カレンダーと行動の作業の効率化
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 営業担当がセールスプロセスを通して業務を効率的に遂行できるようにするカレンダー機能を特定する。
- 担当者にとって便利なものになるようにカレンダー設定をカスタマイズする。
- 営業担当が効率的に販売できるように Salesforce オブジェクトでカレンダーを使用する方法を理解する。
カレンダーと行動の作業の効率化
Salesforce 以外では、カレンダーも行動 (イベント) も単純明快な機能です。率直に言って、ちょっとつまらないと感じることもあります。他方 Salesforce では、カレンダーや行動を駆使して従業員のビジネス目標の達成を後押しすることができます。さらに、他のどの標準カレンダーツールよりも効率的にチームがコラボレーションできます。では、担当者がカレンダーや行動を使用して業務を要領よく進めていく方法を見てみましょう。
カレンダーをカスタマイズする
営業担当はオブジェクトカレンダーを使用して、商談や ToDo などの特定のレコードに関連するマイルストーンを表示できます。たとえば、Lance には今月成立させたい重要な商談がいくつかあります。そのため、これらの商談の ToDo を期限内に完了させ、効率的なやり方で自分のクライアントを優先したいと考えています。Lance は、完了予定日に基づいて、予定されているすべての商談の日付を表示するオブジェクトカレンダーを作成することにします。
カスタム行動リストビューの作成
システム管理者の Maria は、担当者がまずオブジェクトカレンダーの基になるカスタムオブジェクトやリストビューを作成してから、オブジェクトカレンダーをカスタマイズできるようにしようと考えます。Erin や Lance などの担当者がリストビューを使用すれば、1 つのビューに多数の行動をリスト表示できるため、1 日の計画や過去の行動の確認がしやすくなります。さらに、カスタムリストビューを作成して、取引先責任者、リード、その他のデータポイントに基づいて行動を確認することもできます。
担当者にとって使いやすい定義済みリストビューが用意されており、これらは変更なしで使用できます。
- 私の最近の行動
- 私のチームの最近の行動
- 私のチームの今後の行動
- 私の今後の行動
- 今週の新規
- 最近表示
- 今日の予定
担当者は、これらの (大半の) リストビューに表示する項目を調整することや、自分にとって特に重要なデータに絞ったリストビューにカスタマイズするための出発点としてこれらの項目を使用することができます。
Maria は担当者の作業を簡便にするために、担当者全員が使用できるカスタムリストビューも作成しました。
カレンダービューのカスタマイズと組み合わせ
担当者はリソースカレンダー、公開カレンダー、ユーザーリスト、ユーザーカレンダーなどを追加して、カレンダーに表示される内容を決めることができます。そして、ビューを調整してドリルダウンできるようにします。また、ユーザーリストに対応可能状況ビューを使用すると、各チームメンバーにとって都合のよい時間を合わせやすくなります。担当者が行動プレビューカードの行動コンパクトイベントレイアウトをカスタマイズすれば、本人にとって最も重要な行動項目を表示できます。
スケジュールをすばやく簡単に表示する方法として、ユーザーリストカレンダーを対応可能状況ビューと組み合わせることが考えられます。では、この 2 つを組み合わせることで、Lance と Erin の作業がしやすくなるところを見てみましょう。2 人は数社の大手クライアントを担当し、業務を分担しています。さらに、コア営業チームの他のメンバーとともに、現行のクライアントや見込み客のオンサイト評価などの任務も行っています。こうした評価の際は Lance と Erin が客先に出向き、他のクライアントに対応できなくなるため、評価をスケジュールするときは少なくとも半日確保しておく必要があります。
通常はチームの管理スタッフである Howard がオンサイト評価をスケジュールします。評価時は、Lance と Erin のほかに、2 人のソーラーパネル技術者と機材を運ぶトラックが必要です。Howard は、クライアントとの電話を保留中に全員の空き時間が一致する日を見つけられるように、各人のカレンダーを自分のビューに迅速に追加する方法を求めています。Maria は Howard が評価を手早くスケジュールできるように、ユーザーリストを設定してユーザーリストカレンダーを追加します。
ユーザーリストカレンダーの有効化
では、Howard のスケジュール業務を簡便にするために、Maria がカレンダー設定をどのように処理するのか見てみましょう。次の活動を設定しやすくするために、まず営業担当用の公開グループを作成します。最初に [Setup (設定)] に移動します。
- をクリックして [設定] をクリックします。[設定] ページが新しいタブで開きます。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Groups
(グループ) と入力し、[Public Groups (公開グループ)] を選択します。 - [New (新規)] をクリックします。
- [Label (表示ラベル)] に
Sales Reps
(営業担当) と入力します。
実際の組織の場合は、具体的なユーザーをグループに追加します。ここでは、そのまま保存します。 - [Save (保存)] をクリックします。
続いて、営業担当の新しいユーザーリストを作成します。
- [クイック検索] ボックスに
Users
(ユーザー) と入力し、[ユーザー] を選択します。 - [新規ビューの作成] を選択します。
- [View Name (ビュー名)] に
Sales Team
