Salesforce で重複データの解決と防止を行う
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 一致ルールと重複ルールの違いを説明する。
- 標準一致ルールの機能を確認する。
- 一致ルールをカスタマイズするオプションを確認する。
- 一致ルールを作成する。
重複なしデータのルール
一致ルールと重複ルールは連動して、営業チームが重複のないデータで作業できるようにします。営業担当が新規レコードおよび更新済レコードを保存する前に、一致ルールと重複ルールは潜在的な重複を警告します。一致ルールと重複ルールは、[設定] で管理します。
では、一致ルールと重複ルールの違いは何でしょうか?
一致ルール
Salesforce で一致ルールがどのように機能するかを見てみましょう。
一致ルール
Salesforce で一致ルールがどのように機能するかを見てみましょう。
Salesforce では、法人取引先、取引先責任者、リード、個人取引先の最善の一致候補を返すように標準一致ルールを開発しました。次に、取引先責任者レコードとリードレコードに含める一致条件の例を示します。
他にも、重複を識別する方法が提供されます。たとえば、一部の取引先責任者には国コードのある電話番号が含まれます。このため、電話番号のあいまい一致を含めるカスタム一致ルールを作成します。1 つには国コードがあり、もう 1 つにはない場合でも、Salesforce は一致する電話番号を持つ取引先責任者に重複フラグを付けます。
取引先責任者およびリード項目 | 一致アルゴリズム | 特別な処理 | 例 |
---|---|---|---|
名 |
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レコードの [名] 項目と [姓] 項目にどちらも値が含まれている場合、データ入力ミスの可能性を考慮してこれらの値が転置されます。 | 名が Luis で姓が Antonio の場合、 一致ルールでは、名を Antonio、姓を Luis と評価します。 |
役職 |
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頭文字と正式な肩書を考慮します。 | 肩書が VP の場合、 一致ルールでは VP と副社長を考慮します。 |
町名・番地(郵送先) |
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住所はセクションに分割され、セクション単位で比較されます。各セクションには、独自の一致メソッドと一致スコアがあります。 セクションのスコアを加重して、項目に 1 つのスコアが求められます。この処理は、北米のデータに最適です。
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重複管理では、次の 2 つの住所を比較します。
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一致ルールの有効化
Salesforce では標準一致ルールを提供しています。Maria のように、Winter ’15 以前に Salesforce のインスタンスを確立した場合は、使用する標準ルールを有効化します。ただし、Maria がやりたいのは、取引先とリードに対してのみ標準一致ルールを有効にすることです。Maria は取引先責任者に関しては別のプランを持っており、これについてはこの手順の後に説明します。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに「一致ルール」と入力し、[一致ルール] を選択します。
- 取引先とリードのルールの横にある [有効化] をクリックします。
簡単ですね。
取引先責任者にカスタム一致ルールを作成
Maria は取引先責任者の [町名・番地(郵送先)] 項目にあいまい一致を含めたいと考えています。
また、営業担当に重複を作成させる代わりに、重複の作成をブロックしたいと考えています (これについてはこの手順の後に説明します)。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに「一致ルール」と入力し、[一致ルール] を選択します。
-
[新規ルール] をクリックします。
-
[取引先責任者] を選択します。
- ルールにわかりやすい名前「Custom Contact Matching Fuzzy Mailing Street (カスタム取引先責任者一致あいまい町名・番地(郵送先))」を付けます。他のシステム管理者が値を理解できるように、説明も追加します。
- Maria は一致条件を追加してから、一致ルールを保存して有効化します。
あいまいな町名・番地(郵送先) での重複のブロック
次に、重複ルールを使用したレコードの管理について詳しく説明します。一致ルールで潜在的な重複を識別する作業が行われた後、重複ルールでそれらの処理方法が決定されます。システム管理者は、営業チームが重複レコードを作成することをブロックするかどうか選択します。
営業担当に重複レコードを作成させるとします。営業担当が警告をスキップした後に作成した重複候補レコードを示すレポートタイプを作成できます。これらのレポートについては、後ほど詳しく説明します。
有効な一致ルールで何かを行う前に、重複ルールとペアにします。各重複ルールには最大 3 件の一致ルールを含めることができ、オブジェクトごとには最大 5 つの有効な一致ルールを含めることができます。
[町名・番地(郵送先)] 項目に SW Barnes Ave や Southwest Barnes Avenue などのバリエーションが含まれる場合、営業チームが重複を作成することを防ぎたいと考えています。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに「重複ルール」と入力し、[重複ルール] を選択します。
-
[新規ルール] をクリックして [取引先責任者] を選択します。
- 重複ルールの名前と説明を指定します。
- 重複の作成をブロックします。さらに、チームが取引先責任者を編集して重複が生成されることもブロックします。
- 前に作成したカスタム一致ルールを使用して、新規または更新された取引先責任者をすでに Salesforce に存在する取引先責任者と比較します。その後、重複ルールを保存して有効化します。
重複取引先およびリードの作成のレポート
Maria は、営業担当が取引先やリードの重複を作成することをブロックしません。そこで、Lincoln は取引先およびリードのデータの品質、および重複ルールがどの程度うまく機能しているかを確認したいと考えます。Lincoln をサポートするために、Maria はカスタムレポートタイプを設定します。Lincoln は、営業担当が重複候補レコード作成の警告をスキップした後に作成した取引先とリードのレポートを実行できます。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに「レポートタイプ」と入力し、[レポートタイプ] を選択します。次に、[新規カスタムレポートタイプ] をクリックします。
- 主オブジェクト、[取引先] を選択します。レポートタイプに名前を付けて、カテゴリに格納します。
- Maria は [重複レコード項目] を選択して、新たに作成された重複取引先レコードがレポートに表示されるようにします。その後、レポートタイプを保存します。
- ここで、ページレイアウトを調整できます。その後、リードについてこの手順を繰り返します。
重複なしの環境を作成することで、営業チームはベストを尽くすことができ、営業マネージャーはデータの品質を知ることができます。
リソース
一致ルールと重複ルールについての詳細は、次のリソースを参照してください。
- Salesforce ヘルプ: 標準一致ルール
- Salesforce ヘルプ: 標準重複ルール
- Salesforce ヘルプ: 一致ルールのカスタマイズ
- Salesforce ヘルプ: 一致ルール
- Salesforce ヘルプ: 重複ルール