Winter '26 の開発ライフサイクルの新機能を確認する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- DevOps Testing を設定して、テストアセットの管理、品質ゲートの定義、結果の分析を 1 つのプラットフォーム内で実行する。
- Agentforce テストセンターを DevOps Testing に組み込んで、AI エージェントを実装する前に検証する。
- ApexGuru インサイトを適用してアンチパターンを検出し、Apex コードのパフォーマンスを最適化する。
- DX インスペクターを使用してメタデータの変更を監視し、ドリフトを検出して環境管理を向上させる。
- フローテストを実行して結果を取得する。
- Agentforce DX コマンドとデバッグツールを使用して、AI エージェントを構築してテストし、最適化する。
DevOps Testing でソフトウェアのテストライフサイクルを合理化する
Salesforce の DevOps Testing 製品の正式リリースに伴い、AI を活用したテストと品質保証が DevOps Center に直接組み込まれました。このソリューションがすべてのテストアセットの信頼できる一元的な情報源になるため、複数のツールやプロバイダーにまたがるテストアセットを管理する必要がなくなります。リリースマネージャー、テスト担当者、アーキテクト、その他の関係者の効果的なコラボレーションが可能になり、Salesforce のテストツールとパートナーのテストプロバイダーの統合、品質ゲートの定義、テストスイートの実行、テスト結果の分析をすべて一元的なプラットフォーム内で実施できます。
DevOps Testing を使用すれば、テストの手順が標準化され、本番での問題が減少し、質の高いリリースが可能になるため、アプリケーションライフサイクル管理 (ALM) プロセスが強化されます。この機能は Salesforce ネイティブとサードパーティの両方のテストスイートをサポートするため、コードの検証やテストワークフローの自動化の柔軟性が高まります。こうした連携は、テスト手法、テストの自動化、高質なコードの確実なデリバリーに取り組むアーキテクトや開発者にとって特に重要です。
この機能は、Professional Edition、Enterprise Edition、Performance Edition、Unlimited Edition、Developer Edition の Lightning Experience で使用できます。DevOps Testing を使用するためには、ユーザーに「DevOps Testing Manager」または「DevOps Testing User」権限セットのほか、DevOps Center へのアクセス権と権限が必要です。この設定は簡単です。AppExchange から DevOps Testing 管理パッケージをインストールして、[Setup (設定)] → [DevOps Testing] に移動すれば、テストアセットの管理、スイートの実行、結果の分析を開始できます。
チームが DevOps Testing をパイプラインに統合すれば、テストを効率化し、本番でのエラーを軽減して、Salesforce のすべてのリリースで高い品質基準を維持できます。
Agentforce テストセンターを DevOps Testing に統合する
Agentforce テストセンターが DevOps Testing に統合され、AI エージェントのテストを直接 DevOps パイプラインに組み込めるようになりました。このインテグレーションにより、アーキテクトやリリースマネージャーは、エージェントのテストアセットの実行方法の決定、テストの割り当てと実行、品質ゲートの設定、結果の分析をすべて一元的なプラットフォーム内で行うことができます。エージェントテストを DevOps Testing に組み込めば、実装する前に AI エージェントが意図するとおり動作するか確認できるため、エラーが軽減し、本番システムに対する信頼性が高まります。
こうしたインテグレーションによってテストの自動化などのテスト手法が AI ドリブンのエージェントに拡張されます。アプリケーションライフサイクル管理 (ALM) プロセスの一環である継続的インテグレーションや品質ゲートが強化され、リリース前に AI エージェントがパフォーマンスや正確性の標準を満たしていることを確認できます。
この機能は、2025 年 6 月から Professional Edition、Enterprise Edition、Performance Edition、Unlimited Edition、Developer Edition の Lightning Experience で使用できます。このインテグレーションを活用すれば、AI エージェントの検証を既存の DevOps ワークフローに組み込んで、テストを合理化し、品質保証を強化し、AI 導入の高い水準を維持できます。
ApexGuru を使用してコードを最適化する