(営業チーム) と入力します。 - [Restrict Visibility (表示の制限)] で [Visible to certain groups of users (特定のユーザーグループに表示)] を選択します。
-
[Group: Sales Reps (グループ: 営業担当)] を選択して、[Add (追加)] をクリックします。
自動プロセスユーザーやプラットフォームユーザーなどのデフォルトユーザーもユーザーに表示されるため、デフォルトユーザーをこのリストビューから削除する検索条件を追加します。
- [Save (保存)] をクリックします。
新しいユーザーリストをカレンダーに追加する前に、もう 1 つすべきことがあります。設定の有効化です。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに
「活動」
と入力し、[活動設定] を選択します。 - [Lightning Experience のカレンダービューにユーザーリストを追加] を選択します。
- [Submit (送信)] をクリックします。
これで、担当者がカレンダーのサイドパネルにある [他のカレンダー] セクションで [カレンダーを追加] オプションを選択すると、[カレンダーを追加] ダイアログボックスのオプションにユーザーリストが表示されます。
ユーザーがユーザーリストを追加すると、[他のカレンダー] セクションにそのリスト上のすべてのユーザーが表示されます。このリストは、スケジュールを設定する各自のニーズに応じてオン/オフを切り替えることができます。そのため、Howard が Erin と Lance のカレンダーを含むユーザーリストを追加した後は、クライアントとの電話中にすばやく評価をスケジュールして、セールスプロセスをスムーズに進行させることができます。
Maria は担当者がユーザーリストカレンダーを最大限活用できるように、対応可能状況ビューについて通知します。担当者は、日表示の列にある表示可能なすべてのカレンダーを見比べて、クライアントにとって都合のよい時間に応じたスケジュールを簡単に見つけることができます。
公開カレンダーを使用したチームのつながり
行動の中には、期限、マイルストーン、トレーニング、ネットワーキングなどチームで取り組むものがあります。まもなく開催されるグリーンエネルギー博覧会では新しい見込み客を多数獲得できる可能性が高いため、営業マネージャーの Lincoln はチームにこの博覧会に参加してもらいたいと考えています。また、太陽エネルギー技術に関する他のセミナーにもチームが参加できそうなものがいくつかあります。けれども、すでに多忙な担当者のスケジュールに予定を積め込み、販売が滞るようなことはしたくありません。Lincoln は Maria にチーム用の公開カレンダーを追加して、博覧会やセミナーなどのイベントをスケジュールできるようにして欲しいと依頼します。
Maria は次の手順に従って、Lincoln の営業担当用の公開カレンダーを設定し、チームのスケジュールを簡単かつ効率的に設定できるようにします。
- [Setup (設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Public
(公開) と入力し、[Public Calendars and Resources (公開 & リソースカレンダー)] を選択します。 - [Public Calendars (公開カレンダー)] リストで [New (新規)] をクリックします。
- [Name (名前)] に
Expos & Seminars
(博覧会とセミナー) と入力します。 - [有効] チェックボックスをオンにします。
-
[Save (保存)] をクリックします。
カレンダーが作成されましたが、営業担当グループがアクセスして、イベントを表示できるようにする必要があります。 - [共有] をクリックします。
- [Add (追加)] をクリックします。
-
[Group: Sales Reps (グループ: 営業担当)] を選択して、[Add (追加)] をクリックします。
[Calendar Access (カレンダーのアクセス権)] を [Show Details (詳細を表示)] のままにすると、営業担当グループが参照のみ可能になります。 - [Save (保存)] をクリックします。
公開カレンダーを設定し終えた Lincoln は担当者に、サイドパネルにある [Other Calendar (他のカレンダー)] 領域から各自のビューに新しい公開カレンダーを追加するよう指示します。担当者が他の行動に集中する必要のあるときは、公開カレンダーを非表示にして画面を整理できます。
行動を最大限に活用
各自のカレンダーがカスタマイズされて結び付けられたら、Maria は営業担当がスケジュールするために必要なものがすべて行動レイアウトに揃っていることを確認します。担当者には、被招集者の表示、一連の行動を使用した定期的な行動の作成、リマインダーの設定などを利用できるメリットがあります。
Einstein 活動キャプチャを使用して、Salesforce と Microsoft Outlook または Google カレンダー間で行動を同期した場合のメリットを確認してください。このいずれかの製品を使用した同期を組織に設定している場合は、Salesforce の行動の被招集者のみが招待状を受け取ります。
行動レイアウトの標準項目のうち、追加を検討すべきものを次に示します。他の項目を追加することや、独自の項目をカスタマイズすることもできます。
- 被招集者
- アラーム設定
- 繰り返し
被招集者の自動関連付け
