にもなじみがありません。ストアフロントにある商品が自分の組織のニーズに適しているように思われても、ストアフロントの通貨があなたの現地通貨にどのように変換されるかがわかりません。 

言語や文化の障壁があることで、海外の購入者がブランドに対する信頼を築くのが難しくなることがあります。幸いにも、ストアフロントをローカライズすれば、それらの購入者にとって快適な体験を簡単に実現できます。購入者は、コンテンツが自分の言語で表示され、価格が自分の通貨で示されれば、適切な商品を適正な価格で購入していることを確信しやすくなります。これは、ブランドロイヤルティと持続的な売上につながります。ビジネスが国際的な拡大を検討するときには、目標を達成するためにストアフロントエクスペリエンスのローカライズへの本格的な投資を詳細に計画しましょう。

言語

B2B トランザクションでは通常、商品の数量が多く、複雑で限定された品目が含まれているため、購入者がどの商品を購入するかを明確に理解できるようにする必要があります。ストアフロントと購入者の使用言語が異なる場合は、これがさらに困難になります。幸い、Salesforce B2B Commerce では最大 40 のロケールに対するコンテンツのローカライズがサポートされています。ロケールとは言語と地域の組み合わせのことで、ストアフロントがサポートするロケールを簡単に指定できます。たとえば、フランス語は地域によって異なります。ストアフロントで、フランスで使用されるフランス語 (ロケール fr_FR) とカナダのフランス語 (ロケール fr_CA) の両方をサポートできます。

もちろん、ストアフロント全体を翻訳するには、ロケールを選択するだけではなく、ストアフロントの変更や拡張に合わせた継続的なメンテナンスが必要です。そこで、多忙な皆さんのために、ストアフロント翻訳を管理する時間を節約するヒントをいくつか紹介します。

オブジェクトレコード翻訳を使用する

ストアフロントでサポートするロケールを決定したら、サポート対象の言語ごとに商品レコードをローカライズする必要があります。多くの Salesforce B2B Commerce カスタムオブジェクトには、ローカライズレコードが関連付けられています。つまり、ローカライズされたレコードは親レコード (ストアフロントのデフォルトロケールのレコード) の詳細の多くを継承しています。たとえば、各商品レコードには、ローカライズされた商品レコードの関連リストがあります。それらのローカライズされた商品レコードは、翻訳された商品説明と検索メタデータ以外は親レコードとまったく同じです。 

Salesforce B2B Commerce では、次のレコードタイプのローカライズがサポートされます。

  • カテゴリ
  • ページラベル
  • 商品
  • 主要商品
  • カテゴリ仕様
  • 商品仕様
  • 契約条件
  • メニューとメニュー項目
  • プロモーション
  • 主要商品と注目商品
  • 国データと測定単位
  • 商品メディア、カテゴリメディア、商品タブ、仕様

翻訳を一括アップロードする

オブジェクトレコードの翻訳バージョンは手動でも追加できますが、商品カタログが大きい場合は非常に時間がかかることがあります。そこで、データローダーを使用して、翻訳済みレコードを一括アップロードすれば時間を節約できます。データローダーを使用するには、追加でいくつかの権限が必要になるため、アップロードする前にシステム管理者に相談してください。

重要なものをローカライズする 

カタログの英語のスペルに catalog と catalogue があるように、1 つの言語でも使用地域によってさまざまな違いがあります。商品説明内で正しい地域バージョンの単語を使用することは、顧客が商品を理解するために重要です。そして、購入者が商品をよく理解するほど、ストアフロントから注文する可能性が高くなります。 

幸い、まずベースロケールの翻訳レコードを追加して、必要に応じてさらに限定的なロケールの翻訳を追加することが簡単にできます。Salesforce B2B Commerce は最初に最も限定的なロケールを探し、次に、より汎用のロケールにフォールバックし、最終的にはストアフロントのデフォルトのロケールにフォールバックします。ストアフロントがサポートするすべてのロケールに対してすべてのオブジェクトをローカライズする必要はありません。たとえば、すべてのオブジェクトに汎用フランス語 (fr) の翻訳を適用し、詳細レベルが必要なレコードにのみカナダのフランス語ロケール (fr_CA) の限定的な翻訳を提供することができます。 