Apex コードの最適化とパフォーマンスの向上を目的とするアンチパターン検出機能である ApexGuru が Salesforce に搭載されました。ApexGuru は、ループ内の SOQL クエリや非効率なクエリ条件などコーディングの一般的な問題を特定し、アクション可能なおすすめを提示してコードの効率性を高めます。また、負荷のかかる文字列操作、不必要なデバッグステートメント、その他のパフォーマンスのボトルネックを強調表示して、クリーンでスケーラブルな Apex コードを記述できるようにします。
ApexGuru は、コーディング標準を適用し、ガバナ制限の問題を防ぐという方法で、質の高いコードのデリバリーを促進します。この結果、プラットフォームの静的コード分析機能が向上し、本番にリリースされるコードのパフォーマンスとスケーラビリティの両面が最適化されます。この機能は特に、大量のデータや複雑なビジネスロジックを処理するため、非効率なクエリによってシステムパフォーマンスに多大な影響が及ぶ可能性がある組織に役立ちます。
ApexGuru は、Unlimited Edition Full Sandbox、Signature、Scale Test のユーザーに追加費用なしで正式リリースされます。ApexGuru にアクセスするには、[Setup (設定)] で [Scale Center (スケールセンター)] に移動し、[Scale Insights (スケールインサイト)] を選択してから [ApexGuru Insights (ApexGuru インサイト)] を開き、アンチパターンの検出と推奨される最適化を確認します。
DX インスペクターを使用して組織のメタデータを追跡する
Sandbox やスクラッチ組織内のメタデータの追跡や視覚化の強化を目的とする最新の管理ツールである DX インスペクターが Salesforce に導入されました。DX インスペクターは、組織全体のすべての変更を示す一元的なビューで、メタデータの変更の詳細を確認し、環境の状態を簡単に監視することができます。DX インスペクターでメタデータのドリフトを特定し、複雑なリリースに関するインサイトを表示すれば、アプリケーションライフサイクル管理 (ALM) のベストプラクティスが促進されます。
スクラッチ組織ページの上部から [DX Inspector (DX インスペクター)] パネルにアクセスできます。ここから、作業している組織をすばやく特定し、[Changes (変更)] タブでメタデータの変更を確認できます。不要なときはこのパネルを非表示にできるため、ワークスペースを整然とした状態に保ちながら、必要に応じてメタデータの詳細情報に簡単にアクセスできます。
この機能は、Lightning Experience からアクセスするスクラッチ組織で、「アプリケーションのカスタマイズ」権限を有するユーザーが使用できます。DX インスペクターを使用すると、メタデータを適切に管理し、環境管理を効率化して、予期しない変更によってリリースの問題が生じるリスクを軽減できます。
Salesforce CLI のフローテストの向上
Salesforce CLI バージョン 2.85.7 で、コマンドラインから直接フローテストを実行して確認する強力な手段が導入されました。新しい logic run test コマンドと logic get test コマンドを使用すれば、Apex テストとフローテストの両方を一度に実行できます。--tests フラグが拡張され、FlowTesting.<flow-test-name> という形式でフローテストを指定できます。また、新しい --test-category フラグを使用すると、テストの範囲を絞り込むことができます。テストを非同期で実行すればフィードバックをすぐに取得でき、--synchronous フラグを使用すれば結果をすぐさま表示できます。
こうした更新により、Apex とフローの全体で一元的なテストフレームワークが構築され、フローテストを自動化されたテストスイートまたは品質ゲートの一部として DevOps Testing に追加できるため、フローのデバッグと検証をこれまで以上に迅速、明確、効率的に実施できます。
詳細は、「Salesforce CLI Release Notes (Salesforce CLI リリースノート)」を参照してください。Salesforce では、毎週水曜日に安定性のある CLI の新バージョンを公開しています。このページは最新の更新、機能強化、修正の信頼できる情報源です。
Agentforce DX の最新の機能強化を確認する
Agentforce DX に大幅な機能強化が実施され、CLI と VS Code の両方の拡張機能で AI エージェントの作成、開発、テストがサポートされます。agent preview コマンド (現時点ではベータ) を除くほとんどの Agentforce DX コマンドが正式リリースされ、エージェントを効率的に開発してテストワークフローに統合できるようになりました。