担当者が簡単にスケジュールできるようにするもう 1 つの方法は、「被招集者を自動的に関連付ける」機能をオンにすることです。Lance と Erin はクライアントに関係する行動を作成することが多々あるため、取引先責任者レコードページの活動フィードにそうした行動が確実に表示されるようにしたいと考えています。「被招集者を自動的に関連付ける」機能を使用すると、担当者がミーティングに被招集者を追加でき、適切なレコードが自動的に [名前] 項目に追加されます。この機能を有効にするために、[ユーザーが複数取引先責任者を ToDo と行動に関連付けられるようにする] が選択されていることを確認します。前の単元ですでにこの選択を行ったため、被招集者を自動的に関連付けることができます。
リソースの設定
クライアントへのデモやその他の目的で会社がさまざまなツールを活用している場合は、Salesforce でそれらの項目をリソースとするカタログを作成できます。カタログは図書館のようなもので、項目を追跡できるほか、ユーザーがリソースをチェックアウトできます。
Lance はサイトを調査するために客先を訪問する予定があり、技術者が評価を実施するためのすべての工具や機材を運ぶトラックが必要です。Maria は次の手順でリソースを設定し、Lance などの担当者が、商品のデモやクライアントのニーズの評価を効率的に行うために必要なものを調達できるようにします。
- [Setup (設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Public
(公開) と入力し、[Public Calendars and Resources (公開 & リソースカレンダー)] を選択します。 - [Resources (リソース)] リストで [New (新規)] をクリックします。
- [Name (名前)] に
Demonstration Truck
(デモトラック) と入力します。 - [有効] チェックボックスをオンにします。
-
[Save (保存)] をクリックします。
以前と同様に、営業担当にこのリソースへのアクセス権を付与する必要があります。ただし、今回は営業担当がリソースをイベントに追加できるようにします。 - [共有] をクリックします。
- [Add (追加)] をクリックします。
- [Group: Sales Reps (グループ: 営業担当)] を選択して、[Add (追加)] をクリックします。
- [Calendar Access (カレンダーのアクセス権)] で、[Show Details and Add Events (詳細の表示、新規行動の追加)] を選択します。
- [Save (保存)] をクリックします。
これで、Lance と Erin がオンサイト評価に必要なトラックを自動的に行動に追加できるため、後は技術者が倉庫に取りに行くだけです。
任意の場所から新規行動を作成
担当者の役に立つ次なるツールはグローバルアクションです。グローバルアクションを設定すると、担当者が商談や Salesforce の他の標準オブジェクトからすばやく行動を作成できます。たとえば、Lance が何か月も連絡をしていなかった商談を見つけたとします。
取引先責任者が詳しい説明を聞きたがっているとメモに書かれていたため、Lance はフォローアップの目的でミーティングをスケジュールしようと考えます。行動にグローバルアクションを設定すると、Lance や他の担当者が商談や Salesforce の他の標準オブジェクトからすばやく行動を作成できます。その結果、担当者がセールスプロセスの商談を今まで以上にスムーズに進行させることができます。Maria は次の手順で設定します。
- [Setup (設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Global
(グローバル) と入力し、[Global Actions (グローバルアクション)] を選択します。 - [新規アクション] をクリックします。
- [Target Object (対象オブジェクト)] で [Event (行動)] を選択します。
- [Label (表示ラベル)] に
Quick Meet
(クイックミーティング) と入力します。 -
[Save (保存)] をクリックします。
ここでレイアウトを簡素化すれば、営業担当がイベントを迅速に作成できます。 - [Description (説明)]、[Name (名前)]、[Related To (関連先)]、いずれかの [Blank Spaces (空白スペース)] の削除アイコン () をクリックします。
-
[Save (保存)] をクリックします。
後からレイアウトを調整したくなった場合は、アクションの [Edit Layout (レイアウトを編集する)] をクリックするだけです。ここでこのボタンはミーティングを作成するためのものであるため、[Subject (件名)] に事前入力します。 - [Predefined Field Values (定義済み項目値)] の [New (新規)] をクリックします。
- [Field Name (項目名)] に Subject (件名) と入力します。
- [Formula Value (数式の値)] に
"Meeting"
("ミーティング") と入力します。
必ず引用符を付けます。 - [Save (保存)] をクリックします。
Maria はこのアクションを、新しいミーティングを簡単に追加できると便利なレイアウトの任意の場所に追加できます。たとえば、商談レイアウトなどです。
担当者によるカレンダーの操作性を高めるために、Maria はユーザーリスト、リソース、公開カレンダーを設定しました。そして、担当者に行動リストビューやカレンダービューのカスタマイズ方法を示し、担当者が時間を節約して、業務に優先順位を付け、簡単にコラボレーションできるようにしました。Maria はまた、行動レイアウトを改良し、担当者が本人にとって最も重要な情報を確認できるようにしました。