常にできるだけシンプルなロケールを選択することをお勧めします。必要でない地域コードを使用すると、商品インデックスレコードの複雑度を増すだけであり、Salesforce B2B Commerce が翻訳済みコンテンツを読み込む方法も複雑になります。要するに、ストアフロントに追加の個別性が必要なければ地域コードは省略します。

Ursa Major Solar チームは、英国での販売を開始しようとしています。米国市場と英国市場は、いずれも第一言語は英語ですが、測定単位は異なるため、会社のデフォルトロケール (en_US) ではうまくいきません。そのため、英国でのビジネスに対応するために、サポート対象のロケールに en_GB を追加します。このロケールではコンテンツは英語で表示されますが、測定単位はメートル法で表示されるようにローカライズされます。

通貨

ストアフロントが複数のロケールをサポートしている場合、通常は通貨も複数サポートする必要があります。ロケールと通貨は関連していますが、Salesforce B2B Commerce では柔軟性を実現するために別個に管理されています。ストアフロントでは、言語と同じ数の通貨をサポートする必要はありません。たとえば、Ursa Major Solar が最初にヨーロッパに進出したときには、ストアフロントをさまざまな言語に翻訳するリソースがチーム内にありませんでした。サポート対象地域での売上を伸ばすために、チームはまずヨーロッパの主要通貨であるユーロと英ポンドを有効にしました。その後、エンタープライズがさらに高度になったのに合わせて、Ursa Major Solar は言語のローカライズを追加しました。

価格リスト

ストアフロントに特定の通貨を有効にすると、価格リストを使用して商品にその通貨での価格を割り当てることができます。価格リストは、特定のグループに対して特定の商品に特定の価格を割り当てるもので、その取引先グループに属するすべての購入者はストアフロントでそれらの商品と価格を参照できます。価格リストと取引先グループを厳密に管理することで、特定の通貨をどの購入者が使用できるかを制御できます。

たとえば、Ursa Major Solar のフランスでの最大手の太陽光発電部品再販業者が米国企業によって買収されました。この再販業者は、すべての売上を米国にある本社に報告するようになりました。そのため、財務チームは米ドルでグローバル売上を報告する必要があります。Ursa Major Solar はこの再販業者の取引先グループに割り当てられた価格リストを変更して、ユーロではなく米ドルを使用するようにしました。

さまざまなグラフが表示されているコンピューターが置かれたデスクの横に立っている Ursa Major Solar のシステム管理者。

ユーザー固有のローカライズ

ストアフロントでサポートするロケールと通貨を指定するのに加えて、購入者に権限を付与して、認証済みの購入者が個別にストアフロントで使用したい言語や通貨を選択できるようにすることができます。購入者は [マイアカウント] ページの [連絡先情報] セクションを使用して言語と通貨の設定を自分で管理できます。

ストアフロントのアカウントに登録していないゲストユーザーの場合、Salesforce B2B Commerce では次の設定を評価して表示する言語と通貨が決定されます。

  1. ユーザーの Web ブラウザーによって定義されたロケール。
  2. ストアフロントのコミュニティのサイトゲストユーザーレコードで定義されたロケール。
  3. ストアフロントで指定されたデフォルトのロケール。

また、ストアフロントで、認証済みユーザーとゲストユーザーがストアフロントを閲覧中にロケールを変更できるウィジェットを有効にすることもできます。 

まとめ

Salesforce B2B Commerce には、世界中のさまざまな利用者のために商品データやその他のビジネスに不可欠なストアフロントコンテンツをローカライズするのに必要なツールがすべて揃っています。海外の購入者との信頼を築くことで、組織は新しい市場への拡大を成功させることができます。

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