また、agent create や agent test run などの Agentforce DX コマンドがすべて、ジャストインタイム (JIT) としてマークされます。つまり、agent コマンドを実行すると、Salesforce CLI で、関連付けられているプラグインがインストールされているかどうかが自動的にチェックされ、必要に応じてインストールされるため、設定効率が高まり、開発者の負担が軽減します。
Agentforce DX のテストやデバッグ機能も強化されています。agent preview コマンドでは、VS Code で有効なエージェントと実際にやり取りし、ステートメント、質問、コマンドに対するエージェントの応答を観察できます。新しい --apex-debug フラグを指定すると、会話メッセージで Apex コードが実行されるたびに Apex デバッグログファイルが生成され、このファイルを Apex Replay Debugger で使用できます。このため、エージェントとのやり取りの中で実行された Apex コードをトラブルシューティングや最適化できるため、エージェントのパフォーマンスとコード全体の品質が向上します。
agent generated test-spec コマンドが更新され、テスト用の YAML ファイルの作成時に追加の入力が求められるようになりました。テストケースにカスタム評価を追加する場合は、エージェントの応答が特定の条件を満たしているか検証することができます。定型の会話履歴を追加する場合は、テストの発言に至るまでのやり取りをシミュレーションすることができます。また、テスト結果に、呼び出されたアクション (Apex クラス、フロー、Salesforce オブジェクトなど) に関する詳細な JSON データを追加できます。この情報は、CLI コマンドの --verbose フラグを指定するか、VS Code の [Show Generated Data (生成されたデータの表示)] 設定で確認できます。
最後に、Agentforce DX を使用すれば、エージェントをこれまで以上に簡単に管理できます。CLI コマンド (agent activate/agent deactivate) を使用するか、VS Code のコマンドパレットで直接エージェントを有効または無効にできるため、ユーザーがエージェントをすぐさま使用可能または使用不可にすることができます。
上記の機能強化により、AI エージェントの実装におけるデバッグやテストのエクスペリエンスが総じて向上し、高品質のコードを確実にデリバリーするためのベストプラクティスが促進されます。今後は、エージェントの動作と基盤となる Apex ロジックの両方に対する詳しいインサイトを得たうえで、エージェントを構築、テスト、最適化することができます。
この機能は、Agentforce DX CLI バージョン 2.85.7 以降と、Agentforce DX for VS Code バージョン 1.1.1 以降で使用できます。
まとめ
この単元では、開発ライフサイクルの効率化とコード品質の向上を目的に設計された最新の Salesforce ツールと機能強化を確認しました。アーキテクト、開発者、リリースマネージャーがこうした機能を組み合わせれば、質の高いリリースを維持し、エラーを軽減して、Salesforce プラットフォーム全体で従来のワークフローと AI ドリブンのワークフローの両方を自信をもって管理できます。
リソース
- Salesforce ヘルプ: Streamline Your Software Testing Lifecycle with DevOps Testing (DevOps Testing を使用したソフトウェアのテストライフサイクルの合理化)
- Salesforce ヘルプ: Integrate Agentforce Testing Center with DevOps Testing (Agentforce テストセンターと DevOps Testing の統合)
- Salesforce ヘルプ: Optimize Code with Apex Guru (Apex Guru を使用したコードの最適化)
- Salesforce 開発者ブログ: Get AI-Powered Insights for Your Apex Code with ApexGuru (ApexGuru で Apex コードに関する AI によるインサイトを取得)
- Salesforce ヘルプ: Access Scratch Org Metadata Quickly (スクラッチ組織のメタデータにすばやくアクセス)
- Salesforce ヘルプ: 最新の Salesforce CLI の機能強化の把握
- Salesforce ヘルプ: 最新の Agentforce DX の機能強化の把握
- 開発者: Build Agents with Agentforce DX (Agentforce DX を使用したエージェントの構築)
- Trailhead: Agentforce DX を使用してエージェントを作成する